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土壌とは(Soil)

最終更新日:2018年12月17日

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土壌の定義
土壌の成因
土壌の分類
土壌図黒ボク土
土壌断面
土性
水ポテンシャル
土壌温度
土壌の化学組成
陽イオン交換
土壌有機物
土壌呼吸
土壌微生物
黄砂
レゴリス
赤土
永久凍土

 土壌(Soil)は、風化作用(Weathering)生物の働きにより、主に鉱物(Mineral)生物体(Biomass:有機成分、Organic Constituent)から形成される。生物〔Organism:特に植物(Plant)の存在が必須であるために、地球以外には存在しない。鉱物は地表に存在する岩石(Rock)の構成物である。陸上では、狭義の土壌はほぼ平均して1メートル以下程度の厚さしかないと予想されている。
 土壌の生成(Soil Formation、Pedogenesis)には、母材(Parent Material)・気候(Climate)・地形(Topography)・生物(Biological Factor)・時間(Time)の5つの要因(Soil Forming Factor)が大きく影響する。これに、人為(Humans)を加える場合もある。
 土壌は、植物の生育には必須であり、農業(Agriculture)林業(Forestry)には欠かせない。また、地表における生態系(Ecosystem)にとっても重要である。さらに、地表付近における有害物質(Hazardous Material)シンク(Sink)の一つでもあり、地下水(Groundwater)への影響も大きい場合がある。

 【類似物質】

  • 堆積物(sediment):水や大気などの流体(一部は氷などの固体も)の作用によって形成された固体物質。一般に、砕片が層状の集合体を作る。
  • レゴリス(regolith):硬い岩盤の表面の柔らかい部分(層)を指すことが多い。土壌およびその他の類似物を総称して用いられる。さらに、月の表面の物質を表現する時は、レゴリスと呼ばれる。
  • サプロライト(saprolite):化学風化岩であるが、生物の影響の無い場合に、土壌と区別して用いられることが多い。
  • サプロペル(sapropel):有機物に富む暗色の堆積物であり、海洋堆積物に対して用いられることが多い。
土壌(soil)の定義

1985|−|1989|−|1997

【1997】

【1989】

【1985】

土壌の成因

2010

※土壌生成(Soil Formation、Soil Evolution、Pedogenesis)を行なう土壌生成作用は、風化作用(Weathering)生物(Organism)の働きが加わったものである。風化作用のみでは土壌は生成されないが、風化作用が基本的に重要である。
 風化作用とは、鉱物〔Mineral:地殻中の岩石(Rock)を構成する〕大気成分〔Atmospheric Constituent:特に二酸化炭素(Carbon Dioxide)酸素ガス(Oxygen Gas)(Water)との相互作用(Interaction)を指す。実質的には、大気起源の二酸化炭素や酸素ガスが溶解した水(水溶液)が鉱物と反応して起こる作用であり、次のような反応により大気中二酸化炭素を鉱物として固定する反応が主体である。
珪酸塩鉱物〔Silicate Mineral(一次、Primary)CO2H2O炭酸塩鉱物(Carbonate Mineral)↓+珪酸塩鉱物〔Silicate Mineral(二次、Secondary)〕〔粘土鉱物(Clay Mineral)が主体〕↓+酸化鉱物〔Oxide Mineral(二次、Secondary)〕〔鉄の水酸化物(Fe-hydroxide)が主体〕↓+H2O

 土壌生成作用において重要な因子は、母材(Parent Material:基盤岩など)気候〔Climate:気温(Temperature)や降水量(Precipitation Rate)など〕地形(Topography:傾斜など)時間(Time)生物(Biological Factor)の5つであるので、これを5大土壌生成因子(Soil Forming Factor)と呼ぶ。これ以外に、人為(Anthropogenic Process)を加えて6大因子と呼ぶこともある。

【2010】

土壌の分類

1985|−|2003|−|20102011

※土壌の分類は、国によって特徴があるために国ごとに行われてきたが、体系的に整備されたものの代表が米国によるSoil Taxonomyである。近年は、世界的に共通に使えるものが国連FAOを中心に整備されてきている。
 日本では、農地を対象とした分類と森林地を対象とした分類の2つが並行して整備されてきていたが、現在統一化の努力が行われている。

【2011】

【2010】

【2003】

【1985】

土壌図

20042005|2006|2007|2008|2009

【2009】

【2007】

【2005】

【2004】

黒ボク土

20072008|−|2011

黒ボク土とは「黒色で軽くて砕け易い土壌」の意味であり、日本に特徴的なもので、「暗い土」から「Ando soil」〔アンドソイル、アンドソル(Andosol、Andosolsと世界的に呼ばれる。主に火山灰を母材とし、腐植(⇒腐植土を多く含む。アロフェンallophaneやアルミナ酸化アルミニウムゲルに富み、生成する難溶性リン酸アルミニウムは植物のリン酸欠乏症を起こす。従来、火山灰土壌/腐植質アロフェン土とも呼ばれていた。
 メタハロイサイト(⇔halloysite)・Al-バーミキュライト・ギブサイトギブス石などからなる(アロフェンを含まない)、非火山性黒ボク土も存在する。【リンクはウィキペディア】

【2011】

【2008】

【2007】

土壌断面

20102011

※土壌化は地表面から深部に向かって進行する。従って、地層のように層状構造を形成するが、その断面を図で表現することが多く、土壌断面(Soil Profile)と呼ぶ。
 最上部の有機物層(Organic Layer:主に植物などの生物による)O層(O Horizon)と呼び、以下A〜C層(A Horizon 〜 C Horizon)と呼ぶ。それらの下部の新鮮な基盤岩はR層(R Horizon:Rock Layer)と呼ぶ。A層が最も典型的な土壌であり、生物由来の有機物が多く混じる。B層は、A層から移動した成分を特徴とする土壌であり、有機物も含む。C層は有機物を含まない風化層である。従って、狭義の土壌はO層とA層とB層を指す。広義ではC層も含める。なお、森林地ではO層は厚いが、草地では薄いか欠損する。

【2011】

【2010】

土性(どせい、Soil texture)

2011

【2011】

水ポテンシャル

1997

【1997】

土壌温度

2011

【2011】

土壌の化学組成

1989

【1989】

陽イオン交換

1997

【1997】

土壌有機物

1985|−|1997

【1997】

【1985】

土壌呼吸

1992

【1992】

土壌微生物

1997|−|2010

【2010】

【1997】

黄砂

20102011

【2011】

【2010】

レゴリス

2010

【2010】

赤土

2003|−|2016

【2016】

【2003】

永久凍土

2013201420152016|2017|2018

【2018】

【2016】

【2015】

【2014】

【2013】


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