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最終更新日:2017年2月21日
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温室効果| |
ジェット気流| オゾン層| 電離層| |
磁気圏| | オーロラ| |
ここでは、地球(Earth)を地圏(Geosphere)・水圏(Hydrosphere)・気圏(Atmosphere)・生物圏(Biosphere)の4つに分けている。気圏(または大気圏)は対流圏(Troposphere:高度約10キロメートルまで)・成層圏(Stratosphere:高度約50キロメートルまで)・中間圏(Mesosphere:高度約80キロメートルまで)・熱圏(Thermosphere)から構成されるが(これらは気温変化の変わり目で区分されている)、ここではその外部にある気体部分の領域〔磁気圏(Magnetosphere)など〕も含める。 気圏に存在する大気成分(Atmospheric Component)の約3分の2(〜4分の3)は対流圏に、残りの約3分の1(〜4分の1)は成層圏に存在するとされている。 また、オゾン層(Ozone Layer:高度約20〜30キロメートル)は成層圏の中に存在し、電離層(Ionosphere)はほぼ熱圏に重なる。 気象現象(Weather Phenomenon)が起こるのは雲(Cloud)が発生する対流圏のみである。対流圏では大気の循環(Atmospheric Circulation)が重要であり、北半球(Northern Hemisphere)と南半球(Southern Hemisphere)において東西方向にリング状に延びるそれぞれ3つの循環〔ハドレー循環(Hadley Cell)・フェレル循環(Ferrel Cell)・極循環(Polar Cell)〕が存在するが、赤道に近いハドレー循環が最も大規模である。 なお、宇宙(Universe、Space)と気圏の境界は明瞭ではなく、宇宙とは地球表面よりどれだけ離れた場所を指すかは明確ではない。 地球の気圏は一般に対流圏・成層圏・中間圏・熱圏の4つに区分されているが、熱圏は地上から1000キロメートル程度(500キロメートルまでとされることが多い)の上空にまで及ぶ。さらにその外側にははるか遠方まで地球を覆う磁気圏も存在する。地球の重力(Gravity)が及ぶ範囲は非常に広いが、実質的に相当濃度の大気が存在するのは成層圏(高度約10〜50キロメートル程度)までである〔大気の成分は窒素ガス(N2)約78重量%・酸素ガス(O2)約21%・アルゴンガス(Ar)約1%などであるが、これらの構成比は中間圏までほとんど変わらない〕。従って、現実的な宇宙との境界は中間圏〜熱圏のあたりに置かれる場合が多いようである。 国際航空連盟(Fédération Aéronautique Internationale)は、高度約100キロメートルをカーマン・ライン〔Kármán Line:宇宙飛行を認定する仮想の高度:歴史的に、人工物体を宇宙空間に打ち上げる時に、気圏を脱出するのに必要な宇宙速度(Escape Velocity)を計算する際に設定された高度(宇宙空間との境界の高度)〕として採用し、宇宙空間(Outer Space、Space)と気圏の境界線と定義している。 |
大気の構造 |
大気圏(Atmosphere)は気温の上下動が変化する高度で4分されている。つまり、地表から10km付近までは、上空ほど低温であり、大気の対流が活発であるので対流圏(Troposphere)と呼ばれる:10km付近から50km付近までは、上空ほど高温であり、大気の対流は起こりにくいので成層圏(Stratosphere)と呼ばれる:50km付近から80km付近までは、上空ほど低温であるが、大気の密度が小さいので目だった特徴がないために中間圏(Mesosphere)と呼ばれる:80km付近以上では、上空ほど高温であるが全体的に気温が高いために熱圏(Thermosphere)と呼ばれる。
大気の鉛直構造 〔三輪剛史氏によるJacso Palaceの中の『気象用語集』から〕 |
Figure 7b-1: Vertical change in average global atmospheric temperature. Variations in the way temperature changes with height indicates the atmosphere is composed of a number of different layers (labeled above). These variations are due to changes in the chemical and physical characteristics of the atmosphere with altitude. 〔Michael Pidwirny氏によるPhysicalGeography.netの『FUNDAMENTALS OF PHYSICAL GEOGRAPHY』の『CHAPTER 7: Introduction to the Atmosphere』の『(b). The Layered Atmosphere』から〕 大気の温度構造。高度に対して温度は下降と上昇を繰り返しているが、その変わり目を境界として、地表から対流圏・成層圏・中間圏・熱圏と名づけられている。それらの境界は、地表から対流圏界面・成層圏界面・中間圏界面と呼ばれる。成層圏界面付近の温度上昇は、太陽紫外線によるオゾン(O3)の生成と分解に伴う発生熱による。なお、オゾン層は高度20〜30km付近に存在する。また、熱圏の温度上昇は、大気を構成するさまざまなガス分子の太陽紫外線による電離反応に伴う発生熱による。〔対流圏(Troposphere)に大気の2/3(〜3/4)程度が存在する。気象現象(Weather)は、この厚さ10キロメートル程度の薄い対流圏内で生じている。〕 |
大気の大循環 |
大気の大循環(Atmospheric Circulation)は、厚さ10キロメートル程度の薄い対流圏内で主に起こっている。赤道(Equator)を堺にして、北半球(Northern Hemisphere)と南半球(Southern Hemisphere)に対称的にそれぞれ3つの循環が存在し、赤道に近いハドレー循環(Hadley Cell)が最も大きい。地表付近では、地球の自転(Rotation)による見かけのコリオリの力(Coriolis Effect、Coriolis Force:転向力)によって、進行方向に北半球では右側への力を受け、南半球では左側への力を受ける。
Figure 10. ITCZ, Hadley Cells and Wind Systems ITCZ=Inter-Tropical Convergence Zone Boqueteweather.com(HP/2011/5)による『Understanding Boquete Weather and Climate』から |
