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■第1回(10/4)【配付プリント】
- 参考書を図書館で探したいときは、広島大学附属図書館のOPACで検索します。例えば、『地球科学』を検索すると約170種類の本があることがわかります。その中で、出版年が古くないもの(少なくとも1980年代後半から1990年代以降のものがよい)を選んで、実際に現物を見て自分にあった本を何か一冊通して読まれることを薦めます。
《注》
(1)近年、地球科学分野の研究の進歩は速いので、古いものは避けたほうが良い。地球科学分野の最大のモデルである『プレートテクトニクス・モデル』は、世界的には1967年頃に体系化されたが、日本に導入されたのは1980年代である。それ以来、モデルの適用により、従来の考え方が大きく変わってきているので、少なくとも1980年代後半以降のものの方が初心者には適している。ただし、これより古いと価値がないという意味ではない。
(2)最初に読む本としては、地球科学全般を説明した内容のものが良い。
(3)図書館以外でも、例えば大きな書店では地球科学(および地球環境学)関係のコーナーを覗けば、最近出版された代表的な本が並んでいるので、自分にあったものを選ぶと良い。ただし、良書が必ずしも売れる訳ではないので、余程大きな書店以外では、いわゆる良い本を入手するのは簡単ではない。また、文庫または新書版であると、そちらのコーナーにしか置いてないこともあるので注意。
(4)インターネットなどで代表的な書店等のホームページ(こちらを参照)の情報から選んで注文するのも手である。
(5)インターネットから各種情報を入手できるので、インターネットの利用の仕方に慣れると、様々な情報を得ることができるようになる。
例えば、
インターネットによる情報探索の試み(富山大学附属図書館による)
その他はこちらを参照。』
■第2回(10/11)【宇宙の中の地球(福岡)】【配付プリント】
- 『宇宙・天文関連』のページを参照。とくに『宇宙論とは』のリンクなど。
-
- ビデオ@『ビック・バンと宇宙の誕生』(18分)〔NHKビデオ教材:大宇宙3〕
『@アンドロメダ銀河
銀河系に最も近い隣の銀河が、アンドロメダ銀河である。230万光年の距離にあり、直径10万光年、質量は太陽の2,000億倍である。渦巻銀河でわが銀河系とよく似ている。77度傾いているので、斜め横方向から見た形になっている。
A渦巻銀河
渦巻銀河NGC1566で、4,500万光年の距離にある。わが銀河系も円盤に垂直な方向から見るとこのような形をしている。渦巻銀河の星数」は1,000億〜1兆個ほどで、他の形の銀河と比較して、数が多い。
B棒渦巻銀河
棒渦巻銀河NGC1,300。7,300万光年の彼方にある。渦巻形と比較して数は少なく質量も小さい。銀河中心部から棒状に腕が出て、その先端から渦状腕が伸びている。現在の有力な説は、他の銀河の接近によって生じた潮汐力で棒渦巻形になったと言う。
Cクエーサー
1960年に発見された不思議な天体である。スペクトルの赤方偏移が異常に大きい。クエーサー3C273は20億光年の彼方にある。電波・赤外線・X線で莫大なエネルギーを放出する。現在の有力な説は若い活動的な銀河と考えられている。
Dハッブルの観察
エドウィン・ハッブルは銀河系宇宙の研究を進め、1929年膨張宇宙とハッブル常数を発表した。アンドロメダ星雲などの脈動変光星を調べ、多数の銀河の距離を知り、」さらにこれらの銀河のスペクトル分析で赤方偏移を発見、学説を発表した。
E宇宙の膨張とその始まり
ジョージ・ガモフは膨張宇宙の初めは「火の玉・ビッグバン」であると最初に発表した。1946年のことである。10億度の高密度中性子から膨張が始まった。膨張宇宙だけでなく、元素の生成も考えた。宇宙に「宇宙放射」の存在予言もした。
F宇宙背景放射の観測
