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最終更新日:2016年11月10日
全般 | エネルギー資源 | 鉱物資源 | 政策 | その他 |
リンク| 資源問題とは| 資源枯渇評価方法| |
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鉱物資源問題| |
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エコリュックサック| 資源枯渇性特性化係数| 資源ナショナリズム| |
資源問題(Resource Problem)は大きく分けると2つがある。 1つは、資源の枯渇〔Depletion:および不足(Lack、Shortage、Scarcity)〕に関連するもので、例えばピーク・オイル〔Peak Oil:石油(Oil)の来るべき不足〕や、レアメタル〔Rare Metal:および鉱物資源(Mineral resource)の確保難〕や食糧〔Food:とくに穀物(Cereal)など〕や水の不足(Shortage)などが含まれる。 もう1つは、資源の消費(Consumption)に伴う問題で、典型的なのは地球環境問題(Global Environmental Problem)である。地球環境問題は本質的には資源の利用に伴い排出される廃棄物(Waste)による負の影響であるので、そのすべてが該当する。 |
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全般 | エネルギー資源 | 鉱物資源 | 政策 | その他 |
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リンク |
全般 | 枯渇 | 環境 | 分配 | その他 |
全般| 資源の呪い| オランダ病| |
資源メジャー| 資源枯渇性特性化係数| |
TMR(Total Material Requirement、関与物質総量)| エコリュックサック| |
資源ナショナリズム| コモンズの悲劇| |
資源経済| ランティエ| その他 |
※『論文リスト(資源・環境)』のページの中の『資源の呪い』も参照。
【TMR】(Total Material Requirement;関与物質総量)
【エコリュックサック】(エコロジカル・リュックサック、Ecological Rucksack)
資源問題とは |
図1-1-3 主な資源の流通量と潜在的な環境負荷 環境省による『平成23年版 環境・循環型社会・生物多様性白書』から |
資源枯渇評価方法 |
資源枯渇の主な評価手法 資源枯渇の評価手法は以下の5つのアプローチに分類できる。 @埋蔵量、耐用年数の逆数 A超過エネルギー(天然資源の品位が将来低下することにより、入手に必要なエネルギーの増加量) B鉱物のエクセルギー CTMR(関与物質総量) D持続可能性の概念に基づいた係数 |
金沢・神谷(1993)による『地球規模的及び広域的鉱物資源評価法の概説』から |
鉱物資源問題 |
【2014】
ベースメタルに関する課題 〜鉱山開発コストの増加〜 鉱山の開発コストは、鉱床のタイプ、採掘方法、交通・電気・水等のインフラ状況、環境規制の状況等により左右される。近年の開発プロジェクトは、鉱石品位の低下、鉱山の深部化、奥地化、燃料価格の高騰等により、初期投資コストが増大。 |
ベースメタルに関する課題 〜製錬加工費の相対的低下と電気料金値上げ〜 ・資源メジャー等が権益を有する鉱山側と製錬所側は、毎年、契約上の製錬加工費(TC(溶錬費)/RC(精製費))等を交渉にて決定。近年、資源メジャーの寡占化、中国等新興国の製錬メーカー台頭の影響から契約条件が悪化。2003年以降、LME価格が高騰したが、高騰分は鉱山側の取 り分となり、製錬所側の取り分は相対的に低下。 ・こうした状況の下で、東日本大震災以降の電気料金の値上げ及び燃料調整費により、国内の製錬所では年間約140億円の追加負担が発生。 ベースメタルに関する課題 〜これまでの対応〜 我が国資源関連産業が資源確保を目指す上で、資源メジャーとの資金力の違い、鉱山開発コストの増大、製錬加工費(TC/RC)の相対的低下等の課題が存在。 ←こうした課題に対して、主に以下の政策的支援を実施。 @JOGMECによるリスクマネー供給支援 (例)カセロネス(銅・チリ)(2011年)、シエラゴルダ(銅・チリ)(2012年年)開発プロジェクトに対する債務保証 Aリスクが高い探鉱段階における政策的支援 (例)JOGMECが実施した探鉱案件(フロンテラ(銅・チリ))を民間企業が引継ぎ(2012年) B製錬技術の向上のための研究開発支援 (例)低品位・難処理鉱の製錬技術の開発支援(2009〜12年) |
レアメタルに関する課題 レアメタルの安定供給確保を目指していく上で、以下の点が課題となる。 @レアメタルの市場はベースメタルと比較して小さく、価格のボラティリティが高い。 A例えば、蛍光灯からLEDへの移行により、レアアースの需要が減少したように、製品開発動向により需要が影響を受けやすい。 B他の鉱石の副産物として生産されるレアメタルの供給は、主生産物の供給に左右されるため、副産物の需要動向に応じた供給を行うことが困難。 C資源の偏在性が高く、我が国にとって地政学的リスクが高い地域に偏っているケースが多い。 レアメタルに関する課題 〜これまでの対応〜 上の@〜Cの課題対して、主に以下の政策的支援を実施。 @JOGMECによるリスクマネー供給支援 (例)アラシャ(ニオブ・ブラジル)プロジェクトに対する資産買収出資及び債務保証(2011年) (例)ライナス(レアアース・豪州、マレーシア)プロジェクトに対する資産買収出資(2011年) Aリスクが高い探鉱段階における政策的支援 (例)JOGMECが実施する探鉱案件ウォーターバーグ(白金族・南アフリカ)を今後入札により引継ぎ予定 Bリサイクル技術の研究開発支援 (例)タンタル、コバルトのリサイクル技術支援(2012〜15年) C省資源化、代替材料開発の研究開発支援 (例)ジスプロシウム使用量を削減したネオジム磁石開発支援(2007〜現在) Dレアメタルの備蓄 →官民合計で60日間の備蓄を実施 |
