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最終更新日:2016年11月1日
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エネルギー | 周期 | その他 |
リンク⇒こちら| 気候変動| |
エネルギー源| エネルギー収支| 太陽放射熱量| |
数100万年間| 数10万年間(ミランコビッチ・サイクル)(氷河時代)| 数万年間| 小氷期| 現在| |
アルベド| スノーボール・アース| 用語| |
地球(Earth)の気候変動(Climate
Change)は、地球46億年の地球史において、頻繁に起こっている。 しかし、気候変動と近年一般的に言われる場合は、人為的な(Human-induced)気候変動を指す〔地球温暖化(Global Warming)を含む〕。とくに、異常気象(Extreme Weather、Unusual Weather、Abnormal Weather、Anomalous Weather)などを意味することが多く、それによる生態系(Ecosystem)の破壊(Destruction)や食糧資源(Food Resource)の確保難(Securing Difficulty)のような影響の重要性のためである。将来的には、気温上昇(Atmospheric Temperature Rise)や海水面上昇(Rise in Sea Level)による影響(温暖化による)が懸念されている。 ここでは、全般的な気候変動に関連する情報を集めている。 一般的に、地球のような天体において、地表温度(Earth Surface Temperature)に変動を与える要因(Factor)は3つある。1つは太陽光(Sunlight)であるが、地表における物質循環(Material Cycle)のエネルギー源(Energy Source)は主に太陽光であるためにその変動の影響は大きい。太陽(Sun)自身の変動が原因の場合と、太陽と地球の位置関係(Position of Sun and Earth)の変動の場合がある〔ミランコビッチ・サイクル(Milankovitch Cycles)は有名な例である〕。2つめは地球表面の反射率(Reflectivity)〔アルベド(Albedo)と呼ばれる〕である。現在は太陽光の3割程度が反射されて、実際に地球表面で使われているのは7割程度である。地表の状況が変化すれば、アルベドも変化する。3つめは大気(Atmosphere)の存在である。上記のように、温室効果ガス(Greenhouse Gas)の種類(Kind)〔温室効果はガスの種類によって異なり、地球温暖化係数(GWP、Global Warming Potential)で比較されている〕と量(Quantity)の違いによって変わる。 |
気候変動 |
ウィキペディア(HP/2013/10)による『気候変動』から |
Figure 7y-1: Factors that influence the Earth's climate. 〔Okanagan University CollegeのDepartment of GeographyのMichael Pidwirny氏によるPhysicalGeography.netの『FUNDAMENTALS OF PHYSICAL GEOGRAPHY』の『CHAPTER 7: Introduction to the Atmosphere』の中の『(y). Causes of Climate Change』から〕 |
エネルギー源 |
※地表における物質の循環に必要なエネルギーのほとんどは太陽光からのものである。プレートテクトニクスにおける物質循環に必要なエネルギーは地熱からのものである。しかし、地表でこれらを比較すれば、太陽光は地熱の5000倍もある。
ウィキペディア(HP/2011/6)による『地球のエネルギー収支』から |
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(1020 kJ/年) |
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太陽から宇宙へ放射されるエネルギー |
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太陽光 |
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地球に入射する太陽エネルギー |
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地球の気候や生物圏に影響するエネルギー |
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水の蒸発に使われるエネルギー |
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風力エネルギー |
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光合成に使われる太陽エネルギー |
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純一次生産力に使われるエネルギー |
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地熱 |
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地球の内部から表面に伝達されるエネルギー |
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人類が消費した全一次エネルギー(1990) |
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消費された化石燃料のエネルギー含量(1990) |
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重力 |
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潮汐と波力エネルギー |
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米国の全エネルギー消費量(1990) |
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人類が消費した食糧のエネルギー含量(1990) |