ガモフの予言した宇宙放射は1965年ウィルソンらによって発見された。ホーン形アンテナで雑音源を探しているなかで、宇宙のあらゆる方向からやってくる弱い電波として発見された。3K放射(Kは絶対温度)である。
G宇宙の誕生から銀河の形成
200億年前に超高温・超高圧で、一点から膨張した宇宙は、急速に温度が低下する。膨張開始10万年後は4,000度。3分後は10億度。10万分の1秒後は1兆度、誕生後10のマイナス35乗秒で、宇宙は無限に熱い一点から始まった。
H膨張し続ける宇宙
現在は宇宙の膨張を示す証拠のみである。しかし、銀河や銀河団など質量の推量で理論と測定値の隔たりが多い。今までの天文学は「光るもの」だけが注目されてきた。観測にかかりにくい「ダークマター」の質量が膨張宇宙の寿命を左右する。
I収縮し続ける宇宙
ダークマターの質量が多いと、その重力によって宇宙は膨張を止め収縮に転じる。銀河は互いに接触し、中心に巨大なブラックホールを生じる。ついには、そのブラックホールも合体し、宇宙は一点に向かって収縮を始めると言われる。』
-
- ビデオA『宇宙の大構造』(19分)〔NHKビデオ教材:大宇宙4〕
『@ハッブルのアンドロメダ銀河観測
パロマ山天文台のヘール望遠鏡。ハッブルは脈動変光星セファイドの観測・分析を続け、初めてアンドロメダ銀河が90万光年の位置にあることをつきとめた。この距離は230万光年に訂正されている。
A遠い銀河
遠い銀河はきわめて暗い。望遠鏡の集光力の向上が、これらの遠い銀河の発見に効果を発揮した。NGC253・M83・NGC2997など。
B星数ほど多い銀河
宇宙背景放射は宇宙のどの方向にも一様である。CCD超高感度カメラの利用ができるようになって分かったのは、銀河の数が1,000億あり、しかも紐状に群れていることである。
C棒渦巻銀河形成のコンピュータ・シミュレーション
銀河の分布を調べると、星と星の分布に比べ、意外に近い。そのために接近したり衝突するものが出てくる。コンピュータ・シミュレーションで2つの渦巻銀河の接近を実験したが、6億年後には棒渦巻銀河に変わった。
D局部銀河群とおとめ座銀河団
銀河の光をスペクトル分析をすると、物質として最も量が多い水素のスペクトルが目立つ。この目印で各銀河の赤方偏移を求め、各銀河の空間的位置を求める。その結果銀河は、数10個の銀河群、数100個の銀河団、1,000個以上の超銀河団を形成している。
E宇宙の大構造
調査の結果、6億光年の範囲にある銀河の分布は奇妙な偏りをみせて並んでいた。まるで紐や壁のようにつながり、ところどころに、ほとんど銀河の存在しない空間(ボイド)が見える。
F泡宇宙
宇宙の大構造は、石鹸の泡の群れ(表面に銀河が集まる)のような構造を見せている。泡の中はボイドと呼ばれ銀河が無い。直径の大きなものは、1億5,000万光年にも及んでいる。宇宙がこのような構造を示している理由は、ビック・バンの後のゆらぎや銀河の互いの重力作用によるとの説がある。
G局部銀河群の運動
わが銀河系やアンドロメダ銀河を含む銀河の集まりは局部銀河群をつくっている。この銀河群の運動は、おとめ座銀河団に引き寄せられている。また、おとめ座銀河団はうみへび・ケンタウルス座超銀河団に引き寄せられている。
Hグレイトアトラクター
詳しい研究によると、うみへび・ケンタウルス座超銀河団は、わが銀河系から1億4,000万光年離れた距離にある巨大な引力源に引き寄せられている。巨大な銀河の群れを調べると、大きな円盤の形が浮かぶ。グレイトアトラクターである。
I銀河分布シミュレーション
一様な銀河分布に「ゆらぎ」を与え、重力の影響をコンピュータに入力すると、過去・現在・未来の銀河の分布が画かれる。60億年後、銀河が集まり始め、200億年後は現在の分布に近く、1,800億年後は超銀河のみに画かれている。』
-
- ビデオB『太陽圏(ヘリオスフィア)』(16分)〔NHKビデオ教材:大宇宙1〕
