『6-4 リン(P)サイクル
図115(略)、表33に主なリザーバー、リザーバー間のPのフラックス、リザーバー中の量、および滞留時間が示されている(Lerman,
1971; Lerman et al., 1975)。Pは、堆積物中に含まれている量が圧倒的に多く、続いて陸、深層海水、表層海水、生物中に多く含まれている。このLerman
et al.(1975)のモデルでは、陸から海洋表面への流入量と深海から堆積物への流入量が等しいとしてある。また、ここでは下部海洋地殻、大陸地殻を通過する流れは考えていない。このほかに、海底からの熱水の影響も考えられていない。しかし、近年、熱水から沈降する鉄水酸化物粒子によって海水からPが取られ、これは河川からの流入と同じ桁であると考えられている(Rudnicki
and Elderfield, 1993)。また、粒子による希土類元素の除去量も大きいといわれている(Rudnicki and
Elderfield, 1993)。
リザーバー (iまたはj) |
質量Mi (トンP) |
フラックスFij (106トンP/y) |
滞留時間 (τi=Mi/Fij(y)) |
|
1 | 堆積物 | 4×1015 | F12=20 | τ12=2×108 |
2 | 陸 | 2×1011 |
F21=18.3 F23=63.5 F25=1.7 |
τ21=1.09×104 τ23=3.15×103 τ25=1.18×105 |
3 | 陸の生物 | 3×109 | F32=63.5 | τ32=47 |
4 | 海の生物 | 1.38×108 |
F45=998 F46=42 |
τ45=0.14 τ46=3.3 |
5 | 表層海水 | 2.71×109 |
F54=1040 F56=18 |
τ54=2.6 τ56=150 |
6 | 深層海水 | 8.71×1010 | F61=1.7 | τ61=5.12×104 |
7 | 採掘可能なリン鉱石 | 1×1010 |
F72=12 または F72=12×e0.07t |
τ72=830 または τ72=60 |