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最終更新日:2016年6月24日
46. りん化合物及び全りん 46.1 りん酸イオン(PO43-) …モリブデン青吸光光度法 46.2 加水分解性りん 46.3 全りん …ペルオキソニ硫酸カリウム(K2S2O8)分解法または硝酸-過塩素酸分解法 |
※リンの化学分析法は、分野によって対象とする形態(化学種)が異なるとともに、目的に応じて多種多様の手法が用いられている。実際の化学種の決定は困難な場合も多く、現実的には、何らかの化学的操作によって区別できる分を分析する方法が用いられている。具体的には、リンの形態から:全P、全溶存P、溶存無機P、溶存有機P、粒子状無機P、粒子状有機P;あるいは、不安定なP、可溶性のP、交換性のP、ゆるく結合したP、Feと結合したP、Alと結合したP、Caと結合したP、など。また、リンの起源から:生物起源のP、自生のP、砕屑性のP、など。さらに、生物による利用性から:生物が利用可能なP(可給態=available)、プランクトンが利用可能なP、農作物が利用可能なP、など。とくに固体の場合で、化学種を特定できた場合は鉱物名(アパタイトなど)や無機化合物名や有機化合物名(生物起源が主)も用いられている。
固体試料の場合には、特定の操作によって溶液に変え、そのP画分について上記のような特有の名称を与えることが多い。また、液体試料であっても、固体(浮遊物質、懸濁物質)と液体(溶存物質)の区別は現実的には困難な場合が多いため、濾過操作におけるフィルターの孔径によって行われており、0.45ミクロンがよく使われている(こちらを参照)。分析手法(および分析機器)の違いによっても、結果が異なることが多い(ICPと比色の比較はこちらを参照)。
歴史的には、農業における農作物の栄養の一つであるリン量の管理を目的とする土壌中のリンの化学分析が主要であり、多種類の土壌リン試験法が開発されてきている。この場合は、農作物である植物に利用できる形態がとくに重要である。
近年は、さらに環境問題に関連して、とくに富栄養化との関連で、水試料(および堆積物試料)の分析例が多い。
※それぞれの内容についての概略は以下を参照。また、それぞれの論文の要旨は『論文リスト(物質循環)』のページの『リン』を参照。
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土壌リン試験法
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◎:連続抽出法 ★:主要な分析法 |
Wang et al.(2013)による『Sequential extraction procedures for the determination of phosphorus forms in sediment』から |
土壌 | pH | 鉱物 | 方法 |
酸性(acidic) | <6.0 | Al-P、Fe-P、Mn-P | Bray 1、Mehlich 1、Mehlich 3、水、IIP、AER |
やや酸性〜ややアルカリ性(slightly acid to slightly alkaline) | 6.0〜7.2 | Al-P、Fe-P、Mn-P、Mg-P、Ca-P | Bray 1、Mehlich 1、Mehlich 3、Olsen、水、IIP、AER |
アルカリ性(alkaline)、石灰質(calcareous) | >7.2 | Ca-P、Mg-P | Olsen、水、IIP、AER |
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〜1999年 | 2000年〜2004年 | 2005年〜2009年 | 2010年〜 |
Lucotte & d'Anglejan(1985)| De Lange(1992)【Hieltjes & Lijklema】| ★Ruttenberg(1992)【Ruttenberg】| Jensen & Thamdrup(1993)【Psenner】| 鈴村・鎌谷(1993)【鎌谷・前田】| Cross & Schlesinger(1995)【Tiessen←Hedley】|Hupfer et al.(1995))【Psenner】| Paludan & Jensen(1995)| |
Schenau & De Lange(2000)【Ruttenberg】| Anderson & Delaney(2000【Ruttenberg】| Rydin(2000)【Psenner】| Motavalli & Miles(2002)【Hedley】| Ruttenberg(2003)【Ruttenberg】| 井上ほか(2004)【Pacini and Gachter】| |
Fytianos & Kotzakioti(2005)【Psenner】| Latimer et al.(2006))【Ruttenberg】| Kapanen(2008)【Hieltjes & Lijklema】| Oxmann et al.(2008)| 対馬ほか(2008)【Pacini and Gachter】| Zhang and Kovar(2009)| Pierzynski et al.(2009)| Kuster-Heins(2009))【Ruttenberg】| 小松ほか(2009)【Williams】| Hupfer et al.(2009)【Psenner】| |
Zhang et al.(2010))【Ruttenberg】| Wilson et al.(2010)【Psenner】| Kuster-Heins et al.(2010))【Ruttenberg】| |
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クエン酸 亜ジチオン酸 (Na2S2O4) でバッファー |
酢酸ナトリウム | 炭酸水素ナトリウムでバッファー(BD) | (高温) | (高温) | (高温) | |||||||
Kuster- Heins(uの頭に¨) et al. (2010) 〔Ruttenberg(1992)+Schenau and De Lang(2000)+Latimer et al.(2006)〕 |
【2M】 交換可能なP、生物起源アパタイト、 アパタイト先駆鉱物、 CaCO3結合P |
吸着された還元可能な/反応性のFe3+結合P | 自生アパタイト |
【1M】 砕屑性P |
【550℃】 有機P |
【1.5M、85℃】 オパールに伴うP |