『@原始太陽系の誕生
今から50億年前、銀河系の片隅に巨大なガスとチリの収縮が進み、原始太陽系が誕生した。太陽中心の核融合反応、チリとガスから9個惑星が生まれた。
A太陽表面像
太陽表面の姿は水素の出す特別な光やX線で観測すると、特有な現象を見ることが出来る。粒状斑・プロミネンス・フレアーなどの微細なようすが知られる。
B黒点
黒点の大きさは地球がらくに入るほどで、強い磁場のために太陽内部の対流が遮られ温度が低い。11年の周期で増減を繰り返している。
C粒状斑
太陽表面に表れる対流で、1つの大きさは1,000 kmほどもある。上昇流の部分は白く下降流の部分は暗いので、粒状に見える。
Dプロミネンス
太陽を水素の光だけで見ると、炎のように太陽表面から水素のガスが吹き出して見える。これをプロミネンスという。黒点の周囲に表れ、大きいものは地球の数10倍もある。
Eフレアー
太陽の内部から特別に烈しくエネルギーの湧き出している、帯状の部分で周囲より高温である。大きなフレアーが発生すると、まもなく地球に磁気嵐がやってくる。フレアーの温度は2,000万度で、光球面の温度より数1,000度高い。
F太陽活動の変化
太陽の活動には烈しい時代と穏やかな時代のあったことが知られている。樹齢2,000年の巨木ブリッスルコーンペインの年輪や、各地の歴史上の気候の記録を調べると、17世紀は、地球が寒冷で太陽が衰弱していたことが分かった。
G月の石と太陽活動
地球から38万km離れた月面から月の石が採集された。月には大気がないので太陽が放射する粒子は、強いエネルギーのため石にキズをつける。1.5万年前に太陽は今の40倍も活発に活動していたことが知られた。
H皆既日食とコロナ
月が太陽をかくす皆既日食のときにコロナが見える。美しい真珠色の輝きは太陽の表面から流れ出た太陽風の姿である。温度は100万度で、陽子や電子の飛び交うプラズマの世界である。
I太陽風
太陽風はコロナの一部で、約450km毎秒の速さで四方八方に流れだしている。太陽系の惑星空間は、この太陽風で満ちている。太陽風は高エネルギー粒子のプラズマなので、生物がこれにさらされると危険である。
J太陽表面のX線像
地球の大気圏外でX線で太陽を撮影すると、高温でX線を発する場所が分かる。白くループ状に見える部分が、活発に活動しているところで、暗い部分はコロナホールといわれて、太陽風が流れだしている場である。
K太陽圏(ヘリオスフィア)
太陽を中心に9個の惑星が公転する空間には、太陽風が流れている。しかし太陽風が流れている空間は、現在最も外側にある海王星より遠く、はるかに2倍以上の距離もある広大な空間に広がっている。この空間の広がりを太陽圏という。
L銀河宇宙線とその観測
太陽圏の外側は銀河系星間空間である。高エネルギーの銀河宇宙線が太陽風の流れを阻んでいる。18年前に地球から飛び立った宇宙探査機パイオニア10号が、70億kmの彼方で強力な銀河宇宙線を捉えている。
M太陽風と銀河宇宙線
太陽風が銀河宇宙線の進入を防いでいる。だが、太陽風の強さは一様ではないので、銀河宇宙線は地球にも進入してくる。銀河宇宙線は超新星の爆発など、太陽風とはエネルギーが桁違いに大きな宇宙現象で生じたものである。』
〔Calvin J. Hamilton氏によるViews
of the Solar Systemの中から〕
太陽と九つの惑星の大きさの比較。左から、太陽、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星。ただし、最近は冥王星を惑星からはずすことが多い。 |
-
■第3回(10/18)【地球の形・地球の内部構造(於保)】
- 『地圏について』のページを参照。
earth structure - The compositional and mechanical layers
of the earth.
