島崎(1989)による〔『地球の守護神=成層圏オゾン』(49-54、79-86、217-219p)から〕
プロローグ なぜ、オゾンが問題にされるのだろう?
成層圏とピカールと……
生命の守護神、オゾン
人間活動とオゾン
T 地球をとりまく大気はどうなっているのだろう?
1 対流圏と成層圏−成層圏の発見
2 成層圏より上の大気−中層大気とは何か?
3 地球の大気はどうしてできたか?−大気を構成する分子と原子
4 微量成分はどのように分布しているか?−光化学平衡と輸送の影響
U 成層圏オゾンはどのようにして発見されたか?
1 太陽光線のスペクトル
2 オゾンは紫外線を吸収する
3 オゾン層とハートレーの予言
4 ロケット観測による証明
『V 成層圏オゾン層はどうしてできるか?
1 チャプマンのオゾン層生成論−純酸素大気の理論
1932年にイギリスのチャプマン(Sydney Chapman)は、酸素だけからできている大気(純酸素大気)中でオゾンが生成されるしくみを考えてそれに関する論文を発表した。
その論文によると、大気中にはたくさんの酸素分子があるが、成層圏でその酸素分子が太陽紫外線を吸収して二つの酸素原子に分解する。一般に、分子がその構成要素である原子や分子に分解する作用を解離といっている。光のエネルギーにより解離が起こる場合は、光解離とよばれる。酸素分子が解離して二つの酸素原子になるには、5.12エレクトロン・ボルト以上のエネルギーがいる。太陽光線のうち、そのようなエネルギーをもっているのは、240ナノメートルより短い波長の紫外線である。
酸素分子(O2)が、240ナノメートルより短い波長の紫外線で解離して酸素原子(O)ができる反応は化学式1のいちばん上に示されている。この解離反応をJ1の記号で表すことにすると、オゾン(O3)はJ1の反応でできた酸素原子が酸素分子と結合することによって生成される。これは二番目の式R1で示されている。R1の反応にあるMは化学反応の進行に際して、運動のエネルギーや運動量の過不足のバランスをとって、反応が起こりやすくなるためのもので、大気中ではもっとも多く存在する窒素分子が主としてこの役目をする。
化学式1.純酸素大気中のチャプマンのオゾン生成反応。
J1 |
O2 |
+ |
太陽紫外線
(波長<240nm) |
→ |
O |
+ |
O |
R1 |
O |
+ |
O2 + M |
→ |
O3 |
+ |
M |
J2 |
O3 |
+ |
太陽紫外線
(波長<320nm) |
→ |
O |
+ |
O2 |
R2 |
O |
+ |
O3 |
→ |
2O2 |
|
|
|
240ナノメートルより短い波長の太陽紫外線の侵入高度は、図8(略)によると35キロメートル付近の上部成層圏だから、J1による酸素分子の解離は主として35キロメートルより上で起こる。したがって、酸素原子の生成は主としてこの高さより上で行なわれ、酸素原子の密度は上に行くほど大きくなる(図5を参照:略)。これに対して、酸素分子は下に行くほど多く存在する。オゾンの生成は、上に行くほど多い酸素原子と下ほど多い酸素分子の反応で起こるから、途中のどこかの高さで極大を持つことになる。それが成層圏にオゾン密度の極大を持つ「オゾン層」ができる理由である。
つぎにオゾンの消滅について考えてみよう。