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Wilson et al. (2010) 〔Psenner et al. (1988)+Tessier et al.(1979)+Hieltjes and Lijklema(1980)〕 |
【1M】 ゆるく吸着したP、 交換可能なP、 孔隙水中P |
【0.1M】 還元剤で可溶なP〔鉄とマンガンの酸化物に伴うP〕 |
【0.5M】 酸溶解鉱物 |
【0.1M】 いくらかのアルミニウム・鉄の酸化物に伴うP、 いくらかの有機・生物起源P |
【1M、85℃】 残り |
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Zhang et al. (2010) 〔Ruttenberg(1992)〕 |
【1M】 吸着された無機P、 交換可能な有機P |
鉄結合無機P |
【バッファー】 【MgCl2洗浄】 自生アパタイト、 CaCO3結合無機・有機P |
【1M】 砕屑性アパタイト |
【550℃】 溶けにくい有機P |
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Hupfer et al. (2009) 〔Psenner et al.(1984)など〕、 Hupfer et al.(1995) |
【1M】 孔隙水中のP、 表面にゆるく吸着したP |
【0.1M】 酸化されたFe・Mn酸化物に結合した酸化還元に敏感なP |
【0.5M】 Caリン酸塩鉱物、 酸に可溶の有機P |
【1M】 Al・Fe酸化物に吸着したP、塩基中で可溶な無機P化合物、 ポリリン酸、 砕屑物中の有機P、 フミン化合物に結合したPを含む微生物中のP |
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小松ほか(2009) 〔Williams et al.(1971)〕 |
【85℃】 【+クエン酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム】 Fe-P、 有機P |
【100℃】 Ca-P、 有機P |
【1M】 Al-P、 有機P |
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Latimer et al. (2006) 〔Mortlock and Froelich(1989)+Ruttenberg(1992)+Anderson and Delaney, (2000)〕 |
【クエン酸ナトリウム+MgCl2】 吸着した・還元可能な/反応しやすい鉄結合P |
【酢酸ナトリウム】 【MgCl2】 炭酸フッ素燐灰石、 生物起源水酸化燐灰石、 CaCO3結合P |
【1M】 砕屑性P |
【550℃】 有機P |
【1.5M、85℃】 オパールに伴ったP |
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Schenau & De Lange (2000) 〔Ruttenberg(1992)+Lord(1982)など〕 |
【2M】 交換性またはゆるく吸着したP、 炭酸塩に伴ったP、 生物起源アパタイト |
易還元性または反応性鉄結合P | 自生アパタイト |
【90℃】 【HNO3+HF】 有機P、 粘土鉱物に吸着したP |
【1M】 砕屑性アパタイト |
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Ruttenberg (2003)、 Ruttenberg (1992) |
【1M】 交換性またはゆるく吸着したP |
易還元性または反応性第二鉄結合P |
【酢酸ナトリウム】 自生アパタイト、 生物起源アパタイト、 CaCO3-結合P |
【1M】 砕屑アパタイト、 その他の無機P |
【550℃】 有機P |
ステップ | 試薬 | 抽出されたリン成分 |
(1)生物起源(biogenic) | 25 ml 2M NH4Cl(塩化アンモニウム) (pH 7) | 交換可能なP(exchangeable P)、生物起源アパタイト(biogenic apatite)、アパタイト先駆鉱物(apatite precursor mineral)、CaCO3結合P(CaCO3-bound P) |
(2)Fe3+結合(Fe(III)-bound) |
25 ml クエン酸(citrate)亜ジチオン酸(dithionite)バッファー(buffer)(pH
7.5)、 25 ml 2M NH4Cl, 25 ml dem. water(脱鉱物質水) |
吸着された還元可能な/反応性のFe3+結合P(adsorbed and reducible/reactive Fe(III)-bound P) |
(3)自生(authigenic) |
25 ml 1M 酢酸ナトリウム(Na-acetate)(pH 4)、 25 ml 2M NH4Cl, 25 ml dem. water |
自生アパタイト(authigenic apatite) |
(4)砕屑性(detrital) |
25 ml 1M HCl、 25 ml dem. water |
砕屑性P(detrital P) |
(5)有機結合(organic-bound) |
550℃での強熱(ignition)後に 25 ml 1M HCl |
有機P(organic P) |
(6)オパール結合(opal-bound) | 85℃で25 ml 1.5M NaOH | オパールに伴うP(opal-associated P) |
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湿った堆積物 1 g以上 | ||
1 |
1M NH4Cl、pH 7、 25℃、1時間 |
ゆるく吸着した、 交換可能な、 孔隙水画分 |
2 |
0.1M NaHCO3でバッファーした、 0.1M Na2S2O4(bicarbonate-dithionite、BD)、 40℃、30分 |
還元剤で可溶な画分〔主に、鉄とマンガンの(オキシ)水酸化物に伴うP〕 |
3 |
0.1M NaOH、 25℃、16時間 |
いくらかのアルミニウムと鉄(オキシ)水酸化物に伴うP、 いくらかの有機と生物起源P |
4 |
0.5M HCl、 25℃、16時間 |
酸溶解鉱物 |
5 |
1M NaOH、 85℃、24時間 |
残り |
AlとFeとPに対するPsenner et al. (1988)による連続抽出法の一部を変えたもの。最初のステップで、蒸留水の代わりにNH4Clを使用(Tessier et al. 1979)、第三ステップで1M NaOHの代わりに0.1M NaOHを使用(Hieltjes and Lijklema 1980)。 |