〔Visionlearning,
Inc.によるViosionlearningの中の『Earth
Structure』から〕
固体地球は、主に化学的性質の違いから、核(core)・マントル(mantle)・地殻〔海洋地殻(oceanic crust)および大陸地殻(continental
crust)〕に分けられ、主に物理的性質(硬さ)から、内核(inner core)・外核(outer core)・メソスフェア・アセノスフェア・リソスフェアに分けられる。プレートと呼ばれるのはリソスフェアの部分であり、これは地殻+マントル最上部に相当する。 |
地球内部を伝わる地震波
PREMの地震波速度と密度・圧力・剛性率
〔東京大学地震研究所地震予知研究推進センターの『人工地震による地下構造調査』の『ちょっと一息』の中の『地球内部を伝わる地震波』から〕
地球内部構造は、主に地震波の観測から明らかにされてきた。地震波の速度は地球内部の物質の密度や剛性率などで変化し、その経路はそれら物質の種類や性質の違いに左右される。
地震波は3種類あり、P波(縦波)がもっとも速く、S波(横波)がそれに次ぎ、表面波はもっとも遅い。地球内部構造の観測には、前二者が用いられるが、そのうちS波は流体中では伝わらないため、外核が流体(溶融している)であることが判明した。 |
■第4回(10/25) 【大陸地殻と海洋地殻(福岡)】【配付プリント】
- 地殻とプレートの関係は、『地圏について』の『内部構造』のページを参照。
- 『プレート・テクトニクスとは』および『プルーム・テクトニクスとは』のページを参照。
- 〔参考〕ビデオ@『大陸移動』(14分)〔NHKビデオ教材理科(地学)〕
『@ ドイツの気候学者アルフレッド・ウェゲナーは、1910年壮大な大陸移動説を提唱した。ウェゲナーの考えた超大陸パンゲアを現在の大陸分布と比較して説明する。
A ウェゲナーの大陸移動説の根拠となった南アメリカとアフリカの海岸線の形の類似、南半球の氷河遺跡の分布と復元を見る。
B ウェゲナーのパンゲアと現代のパンゲア復元図を比較して示す。新しいパンゲアでは、北のローラシア大陸と南のゴンドワナ大陸の2つのブロックに分かれることをのべる。
C 次に、現代の新しい証拠の数々を紹介する。まず、南アメリカとアフリカの地質構造や古い岩石のつながりをとりあげ、両大陸がかつて接続していたことをのべる。
D ローラシア大陸では、4億年前のカレドニア造山帯が1つにまとめて復元できることを示す。
E ゴンドワナ大陸のうちの、南極大陸とオーストラリアでの造山帯のつながりを見る。
F パンゲア全体での造山帯や地層の年代のつながりを見る。
G 古地磁気上での移動の証拠についてのべる。地質時代の磁北極の移動経路は、各大陸で個々に調べると別のルートになるが、大陸がまとまっていたとすれば1つのルートになることを説明する。
H 海底での移動の証拠として、海底山脈の両側に海底の拡大を示す地磁気の縞模様があることをのべる。あわせて海底堆積物の微化石にもその証拠があることをのべる。
I 大陸移動の原動力として有名な仮説であるマントル対流について、シリコンオイルとパラフィンを使ったモデル実験で説明する。
J マントル対流の仮説などをもとに発展させられたプレート・テクトニクス理論を、アニメーションを用いて説明し、大陸移動のしくみがうまく説明できることをのべる。
K 最後に、将来も大陸移動がつづくならば世界地図はこう変わるだろうという予想図を示してしめくくる。』
- 〔参考〕ビデオA『プレート運動の理論』(30分)〔最新地球科学教育ビデオシリーズ 地球を探る 全26巻の第6巻〕
『この巻では、地震や火山活動、造山運動、海底拡大など、一見無関係に見える地質現象を、プレート境界でおこるプレートの相互作用という観点から統一的に理解することにつとめます。プレート運動の原動力となるマントル対流の様式、マントルから一筋の糸のようにわき上がってくる高温のプリュームなど、理論の基礎を解説します。』
-
プレート運動
プレートの動きと境界
〔文部科学省地震調査研究推進本部の『地震の基礎知識』の中の『地震発生のメカニズムを探る』から〕
プレート境界は次の3種:
- @離れあう(発散)…(例)海嶺〔海洋プレートと海洋プレートの境界:海嶺は海洋地殻が誕生する場である〕
- Aぶつかりあう(収束)…(例)沈み込み帯〔海洋プレートと大陸プレートの境界:沈み込み帯(海溝)は海洋地殻が地表から消え去る(マントルへ沈み込む)場である〕、造山帯〔大陸プレートと大陸プレートの境界:例えばヒマラヤ山脈などの巨大山脈の生成の場となる〕
- Bすれ違う…トランスフォーム断層と呼ばれる。上記@とAのスムーズな運動のために必要。
|
Figure 10h-2: Structure of the Earth's crust and top most
layer of the upper mantle. The lithosphere consists of the
oceanic crust, continental crust, and uppermost mantle. Beneath
the lithosphere is the asthenosphere. This layer, which is also
part of the upper mantle, extends to a depth of about 200 kilometers.