Idealized, three cell atmospheric convection in a rotating Earth. "Three cell" being either three cells north or south of the equator. The deflections of the winds within each cell is caused by the Coriolis Force. Figure 7.5 in The Atmosphere, 8th edition, Lutgens and Tarbuck, 8th edition, 2001. 〔Eastern Illinois UniversityのJohn P. Stimac氏による『Weather and Climate ESC 1400G - Sections 7, 8, 9』の『Atmospheric Circulation』から〕 大気の大循環。おもに対流圏であるが、図は誇張されている。北半球においては、赤道側からハドレー循環・フェレル循環・極循環の3つが存在する。南半球にも対称的に3つの循環が存在する。ただし、図は理想化されている。南北方向の大気の動きは、地球の自転の影響を受けて、例えば北半球では進行方向の右側にそれる。南半球では逆である。 |
Location in map view (left) and cross-sectional view (right) of the jet streams. Figure 7.14 in The Atmosphere, 8th edition, Lutgens and Tarbuck, 8th edition, 2001. 〔Eastern Illinois UniversityのJohn P. Stimac氏による『Weather and Climate ESC 1400G - Sections 7, 8, 9』の『Atmospheric Circulation』から〕 |
Figure 6. Wind patterns of the world for (A) a hypothetical world with no rotation, (B) the world with rotation, and (C) the resulting bands of general circulation. 〔The University of Michigan's Global Change CurriculumのIntroduction to Global Changeの『Global Change 1』の中の『Climate Patterns Past and Present』から〕 |
〔David Hodell and Ray G. Thomas両氏によるWelcome to the GLY1073 Electronic Tutor: "An Introduction to Global Change"の『Atmospheric Circulation』の中から〕 |
Figure 7p-2: Simplified global three-cell surface and upper air circulation patterns. 〔David Hodell and Ray G. Thomas両氏によるWelcome to the GLY1073 Electronic Tutor: "An Introduction to Global Change"の『Atmospheric Circulation』の中から〕 大気の大循環。図中のHは、地表での高気圧帯を、Lは低気圧帯を示す。ハドレー循環の地表側では東からの風となり、貿易風と呼ばれている。フェレル循環の地表側では西からの風となり、偏西風と呼ばれている。また、ハドレー循環とフェレル循環、およびフェレル循環と極循環の、上空側の境界部にはジェット気流(西からの強い風)も存在する。 |
温室効果 |
温室効果の概念図 太陽放射および地球放射のスペクトル(最上部)と、大気の主要成分別の吸収率、レイリー散乱(最下部)。 ウィキペディア(2010)による『温室効果』から |
ジェット気流 |
ジェット気流の概略。ジェット気流は寒帯および亜熱帯で、蛇行しながら地球を取り巻いて吹いている ウィキペディア(HP/2011/6)による『ジェット気流』から |
寒帯ジェット気流(左)と亜熱帯ジェット気流(右)の断面図。緑色の濃い部分ほど風速が大きい。大気循環との位置関係を示す。 ウィキペディア(HP/2011/4)による『ジェット気流』から |
オゾン層 |
Figure Q1-2. Atmospheric ozone. Ozone is present throughout the lower atmosphere. Most ozone resides in the stratospheric “ozone layer” above Earth’s surface. Increases in ozone occur near the surface as a result of pollution from human activities. 〔NOAA Aeronomy Laboratoryの『International Ozone-Layer Assessments』の『WMO/UNEP Scientific Assessment of Ozone Depletion: 2002』の『Twenty Questions and Answers About the Ozone Layer』の『I OZONE IN OUR ATMOSPHERE』の中の『Q1: What is ozone and where is it in the atmosphere?』から〕 成層圏にはオゾン濃度の高い層が存在し、オゾン層と呼ばれる。上空ほど大気圧(濃度)が低くなるため、オゾンのすべてをもし地表に集めたらわずか3mm程度にしかならない。オゾン(O3)の生成には、酸素分子(O2)と太陽紫外線が必要なため、両者の条件が適する高度に多い。 |