0.5 gの乾燥堆積物 | |||
ステップ1 |
pH 8 1M MgCl2 2時間、25℃ |
DIP、TDP → |
吸着された無機P (Adsorbed inorganic P) 交換可能な有機P (Exchangeable organic P) |
ステップ2 |
BD(bicarbonate dithionite mixed solution、NaHCO3+Na2S2O4) 4時間、25℃ |
→ |
鉄結合無機P (Fe-bound inorganic P) |
0.5M NaCl すすぎ洗い、2時間、25℃ |
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ステップ3 |
pH 4酢酸バッファー 6時間25℃ |
→ |
自生アパタイト (Authigenic apatite) CaCO3結合無機および有機P (CaCO3-bound inorganic and organic P) |
1M MgCl2 すすぎ洗い、2時間25℃ |
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ステップ4 |
1M HCl 16時間、25℃ |
DIP → |
砕屑性アパタイト (Detrital apatite) |
ステップ5 |
550℃で灰化 1M HCl 16時間、25℃ |
DIP → |
溶けにくい有機P (Refractory organic P) |
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(時間) |
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1M NH4Cl(脱酸素化された) | 0.5 | TP | 孔隙水中のP、表面にゆるく吸着したP(例えば、FeOOHやCaCO3の表面) |
0.11M BD(bicarbonate/dithionite) | 1 | TP | 酸化されたFeとMn化合物に主に結合した酸化還元に敏感なP |
1M NaOH |
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SRP | OH-イオンに対して交換可能なP〔例えば、AlとFe(オキシ)水酸化物に吸着したP〕および塩基中で可溶な無機P化合物〔FeとAl(水酸化)リン酸塩〕 |
NRP | ポリリン酸(poly-P)と砕屑物中の有機Pとフミン化合物に結合したPを含む微生物中のP | ||
0.5M HCl | 16 | TP | Caリン酸塩鉱物および酸に可溶の有機P |
残渣P(Residual-P、Res-P) | TP | 溶けにくい(refractory)有機Pおよび抽出できない(nonextractable)鉱物P | |
NRP=非反応性リン(nonreactive phosphorus)、SRP=可溶の反応性リン(soluble reactive phosphorus)、TP=全リン(total phosphorus) |
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堆積物コア試料 |
薄切り、 計量 |
− |
薄切り(sliced)堆積物試料 |
計量、 遠心分離〔3000回転/分(1430 G)、20分間〕 |
− |
上記試料 |
酸揮発性硫化物態硫黄量(acid volatile sulfide)測定、 湿重量計量、 乾燥(105℃、2時間)、 乾重量計量(含水率) |
− |
乾燥試料 |
炭酸塩の除去(振とう、25℃、24時間)、 全有機炭素(TOC)と全窒素(TN)を測定 |
− |
粒度分布測定、 強熱(550℃、2時間)、 強熱減量(ignition loss)測定 |
− | |
リンの分別 |
0.22M Na3C6H5O7・H2O(クエン酸ナトリウム) 0.11M NaHCO3(炭酸水素ナトリウム) Na2S2O4(亜ジチオン酸ナトリウム) 85℃で30分間抽出 |
CDB-RP(Fe-P;非アパタイト) CDB-NRP(有機P) |
残渣 |
1M NaOH(水酸化ナトリウム) 振とう、25℃で16時間抽出 |
NaOH-RP(Al-P;非アパタイト) NaOH-NRP(有機P) |
残渣 |
2M HCl(塩酸) 100℃で30分間抽出⇒加熱抽出法(井澤・清木、1982) |
HCl-RP(Ca-P;アパタイト) HCl-NRP(有機P) |
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1 |
生物起源 (Biogenic) |
25 ml 2M NH4Cl(塩化アンモニウム) (pH 7) | 残留孔隙水中のP、交換可能なP、生物起源アパタイト、アパタイト先駆鉱物、炭酸塩に伴うP |
1b |
交換可能 (Exchangeable) |
25 ml 0.35M NaCl | 交換可能で、ゆるく吸着したP |
2 |
酸化物結合 (Oxide-associated) |
25 ml クエン酸(citrate)亜ジチオン酸(dithionite)バッファー(pH
7.5)、 25 ml 2M NH4Cl, 25 ml dem. water(脱鉱物質水) |
吸着した還元性/反応性のFe3+結合P |
3 |
自生 (Authigenic) |
25 ml 1M 酢酸ナトリウム(Na-acetate)(pH 4)、 25 ml 2M NH4Cl, 25 ml dem. water |
自生P |
4 |
砕屑性 (Detrital) |
25 ml 1M HCl、 25 ml dem. water |
砕屑性P |
5 |
有機 (Organic) |
550℃での強熱(ignition)後に 25 ml 1M HCl |
有機P |
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全リン 溶存相および粒子状相の全量 |
TP |
濾過してない水試料の温浸(digestion) →Kjeldahl法、または →ペルオキソ二硫酸アンモニウム〔ammonium persulfate、過硫酸アンモニウム、(NH4)2S2O8〕酸 |
全溶存リン 溶存無機リン(オルトP)および溶存有機リン |
TDP | 濾過試料の過硫酸温浸(persulfate digestion) |
正リン酸塩(オルトリン酸塩、orthophosphate) | Ortho P | イオンクロマトグラフィー |