まず、紫外線の吸収により、オゾンが酸素原子と酸素分子に分解することが考えられる。この解離は、320ナノメートルより短い波長で起こり、化学式1の三番目にJ2として示されている。しかしながら、J2は実質的にオゾンを消滅させる反応ではない。なぜなら、J2でできた酸素原子からはR1の反応で、ただちにオゾンができるからである。R1とJ2はどちらも速い反応で酸素原子とオゾンは、この二つの反応で絶えず一方から他方に移り変わって平衡を保っている。すなわち、酸素原子とオゾンは、いずれか一方ができれば、すぐにこの二つの反応が平衡するように他方の分子が生成される関係にある。このように酸素原子とオゾンは不可分なので、両者をまとめて奇数酸素と呼ぶ。
J2がオゾンを消滅させないとすると、実質的にオゾンを消滅させる反応は何かということになる。それは奇数酸素同士の反応、つまり酸素原子とオゾンの反応R2であって、これにより、二つの酸素分子が生成される。化学式1に示した四つの反応は、成層圏オゾン生成に関するチャプマン反応またはチャプマン機構と呼ばれるものである。これらの反応を考慮してオゾン密度を計算すると、53ページの図10(略)でチャプマン理論と書いたようなオゾン分布が得られる。
2 理論と観測結果が一致しない?−微量成分の影響と運動の効果
オゾン層の実際の観測方法についてはつぎの章でくわしく述べるが、ここで簡単にチャプマン理論で計算されたオゾン分布と観測結果を比較してみよう。
図10(略)で、水平の短い横線は中緯度で観測された各高度のオゾン密度の範囲を示している。チャプマン理論で計算されたオゾン密度分布の形は20から30キロメートルの付近に極大を持つことなど、だいたいにおいてこの観測結果の特徴と一致している。しかしながら細かい点では明白な食い違いがある。第一に極大の高さより上の領域、つまり25キロメートル付近より上では理論値は観測値のほぼ二倍も大きく、極大の起こる高さも観測値のほうが低くなっている。また極大より下の高さでは観測値がほぼ同じ値を保っているのに対して、理論値は急激に小さくなっている。
チャプマン理論が発表されたときには、じゅうぶんな観測データがなかったから、こうした食い違いの存在は明らかではなかった。そして、理論はオゾン層が30キロメートル付近の成層圏に存在することをおおむね満足に説明できたとされ、その後の30年あまりの間、それ以上それほど成層圏のオゾン分布について議論されることは少なかった。
しかしながら、こうした二つの食い違いの原因を追求していくと、現在、わたしたちが関心を持っている二つの重要な成層圏オゾンの問題に至る糸口が得られる。すなわち、中部及び上部成層圏でチャプマン理論で計算されたオゾン密度が観測値より二倍も大きい理由を追求していくと、自然界の窒素酸化物などの微量成分の影響からフロンなどの人工の微量成分の影響へと問題が発展する。さらに、下部成層圏と対流圏におけるオゾン分布がチャプマン理論といちじるしく異なる理由を追求していくと、大気運動の影響から気象や気候への影響という問題が出てくる。
これ以上議論を進める前に、つぎの章で成層圏オゾン層の観測について解説し、その結果がどのようにチャプマン理論から期待される分布と異なるかをもっと詳細に調べることにしよう。』
W 成層圏オゾン層はどのようにして観測するか?
1 オゾン全量の観測
1a ドブソンの分光計
1b フィルターを用いる方法
2 オゾン密度の高度分布を求めるには……
2a ゲッツの反転法
2b 気球による観測(オゾン・ゾンデ)−電気化学法と化学蛍光法
3 人工衛星からの観測
4 地表からのライダー観測
5 オゾン層の観測からわかったこと
6 オゾン以外の微量成分を観測するには……
6a 現場測定
6b 遠隔測定
『X 成層圏オゾンはどんなしくみで消滅するのか?