共通する課題@〜資源ナショナリズムの先鋭化〜 中国によるレアアース等の輸出枠削減(2010年)やインドネシアの鉱業法改正による事実上の鉱石輸出禁止措置(法改正は2009年、実施は2014年)のように、資源ナショナリズムの先鋭化が我が国企業の事業活動に大きな影響を及ぼす。 こうした動きは他の資源国にも広がりつつある。 共通する課題A〜鉱物資源に対する規制強化(紛争鉱物規制)〜 【背景・経緯】 1.コンゴ民主共和国(DRC)では、1960年の独立直後から内戦が勃発し、第一次コンゴ動乱(1960〜63年)等を経て、モブツ大統領が独裁政権を握ったが、同政権崩壊後、第一次コンゴ内戦(1996〜97年)、第二次コンゴ内戦(1998〜2003年)を経験。 2.国連のDRCの天然資源の不法開発に関する報告書(2001年)によれば、DRCでは歴史的にどの政権においても天然資源と人的資源が濫用され、強制力によって少数の利益のために開発されてきた。 3.特に、鉱物資源(金、すず、タンタル、タングステン)の不法開発によって得られた利益がDRCや周辺国の紛争を長引かせたと考えられており、OECD諸国で不法採掘鉱物の取引を禁止する動きが広まっている。 【規制の動向】 <米国> 2010年7月に成立した米国金融規制改革法(Dodd-Frank法)の中で、DRC及び周辺国から産出した鉱物資源(金、すず、タンタル、タングステン)を使用した製品を製造する企業に証券取引委員会(SEC) への報告、WEB開示を義務付け(2013年1月施行)。 <OECD> 2010年12月、紛争地域から調達される鉱物を供給又は利用する全ての企業に対して、紛争地域からの鉱物調達により生じる悪影響を緩和するため、調達先の見極め等のために必要な措置(デュー・ディリジェンス)を提示。例えば、紛争鉱物を使っていない製錬所のリスト化及びその活用等。 <EU> 本年中にも紛争鉱物を規制する法案を議会において審議予定。 |
共通する課題B〜鉱物資源に対する規制強化(採取産業透明性イニシアティブ)〜 採取産業透明性イニシアティブ(EITI)とは、資源開発企業から資源国への資金の流れの透明性を高め、腐敗や紛争を予防し、公正なエネルギー資源開発を促進する多国間協力の枠組み。米国はドッド・フランク法、欧州は会計・透明性指令により資源開発企業に情報開示義務を求める仕組みを構築。 共通する課題C〜鉱物資源に対する規制強化(水銀規制 (水俣条約))〜 条約の目的は、水銀及び水銀化合物の人為的な排出から人の健康及び環境を保護すること。 共通する課題D〜鉱物資源に対する規制強化(鉱石海上輸送に係る国際規制)〜 規制の概要は、MARPOL条約附属書V(船舶からの廃棄物による汚染防止のための規則)の改正に伴い、平成25年1月から、海洋環境に有害な物質をばら積みした船舶から海洋への廃棄物(船倉洗浄水)の排出が原則禁止。 共通する課題E〜人材育成〜 1970年代以降の国内鉱山の閉山、1980年代の我が国資源関連企業による海外鉱山開発の低迷を経て、大学における資源関係学部が相次いで閉鎖。 現在、産官学の取組みにより、例えば、秋田大学による「資源ニューフロンティア特別教育コース」の開設(2012年度)、民間企業による東京大学生産技術研究所における寄付講座の開設(2013年度)、資源・素材学会や国際資源大学校による研修等が行われているが、鉱山開発に不可欠な、採鉱技術者や選鉱技術者の養成には必ずしも十分ではない。 |
資源エネルギー庁資源・燃料部(2014/5)による『鉱物資源をめぐる現状と課題』から |
エコリュックサック |
年間総関与物質総量 (元素当りの関与物質総量(TMR)に、年間消費量をかけたもの) 原田による『2.元素戦略研究の必要性 −データで見る元素リスクの現状−』から |
図6 各金属の関与物質総量係数 原田(HP/2011/6)による『わが国の産業競争力を支える工業材料・資源戦略〜持続可能な資源利用に向けて〜』から |
エコリュックサック=MI=Σ(Mi・Ri) The Takeda Foundation(HP/2011/6)による『3.エコリュックサックとMIPS』から |
The Takeda Foundationのホームページから(Friedrich Schmidt-Bleek・Ernst U. von Weizsaeckerの両氏による) ※内側の小さい四角が生産量を示し、外側はその資源の生産に伴う不用物の量(エコリュックサック量)を示す。生産量(消費量)で比較すると、図に含まれていないが水資源が最も大きい(1995年で3752km3≒3.8兆トン)。2番目が鉱物資源(非金属鉱物資源)の中の砕石と石材資源であり、3番目がエネルギー資源の中の化石燃料(石炭や石油など)である。ただし、エコリュックサック量では、金属鉱物資源の中の一部の資源も大きくなる。 |
資源枯渇性特性化係数 |
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原田・井島(2005/3)による『「鉱物資源使用」カテゴリーの特性化係数』から |
資源ナショナリズム |
資源ナショナリズム動向(2011年) 地域・国 ・北・中米(米国、カナダ、メキシコ等)を除く、ほぼ世界全域。 ・特に南部アフリカで顕著(ヨーロッパ諸国の影響力低下) 。 鉱種 ・鉄鉱石を始めとするほぼ全ての鉱種 廣川(2012/3)による『資源ナショナリズムの現状と資源開発』から |