溶存反応性正リン酸塩 藻類が直接利用できるリン、およびおよそ0.45μm以下で容易に変化する有機質およびコロイド質リンも含まれる可能性あり |
DRP |
Murphy &
Riley 濾過試料の比色(colorimetric)分析またはICP分析 |
生物が利用可能なリン酸塩 溶存オルトP、および藻類が利用可能な粒子状リンの一部 |
BAP |
濾過してない試料の以下の抽出: →NaOH →Cl-飽和陰イオン交換樹脂 →フッ化アンモニウム(ammonium fluoride) →鉄酸化物フィルター紙片(Iron-oxide filter paper strips) |
モリブデン酸反応性リン 溶存オルトP、および酸抽出可能な粒子状リン(たぶん藻類が利用可能) |
MRP |
Murphy &
Riley 濾過してない試料の比色分析 |
粒子状リン 浸食された堆積物に伴うか結合した無機と有機のリン |
PP | 全リンと全溶存リンの差(TP−TDP) |
溶存有機リン** ポリリン酸塩(polyphosphate)および加水分解可能なリン酸塩を含む |
DOP | 全溶存リンと溶存反応性正リン酸塩の差(TDP−DRP) |
* 適切に用いることができるすべての方法を示している訳ではない。濾過試料は0.45μm孔径のフィルターを通過したものとして定義される。 ** 溶存有機リンが全溶存リンの25%以上であれば、ポリリン酸塩および加水分解可能なリン酸塩を測定する必要があるだろう。 |
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100 mLの遠心分離管に土壌試料1.0 g | 100 mLの遠心分離管に土壌試料1.0 g | |||
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50 mLの1M NH4Clを加え、30分間振とう(shake)、遠心分離 |
→ |
(Soluble and loosely bound P) |
← |
50 mLの0.1M NaOH+1M NaClを加え、17時間攪拌、遠心分離、飽和NaClで洗浄 |
↓ |
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50 mLの0.5M NH4Fを加え、1時間振とう、遠心分離、飽和NaClで洗浄 |
→ |
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← |
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↓ |
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50 mLの0.1M NaOHを加え、17時間振とう、遠心分離、洗浄 |
→ |
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← |
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↓ |
↓ |
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40 mLの0.3M Na3C6H5O7・2H2O(クエン酸ナトリウム)と5 mLの1M NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)と1.0 gのNa2S2O4(亜ジチオン酸)を加え、.加熱、攪拌(stir)、加熱、遠心分離、洗浄 |
→ |
(Reductant soluble P) |
← |
40 mLの0.3M Na3C6H5O7・2H2O(クエン酸ナトリウム)と5 mLの1M NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)と1.0 gのNa2S2O4(亜ジチオン酸)を加え、.加熱、攪拌、加熱、遠心分離、洗浄 |
↓ |
↓ |
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50 mLの0.25M H2SO4を加え、1時間振とう、遠心分離、洗浄 |
→ |
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← |
50 mLの0.5M HClを加え、1時間振とう、遠心分離、洗浄 |
100 mLの遠心分離管に湿った土壌試料1.0 g(オーブンで乾燥) (oven-dry basis) |
100 mLの遠心分離管に湿った土壌試料1.0 g(オーブンで乾燥) | |||
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2 mLのCHCl3(クロロホルム)(微生物細胞の分解) (lyses microbial cells) |
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50 mLの0.5M NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)を加え、16時間振とう、遠心分離、濾過 |
(Aliqout) → |
(Labile Pi) |
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→ |
(Persulfate digestion) |
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50 mLの0.5M NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)を加え、16時間振とう、遠心分離、濾過 | |
↓ |
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(Total Labile P) 不安定なPo=不安定なPの総量−不安定なPi |
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50 mLの1.0M HCl(塩酸)を加え、3時間振とう、遠心分離、濾過 |
→ |
(Moderately Labile Pi) |
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→ |
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全P 適度に不安定な(Moderately Labile)Po=全P−Pi |
