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最終更新日:2018年4月15日
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全般 | 元素 | 速度 | 生物 | その他 |
リンク⇒こちら| 風化作用| 風化指標| 風化と地形| 風化と災害| |
元素の収支| Ca(カルシウム)| 元素の移動度| |
風化速度| 溶解速度| 浸食速度| |
有機酸| 樹幹流| |
野外と室内実験の比較| 活性化エネルギー| 風化抵抗性| exhumation(浸食作用による再露出)| |
風化または風化作用(Weathering)とは、主に大気の成分(Atmosphere Component)の酸素ガス(O2)と二酸化炭素(CO2)などが溶解した地表水〔Surface Water:雨水(Rainwater)や河川水(River Water)など〕による地表の鉱物(Mineral)・岩石(Rock)の溶解などの化学的な(Chemical)作用を意味する。化学的作用が主体であるが、水と鉱物の反応面積を大きくするという働きで物理的(Physical:機械的、Mechanical)作用も重要である。生物的(Biological)作用を独立させる研究者もいる。風化作用は、植物(Plant)などの生物(Organism)の働きと一緒になって、地表に土壌(Soil)を形成するという重要な役目を持つ。また、風化作用では大気中の二酸化炭素(CO2)を固体物質等に変えるという反応が主要であるため、地球温暖化(Global Warming)に関連して近年は特に注目されている。 浸食作用(Erosion、侵食作用)との区別は研究者により異なるが、このような化学的作用の強い風化作用と、物理的(機械的)な破砕(Fragmentation)や細粒化の作用によって浸食作用〔削剥作用(さくはくさよう、Denudation)という表現もよく用いられるが、これは風化作用と浸食作用を(場合によっては運搬作用も)合わせた作用を指すことが多い〕は進行する。 |
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全般 | 土壌/岩石・鉱物 | 化学組成 | 水 | その他 |
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風化作用 |
※風化作用(weathering)とは、岩石を構成する鉱物(mineral)が水および大気(主に酸素と二酸化炭素)との反応により地表環境条件下で安定な状態に変化する作用である。通常は、物理的(機械的)作用と化学的作用とに分ける。生物による作用を独立させる分け方もある。
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然 物 |
地球の陸 |
物理的風化作用(physical weathering) または 機械的風化作用 (mechanical weathering) 〔破砕(disintegration)が主〕 |
除荷作用(unloading、exfoliation、pressure
release) シーティング(sheeting) |
(圧縮応力の開放による膨張) | シーティングは除荷割れ目によるシート化。 | |
日射風化(insolation) 熱風化(thermal changes、thermal expansion and contraction) |
(太陽や野火からの熱による膨張と収縮) | 鉱物の熱膨張率の違いによる。 | ||||
乾湿風化(wetting and drying) スレーキング(slaking) |
水 | スレーキングは粘土鉱物の膨張と収縮による剥離。 | ||||
塩類風化(salt weathering) | 塩類 | 塩類の晶出による。 | ||||
凍結破砕作用(frost shattering、freeze-thaw weathering、frost action、ice wedging) | 水−氷 | 相変化に伴う膨張と収縮。 | ||||
生物による作用(biological weathering) | (植物の根や土壌動物からの力) | |||||
化学的風化作用 (chemical weathering) 〔分解(decomposition)が主〕 |
水和作用(hydration) | 水 | ||||
加水分解作用(hydrolysis)⇒酸性化−塩基性化作用 | 水 | |||||
溶解作用(solution、dissolution)⇒酸化−還元作用 | 水 | 日本ではdissolutionが使われるが、国外ではsolutionをよく用いる。 | ||||
炭酸化合(carbonation) | 二酸化炭素 |
主に大気中のガス。 石灰岩(CaCO3)との反応が特徴的。 炭酸塩化や炭酸飽和という用語があるが、風化作用には適しない(炭酸/炭酸塩の生成と消滅の両者を含むのがcarbonationであるから)。 |
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酸化−還元作用〔Eh〕 | 酸化作用(oxidation) | 酸素 | 主に大気中のガス | |||
還元作用(reduction) | 炭素や硫黄 | 炭素は生物由来、硫黄は黄鉄鉱由来 | ||||
酸性化-塩基性化作用〔pH:acidic-basic〕 | 酸性化作用 | 主に水からのH+など | 一般的にこのような用語は用いない。 | |||
塩基性化作用 | 主に水からのOH-など | |||||
生物による作用(biological weathering) | (植物や微生物からの有機物) |
菌類も主要な働きを行う。 キレート化やイオン交換反応などが主要。 |
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地球の海 | 主に化学的 | 海洋底風化作用(ocean floor weathering) | 海水 | |||
他の天体 | 主に物理的 | 宇宙風化作用(space weathering) | 太陽光・太陽風、宇宙線(太陽・銀河)、隕石・流星 | 惑星、衛星、小惑星、彗星など | ||
人工物 | 地球の陸 | 主に化学的 | 上記参照 | 上記参照 | 建造物など |
Lemke(HP/2011/5)による『Weathering Processes』から |
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歌田(1991)による〔『地球表層の物質と環境』(10-22p)から〕【見る→】 |
風化指標 |
Price & Velbel(2003)による〔『Chemical weathering indices applied to weathering profiles developed on heterogeneous felsic metamorphic parent rocks』(397p)から〕【見る→】 |
関(1998)による〔『土壌・風化帯の形成と水質変化』(639-646p)から〕【見る→】 |
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図−3 赤名花商岩の風化進行に伴う鉱物相変化 |
図−8 ノルム鉱物による風化鉱物相の変化 |
図−9 ノルム鉱物による鉱物相と溶脱率の変化 |
秦(1989/12)による『地学的自然としての花南岩地帯教材化の試み−花崗岩類深層風化殻の場合−』から |
風化と地形 |
日本大学大学院理工学研究科地理学専攻の藁谷岩石風化・地形研究室(HP/2011/5)による『岩石風化・地形』から |
風化と災害 |
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地質情報整備活用機構による『表層崩壊について』および『深層崩壊について』(HP/2018/4/15)から |
『マサ』と『マサ土』は異なる。 マサ:風化花崗岩 マサ土:分離して堆積⇒崩壊 |
元素の収支 |
カルシウム |
元素の移動度 |
風化速度 |
図1. 世界の中規模〜大規模流域における、起伏と気候(植生も含む)に関係する物理的(機械的)削剥速度と化学的削剥速度の一般的な範囲(Einsele, 1992による) 小規模流域では、削剥速度は岩型により大きくコントロールされる可能性があるので、図に示された値からかなり隔たることがある。トン/km2/年単位の運搬速度は、平均岩石密度2.5 トン/m3を用いて削剥速度(mm/1000年またはm/100万年)に換算されている。 |
図3. 主に温暖気候帯での、岩型の種類により異なる化学的削剥速度(Einsele, 1992による) 蒸発岩(岩塩、硫酸塩岩)、炭酸塩岩、炭酸塩質岩、火成岩、変成岩、珪質砕屑性堆積岩の岩種によって削剥速度の大きさが桁で異なることに注意。 |
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福岡(2004)による〔『流域スケールの風化速度と浸食速度』から |
溶解速度 |
浸食速度 |
近藤(HP/2010)による『第12話 災害と水文学 -地盤災害-』から |
〔経済産業省 資源エネルギー庁 放射性廃棄物対策室による放射性廃棄物ホームページの『高レベル放射性廃棄物処分について(詳細版)』の中から〕 |
有機酸 |
樹幹流 |
野外と室内実験の比較(風化速度) |
活性化エネルギー |
風化抵抗性 |
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exhumation |