Sedimentary deposits are commonly found at the boundaries between
the continental and oceanic crust.
〔Michael Pidwirny氏によるPhysicalGeography.netの『FUNDAMENTALS
OF PHYSICAL GEOGRAPHY』の『CHAPTER
10: Introduction to the Lithosphere』の中の『(h).
Structure of the Earth』から〕
地殻(海洋地殻と大陸地殻)+マントル最上部=リソスフェア(プレート)。プレートの厚さは100〜150kmで、剛板(硬い板)のように振舞う。アセノスフェアは軟らかく(温度が高く、一部溶融しているらしい)、その上をプレートが滑るように水平移動する。 |
How Thick Is the Earth's Crust?
This contour map of the thickness of the Earth's crust was developed
from the CRUST 5.1 model. The contour interval is 10 km; we also
include the 45 km contour for greater detail on the continents.
〔USGSによるEarthquake
Hazardsの中の『The
Earth's Crust』から〕
大陸地殻の厚さは30〜40kmだが、70kmを越すところもある。一方、海洋地殻は10km以下。 |
■第5回(11/1)【地殻をつくる岩石と鉱物(福岡)】【配付プリント】
- 『岩石の種類』、『元素とは』、『鉱物の定義と分類』のページを参照。
- ビデオ@『火成岩の性質』(14分)〔NHKビデオ教材:理科(地学)〕
『〔ねらい〕
私たちの地球を形成する岩石の中でも最も基本的な火成岩について、でき方による種類のちがいと、造岩鉱物の組合せによる種類のちがいを、肉眼観察と顕微鏡観察を通じて理解させる。
〔内容〕
@ 火山の噴火の実際の姿を通して、マグマが冷却して火成岩ができていく様子を見せる。
A 火成岩の典型的な2つのでき方、すなわち、マグマが地表ではやく冷えてできる火山岩と、地下でゆっくり冷えてできる深成岩について説明する。
B 標本で、火山岩の代表的な3種(流紋岩・安山岩・玄武岩)を見せる。
C 同じく標本で、深成岩の代表的な3種(花こう岩・閃緑岩・はんれい岩)を見せる。
D 火成岩のでき方によるちがいを詳しく調べるためには、顕微鏡観察用の岩石薄片をつくる必要がある。その製作の過程を、順を追って紹介する。
E でき上った岩石薄片を偏光顕微鏡で観察する。深成岩の花こう岩と火山岩の安山岩のそれぞれの組織を比較して見せ、結晶の発達程度のちがいを示す。
F 火成岩の中には、半深成岩の中間的な岩石もあることを説明する。例として石英はん岩の標本と顕微鏡写真を見せる。
G 次に、火成岩には、花こう岩のような白っぽい岩石や、玄武岩のような黒っぽい岩石など、色のちがいがあることを示す。
H このような色のちがいは、造岩鉱物の組合せにもとづくことを説明し、代表的な造岩鉱物を無色鉱物と有色鉱物に分けて見せる。
I たて軸にでき方、よこ軸に造岩鉱物の組合せをとった火成岩の分類表を示し、いままでの学習のまとめをする。表に合せて、岩石の標本と顕微鏡写真の比較も見せる。
J これらの火成岩が私たちの身の回りにも広く利用されていることを、花こう岩でつくられた国会議事堂などを例にのべる。』
- ビデオA『堆積岩・変成岩の性質』(13分)〔NHKビデオ教材:理科(地学)〕
『〔ねらい〕
岩石の中には、マグマからできた初生的な成因の火成岩のほかに、二次的な成因をもつ堆積岩や変成岩がある。これらの岩石のでき方と種類を、肉眼観察と顕微鏡観察を通じて理解させる。
〔内容〕
@ 砂や泥が海底に水平にたまって、平行な縞もようをもつ地層を形成する。これが堆積岩のできはじめであることを、地層の露頭の様子を見せて説明する。
A 砂や泥の層は堆積して間もないうちはまだ軟らかい。その様子を、固まっていない砂の層をけずって確かめてみる。
B 地層は長い時間がたつと、続成作用によってしだいにかたい堆積岩になる。かたく固まった泥岩層でその例を説明する。
C ふつうの堆積岩の種類を、泥岩・砂岩・礫岩の順に標本で見せる。
D 泥岩と砂岩の組織を偏光顕微鏡で見せ、さらに両者を比較してその違いを示す。
E 火山灰や軽石が堆積してできた凝灰岩も堆積岩の仲間であることを説明する。
F 特殊な堆積岩の例として、生物の遺体が堆積してできた石灰岩とチャート、化学的沈殿岩である岩塩の標本を見せる。
G 変成岩のうち、広域変成岩の1つ・結晶片岩の特徴と性質を、埼玉県長瀞の有名な結晶片岩の露頭を例に説明する。
H 結晶片岩のいくつかの種類を標本で比較しながら見せる。
I 結晶片岩のしゅう曲構造を見せ、高い圧力がかかった結果できたことを説明する。
J 結晶片岩の組織を偏光顕微鏡で見せ、鉱物の配列が一定方向にそろっていることをわからせる。
K もう1つの広域変成岩・片麻岩の性質を説明し、結晶片岩とのちがいをのべる。