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↓ |
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脱イオン水で5分間すすぎ洗い、遠心分離 |
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(Discard Supernatant) |
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↓ |
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50 mLの0.5M NaOH(水酸化ナトリウム)を加え、6時間振とう、遠心分離、濾過 |
→ |
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全P |
→ |
pH 1.0-1.5に酸性化、遠心分離 |
→ |
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(Fulvic Acid Po) フミン酸(Humic Acid)Po=全P−フルボ酸Po |
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脱イオン(deionized)水で5分間すすぎ洗い(rinse)、遠心分離 |
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↓ |
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550℃で灰化(ash)1時間 |
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50 mLの1.0M H2SO4(硫酸)を加えて溶解、振とう24時間 |
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(Nonlabile Po) |
各抽出溶液に含まれる特定の形態のリンを順に定量する方法である。図-2及び表-1に示したようにリンの抽出に用いられる溶液は抽出の順 に、1M塩化アンモニウム溶液、0.11M BD溶液(炭酸水素ナトリウム・亜ジチオン酸ナトリウム混合溶液)、1M水酸化ナ トリウム溶液、0.5M塩酸溶液である。それぞれの溶液による抽出操作の後には洗浄と抽出の完了のため純水と塩化アンモニウム溶液を用いて抽出操作を行い、異なる溶液の混合を避けた。 |
図-3各試料の形態別リン量の割合 |
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図-4調査地点の水深とリン量の比較(沿岸部で高い項目) |
図-5調査地点の水深とリン量の比較(沿岸部で低い項目) |
対馬ほか(2008)による『猪鼻湖堆積物の形態別リンの分布特性』から |
Figure 2 CONVEX scheme for the quantification of phosphorus species in sediment. 1A & 1B, conversion procedure; 2A-3C, extraction procedure. A conversion time of 7 days is recommended for species determination.(図2 堆積物中のリン化学種の定量化のためのCONVEX法.1Aと1Bは変換法.2A〜3Cは抽出法.化学種の決定には7日間の変換時間を推奨する.) Oxmann et al.(2008)による『Quantification of individual phosphorus species in sediment: a sequential conversion and extraction method』か |
(4種類) |
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0.1 g |
加熱(burning)550℃で3時間、 残渣:5 mLの0.5M HCl(塩酸)を加え、室温で48時間、 抽出⇒ |
P-tot (全P) |
0.1 g |
5 mLの0.5M HCl(塩酸)を加え、室温で24時間、 抽出⇒ |
HCl-P (アパタイトP) |
1 g |
10 mLの1M NH4Cl(塩化アンモニウム)を加え、室温で2時間振とう、 抽出⇒ 残渣:10 mLの1M NH4Cl(塩化アンモニウム)を加え、室温で2時間振とう、 抽出⇒ |
NH4Cl-P (ゆるく結合したP) |
1 g |
10 mLの0.1M NaOH(水酸化ナトリウム)を加え、室温で17時間振とう、必要ならH2SO4(硫酸)でフミン酸(humic
acid)を抽出、 抽出⇒ |
NaOH-P (金属酸化物結合P) |
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試薬 | 分離されたリン成分 |
酸化物に伴った |
10mL CDB溶液(6時間)(0.22Mクエン酸ナトリウム、1M炭酸水素ナトリウム、0.13M亜ジチオン酸ナトリウム)、 10mL 1M塩化マグネシウム(2時間)、 10mL水(2時間) |
吸着したおよび還元可能なあるいは反応しやすい鉄結合P(Adsorbed and reducible or reactive Fe-bound P) |
自生 |
酢酸でpH 4に緩衝した10mL 1M酢酸ナトリウム、 10mL 1M塩化マグネシウム(2時間)−2回、 10mL水(2時間) |
炭酸フッ素燐灰石(Carbonate fluorapatite、CFA)、 生物起源水酸化燐灰石(biogenic hydroxy apatite)、 CaCO3結合P |
砕屑性 | 10mL 1M塩酸(16時間) | 砕屑性P(Detrital P) |
有機 |
1mL 50%(w/v)硝酸マグネシウム、 オーブンで低温乾燥、 550℃で灰化(2時間)、 10mL 1M塩酸 |
有機P(Organic P) |
オパールに伴った |
10mL 1.5M水酸化ナトリウム(85℃、2時間)、 または、 10mL 1.5M水酸化ナトリウム(85℃、2時間)の後に10mL 2M炭酸ナトリウム(85℃、5時間) |
オパールに伴ったP(Opal-associated P) |
残渣(Residual) | 5mL硝酸、4mLフッ化水素酸、1mL塩酸 | 続く抽出ステップで残留するP(P remaining following extraction steps) |
