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リン−フロー−

最終更新日:2016年10月26日

リン循環(世界)リン収支(地域)リン分布各国のリンフロー

 ここでは、自然界におけるリンのフロー(フラックス)とストック(リザーバ、プール)を『リン循環(リンサイクル)』と呼び、人間社会におけるマテリアルフローとしてのリンの流れを『リンフロー』と呼んでいる。近年には人間社会におけるフローとストックが多いため、『リン循環』と『リンフロー』の違いは不明確なことが多いし、これらを区別しないことも多い。

リンのリザーバ(100万トンP)とフラックス(フロー)(100万トンP/年)

リザーバ(100万トンP)

フラックス(フロー)(100万トンP/年)
1)   200,000 Lermanほか(1975) 陸⇒3)   蓄積4)

10.5〜15.5

Bennett et al.(2001)
堆積物2)   4,000,000,000 Lermanほか(1975) 堆積物 堆積物 20 Lermanほか(1975)
 

840,000,000

SCOPE(1983) 陸⇒堆積物

18.3

Lermanほか(1975)
地殻の岩石と60cm以深の土壌と海洋堆積物

800,000,000
〜4,000,000,000

Ruttenberg(2003) ⇒海の堆積物

20〜35

Smil(2000,2002)
土壌 0-50cm

40,000〜50,000
40〜50

Smil(2000)7)

8〜9

Ruttenberg(2003)

無機P

35,000〜40,000
35〜40

  ⇒河川

22

Bennett et al.(2001)

有機P

5,000〜10,000
5〜10

 
0-50cm

40,000〜50,000

Smitほか(2009)6)   構造的隆起5)

15〜25

Smil(2002)

無機P

35,000〜40,000

 

有機P

5,000〜10,000

0-50cm

40,600

Yang,X.ほか(2013)

アパタイト

13,000

吸蔵P

12,200

有機P

8,600

易動性P

3,600

二次性P

3,200

 

30,600

Wang et al.(2010)
 

200,000

Janke(1992)
 

96,000〜160,000

SCOPE(1983)
陸水 淡水

90

SCOPE(1983)
鉱床 P鉱床   10,000 Lermanほか(1975) 鉱業 リン鉱床(生産量)⇒ 12 Lermanほか(1975)
 

19,000

SCOPE(1983)

18.5

Bennett et al.(2001)
 

2,400〜6,600

Jasinski(2008)

12〜14

Ruttenberg(2003)
埋蔵量

870

USGS(2014) 生産量(2033年予測)

29

Cordell(2013)

2,200

Van Vuurenほか(2010) 肥料⇒農業

14

Cordell et al.(2011)
海水 海洋

93,000

Smil(2002) 海水⇔ 海へ 陸⇒海(表層)

1.7

Lermanほか(1975)

80,000

SCOPE(1983) 河川+陸(風)⇒海(表層)

18.7〜31.4

Compton et al.(2000)

深層

  87,100 Lermanほか(1975) 河川⇒海(表層)

17.7〜30.4

Compton et al.(2000)
300-3300m(全溶存P)

90,000

Ruttenberg(2003) 陸(浸食と流出)⇒海

25〜30

Smil(2000,2002)
 

85,000

Smil(2002)

19〜22

Ruttenberg(2003)

表層

  2,710 Lermanほか(1975)

31.1

Baturin(2003)
0-300m(全溶存P)

3,000

Ruttenberg(2003) 陸(風化)⇒海

15〜20

Bennett et al.(2001)
 

8,000

Smil(2002) 海水(深層)⇒海水(表層) 58 Lermanほか(1975)
  海水(表層)⇒海水(深層)

18

Lermanほか(1975)
生物 植物

570〜625

Smil(2000) 生物⇔ 陸⇔ 陸の生物⇒陸 63.5 Lermanほか(1975)
動物

30〜50

Smil(2000) 陸⇒陸の生物 63.5 Lermanほか(1975)

陸上

ヒト

3

Smil(2000) ⇒陸の植物

70〜100

Smil(2000,2002)
陸の生物 3,000 Lermanほか(1975)

71〜200

Ruttenberg(2003)

2,600

SCOPE(1983) 海⇔ 海の生物⇒海水(表層) 998 Lermanほか(1975)
陸の植物

500〜550

Smil(2000) 海の生物⇒海水(深層)

42

Lermanほか(1975)

海洋

海の生物 138 Lermanほか(1975) 表層海水⇒海の生物 1,040 Lermanほか(1975)