L 日本列島における広域変成岩の分布(変成帯)の特徴を、図を用いて説明する。
M 変成岩の中には、マグマの熱の影響でできる熱変成岩もあることを説明し、その例として大理石を見せる。
N 大理石中にはアンモナイトなどの化石が入っていることを、デパートの壁での観察を通して見せる。
O 堆積岩や変成岩も昔から私たちの生活の中で利用されてきたことをのべる。
- ビデオB『第12巻 鉱物』(30分)〔EARTH REVEALED(アース リビールド)《日本語版》 最新地球科学教育ビデオシリーズ 地球を探る 全26巻〕
『人類の文明の中で、鉱物は政治的、経済的および技術的発展における基本的な役割を果たしてきました。しかし鉱物を研究するおもしろさは、それが岩石の歴史を解明することにつながるからなのです。この巻では、鉱物の起源、分類、分析、用途について説明します。』
Figure 10e-1: The classification of igneous rocks.
This graphic model describes the difference between nine common
igneous rocks based on texture of mineral grains, temperature
of crystallization, relative amounts of typical rock forming
elements, and relative proportions of silica and some common
minerals.
〔Okanagan University CollegeのDepartment of GeographyのMichael
Pidwirny氏によるPhysicalGeography.netの『FUNDAMENTALS
OF PHYSICAL GEOGRAPHY』の『CHAPTER
10: Introduction to the Lithosphere』の中の『(e).
Characteristics of Igneous Rocks』から〕
火成岩の分類。横軸はシリカ(SiO2)成分の量で、左側ほど多い。シリカ成分が多い岩石を酸性岩、逆に少ない岩石を塩基性岩と呼ぶ。例えば、粗粒の鉱物(石英〔quartz〕・カリ長石〔K(potassium)-feldspar〕・斜長石〔plagioclase〕・黒雲母〔biotite〕など)から構成される花崗岩(granite)は酸性岩で、大陸地殻の代表的な岩石である。また、細粒の鉱物(斜長石・輝石〔pyroxene〕・かんらん石〔olivine〕など)から構成される玄武岩(basalt)は塩基性岩で、海洋地殻の代表的な岩石である。 |
- 地殻の岩石の平均的な鉱物組成(『Nesbitt
and Young, 1984』から引用、1534p)
|
A |
B |
C |
D |
E |
石英(quartz) |
21.0 |
25.4 |
24.42 |
23.2 |
20.3 |
斜長石(plagioclase) |
41.0 |
39.25 |
39.25 |
39.9 |
34.9 |
ガラス(glass) |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
12.5 |
正長石(orthoclase) |
21.0 |
4.57 |
8.6 |
12.9 |
11.3 |
黒雲母(biotite) |
4.0 |
15.29 |
11.23 |
8.7 |
7.6 |
白雲母(muscovite) |
0.0 |
9.77 |
7.61 |
5.0 |
4.4 |
緑泥石(chlorite) |
0.0 |
0.0 |
3.31 |
2.2 |
1.9 |
角閃石(amphiboles) |
6.0 |
0.0 |
0.0 |
2.1 |
1.8 |
輝石(pyroxenes) |
4.0 |
0.0 |
0.0 |
1.4 |
1.2 |
かんらん石(olivines) |
0.6 |
0.0 |
0.0 |
0.2 |
0.2 |
酸化鉱物(oxides) |
2.0 |
1.37 |
1.37 |
1.6 |
1.4 |
その他(others) |
0.5 |
4.7 |
4.7 |
3.0 |
2.6 |
A Wedepohl(1969, 表7-11)により概算された上部大陸地殻の平均鉱物組成
B カナダ楯状地のメソノルム(mesonorm)(Shaw et al., 1967)
C 緑泥石を含むように修正したカナダ楯状地のメソノルム(付記を参照)
D 上部大陸地殻の平均鉱物組成の概算値(計算方法の詳細は付記を参照)
E 露出した地殻の平均組成の概算値(計算方法の詳細は付記を参照) |
■第6回(11/8)【地表の変化(於保)】
■第7回(11/15)【地球誕生と進化(福岡)】【配付プリント】
■第8回(11/22)【地下資源(福岡)】【配付プリント】
■第9回(11/29)【地質年代区分(於保)】
■第10回(12/6)【大陸移動とプレートテクトニクス(於保)】
- 『プレート・テクトニクスとは』のページを参照。
-
A cross section illustrating the main types of plate boundaries.