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堆積物試料(各画分の残渣が次へ) | |||
画分1:中性でのNH4Cl抽出リン |
25 mlの1M NH4Cl、 pH 7で2時間 |
NH4Cl−P | ゆるく吸着したP |
画分2:バッファーした亜ジチオン酸(dithionite)抽出リン(25℃) |
0.11M Na2S2O4/NaHCO3、 1時間 |
BD-P | Fe-P |
画分3:NaOH抽出リン |
0.1M NaOH、 16時間 |
NaOH−rP | “Al-P” |
画分4:HCl抽出リン |
0.5M HCl、 16時間 |
HCl−P | Ca-P |
画分5:残渣リン | Residual-P | (計算された)“Res-P” |
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図-3 河川懸濁物質、土壌、藻類中のリンの組成比 |
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図-2 SS濃度とSS当りのリンの量 |
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井上ほか(2004)による『河川水中懸濁物質と流域土壌の連続抽出法による分画とその特性』 |
図8 海洋堆積物中の異なる形態のリンを定量するためのSEDEX連続抽出法を構成する一連の抽出剤と抽出条件(Ruttenberg,1992から) |
方法 | リン画分 | 実用的なリンプール |
土壌試料(1.5 g) | ||
0.4 gの陰イオン交換樹脂、 16時間振とう、 20 mLの0.5M HClで回収されたリン |
樹脂による無機リン(Resin Pi) | 利用可能の(Available) |
30 mLの0.05M NaHCO3(炭酸水素塩)(pH 8.5)、 16時間振とう |
炭酸水素塩による無機リンと有機リン(Bicarbonate Pi + Po) | 不安定な(Labile) |
30 mLの0.1M NaOH(水酸化ナトリウム)、 16時間振とう |
水酸化ナトリウムによる無機リンと有機リン(NaOH Pi + Po) | ゆっくりした(Slow) |
20 mLの0.1M NaOH(超音波処理)、 16時間振とう |
水酸化ナトリウムの超音波処理による無機リンと有機リン(NaOH sonication Pi + Po) | 吸蔵された(Occluded) |
30 mLの1.0M HCl(塩酸)、 16時間振とう |
塩酸による無機リン(HCl Pi) | 風化可能なl鉱物(Weatherable mineral) |
5.0 mLのH2SO4(濃硫酸)による温浸(digestion)、 360℃で3時間 |
残渣リン(Residual P) | 不活性の(Passive) |
堆積物試料 | 1M NH4Cl、pH 7で2.2時間 | NH4Cl−P『ゆるく吸着したP』(Loosely sorbed-P) | |
残渣 | 0.11M Na2S2O4/NaHCO3、1時間 | BD-P『Fe-P』 | |
残渣 | 0.1M NaOH、16時間 | NaOH−rP『Al-P』 | |
温浸(digestion) | NaOH−Tot P | ||
残渣 | 0.5M HCl、16時間 | HCl−P『Ca-P』 | |
残渣P(residual-P)(計算による)『Res-P』 |
(Ruttenberg, 1992) |
(本研究) |
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ステップ名(ステップ番号)と化学過程 | 化学処理 | 新ステップ名(新ステップ番号) | 化学処理の変更 | コメント |
吸着した(1) 塩化物による質量作用競合 |
1M MgCl2(pH=8)、10
ml、2時間 1M MgCl2(pH=8)、10 ml、2時間 蒸留水、10 ml、2時間 |
最初のイオン交換ステップを除外した | 『酸化物に伴った』とともに抽出された『吸着した』 | |
酸化物に伴った(2) 亜ジチオン酸塩による還元とクエン酸塩での錯体化 |
0.22Mクエン酸ナトリウム+0.14M亜ジチオン酸ナトリウム+1.0M炭酸水素ナトリウム(pH=7.6)、10 ml、6時間 |
酸化物に伴った、または 『吸着した+酸化物に伴った』(1) |
亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を0.033Mに減らした |
もし全試料が鉄酸化物であれば、見積られる最大濃度はすべての鉄酸化物を還元する必要である 亜ジチオン酸塩の濃度を小さくすると、分析のバックグランド値を減らせる |
自生(3) 溶解 |
1M酢酸ナトリウムでバッファー(緩衝)(pH=4)、10 ml、2時間 1M MgCl2(pH=8)、10 ml、2時間 1M MgCl2(pH=8)、10 ml、2時間 蒸留水、10 ml、2時間 |
自生(2) | 二番目のイオン交換ステップの時間を減らし、各1時間の蒸留水によるすすぎ洗いとした | 時間の短縮により、ステップ2を完了して同日にステップ3を開始でき、必要な分析作業の日数を減らせる |
砕屑性(4) 酸溶解 |
1N HCl、13 ml、16時間 | 砕屑性(3) | ||
有機(5) 酸溶解 |
50%(w/v)MgNO3、1 ml、80℃でオーブン乾燥、550℃で灰化 1N HCl、13 ml、24時間 |
有機(4) |
ステップ | 抽出剤 | 抽出されるリン相 |
相対誤差 (%) |
文献 |
1 | ●8×25 ml 2M NH4Cl (塩化アンモニウム)(アンモニアでpH 7に調整)、4時間、20℃ |
●交換性またはゆるく吸着したP (Exchangeable or loosely sorbed P) ●炭酸塩に伴ったP (Carbonate associated P) ●生物起源アパタイト (Biogenic apatite) |
<4 | 本研究 |
2 |
●1×25 ml 0.15M Na-citrate(クエン酸ナトリウム)と0.5M
NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)と1.125
g Na-dithionite(亜ジチオン酸ナトリウム)、16時間、20℃ ●1×25 ml 2M NH4Cl(pH 7)、2時間 ●1×25 ml demin.water(脱鉱物質水)、2時間 |
