|
最終更新日:2017年2月10日
地球史における地質年代(Geological Age、Geologic Time
Scale)は、主に過去の生物の変遷を化石(Fossil)から復元することによって作成されている。この方法では細かな時代区分も可能であるが、絶対年代を直接に知ることはできない。一方、様々な放射性物質(Radioactive Material)(母)とその崩壊物質(Decay Product)(娘)の濃度を測定し、それらについて知られている半減期(Half Life、Decay Rate)〔母の元素量の半分が娘の元素に崩壊する時間。例えば、ウラニウム(Uranium)が鉛(Lead)に崩壊するなど。実際は元素(Element)ではなく同位体(Isotope)に対して測定する〕を用いて計算することで、絶対年代(Absolute Age)とも言える年代を決定する放射年代測定法(Radiometric Dating、Radioactive Dating)という方法が近年は広く用いられている。化石に対して放射年代測定法を適用することで、化石からも絶対年代を知ることができるようになった。放射年代測定法は、適当な半減期を持つ放射性物質を用いることで、様々な年代に適用できる。 その他、原理(Principle)の異なるさまざまな年代測定法(Dating Method)が用いられているが、年代に目盛を付けるために放射年代測定法を組合わせたものが多い。 |
リンク |
全般 | 放射年代 | 地質年代 | その他 |
年代測定法| |
放射年代測定法| 放射壊変| 放射性炭素年代測定法(14C)| フィッショントラック法| |
地質年代表| 地質時代| 第四紀| |
年輪年代学| Pb-210法| その他 |
年代測定法 |
放射年代測定法 |
図2 カリウム−アルゴン法の原理と年代計算式 原子力百科事典ATOMICA(2002)による『放射線測定による年代推定』から |
地質年代表 |
ウィキペディア(HP/2015/7)による『地質時代』から |
先カンブリア時代(Precambrian
(age))とは、地球が誕生した約46億年前以降、肉眼で見える大きさで硬い殻を持った生物の化石が初めて産出する5億4,200万年前以前の期間(約40億年)を指す地質時代であり、冥王代(Hadean)、始生代(Archeozoic)、原生代(Proterozoic)の三つに分け、これらの時代区分は生物の進化史を元にしている。 先カンブリア時代に関しては詳しいことがあまり分かっておらず、現在知られていることもほとんどはここ数十年で分かってきたことである。 先カンブリア代 (Precambrian eon(s)) とも呼ばれる。また、古生代、中生代、新生代を表す顕生代に対して、隠生代(Cryptozoic eon(s)) と呼ぶ。まれに先カンブリア紀 (Precambrian period)と呼ばれることがあるが、紀は累代および代より小さい時代区分なので、これは正しくない。 名称 年代測定の手段が化石の比較による相対年代しかなかった時代には、明瞭な化石が出る最古の時代であるカンブリア紀以前は、年代測定の手段がなく、地質時代を区分することが出来なかった。そのため、先カンブリア時代として一括して扱われた。 隠生代という名称は、大型生物などの化石がほとんど見つからないことから、先カンブリア時代終了から現在までの、化石が大量に見つかる時代である顕生代と対照して名付けられた。 区分 先カンブリア時代は、累代・代・紀・世といった通常の階層的な地質時代区分とは少々性質が異なる。 国際層序委員会 (ICS) などによる標準的な時代区分では、先カンブリア時代は冥王代・始生代・原生代の3つの累代からなる。地球史を構成する4つの累代のうち3つが先カンブリア時代に属することになる。なお4つ目の累代は、古生代・中生代・新生代の全てが含まれる顕生代である。 先カンブリア時代は、他の地質時代のような、地球史をいくつかに分けた1つというよりは、地球史の大部分であるといえる。 |
|
||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
ウィキペディア(HP/2015/7)による『先カンブリア時代』から |
Diagram of geological time scale, where the past is toward the bottom of the spiral wikia(HP/2011/10)による『Geologic time scale』から |
大鹿村中央構造線博物館(HP/2011/4)による『地球史の「現在」の始まりが、海洋と大気の環境を重視して見直されました』から |
Geological time put in a diagram called a geological clock, showing the relative lengths of the eons of the Earth's history. |
Geologic timescale (millions of years ago) |
Geologic timescale of the Proterozoic (millions of years ago) |
ICS(2004)による〔『International Stratigraphic Chart』〕から ICS(International Commission on Stratigraphy、国際層序委員会)による地質年代表: |
第四紀 |
増田(1996)による『4 第四紀の気候変動』〔『気候変動論』の第4章〕から |
参考文献 |
【EPMAによる】