ホーム地球科学一般地質学関連鉱物学関連

変成作用とは(Metamorphism)

最終更新日:2017年1月23日

リンク変成帯変成相UHPMシュライネマーカースの束熱水変質

 岩石(Rock)を分類する(Classify)場合に、最初に火成岩(Igneous Rock)変成岩(Metamorphic Rock)堆積岩(Sedimentary Rock)のように3つに分けるが、この変成岩を生成する作用(Action)を変成作用(Metamorphism)と呼ぶ。自然界(Nature)における温度(Temperature)と圧力(Pressure)の上昇(Rising)により、地表にあった何らかの岩石の構成鉱物の一部または全部が、新たな条件の下で安定な別の鉱物に変化した場合にそれを変成岩と呼ぶが、その形成の過程を指す。
 主にプレート運動(Plate Movement)によって地表付近にあった岩石が地下へ埋没する(Bury)と、地熱(Geothermal)による温度の上昇と上部に被さる岩石の荷重(Rock Load:静岩圧、Lithostatic Pressure)やプレート運動(Plate Movement)での応力(Stress)などによる圧力の上昇を受けるが、その過程で変成作用を生じることが多い。
 変成作用プレート運動の履歴(History)を変成岩に記録(Record:一番強い記録しか判読できない場合が多い)として残している場合があるので、変成岩変成作用の研究から、プレート運動によって地殻(Crust)がどのように形成されてきたかを復元することが行われている。

リンク

全般 変成度 変成組織 その他
リンク
変成岩

変成作用

組織・機関
雑誌

メーリングリスト
変成相/変成相系列/変成帯
P-T-t path

UHPM(超高圧変成作用)

低変成度
変成組織/構造 変成流体

花崗岩

シュライネマーカースの束
交代作用コルジンスキー
変質作用

【リンク】

【変成岩】

【変成作用】

【組織・機関】

【雑誌】

【メーリングリスト】

【変成相/変成相系列/変成帯】

【P-T-t path】(変成作用の圧力−温度−時間経路)

【UHPM】

【低変成度】

【変成組織/構造】

【変成流体】

【花崗岩】

【シュライネマーカースの束】

【交代作用】(変成作用では、水を主とする揮発成分以外は、基本的に出入りしないが、一般的に物質の出入りがある場合は交代作用と呼ぶ。例えば、スカルンでは交代作用がなければ鉱床は生成しない。)

【コルジンスキー】(Korzhinskii:開放系での交代作用などを研究。コルジンスキーの鉱物学的相律が知られている。)

【変質作用】

変成帯

2010

 広域変成岩(regional metamorphic rocks)の成因はプレートテクトニクスに基づいて解釈される。それにより、高圧低温型低圧高温型変成帯(metamorphic belt)が対になって存在する理由も説明されている。
 一方、接触変成岩(contact metamorphic rock:熱変成岩、thermal metamorphic rock)はマグマの近辺においてのみ形成され、動力変成岩(dynamic metamorphic rock)は断層(fault)内部にのみ形成される。

【2010】

変成相

2004|−|2010|2011|2012

 変成岩は、変成作用の重要な要因である温度圧力の違いによって区別される。特定の温度・圧力条件下では、特定の鉱物の組合せが安定なため、それぞれ固有の鉱物を含む変成岩となりやすい。それぞれの固有の変成岩は、指標となる鉱物名などを用いた変成相(metamorphic facies)名で表わされる。実際には、鉱物組合せだけでなく化学組成も異なるため、それらを詳しく調べることで、生成した温度・圧力条件を決定できる場合が多い(地質温度計・地質圧力計という)。また、適当な放射性元素を含んでいれば、その母と娘の同位体組成を測定することにより、その半減期から生成年代を決定できる(放射年代という)。これらのデータがそろえば、含まれる岩石の時間と空間における変化の経路を決めることが可能であり、それは地殻変動を明らかにするための情報を与える。このような変化の経路はプレート運動と関連しており、世界的にはいくつかの系列を示す場合が多く、これらは変成相系列(metamorphic facies series)と呼ばれる。

・1bar(バール)=106dyn/cm2=105N/m2=105Pa(パスカル)
・1 M(メガ)Pa=106Pa=10bar=0.01 kb(キロバール:1キロバールはほぼ1000気圧に等しい)
・1 G(ギガ)Pa=109Pa=104 bar=10 kb
・静水圧(hydrostatic pressure)では、10 km深度で約1 kbとなる。また、密度3(g/cm3程度の鉱物から構成される地殻での静岩圧(lithostatic pressure、overburden pressure)では、10 km深度で約3 kbとなり、平均地殻厚さ30 kmの地殻の底では約9 kbとなる。

【2012】

【2010】

【2004】

UHPMUltra High Pressure Metamorphism

2001|−|2004|−|2007|−|2012

 UHPMUltrahigh-pressure metamorphism、超高圧変成作用)とは、一般にコーサイトcoesite、化学式SiO2が出現する程度の高圧条件の変成作用に対して言う。形成深度は平均的な大陸地殻の最深部よりも大きいため、上部マントルの環境条件についての情報をもたらす。それは、ダイヤモンドdiamondの生成環境の一部と重なる。【リンクはウィキペディア】

【2012】

【2007】

【2004】

【2001】

シュライネマーカースの束

1984|−|2012

 相平衡図(相図、座標軸としては温度・圧力・化学成分のうちの2つを用いるのが一般的)を作成するために、変成岩を対象とする場合にはシュライネマーカースの束の理論(Schreinemakers' Pencil Theorem、Schreinemakers' Analysis、Schreinemakers' Bundle、Schreinemakers' Method:【注】Schreinemaker'sとされている場合があるが、間違い)がよく用いられる。基本は、相図の不変点から周囲へ伸びる線群を、熱力学データを利用して計算のうえ表示することである。シュライネマーカース(Schreinemakers, F. A. H.)による研究結果は1915〜1925年頃に公表されているが、ゼン(Zen, E-an)が1960年代以降に、彼の一連の研究成果の公表の過程で紹介してから、一般的に適用した研究が増えた。

【2012】

【1984】

熱水変質

2004|−|2009|−|2012|2013|2014

 変質作用とは、通常は熱水による変質作用を指す。主に天水による風化作用とは区別することが普通である。ただし、地下では地熱により地下水も温度が高く、温泉水(熱水)との区別が困難な場合が多い。従って、厳密には変成作用の非常に弱い場合との識別はできない。また、通常の温度勾配に起因する温度の高い条件下で、堆積物は堆積岩へと変化しており、その作用は続成作用と呼ばれているが、これも一般には変質作用に含めない。
 鉱床は熱水の働きにより生成するものが多く、金属鉱床非金属鉱床も周囲に変質帯が形成されることがあり、これは鉱床の成因に熱水変質作用が大きく関わっていることを意味している。
 海洋底においては、海嶺や沈み込み帯やホットスポットなどの火成作用(地表近くでは火山作用)が生じている周辺で、大規模な変質作用が生じている。

【2014】

【2012】

【2009】

【2004】


ホーム