●易還元性または反応性鉄-結合P (Easily reducible or reactive iron-bound P) |
<10 | Ruttenberg(1992)に倣う |
3 |
●1×25 ml 1M Na-acetate(酢酸ナトリウム)〔acetic
acid(酢酸)でpH 4に緩衝した〕、16時間、20℃ ●1×25 ml 2M NH4Cl(pH 7)、2時間 ●1×25 ml demin.water、2時間 |
●自生アパタイト (Authigenic apatite) |
<10 | Ruttenberg(1992)に倣う |
4 |
●25 ml 1M HCl(塩酸)、16時間、20℃ ●1×25 ml demin.water、2時間 |
●砕屑性アパタイト (Detrital apatite) |
<7 | Ruttenberg(1992) |
5 | ●5 ml 6.5 : 2.5 : 1混合物〔HClO4(過塩素酸)(60%)+HNO3(硝酸)(65%)+H2O〕と5 ml HF(フッ化水素)(40%)、16時間、90℃〔total digestion)全温浸〕 |
●有機P (Organic P) ●粘土鉱物に吸着したP (P adsorbed to clay minerals) |
<10 | Lord(1982) |
Figure 1. Fractionation scheme used in extraction of P pools from freshwater wetland and humic lake sediments. DRP and DNRP are dissolved reactive P and dissolved non reactive R(図1 淡水湿地と腐植質の湖堆積物からのリン・プールの抽出に用いた分別法.DRPとDNRPは溶存反応性リンと溶存非反応性リンをそれぞれ示す.) Paludan & Jensen(1995)による『Sequential extraction of phosphorus in freshwater wetland and lake sediment: Significance of humic acids』から |
Hupfer et al.(1995)による『Transformation of phosphorus species in settling seston and during early sediment diagenesis』から |
50 mLの遠心分離管に0.5gの土壌試料 | 30 mLの脱イオン水と0.4 gのDowex(ダウエックス、イオン交換樹脂)1×8-50の炭酸水素塩(重炭酸塩)態の陰イオン交換樹脂を加え、16時間振とう、樹脂バッグ除去、遠心分離、上澄み液廃棄 | 樹脂P(Pi) |
土壌 | 30 mLのNaHCO3(炭酸水素ナトリウム)(pH 8.5)を加え、16時間振とう、遠心分離、上澄み液採取 | Bicarbonate P(炭酸水素塩P)(PiとPo) |
土壌 | 30 mLの0.1M NaOH(水酸化ナトリウム、苛性ソーダ)を加え、16時間振とう、遠心分離、上澄み液採取 | Hydroxide P(水酸化物P)(PiとPo) |
20 mLの0.1M NaOHを加え、2分間氷浴中で75W(Braunsonic 1510)で超音波処理、30 mLに容積調整、16時間振とう、遠心分離、上澄み液採取 | Sonicate/hydroxide P(超音波処理/水酸化物P)(PiとPo) | |
土壌 | 30 mLの1.0M HCl(塩酸)を加え、16時間振とう、遠心分離、上澄み液採取 | Acid P(酸P)(Pi) |
残渣土壌 | 5 mLのH2SO4(硫酸)とH2O2(過酸化水素)で温浸(Digest) | Residue P(残渣P)(全Pのみ) |
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凍結乾燥試料(〜0.25 g) |
25 mlの1N HCl(塩酸)を加え、 室温で15分間振とう、 遠心分離 |
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残渣 |
15 mlの0.1M NaClを加え、 遠心分離 |
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上澄み液(酸抽出) | 酸分画 | |
残渣 |
25 mlの0.05N NaOH(水酸化ナトリウム)を加え、 室温で18時間振とう、 5 mlの飽和NaClを加え、 遠心分離 |
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残渣 |
15 mlの0.1M NaClを加え、 遠心分離 |
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上澄み液(冷アルカリ抽出) | 冷アルカリ分画 | |
残渣 |
25 mlの0.05N NaOHを加え、 90℃で4時間静置、 5 mlの飽和NaClを加え、 遠心分離 |
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残渣 |
15 mlの0.1M NaClを加え、 遠心分離 |
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上澄み液(熱アルカリ抽出) | 熱アルカリ分画 |
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1gの湿った堆積物試料 | ||||
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250 mlの0.46M NaCl、1時間、 上澄み液⇒ |
1.00 mlの1M H2SO4(硫酸)、 51 mlのNaCl画分⇒ |
TPNaCl、SRPNaCl | NRPNaCl=TPNaCl−SRPNaCl |
25.0 mlの0.46M NaCl、 上澄み液⇒ |
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25 mlのBD、1時間、 上澄み液⇒ |
8.00 mlの1M H2SO4(硫酸)、 106 mlのBD画分⇒ |
曝気1時間、 FeBD、MnBD、 SRPBD⇒ |
発色錯体の抽出 ヘキサノール/イソプロパノール(hexanol/isopropanol) |
25 mlのBD、 上澄み液⇒ |