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*スピロ・スティリアニ(2000)による〔『地球環境の化学』(1-5p)から〕の『表1.1 地球上のエネルギー流量』から |
エネルギー収支 |
※地表付近でのエネルギー収支において、太陽光の3割は反射されるために残りの7割が入力エネルギーである。このエネルギーが地表におけるさまざまな現象に使われている。
地球のエネルギー収支を簡略化した図(NASAによる) ウィキペディア(HP/2011/6)による『地球のエネルギー収支』から |
〔Oklahoma Climatological Surveyの『Training Materials』の『Overview of Meteorology』の中の『Earth's Energy Budget』から〕 太陽放射のうち約3割(アルベド、Albedo)は宇宙へ反射される。 |
〔千葉県環境研究センターの『平成14年度第1回公開講座第1部スライド』から〕 太陽放射のうち約3割は宇宙へ反射される(アルベド、Albedo)。また、太陽放射の約5割(アルベド分を除くと約7割)が地表(陸および海)で吸収される。 |
太陽放射熱量 |
Figure 7j-1: Balance between average net shortwave and longwave radiation from 90°North to 90°South. 〔Okanagan University CollegeのDepartment of GeographyのMichael Pidwirny氏によるPhysicalGeography.netの『FUNDAMENTALS OF PHYSICAL GEOGRAPHY』の『CHAPTER 7: Introduction to the Atmosphere』の中の『(j). Global Heat Balance: Introduction to Heat Fluxes』から〕 赤道付近は太陽放射>地球放射で、極付近は逆に地球放射>太陽放射である。そのため、赤道付近はますます暑く、極付近はますます寒くなるが、これらの温度差を無くす方向に大気と海水が循環する。したがって、ある程度に温度差が縮まった状態でほぼ定常に達している。 |
〔NASAによるVisible Earthの『Atmosphere』の中から〕 1984〜1993年の10年間における1月と4月の平均太陽輻射。さまざまな地球観測衛星によるデータをInternational Satellite Cloud Climatology Project (ISCCP)がまとめたもの。 赤道付近が最も高く、高緯度ほど低くなっている。 |
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〔Seafriends Marine Conservation and Education Centreによるseafriendsの『oceanography』の中の『Oceanography - currents』から〕 太陽光(Sunlight)を利用して〔二酸化炭素(Carbon Dioxide)と水(Water)を用いて〕光合成(Photosynthesis)を行う生物(主に植物)を中心とした生物群が進化によって誕生した。つまり、太陽光のエネルギーが必要かつ重要である。太陽光は主に可視光(Visible Spectrum、Visible Light)からなるが、波長(Wavelength)の違いに対応した光合成産物の種類と量の違いが知られている。 左上の図:横軸は電磁波の波長で、縦軸は強度。大気中のいくつかのガスによる吸収のようすも示されている。 |
〔国立環境研究所の野沢 徹氏による気候モデルを用いた地球温暖化の将来予測に関する研究から(森羅万象学校の『2003』の『過去の資料一覧』)〕 |
〔千葉県環境研究センターの『平成14年度第1回公開講座第1部スライド』から〕 太陽放射はおもに可視光線(0.4〜0.7μm程度)であり、地球放射は赤外線(目に見えない)である。 |
〔千葉県環境研究センターの『平成14年度第1回公開講座第1部スライド』から〕
太陽光の強度および地球の大きさと反射率から、地球が放射するエネルギー(=地球が受けるエネルギー)を計算することができる。さらに、ステファン・ボルツマンの式から、理想的な(放射平衡の)地表温度を計算できる。この式から、電磁波のエネルギー(波長でも表現できる* )とその電磁波を放射している物体の温度を計算できる。つまり、太陽表面は6000℃程度で、地表面は-18℃程度である。しかし、地球の場合は温室効果を行う大気が存在するため、その影響によって約15℃となっている(つまり温度差33度分は水蒸気や二酸化炭素などによる温室効果による上昇である)。 |
図 ae2-1 分光放射エネルギー強度 |
図 ae2-2 地球系のエネルギー代謝 |
〔光延メ毅氏による電脳経済学v3の『f用語集』の『ae2 エネルギー代謝(energy metabolism)』から〕 太陽放射と地球放射。 |
〔三輪剛史氏によるJacso Palaceの中の『気象用語集』から〕 |
数100万年間 |
ウィキペディア(HP/2016/10/31)による『過去の気温変化』から |
大鹿村中央構造線博物館(HP/2011/4)による『地球史の「現在」の始まりが、海洋と大気の環境を重視して見直されました』から |
数10万年間(ミランコビッチ・サイクル) |
ウィキペディア(HP/2016/11/1)による『気候変動』から |
ウィキペディア(HP/2016/10/31)による『過去の気温変化』から |
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氷期(ひょうき、ice age/glacial period/glacial stage)
(前略) 図は、南極ドームふじ基地の氷コア解析から明らかとなった氷期−間氷期の変動を示す(図提供、渡辺興亜: 「ドームふじ深層掘削計画」および渡辺・藤井・神山(2002)より)。青い線は二酸化炭素濃度、赤い線は気温の指標(酸素同位体組成)を示す。図の左端が現在、右端が32万年前である。氷期は新しい時代から順に次のように名づけられている(北米の呼称。カッコ内はヨーロッパアルプスの名称)。W:ウィスコンシン(ビュルム)氷期、I:イリノイ(リス、ミンデル)氷期、K:カンザス(ギュンツ)氷期。また、Hは完新世、Sはサンガモン間氷期である。(T.Shi.& R.N.) |
氷河・雪氷圏環境研究舎(HP/2012/7)による『氷河・雪氷圏辞典』から |
Wikipedia(HP/2012/7)による『Timeline of glaciation』から |
