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最終更新日:2017年2月25日
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全般 | 観測 | ビッグバン | その他 |
リンク| 階層構造| 宇宙の大きさ| コスモロジー| |
ハッブル定数| 光のドップラー効果| 背景放射| |
ビッグバン宇宙| インフレーション宇宙| |
四つの力| 量子宇宙| |
宇宙論(Cosmology)は天文学(Astronomy)の一部とされることもあるが、ここでは独立させている。 人類にとっての宇宙(Universe)は、16世紀以前までは天動説〔Geocentric Model:中心にある地球の周りを天体(主に現在の惑星)が動いているという説:アリストテレス(Aristotle)が体系化し、プトレマイオス(Ptolemy、Claudius Ptolemaeus)が完成させた〕で示される世界であった。宇宙というのは、実質的に現在の太陽系の内側部分程度がそのすべてであり、恒星のような星はその外側に張り付いて存在するようなイメージであった。16世紀にコペルニクス(Nicolaus Copernicus)によって地動説(Heliocentrism:中心にある太陽の周りを天体が動いているという説:現在の考えに近い)が唱えられたが、宇宙の領域はほとんど変化しなかった。地動説の下でケプラー(Johannes Kepler)は天体の運行についての経験則である『ケプラーの法則』(Kepler's Laws of Planetary Motion)を提示し、天体の動きの規則性を説明した。17世紀になってガリレイ(Galileo Galilei)が望遠鏡(Telescope)を用いた観測を開始したことにより、それまでの宇宙の領域が飛躍的に拡大することになった。17世紀後半に登場したニュートン(Isaac Newton)によって、ケプラーの法則やガリレイの発見が理論化されたが、ニュートンはさらに万有引力(Universal Gravitation)を持つ天体が宇宙に存在し続けるには無限宇宙(Infinite Universe)である必要があると考え、静止宇宙観(View of Static Universe)を提示したが、これには大きな矛盾が含まれていた。その矛盾は、やがて銀河の発見(Discovery of Galaxy)と膨張宇宙論(Theory of Expanding Universe)によって解決されることになる。銀河(Galaxy)像はハーシェル(William Herschel)やハッブル(Edwin Powell Hubble)などによって確立されていくが、ハッブルはまた観測結果より膨張宇宙という画期的な概念を提示した。つまり、恒星(Star:および銀河)は地球から遠ざかっており、遠くのものほど速い速度であることを観測したが、この結果を説明するためには宇宙は膨張していなくてはならなかったからである。一方、膨張宇宙は、理論的にもアインシュタイン(Albert Einstein)による一般相対性理論(General Relativity、General Theory of Relativity)によって説明されることになる。 宇宙が膨張しているならば、過去にさかもどれば、宇宙はかっては小さな世界であったことになるが、それを発展させたモデルがビッグバン(Big Bang)である。ビックバン・モデルはその欠点を補うインフレーション・モデル(Inflation Model)とともに、宇宙の起源(Origin of Universe)を説明する代表的なモデルとして受け入れられるようになる。 また、宇宙の誕生(Beginning of Universe)時では物質の起源(Origin of Matter)という根幹に関わる問題も生じるため、素粒子論(素粒子物理学、Particle Physics)も宇宙論と密接に関係するようになってきている。さらに、現在の宇宙における力(Force)は4つ〔重力(Gravity)、電磁力(Electromagnetic Force)、核力(Nuclear forces)(強い力、Strong Force:弱い力、Weak Force)〕が知られており、これらを統一する理論(Unified Field Theory)はまだ存在しないが、その統一理論の研究も宇宙論(宇宙における力の進化過程の解明)と関係するようになってきている。 |
リンク |
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全般 | 観測 | 理論 | ビッグバン | その他 |
宇宙| 宇宙論| 宇宙空間| 宇宙の大きさ| |
ハッブルの法則| 宇宙背景放射| |
天動説|地動説| 相対性理論| 超ひも理論| |
ビッグバン| インフレーション理論| |
ダークマター| ダークエネルギー| 宇宙の年齢| 動画| その他 |
【インフレーション理論】(Cosmic inflation)