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25 mlのBD、 上澄み液⇒ |
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25.0 mlの0.46M NaCl、 上澄み液⇒ |
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25.0 mlの0.1M NaOH(水酸化ナトリウム)、18時間、 上澄み液⇒ |
8.00 mlの1M H2SO4(硫酸)、 78 mlのNaOH画分 |
TPNaOH、SRPNaOH | NRPNaOH=TPNaOH−SRPNaOH |
25.0 mlの0.1M NaOH、 上澄み液⇒ |
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25.0 mlの0.46M NaCl、 上澄み液⇒ |
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25.0 mlの0.5M HCl(塩酸)、1時間、 上澄み液⇒ |
50 mlのHCl画分 | SRPHCl | |
25.0 mlの0.46M NaCl、 上澄み液⇒ |
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堆積物残渣を105℃で乾燥、 520℃で強熱(ignition) |
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25.0 mlの1M HCl(塩酸)、10分間沸騰、 上澄み液⇒ |
100.0 mlの蒸留水、 100.0 mlの残渣(residual)画分 |
SRPRes |
ステップ | 抽出剤 | 抽出相 | 反応* |
T |
1モルMgCl2(塩化マグネシウム) (pH 8) |
交換性またはゆるく吸着したP (loosely sorbed P) |
MgPO4-錯体の生成および(または)Cl-による質量作用置換 |
U |
0.30モルNa3-citrate〔クエン酸三ナトリウム、 Na3(C3H5O(COO)3)〕 1.0モルNaHCO3(炭酸水素ナトリウム) (pH 7.6) citrate bicarbonate solution〔クエン酸塩炭酸水素塩(重炭酸塩)溶液〕45ミリリットル中にNa-dithionite(亜ジチオン酸ナトリウム、Na2S2O4)1.125グラム |
易還元性または反応性第二鉄-結合〔鉄結合P〕 (ferric iron-bound P) |
亜ジチオン酸によるFe3+の還元およびクエン酸による続いてのキレート化 |
V | acetic acid(酢酸)でpH 4に緩衝した1モルNa-acetate(酢酸ナトリウム、CH3COONa) |
CFAP+生物起源hydroxyapatite(ハイドロキシアパタイト)+CaCO3-結合〔自生アパタイト+生物起源アパタイト+CaCO3-結合P〕 (authigenic carbonate fluorapatite + biogenic apatite + CaCO3-associated P) |
適度に低いpHでの酸溶解および(または)酢酸によるCa2+のキレート化 |
W | 1モルHCl(塩酸) |
FAP〔砕屑アパタイト+その他の無機P〕 (detrital apatite P) |
酸溶解 |
X |
550℃で灰化 1モルHCl(塩酸) |
有機P (organic P) |
550℃での乾燥酸化 灰化した残渣の1モル塩酸抽出 |
* 続くステップUとVのMgCl2洗浄に対する反応メカニズムはステップTに対して説明されているとおりである。;続くステップT〜VのH2O洗浄によって、次の主要な抽出剤が加えられる前に残留溶液はすべて置換される。 | |||
(注) SEDEX=sequential extraction method/CFAP=carbonate fluorapatite |
抽出剤 |
1 Ca5(PO4)3OH |
2 Ca3(PO4)2 |
3 Fe-P |
4 AlPO4・H2O |
5 ノジュール |
1N NH4Cl(pH 7) | 3-6 | 4-6 | 5-7 | 4-6 | 10 |
0.1N NaOH | <1 | <1 | 99 | 91 | 4 |
0.5N HCl | 100 | 99 | 99 | 100 | 92 |
試料中のリンの全量は、0.2〜4 mgの間で変動した;各抽出における試薬は50 ml.(1)ハイドロキシアパタイト、Ca5(PO4)3OH;Riedel-de Haen A.G.による化学製品(純粋).(2)リン酸カルシウム、Ca3(PO4)2;Merckによる化学製品(純粋).(3)鉄ハイドロオキシリン酸塩(Ironhydroxyphosphate)、〔Fe-P〕;Hieltjes and Lijklema,1980を参照.(4)アルミニウム正リン酸塩、AlPO4・H2O;BDHによる化学製品(純粋).(5)コア82PCS16のb-タービダイトの基盤から生じたリン酸塩ノジュール、1゜20.8'N、24゜16.6’W;本研究の結果、本文参照.Hieltjes and Lijklema (1980)からの表. |
抽出剤 | 抽出されたリンの形態 |
2N NH4Cl(塩化アンモニウム) | ゆるく結合(交換可能+炭酸塩に伴う)〔Pex〕 |
0.1N NaOH(水酸化ナトリウム) | FeとAlに伴う〔POH〕 |
0.5N HCl(塩酸) | Caに伴う、アパタイト〔PHCl〕 |
K2S2O8/H2SO4(過硫酸カリウム/硫酸) | 残り〔PR〕 |
K2S2O8/H2SO4(過硫酸カリウム/硫酸) | 全〔Ptot〕 |
0.5 g | ||||
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1M 酢酸アンモニウム(ammonium acetate)、 pH=8.5 |
→Feex(1) | ||
|
→0.25 g | |||
PCDB(3) |
オキシ水酸化物 CDB |
FeCDB(1) |
|
全 Fetot(1) HF-HNO3-HClO4-HCl |
PAp(2) |
アパタイト 1N HCl(塩酸) |
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Porg(2) |
全/有機 550℃/1N HCl(塩酸) |
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Fetot−FeCDB=Felith |