Sverdrup & Warfvinge(1995)による〔『Estimating field weathering rates using laboratory kinetics』(534,535p)から〕


表20 G1流域に見られる土壌の0.5mに対する、鉱物当りの風化速度(keq ha-1yr-1)。土壌はそれぞれの鉱物100%からなると仮定し、PROFILEで計算したもの(土壌組織は1.3mill.m2m3で、スウェーデン森林野外組織分類4級に相当し、土壌水分は0.25m3m-3)。鉱物はPROFILEで示される風化しやすさの順に並べた。

鉱物
100%当り、0.5m土壌深度でのCa+Mg+Na+K放出速度(keq ha-1yr-1

方解石
アパタイト
エピドート
ホルンブレンド
輝石
アルバイト
斜長石
ガーネット
緑泥石
黒雲母
バーミキュライト
カリ長石
白雲母

82.00
17.00
8.80
2.63
2.06
1.68
1.34
1.16
1.05
0.93
0.56
0.48
0.30

表21 見かけの野外での風化速度と比較した場合に、条件の違いが室内実験で決定した風化速度(溶解速度)に与える影響。多くの場合に見落とされる要因は、部分的な濡れ、温度差、生成物抑制効果である。

要因 風化速度への影響 風化速度への影響の累積
野外での生成物抑制効果
(野外ではAlや塩基などが溶解反応を妨害する)
2-5培増加 2-5
野外/実験の温度差
(室内実験温度に比べて野外の温度は低い)
2-10培増加 4-50
野外での鉱物の部分濡れ
(野外では土壌中の鉱物表面が必ずしも水と接していない)
4-10培増加 16-500

表22 見かけの野外での風化速度と比較した場合に、実験条件の違いが室内実験で決定した風化速度(溶解速度)に与える影響。多くの場合に見落とされる要因は、部分濡れ、温度差、生成物抑制効果、バッファー効果である。さらに不正確な実験定数を使うことで、混乱が増す。

要因 風化速度への影響 風化速度への影響の累積
実験室での、バッファーの影響 2-5培増加 2-5
実験室での、新しく粉砕した鉱物の使用 2-10培増加 4-50
実験室での、CO2の過剰供給 2-15倍増加 8-750

表23 土壌溶液成分の違いが風化速度に与える影響のまとめ

物質 影響
H+ 増加
Al3+ 減少
Ca2+,Mg2+,Na+,K+ 減少
CO2 増加
有機酸 増加