50〜120

SCOPE(1983) ⇒海の植物

900〜1,200

Smil(2000,2002)
海の植物

70〜75

Smil(2000)

600〜1,100

Ruttenberg(2003)

50〜140

Ruttenberg(2003) 漁業 海の生物⇒ 0.3 Ruttenberg(2003)
大気 大気中 0.028 Ruttenberg(2003) 大気⇔ 大気(沈着)⇒陸 3〜4 Smil(2000,2002)
  3 Ruttenberg(2003)
陸⇒大気

1

Bennett et al.(2001)
  • 1) 『陸』は、岩石・堆積物(続成作用を受けて堆積岩になり、一般に堆積物も含めて堆積岩と呼ばれるが、ここでは独立させてある)・土壌のような固体と、河川・湖沼・地下水などの陸水と総称される液体、生物などから構成されるが、出典により分類が未詳のため、ここではこのような表現をしている。
  • 2) 『岩石』と『堆積物』と『土壌』の区別が明確でない場合が多い。とくに、『堆積物』は、陸上と海洋が混じっている。『陸』の『堆積物』は、『海洋』に堆積したもの、および陸化して陸に存在するもの、の両方が考えられるが、不詳。
  • 3) 『陸』から、風化・浸食・運搬・堆積の諸作用により、主に『海』へ移動する。
  • 4) 『蓄積』は、『陸』に(風化+採鉱)からの量−(河川+大気)への量である。
  • 5) 『構造的隆起』はTectonic upliftであるが、詳細は不明。
  • 6) Smil(2000)によるデータを引用。Keyzer(2010)も、Smitほか(2009)を同様に引用している。
  • 7) Smil(2000)は2通りのデータ(表中と本文中)を示しており、それらは1,000倍も異なる。おそらく、(原著の)表に示されている小さい数字は間違いと思われる。

リン循環

1975|−|1983|−|1994|−|2000200120022003|2004|2005|2006|2007|2008|2009|2010|2011|2012|2013

【2013】

【2011】

【2009】

【2005】

【2003】

【2002】

【2001】

【2000】

【1994】

【1983】

【1975】

リン収支

1997||2005|2006|2007|2008|2009|2010|

【2008】

【2005】

【1997】

リン分布

2006|−|2010

【2010】

【2006】

各国のリンフロー

世界中国フィンランド日本韓国

《世界》

《China(中国)》

《Finland(フィンランド)》

《Japan(日本)》

2002|−|2007|2008|20092010|2011|20122013

  • リンフローの『リンク』はこちらを参照。
リンの国内需給〔単位は万トンP(純分)〕
対象年 出典 供給 需要 供給-需要
在庫 輸入 内需 輸出
肥料用 工業用
2015 JOGMEC2016年版 5.1 13.8 15.4 2.2 0.9 0.5
2014 JOGMEC2016年版 5.7 14.9 16.8 2.3 0.8 0.7
2013 JOGMEC2016年版 5.3 16.0 16.6 2.3 0.7 1.6
2012 JOGMEC2016年版 6.2 16.3 18.4 2.2 0.7 1.2
2011 JOGMEC2016年版 5.7 18.2 17.1 2.3 0.7 3.8
2010 JOGMEC2016年版 5.6 15.8 17.9 2.9 0.8 -0.2
2009 JOGMEC2016年版 6.2 15.2 17.5 2.4 0.7 0.9
2008 JOGMEC2016年版 5.2 22.5 16.8 2.8 1.4 6.7
2007 JOGMEC2016年版 6.1 21.5 22.0 3.4 1.6 0.6
2006 JOGMEC2016年版 6.6 22.3 21.1 4.0 1.6 2.2

