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岩石の種類(Classification of Rocks)

最終更新日:2017年1月22日

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全般 火成岩 変成岩 堆積岩

その他
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岩石全般
鉱物組成
相律
岩石の物理的性質
火成岩
ボーエンの反応系列

花崗岩球状花崗岩

玄武岩安山岩デイサイト・流紋岩
変成岩 堆積岩
炭酸塩岩(石灰岩)
岩石磁気⇒こちら
岩石の密度
岩石名の由来

 天然(Nature)では、自然環境条件〔Natural Environmental Condition:特に温度(Temperature)圧力(Pressure)元素濃度(Element Concentaration)など〕に応じて、決まった鉱物組合せ(Mineral Assemblage)からなる岩石(Rock)が形成されている。通常は、火成岩(Igneous Rock)変成岩(Metamorphic Rock)堆積岩(Sedimentary Rock)に大別する。
 火成岩は、一度熔融した状態のマグマ(Magma)から主に冷却によって形成されたものであり、その化学組成(Chemical Composition)ケイ酸成分〔Silica Content、SiO2:多いものを酸性岩(Acidic Rock)、少ないものを塩基性岩(Basic Rock)と呼ぶ〕および形成深度〔Depth:これは、鉱物の粒径(Grain Size)などに影響する:浅い場所で生成したものは火山岩(Volcanic Rock)、深いと深成岩(Plutonic Rock)と呼ぶ〕の違いによって細分類される。例えば、酸性岩の深成岩は花崗岩(かこうがん、Granite)と呼ばれ、大陸地殻(Continental Crust)の代表的岩石であり、一方、塩基性岩の火山岩は玄武岩(げんぶがん、Basalt)と呼ばれ、海洋地殻(Oceanic Crust)の代表的岩石である。火成岩においては、マグマからの各鉱物の晶出順番を示すボーエン(またはボーウェンの反応系列(Bowen's Reaction Series)が重要である。これは、各鉱物(珪酸塩鉱物)における結晶構造の規則性と関連している。
 変成岩は、地表にあった岩石が地下に埋没し、温度と圧力の上昇によりその環境条件で安定な新たな鉱物が一部または全部に生じたものであり、もとの岩石の種類は問わない。現在では、それぞれの安定条件に特有の鉱物組合せから、変成相(Metamorphic Facies)という概念を用いて変成条件を示すことが多い。さらに、プレート運動(Plate Movement)との関連から変成作用の経路に沿った変成相系列(Metamorphic Facies Series)という概念も使われる。
 堆積岩は、砕屑岩(Clastic Rock)生物岩(Organic Rock)化学沈殿岩(Chemical Precipitation Rock)に分けることが多い。最も典型的なものは砕屑岩であり、いわゆる風化作用(Weathering)・浸食作用(Erosion)・運搬作用(Transporation)・堆積作用(Sedimentation)によって形成される代表的なものである。主に風化・浸食作用によって、ボーエンの反応系列の最初の方で晶出する鉱物は溶解・分解され、石英(Quartz)長石(Feldspar)の一部が残りやすい。そのため、鉱物の種類よりも粒子の大きさ(Size)の方が特徴的となる。一般に2ミリメートル以上(Gravel)2〜1/16ミリメートル(Sand)1/16ミリメートル以下(Mud)と呼ぶ。これらは堆積物に対する名称である。粒子が互いに固結していない状態が堆積物(Sediment)であるが、これらはやがて地下への埋没に伴う温度・圧力の上昇によって固結して(硬くなって)堆積岩となる。先の名称の後に岩を付けて、それぞれ礫岩(Conglomerate)砂岩(Sandstone)泥岩(Mudstone)のように呼ばれる。なお、この堆積物を堆積岩に変える作用を続成作用(Diagenesis)とよぶ。砕屑岩に、火山起源の物質が多く混じると火山砕屑岩(Pyroclastic Rock:略して火砕岩)と呼ばれる。例えば、火山灰(Volcanic Ash)が多いと凝灰岩(Tuff)となる。ただし、火山砕屑岩を火成岩に分類する研究者もいる。生物岩の例は石灰岩(Limestone)などであり、化学沈殿岩の例は蒸発岩(Evaporite)などであるが、この両者を分けることが難しい堆積岩もあるチャート(Chert)など〕
逝去された岩石学者