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階層構造 |
須藤(2005)による『観測的宇宙論の進化論』から |
〔須藤 靖氏による東京大学宇宙線研究所 一般講演会 宇宙のダークサイド:暗黒物質と暗黒エネルギーから〕 |
宇宙の大きさ |
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国立天文台(HP/2011/10)による『一家に一枚2007宇宙図』から |
・「可視」宇宙(宇宙光の地平面)=直径約930億光年(約28ギガパーセク) ウィキペディア(HP/2011/10)による『観測可能な宇宙』から |
共動距離 (Comoving distance) =直径約930億光年(約465億光年×2) 宇宙の年齢=137.3±1.2億歳(=約137億年:宇宙マイクロ波背景放射の観測値から) ウィキペディア(HP/2011/10)による『宇宙』から |
コスモロジー |
ハッブル定数 |
ハッブルが得た遠方銀河の距離速度関係 ハッブル定数と宇宙の距離尺度 ハッブル宇宙望遠鏡によるセファイド変光星の観測から較正された銀河距離指標を用いて、ハッブル定数の値は約1割の精度で決定されている。 Freedman(2000)による 須藤(2005)による『観測的宇宙論の進化論』から ハッブル定数を70km/s・Mpc〔メガ(100万)パーセク〕とすれば、ハッブル時間は139億年となる。なお、現在の最新の観測による宇宙の年齢は137億年とされている。 |
光のドップラー効果 |
赤方偏移 光のドップラー効果の一例。左が太陽、右が遠方の銀河BAS11のスペクトル。吸収線(暗線)の位置の変移を測定することで光源の視線方向の後退速度を計算できる ウィキペディアによる『ドップラー効果』から |
背景放射 |
宇宙背景放射観測の歴史 川崎(HP/2011/6)による『インフレーション宇宙』から |
COBEによる宇宙マイクロ波背景放射のスペクトル。波長(横軸)の単位は1cmあたりの波数。横軸の5近辺の波長1.9mm、160.2Ghzにピークがあることが読み取れる WMAPによる宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎ。 ウィキペディア(2010)による『宇宙マイクロ波背景放射』から ・宇宙マイクロ波背景放射=cosmic microwave background (radiation)、
CMB、CMBR |
〔須藤 靖氏によるサイエンティフィックライブ サピエンス 宇宙の古文書をひもとく〜宇宙マイクロ波背景放射温度地図〜 「見えてきた宇宙の新しい姿」から〕 |
ビッグバン宇宙 |
※ビッグバンの観測的証拠は、@銀河の赤方偏移に見られるハッブル則的な膨張〔→ハッブルの法則〕、A宇宙マイクロ波背景放射の詳細な観測〔→宇宙背景放射〕、B軽元素の存在量〔→元素合成〕、C宇宙の大規模構造の相関関数の観測〔→宇宙の大規模構造〕などが良く知られている【ウィキペディア(HP/2012/3)による『ビッグバン』から】。
河合・太田・中村(HP/2011/6)によるガンマ線バーストで読み解く太古の宇宙の『最遠の宇宙を求めて』から |
Recent observational data indicate that more stars and quasars formed early in the universe's youth than had been previously hypothesized (more).(Ann Feild, STScI, NASA) 〔Sol CompanyによるSolStation.comの『Stars』の『Extreme Objects』の『Beginnings Stars Light Up』の中の『Quasar SDSS J1030+0524』から〕 |
インフレーション宇宙 |
インフレーション期を経た宇宙膨張の概念図。図の左端に時空の計量の劇的な膨張が描かれている。(2006年のWMAPのプレスリリースより翻訳) ウィキペディア(HP/2011/6)による『宇宙のインフレーション』から |
四つの力 |
名称 | 相対的な強さ | 影響範囲(m) | 力を伝達するゲージ粒子 |
強い相互作用 |
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グルーオン |
電磁相互作用 |
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光子(フォトン) |
弱い相互作用 |
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ウィークボソン(W±、Z0) |
重力相互作用 |
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重力子(グラビトン) |
ウィキペディアによる『基本相互作用』から 注) 正しくはgravitonはゲージ粒子ではない。 |
量子宇宙 |