この章では、化学式1(51ページ)で示したチャプマン理論で計算されたオゾン密度が、中部および上部成層圏で観測値の二倍近くも大きい理由について考えてみる。成層圏オゾンの生成反応としてはチャプマン理論のR1の反応以外は考えられないので、オゾンの生成率を半分にすることはできない。したがって、オゾンの消滅機構にはR2の反応以外に、それとほぼ同じ程度の大きさのオゾンを減らす反応がなければならないことになる。
1 窒素酸化物の触媒作用
オゾンの消滅反応として、チャプマン反応のほかに窒素酸化物の反応が重要であることをはじめて指摘したのは、カリフォルニア大学バークレイ分校のジョンストン(Harold
Johnston)教授と当時スウェーデンにいた(現在は西独のマックス・プランク研究所にいる)クルッツェン(Paul Crutzen)博士であった。その当時、これらの研究結果がすでにあったことが、成層圏を飛ぶ超音速飛行機(SST)の開発が1960年代の終わりころにアメリカで計画された時に、SST機から排出される窒素酸化物で成層圏オゾンが減少するかもしれないという問題提起がなされた背景にあったわけである。
窒素酸化物によるオゾンの破壊は、化学式2に示す過程で行なわれる。
化学式2.窒素酸化物による触媒反応。
R3 |
O3 |
+ |
NO |
→ |
O2 |
+ |
NO2 |
R4 |
O |
+ |
NO2 |
→ |
O2 |
+ |
NO |
|
R3+R4 |
O |
+ |
O3 |
→ |
2O2 |
|
|
|
まず、R3の反応で一酸化窒素(NO)が、オゾンから一つの酸素原子を奪って、酸素分子(O2)に変えるとともに、自分自身は二酸化窒素(NO2)に変換される。つぎに、このNO2が、R4の反応で自分の中の酸素原子を反応相手の酸素原子に与えて酸素分子に変えるとともに、自分自身はNOにもどる。この一連の反応によって、窒素酸化物(NO、NO2)には何の変化もないが、反応が一巡する毎に一つのオゾンと一つの酸素原子がなくなって、二つの酸素分子が生じている。このことは、R3とR4の化学式を加えて、両辺に共通のものを消去してみれば、化学式2の最下段の式のようになることからもわかる。
化学式2の反応系におけるNOとNO2のように、自らは何の変化もしないのに、他の分子・原子の化学反応を促進させる働きをするものを一般に触媒といい、そのような働きを触媒反応または触媒作用という。つまり、オゾンは窒素酸化物の触媒作用で、それがない場合に比べて、一層速く消滅するわけである。
化学式2の最下段の式は、チャプマン反応における実質的オゾンの消滅反応である化学式1のR2と、見かけ上同じになっている。すなわち、窒素酸化物の触媒作用で、オゾンが消滅する割合がチャプマン反応でオゾンが消滅する割合と同じ程度であれば、総合結果としてオゾン消滅率はR2の二倍になって、観測されたオゾン密度をうまく説明できることになる。そのような条件を満たすには、一立方センチメートル当り10^9くらいの密度のNO2があればよいことが計算の結果わかる。ところが実際に、図5(略)に見られるように、その程度の密度のNO2が成層圏にあることが観測された。これによって、中部および上部成層圏のオゾン密度の大きさに関する問題は、窒素酸化物の触媒反応を考慮することによりみごとに解決したことになる。
実際に、窒素酸化物の触媒作用を考慮して計算したオゾン密度の分布は、図27(略)で「微量成分光化学の影響」と書いた実線の曲線のようになっており、25キロメートルより上の中部および上部成層圏のオゾン密度の計算値が観測値とひじょうによく一致する。これは図10(略)に「チャプマン理論」と記した曲線に比べていちじるしい改良である。なお、図27の計算には、つぎに述べる水素酸化物の触媒作用の影響も含まれているが、中部および上部成層圏ではその影響は小さく、ほとんどが窒素酸化物である。
2 水素酸化物の触媒作用