氏名

逝去年

病名

享年(歳)

備考死去ネット:岩石学
坂野昇平 先生 2008年8月   75 死去ネット
都城秋穂 先生 2008年7月   87 死去ネット(地質学)
ウィキペディア
八木健三 先生 2008年7月   94 死去ネット
ウィキペディア
小島丈児 先生 2006年6月   89 死去ネット
久野 久 先生 1969年8月   59 死去ネット
ウィキペディア

岩石全般

1975|−|2010

【2010】

【1975】

鉱物組成

1971|−|1984

 地殻(大陸地殻の上部ないし表層部)を構成する鉱物について見積られた例は多くないが、以下のように長石〔斜長石(plagioclase、NaAlSi3O8〜CaAl2Si2O8)とカリ長石(K-feldspar、KAlSi3O8)および石英(quartz、SiO2が最も多い。上記の表記法にならえば、長石族〔斜長石系列とカリ長石グループ(表記法不明)および石英(種)である。

【1984】

【1971】

相律

2010

【2010】

岩石の物理的性質

2010

【2010】

火成岩

1975|−|1997|−|20102011

 火成岩の分類では、一般に、横軸にシリカ(silica、二酸化ケイ素)成分SiO2をとり、縦軸に生成深度粒径をとる。シリカが多くて粗粒(径数mm程度)なものは、大陸地殻の代表的な岩石である花崗岩(地下でゆっくりと冷えて形成された深成岩の一種)であり、シリカが少なくて細粒(粒子が肉眼で判別しにくい程度)のものは、海洋地殻の代表的な岩石である玄武岩(地表付近で速く冷えて形成された火山岩の一種)である。
 マグマから鉱物が晶出する順序はおおよそ決まっており、比較的シリカ成分の少ないものほど早期に晶出するが、火成岩を構成する鉱物の晶出順序を最初に明らかにしたBowenの業績を称え、これはボーウェンの反応系列(Bowen's reaction series)と呼ばれる。シリカ成分の量は構成鉱物の種類と密接に関連している。

【2011】

【2010】

【1997】

【1975】

ボーエンの反応系列

20102011

 カナダの岩石学者のノーマン・ボウエン〔ボーウェン、Norman L. Bowen(1887 - 1956)〕が、マグマから(冷却に伴って)鉱物が晶出する順序をまとめたもの。
 かんらん石(olivine)輝石(pyroxene)角閃石(amphibole)黒雲母(biotite)のように、まったく結晶構造の異なる鉱物へと変化していく不連続系列と、斜長石(plagioclase)のCaに富むものからNaに富むものへのように、結晶構造は同じだが組成の異なるもの(固溶体という)へと変化していく連続系列の2つの系列が並列して進み、最後には白雲母(muscovite)カリ長石(K-feldspar)石英(quartz)が主体となる。〔リンクはウィキペディア〕

【2011】

【2010】

花崗岩

1977|−|19971998|−|2001|−|20042005|−|2010

 花崗岩は、大陸地殻を構成する代表的な火成岩深成岩)であり、主な構成鉱物長石斜長石および正長石(カリ長石))・石英黒雲母である。
 日本では、1977年に石原が提唱した『磁鉄鉱系列』と『イルメナイト(チタン鉄鉱)系列』に区分することがある。これはマグマから花崗岩が生成するときの条件(酸化還元)の違いによっている。『磁鉄鉱系列』が酸化的であり、『イルメナイト系列』が還元的である。世界的には、Iタイプ・Sタイプ・Aタイプ・Mタイプのような区別が用いられているが、とくにチャペルとホワイト(1974)によるIタイプとSタイプの区別がよく用いられている(こちらを参照)。
 花崗岩が風化によって土砂状態になったものは『マサ』と呼ばれる。これは漢字では『真砂』であらわされることが多いが、『まさご』と読むと、一般的な意味としては『細かい砂』をさすことが普通である。従って、これらは区別する必要がある。『マサ』に土を加えて、真砂土(まさど、まさつち)のような表現は、風化花崗岩から形成された土壌を意味する。(リンクはウィキペディア)