日本のリン・フロー(おもに輸入分)〔単位は万トンP(純分)〕

対象年

出典

食料・
飼料

肥料

リン
鉱石

黄リン

化学
工業品

鉄鉱石
など

合計

備考
2015 JOGMEC2016年版 5.9 2.9 1.9 3.1 13.8  
2014 JOGMEC2016年版 6.2 3.1 1.8 3.8 14.9  
2013 JOGMEC2016年版 7.0 3.6 1.6 3.7 16.0  
松八重ほか(2013) 8.1 10.1 3.2 14.1 12.6 48.1 鉄鉱石などは鉄鉱石と石炭類の輸入分。
2012 JOGMEC2014年版 6.6 3.8 1.8 4.1 16.3 JOGMEC2013年版は集計方法変更。
2011 JOGMEC2014年版 6.4 5.0 2.1 4.7 18.2  
2010 JOGMEC2014年版 5.3 3.1 2.4 5.0 15.8  
JOGMEC2011年版 5.3 3.1 2.4 5.0 15.8  
2009 JOGMEC2014年版 5.0 4.8 1.4 4.0 15.2  
JOGMEC2010年版 5.1 4.8 1.4 4.0 15.3  
2008 JOGMEC2014年版 7.1 7.8 3.1 4.5 22.5  
JOGMEC2009年版 6.9 7.8 3.1 4.4 22.2  
2007 JOGMEC2014年版 7.5 7.2 2.9 3.9 21.5 JOGMEC2008年版は食料・肥料と鉄鉱石などの集計なし。
JOGMEC2008年版 7.4 7.2 2.9 6.1 23.6  
2006 JOGMEC2014年版 17.0 8.0 7.8 3.1 3.4 17.0 56.3 食料・肥料と鉄鉱石などはJOGMEC2007年版による。
国土交通省都市・地域整備局下水道部(2010) 17.0 28.2 10.3 55.5  
JOGMEC2007年版 17.0 16.0 10.3

17.6
17.0 77.9  
2005 JOGMEC2014年版 7.7 7.7 3.1 3.3 21.8  
梶山ほか(2011) 16.3 5.3 10.1 3.2 14.1 13.8 62.8  
2004 JOGMEC2014年版 8.0 8.2 3.2 2.7 22.1  
2003? 長坂ほか(2004) 13.8 16.4 15.1

3.1
10.5 58.9 『代替りん鉱物の製造方法』の特許用データ。
2002 大竹(2010) 17.3 14.1 11.1

15.6
15.7 73.8 松八重ほか(2008)とあるが、JOGMEC2006年版と同じ。
横山ほか(2006) 17.3 14.1 11.1

15.6
15.7 73.8 JOGMEC2006年版と同じ。
JOGMEC2006年版 17.3 14.1 11.1

15.6
15.7 73.8 JOGMECによるリン・マテリアルフローの最初の報告。
2000 Takaoka et al.(2010) 10.1 15.5 13.7

15.3
9.4 64.0  
JOGMEC2014年版による数値は輸入量。

【2013】

【2012】

【2010】

【2009】

【2007】

  • (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による〔『鉱物資源マテリアルフロー平成19年度版のリン』から)【見る→
     JOGMECの鉱物資源マテリアルフロー(リン)2007年度版によれば、消費量約60万トンP/年(これ以外に鉄鉱石等には20万トンP/年が含まれるが、不純物扱いであり、利用されていない)である。そのうち約40万トンP/年が肥料に使われているが、土壌にも40万トンP/年程度が蓄積されている。また、汚泥(下水)として約4万トン/年が排出されている(鉄鉱石中のリンは製鋼スラグとして10万トンP/年が排出されているが、リンとしては利用されていない)

    日本の2006年のリンのマテリアルフロー〔単位は万トンP〕

    原料
    (輸入・漁獲)

    中間製品

    最終製品

    最終

    備考

    食料・飼料

    17.0(21%)

    人体 10.5 生活排水

    5.6
    生活排水のうち3.9(70%)が汚泥
    生活排水の残りの1.6と肥料からの3.5が河川等へ流出していると考えられるが、これらに自然界からの0.7を加えた5.8が河川等への流出の合計である→鉄鋼業を除く原料60.9のうち5.1は約8%にあたる。

    家畜
     

    土壌蓄積

    39.8
    鉄鋼業を除く原料60.9のうち、39.8(65%)が土壌蓄積していると考えられる。
    リン酸系肥料 16.0(20%)

    肥料

    42.4
       
    天然リン鉱石 10.3(13%)

    薬品ほか化学工業品
    (化学工業)

    17.6(22%)

    精製黄リン

    3.1
             
    鉄鉱石石灰など
    (鉄鋼業)
    19.1(24%) 鉄鋼業 12.0 製鋼スラグ 11.4     リンとしての利用ではない。
    合計 80.0             鉄鋼業を除く原料60.9のうち、土壌蓄積河川等流出は合計約73%となる。


    日本におけるリンのマテリアルフロー(2006年)

    JOGMECの金属資源情報センターによる鉱物資源マテリアルフローの『平成19年度版のリン(46 リン (P))』から

【2002】


《South Korea(韓国)》


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