化学式2の窒素酸化物の触媒反応では、R4の反応に酸素原子(O)が必要である。ところが、図5に見られるように、酸素原子は30キロメートルより下ではひじょうに少ないので、窒素酸化物の触媒反応は、オゾンがもっとも多く存在する下部成層圏では有効に働かない。下部成層圏ではそれに代わって、水素酸化物(OH、HO2)の触媒作用が重要になる。それは、化学式3のような一連の反応で、まず、R5の反応によりOHがオゾンから酸素原子一つを奪って酸素分子に変えるとともに、自分自身はHO2に変換する。次ぎにR6の反応でこのHO2がさらに別のオゾンと反応して二つの酸素分子にするとともに、自分自身はOHにもどる。R5とR6の一連の反応によって、水素酸化物のOHとHO2には変化がなく、反応が一巡する毎に二つのオゾンが壊れて三つの酸素分子に換えられる。
化学式3.水素酸化物による触媒反応。
R5 |
O3 |
+ |
OH |
→ |
O2 |
+ |
HO2 |
R6 |
O3 |
+ |
HO2 |
→ |
2O2 |
+ |
OH |
|
R5+R6 |
|
|
2O3 |
→ |
3O2 |
|
|
|
このように、水素酸化物はオゾンの多い下部成層圏でオゾン消滅の触媒作用をしている。
3 塩素酸化物の触媒作用
フロンの問題に関係のある塩素酸化物の触媒反応は、化学式4に示したR7とR8の一連の反応で起こる。化学式4の触媒反応には、R8の反応に酸素原子が必要なので、この反応は30キロメートル付近より上の中・上部成層圏で有効になる。後に述べるように、フロンは中・上部成層圏まで変化することなく運ばれて、そこで太陽紫外線による解離で塩素原子を遊離するので、これらの塩素酸化物によるオゾンの消滅反応は、チャプマン反応でオゾンが生成されるのと同じ高さでオゾンを消滅させることになる。したがってフロンは、下部成層圏に放出されて、そこで化学反応を起こすSSTからの窒素酸化物とは、比較にならないほど重大な成層圏オゾンの破壊をひき起こすことになる。これにたいして、SSTから放出される窒素酸化物によって下部成層圏のオゾンが消滅しても、それらのオゾンは、もともと中部および上部成層圏で生成されたものが、運動によって運ばれてきたものだから、上層でのオゾン生成機構に異常がなければ、そこからの補給で補償できる。
化学式4.塩素酸化物による触媒反応。
R7 |
O3 |
+ |
Cl |
→ |
O2 |
+ |
ClO |
R8 |
O |
+ |
ClO |
→ |
O2 |
+ |
Cl |
|
R7+R8 |
O |
+ |
O3 |
→ |
2O2 |
|
|
|
同じ量の塩素酸化物と窒素酸化物がある場合は、塩素酸化物の触媒反応は窒素酸化物のそれよりもオゾン層を破壊する度合が二倍近くも大きいことがわかっている。
SSTやフロンの問題についてはそれぞれ第Z章と第XI章でさらにくわしく述べる。』
Y オゾン分布は大気の運動とどう関係するか?
1 下部成層圏における運動の重要性
2 大気運動のトレーサー
3 大気の大循環−対流圏と成層圏の空気の大規模運動
4 対流圏と成層圏の交流
Z SST(成層圏超音速機)がオゾン層を破壊する?
1 SST(成層圏超音速機)の何が問題だったのか?−地球規模の公害問題のはしり
2 CIAP委員会の活動
3 SST問題の再評価
[ 窒素化学肥料はオゾン層にどう影響するか?
1 窒素の循環と成層圏の窒素酸化物
2 農業肥料の散布と成層圏オゾン
\ オゾン層の変化は生物にどんな影響を与えるのか?
1 成層圏オゾンによる太陽紫外線の遮蔽
2 紫外線の植物や動物への影響
3 人体への影響−皮膚ガンの増加
4 恐竜の絶滅に関係があるか?−宇宙線と成層圏オゾン
5 オゾン層の進化
6 火星の大気にもオゾンがある
] オゾン層の減少は気候にどんな影響を与えるか?
1 大気の熱収支はどうなっているか?
2 温室効果による地球の温暖化
3 輻射・光化学・運動の交互作用
4 火山爆発と成層圏エアロゾルの影響
XI フロンはほんとうにオゾン層を破壊するか?
1 奇跡の分子フロン−その特性と広範な用途
1a 冷却剤
1b 噴射剤
1c 発泡剤
1d 洗浄剤
フロン生産量の推移
2 成層圏や南極にもフロンがある−ローランドとモリナの警告
3 フロンの影響に関するモデル計算
4 成層圏オゾンへの影響は検出されたか?