【2010】

【2005】

【2004】

【2001】

【1998】

【1997】

【1977】

球状花崗岩

1977|−|2014|2015|2016

 『地学事典』(平凡社)によれば、球状花崗岩(orbicular granite, ball granite)(青木斌・野沢保の両氏による)とは、『構成鉱物が同心球状に層状配列した球状体の群集を含む花崗岩。球は、ふつうは楕円体状あるいは多少不規則な閉じた外形をもち、径数cmから30cmくらいの場合が多い。(以下略)』とされている。
 マグマ中に周囲の岩石塊
(コア)が取り込まれ、強度の熱変成作用を受けた結果、球状の層状構造を呈するものである。コアの周りにマグマから特定の鉱物が成長していると考えられるものもある。コアが同心円状の組織を示す場合は、コアの断面は変成度の違いに応じた鉱物組み合わせ(外側ほど高変成作用を受けている)になっており(さらにマグマから成長した層が見られることもある)、原岩は堆積岩の場合が多いと予想される。コアが同心円状を示さない場合は、原岩は火成岩の場合が多いと予想される。いずれも原岩は捕獲岩である。コアの周囲の岩石は、マグマが深部で固まったもので、深成岩である花崗岩の場合が多い。他の深成岩でも同様の組織が形成される。球状花崗岩という名称は主として、周囲の岩石が花崗岩質である場合に使われているが、コアの部分も花崗岩質の場合のみをこのように呼ぶこともある。しかし、球状部分の大きさがそろっている場合は、コアの原岩の大きさもそろう必要があり、そのメカニズムを説明できなければならない。従って、球状を示すのは、捕獲岩のせいではなく、マグマからの晶出のときにすべての鉱物が成長したためと考える研究者もいる。このような場合は、マグマから早期に晶出する鉱物(ボーウェンの反応系列を参照:かんらん石など)を核として球状に晩期に晶出する鉱物が取り囲むことが考えられる。

【2016】

【2014】

【1995】

玄武岩

1989|−|1997

【1997】

【1989】

安山岩

1989

【1989】

デイサイト・流紋岩

1989

【1989】

変成岩

1975|−|1997|−|2004|−|2010

【2010】

【2004】

【1997】

【1975】

堆積岩

1975|−|1997|−|2010

 一般的な堆積岩は、構成鉱物の組合せは限られているが粒径の変化が大きいので、粒径particle size、grain sizeに応じて分類される。(1/2)n〔nは整数、下図のφに等しい〕のように粒子が細粒化されることを前提として分類されている〔Wentworth scale/Udden-Wentworth scale(Krumbein phi scale)。とくに2mm1/16mmと1/256mm〔堆積物では、(boulder-cobble-gravel/pebble-granule)(sand)シルト(silit)粘土(clay)のそれぞれの境界:シルトと粘土を合わせて(mud)とも呼ぶ:堆積岩では、それぞれ礫岩(breccia-conglomerate)砂岩(sandstone)シルト岩(siltstone)粘土岩(claystone)のそれぞれの境界:シルト岩と粘土岩を合わせて泥岩(mudstone)とも呼ぶ〕が分類の境界値として用いられている。

【2010】

【1997】

【1975】

炭酸塩岩(石灰岩)

2000|−|2003|−|2011

【2011】

【2003】

【2000】

岩石の密度

2005

【2005】

岩石名の由来

1978

【1978】


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