Illustration by Jose F. Vigil from This Dynamic Planet -- a wall
map produced jointly by the U.S. Geological Survey, the Smithsonian
Institution, and the U.S. Naval Research Laboratory.
〔USGSのIndex
of pubs.usgs.gov/gip/の『Earthquakes』の『Where Earthquakes
Occur』から〕
プレート境界は、1)発散(divergent)、2)収束(convergent)、3)すれ違い(transform;トランスフォーム断層)の3つ。発散が起こっている場所の例は海嶺(ridge)とリフト(rift)、収束の例は海溝(trench)〔あるいはもっと広く沈み込み帯(subducting
zone)〕。ホットスポットは、マントルの深い部分からプレートを貫いてプルームが上昇する場所(例えば、ハワイ島)。 |
-
-
-
■第11回(12/13)【日本列島の形成(於保)】
■第12回(12/20)【地震と活断層(海堀)】
- 『地震とは』のページを参照。
- 活断層は『断層とは』のページを参照。
-
日本の活断層分布とトレンチ実施点
日本全国には、陸域で約2000の活断層が確認されています。活断層それぞれの平均的な活動間隔は、千年〜数万年と比較的長い時間ですが、それらの中には歪の限界に近づいたものもあるかもしれません。そのため、発生する地震の規模や活動度が高いと考えられる主な活断層およそ100か所について、調査が進められています。
〔文部科学省地震調査研究推進本部の『地震の基礎知識』の中の『地震発生のメカニズムを探る』の『(1)日本の活断層分布』から〕 |
■第13回(1/10)【地質と自然災害(海堀)】
■第14回(1/17)【リモートセンシング(福岡)】【配付プリント】
- ビデオ『地球診断 衛星が見つめる環境破壊』ザ・スペースエイジ 宇宙への挑戦 4(NHKソフトウェア)
『住み慣れた地球を離れ、38万キロ彼方の月でアポロ飛行士が撮影した地球の映像。暗黒の宇宙空間にぽつんと浮かぶ、小さなひとつの星に50億の人々、数百万種もの生物が生きている。この地球の映像が世界中の人々の心の中に、かけがえのない地球という意識を呼び起こし、産業革命以来、地球の大気、海、森林、そして生命を痛めつけてきた人類に、「宇宙船地球号」というまったく新しい価値観をもたらした。
今、人類は人工衛星を駆使して温室効果、オゾン層の破壊、森林喪失、海洋汚染の現状など、地球全体の「健康診断」を進めている。
本編では、地球の環境診断の最新の情報をもとに、一体地球がどこまで病んでいるかを宇宙的視野で探るとともに、宇宙から常時しかも継続的に地球上のどこでも観察できる衛星技術の登場が我々の地球観をいかに大きく変えてきたかを見ていく。』
- リモートセンシングについては『リモートセンシング』のページを参照。
- 地球観測衛星については『地球観測衛星関連』のページを参照。
- 人工衛星全般については『人工衛星』のページを参照。
- 地球観測については『地球観測とは』のページを参照。
- 電磁波については『色と光』のページを参照。
■第15回(1/24)【まとめ(福岡)】【配付プリント】
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