Figure Q2-1. Stratospheric ozone production. Ozone is naturally produced in the stratosphere in a two-step process. In the first step, ultraviolet sunlight breaks apart an oxygen molecule to form two separate oxygen atoms. In the second step, these atoms then undergo a binding collision with other oxygen molecules to form two ozone molecules. In the overall process, three oxygen molecules react to form two ozone molecules. 〔NOAA Aeronomy Laboratoryの『International Ozone-Layer Assessments』の『WMO/UNEP Scientific Assessment of Ozone Depletion: 2002』の『Twenty Questions and Answers About the Ozone Layer』の『I OZONE IN OUR ATMOSPHERE』の中の『Q2: How is ozone formed in the atmosphere?』から〕 酸素分子から太陽紫外線のはたらきでオゾン(分子)が生成する反応式。これは、自然の作用である。 |
電離層 |
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坂元(HP/2011/6)による『電気の歴史イラスト館』の『電離層』から |
電離ガスのつくられる割合は、電離されるガスの濃度と電離を引き起こす極端紫外線強度の掛け算になります。高度があまりたかいと、太陽からの極端紫外線の強さは充分強いのですが、電離される気体の密度が薄くなります。そのため電離ガスはあまり作られません。逆に、高度が下がりすぎると、電離される気体の密度は高くなりますが、極端紫外線は途中で吸収されてしまい、やはり電離ガスはつくられません。その結果、地上から約200kmの高さに電離生成のピークができます。電離ガスは拡散して、最終的に300 km付近に電離圏の最も濃くなる領域が出現します。 〔(独)情報通信研究機構 電磁波計測部門 電離圏・超高層グループによる『IONOSPHERE』の『電離圏の形成』から〕 |
The electron concentration profile The amount of ionisation is a balance between the rates at which it is produced and lost. Each of these is in turn dependent on the concentrations of the different gases in the atmosphere. The production rate is also dependent the intensity and wavelength of the radiation from the sun. 〔University of LeicesterのRadio and Space Plasma Physics Groupによる『Ionospheric Physics』の中の『The earth's ionosphere』の『complex profile』から〕 |
磁気圏 |
〔九州大学総合研究博物館の『地球惑星科学への招待 会場マップ』の中の『地球磁気圏とは何か?』から〕 |
〔東京工業大学の藤本正樹氏による『地球周辺の宇宙空間をプラズマの視点から見ると、、、』から〕 |
A three-dimensional view of the Earth's magnetosphere 〔James L. Green氏による。NASAのSpace Science Education Outreachの中の『The Magnetosphere』から〕 磁気圏のようす。左手から太陽風(太陽から放出されるプラズマ〔電子や陽子など〕)が照射されているが、地球大気と地磁気によるバリアーが形成されている。地球の地軸方向(ほぼ地理学的な北極と南極付近)はバリアーが弱く、侵入したプラズマと大気の反応による発光現象がおこり、これはオーロラと呼ばれる。 |
〔Seafriends Marine Conservation and Education Centreによるseafriendsの『oceanography』の中の『Oceanography - currents』から〕 |
From Dr. Holbert's ASU Course The scale for this figure is about right, but it shows the South Atlantic Anomaly as a 'pimple' on the inside of the Inner Belt. This is incorrect. 〔NASA's Goddard Space Flight CenterのRadiation Belt Modelling for Living with a Starから〕 |
From the University of Michigan This is a plot of the radiation dosages to silicon (a common electronic circuit material) based on actual CRRES satellite data extrapolated to fill-in missing data regions. You can easily see the Inner and Outer Belts in the intensity of the actual data! 〔NASA's Goddard Space Flight CenterのRadiation Belt Modelling for Living with a Starから〕 |
オーロラ |
※太陽風のプラズマ(主に電子)が、地球磁場の影響を受け、地球大気(酸素原子や窒素分子など)と相互作用を起こした結果として発生する発光現象。
昼がわの磁場のすき間 夜がわからやってくる電子 オーロラの高さ Live!オーロラ(HP/2010)による『オーロラ発生のしくみ』から |
A model of the auroral oval as seen from space overlaid on top of a visible image of Earth. The false-color reds indicate the brightest aurora and blue the dimmest. The brightest aurora is found at midnight. 〔NASAの『Mission Sections』の『Themis』の『Auroras』の中の『Substorm History--How did the theory for global substorms come about?』から〕 オーロラオーバル(オーロラベルト) |