大鹿村中央構造線博物館(HP/2011/4)による『地球史の「現在」の始まりが、海洋と大気の環境を重視して見直されました』から |
The shape of Earth’s orbit becomes more or less oval (eccentricity), Earth wobbles as it spins (precession), and Earth's axis changes too (tilt). All these changes, over thousands of years, causes Earth's climate to change. 〔University Corporation for Atmospheric ResearchによるWindows to the Universeの中から〕 おもな地球軌道要素は、地軸の傾き(tilt)、公転軌道の離心率(eccentricity)、歳差運動(precession)。 |
Long Term Climatic Changes The above diagram from Petite et al, 1999 shows the results of the 2623m ice core drilled above Lake Vostok by an international consortium. While not the first it is the most convincing demonstration of climatic changes in the last half million years. It shows four cold periods and that we are rapidly approaching the peak of a fifth interglacial. Atmospheric CO2 and CH3 closely parallel temperature but do not appear to precede it. We are approaching the peak of a global warming phase which may be expected to peak within a thousand years or so. Warming began 11,000 years ago which does not seem to altogether coincide with the northern hemisphere where the Wisconsin Ice age began at times variously given as 50,000 yrs to 125,000 yrs bp, reached a maximum at 21,000yr and began to recede rapidly at 12,000yr. 〔Bernie Gunn氏によるANTARCTICA GEOLOGY, GLACIOLOGY AND WILDLIFEの『Glaciers of Antarctica』から〕 南極のLake Vostok上のコア試料(氷:2623m長)から求められた、過去40数万年間の気温(現在との差)・二酸化炭素濃度・メタン濃度の変動。 |
〔NASAのearth obsertoryの『On the Shoulders of Giants(Milutin Milankovitch, 1879-1958)』の中から〕 地軸の傾き(obliquity)の周期変化は4.1万年、公転軌道の離心率の周期変化は10万年、地軸の歳差運動に基づく太陽と地球の位置関係の周期変化は2.3万年と1.9万年。 |
数万年間 |
ウィキペディア(HP/2016/10/31)による『過去の気温変化』から |
Temperature changes in central Greenland over the Holocene. (modified from Committee on Abrupt Climate Change report, National Academy Press, 2002) 〔Lowell E. Waitee氏によるWelcome to Geocomplexity.comの中の『Climate Change: Lessons from Geology and Complexity Science』から〕 中央グリーンランドの氷床コアから得られたデータによる、過去1万7000年間の気温と降雪速度の変動。 |
図2.6-10 グリーンランドの氷床コアに見られるダンスガード-エシガーサイクル 8万年前から1万年前の間に,数百年〜数千年のサイクルで酸素同位体比(縦軸)が大きく変動している。1〜21の番号は,ダンスガードサイクルの温暖期で,現在に近いほうから番号を振ってある。YD,H1〜H6は,主要な寒冷期を示す。 〔核燃料サイクル開発機構による『研究開発の現状』の『地層処分技術に関する研究開発』の中の「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発第2次取りまとめ-」 (平成11年11月26日原子力委員会提出) の『分冊1:わが国の地質環境』の中の『2.6 気候・海水準変動』から。〕 |
Pleistocene (50Ka) 〔Ron Blakey氏による『Global Paleogeographic Views of Earth History - Late Precambrian to Recent』の『Mollewide Plate Tectonic Maps』から〕 |
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The coincidence between Heinrich events (eg. H1 or perhaps the Younger Dryas YD) and major changes in temperature in the North Atlantic
leads to the speculation that fresh water released as a result
of melting of icebergs disrupted North Atlantic Deepwater (NADW) formation, or at least diminished
its strength and depth of formation, giving rise to jumps between
glacial and interglacial modes of the thermohaline circulation.
