一國(1989)による〔4-5pから〕


 3 土の平均組成
 土の平均組成としてはBowen(1979)の与えたものが用いられている。この中にはPbのように都市の汚染された土のデータが入ったために過大と思われるデータも含まれる。土は岩石の風化で生成したものであるから、風化時の挙動が類似している元素群、たとえばRbとK、SrとCa、GaとAl、HfとZrなどは、地殻中の濃度比と土の中の濃度比は等しいとしてもよいであろう。このような小修正を施した結果が表2である。Pbについては、非汚染の土という意味で地殻のPb含量をそのまま採用した。なお、地殻の元素存在度はTaylor(1964)によった。
表2 土の元素組成a)(とくに示したもののほかはppm
元素 含量 元素 含量 元素 含量 元素 含量 元素 含量 元素 含量
Li 25 Cl 100 Ga 13 In 1 Tb 0.7 Bi 0.2
Be 0.3 K 1.4% Ge 1 Sn 4 Dy 5 Th 9
B 20 Ca 1.5% As 6 Sb 1 Ho 0.6 U 2
C 2.0% Sc 7 Se 0.4 I 5 Er 2  
N 2000 Ti 5000 Br 10 Cs 4 Tm 0.6
O 49% V 90 Rb 60 Ba 500 Yb 3
F 200 Cr 70 Sr 140 La 40 Lu 0.4
Na 5000 Mn 1000 Y 40 Ce 50 Hf 3
Mg 5000 Fe 4.0% Zr 140 Pr 7 Ta 1
Al 7.1% Co 8 Nb 10 Nd 35 W 1.5
Si 33% Ni 50 Mo 1.2 Sm 4.5 Hg 0.06
P 800 Cu 30 Ag 0.05 Eu 1 Tl 0.2
S 700 Zn 90 Cd 0.35 Gd 4 Pb 12
a) Bowen(1979)による。ただし、斜体の数値は本文中に述べた理由により修正してある。



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