5 フロンの温室効果
6 フロンの生産・使用の規制への足どり
7 フロンの代替品の開発は可能か?
XII 南極オゾン・ホールはなぜできる?
1 南極における異常現象の発見
2 南極オゾン・ホールの特質
3 運動の効果か、光化学作用か?−フロンが張本人らしい
3a 運動の効果説
3b 光化学反応説(フロンの影響)
『 3c 下部成層圏における塩素酸化物の触媒作用
先に、化学式4で述べた塩素酸化物の触媒反応では、R8の反応に酸素原子が必要なので、この反応系は下部成層圏では起こりにくい。したがって、R8に代わって酸素原子を必要としないでClOをClに変える反応で、R7の反応とあいまって塩素酸化物の触媒反応系を完成させるしくみを探さなければならない。
わたしたちは、図69(略)でオゾン・ホールの中では、ClOがひじょうに増えることを知った。そこではClO同士の反応が大きくなることが考えられる。この反応は、化学式6のR10に示されるようにClOの重合体(二つの同じ分子の結合によってできる分子)を作る。それからは、J4やR11の反応により塩素原子が生成される。化学式6にあるすべての反応を加えるとわかるように、この触媒反応系の総合的効果は二つのオゾンを三つの酸素分子に変える働きをしている。
化学式6.オゾン・ホールの中の下部成層圏で起こる塩素酸化物の触媒反応。
R7 |
O3 |
+ |
Cl |
→ |
O2 |
+ |
ClO |
R10 |
ClO |
+ |
ClO + M |
→ |
(ClO)2 |
+ |
M |
J4 |
(ClO)2 |
+ |
太陽紫外線 |
→ |
Cl |
+ |
ClOO |
R11 |
ClOO |
+ |
M |
→ |
Cl |
+ |
O2 + M |
|
2R7+R10+J4+R11 |
|
|
2O3 |
→ |
3O2 |
|
|
|
下部成層圏での塩素酸化物の触媒作用によってオゾンが減るためには、化学式6の反応系でR10の反応が有効に起こることが重要である。この反応が、オゾン・ホールの中で増大することは次のことから明らかである。すなわち、この反応速度は、ClOの密度の自乗に比例するので、オゾン・ホールの中では、ClOの密度とともに大きくなる一方、これに対抗するClOとNO2の反応はオゾン・ホールの中でNO2が減少するので遅くなる。オゾン・ホールの中で、NO2が少ないことは観測されているが、その理由として化学式7のようなしくみが考えられている。これにより、NO2がHNO3に変えられて少なくなるとともに、これでできるHNO3は、後に述べるように、極成層圏雲の生成に重要な働きをする。R14の反応も、気体同士の反応の場合はひじょうに遅いが、成層圏雲の氷滴の上では速く起こる。
化学式7.オゾン・ホールの中でNO2が減る機構。
R12 |
NO2 |
+ |
O3 |
→ |
NO3 |
+ |
O2 |
R13 |
NO2 |
+ |
NO3 + M |
→ |
N2O5 |
+ |
M |
R14 |
N2O5 |
+ |
H2O |
→ |
2HNO3 |
|
|
|
化学反応説の問題点は、オゾン・ホールの発達する年の10月に、気温が低いこと(図70参照:略)をどう説明するかという点にある。これに対しては、気温の低いのはオゾンが少なくなった結果であるという考え方がある。また気温の低いのは、炭酸ガスやフロンなどの増加で、成層圏から宇宙空間への赤外放射が増加したためであるという考え方もある。後者の場合は、10月だけでなく年間を通じて温度が低くならなければならない。最近の解析結果では、1980年代に入って上部成層圏や南極の下部成層圏で、そのような傾向があると主張する学者もいる。』
4 極成層圏雲の役割
5 成層圏突然異常昇温の影響
おわりに
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