See the papers: Iceberg discharges into the North Atlantic on millenial time scales during the last glaciation. Bond and Lotti, Science, Vol. 267, 1005-1010, 1995 |
〔A.F. Fanning氏による『Information on Glaciation』の中『BOND CYCLES, HEINRICH EVENTS, AND DANSGAARD-OESCHGER EVENTS』から〕 |
小氷期(14世紀〜19世紀の主に北半球における寒冷期) |
ウィキペディア(HP/2016/10/31)による『過去の気温変化』から |
Solar activity events recorded in radiocarbon Wikipedia(HP/2013/5)による『Maunder Minimum』から |
太陽黒点数の400年間の歴史におけるマウンダー極小期 太陽活動の相関関係グラフ:太陽黒点数と地球外起源の放射性同位体生成量の変化 ウィキペディア(HP2013/5)による『マウンダー極小期』から |
宮原(2009)による『中世の温暖期と近世の小氷期における太陽活動と気候変動−樹木年輪中の炭素同位体の分析から−』から |
現在 |
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Wikipedia(HP/2016/11/1)による『Climate change』から |
ウィキペディア(HP/2016/10/31)による『過去の気温変化』から |
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環境省によるIPCC『気候変動2014統合報告書政策決定者向け要約』から |
アルベド |
〔NASAによるVisible Earthの『Atmosphere』の中から〕 アルベド(反射率)〔太陽系の天体(惑星や衛星など)の、太陽からの入射光に対する反射光の強さの比〕。この図は、2002年4月7日〜22日の16日間にわたる、人工衛星TerraのModerate Resolution Imaging Spectroradiometer (MODIS)により観測されたデータから作成されている。 因みに、地球の平均アルベドは約30%(=0.3)である。 |
スノーボール・アース(Snowball Earth、全球凍結) |
【図1】 地球史における氷河時代。全球凍結イベントは、今から約22億、約7億、約6.5億年前の少なくとも3回起こったものと考えられている。 田近(HP/2011/7)による『地球環境変動史の解明−スノーボールアース・イベントと酸素濃度の増加−』から |
図:25億年前以降の海水の炭素同位体比の変動(Hoffman et al., 1998 に基づく).青い▲印は氷河期を表す.原生代には,ヒューロニアン氷河期,スターチアン氷河期,ヴァランガー氷河期という,大きく3回の氷河期が存在したが,そのどれもがスノーボール・アース状態に陥っていた可能性がある.それに対して,顕生代(5億4000万年前〜現在)には,一度もそのような状態に陥ってはいない.炭素同位体比は,原生代後期(10億〜5億4000万年前)に大きな振幅で振動していることが分かる.この振動がスノーボール・アース現象と関係しているものと考えられている. 図:南北1次元エネルギーバランス気候モデルから得られた気候システムの定常解.横軸は大気中の二酸化炭素分圧,縦軸は極冠の末端の緯度を表す.太線が安定解で,無氷床解,部分凍結解,全球凍結解の3種類ある.太陽放射は,時代とともにだんだん増大していると考えられている.そこで,原生代前期(24億年前頃),原生代後期(7億5千万年前頃),現在の三つの場合についての解を示してある. 田近(HP/2011/7)による『スノーボール・アース現象』から |
A recent estimate of the timing and duration of Proterozoic glacial periods. Note that great uncertainty surrounds the dating of pre-Gaskiers glaciations. The status of the Kaigas is not clear; its dating is very insecure and many workers do not recognise it as a glaciation. From Smith 2009. An earlier and longer possible snowball phase, the Huronian glaciation, is not shown here. | |
Wikipedia(HP/2011/7)による『Snowball Earth』から |
Hoffman(HP/2011/7)によるSnowball Earthの『Snowball Earth』から |
用語 |
※リンクはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』。