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配付プリント等 |
1 | 自然の生存権の問題 | 人間だけでなく、生物の種、生態系、景観などにも生存の権利があるので、勝手にそれを否定してはならない。 |
2 | 世代間倫理の問題 | 現在世代は、未来世代の生存可能性に対して責任がある。 |
3 | 地球全体主義 | 地球の生態系は開いた宇宙ではなくて閉じた世界である。 |
補足説明 |
般 |
1章 環境倫理学の三つの基本主張 環境倫理学という題目で発表された論文や著書は、三万ページを超えていると思われる。実にさまざまな主張があるが、中心となるのは、次のような三つの基本的な主張である。結局、今までのところでは環境倫理学の立場はこの三点に尽きると言ってもいい。しかし、それぞれを掘り下げていくと、われわれが民主主義だとか、個人主義どとか言っている決定システムに構造的な欠陥が存在することがわかってくる。 T 自然の生存権の問題−人間だけでなく、生物の種、生態系、景観などにも生存の権利があるので、勝手にそれを否定してはならない。 … U 世代間倫理の問題−現在世代は、未来世代の生存可能性に対して責任がある。 … V 地球全体主義−地球の生態系は開いた宇宙ではなくて閉じた世界である。 … |
1 環境社会学の定義と特徴 環境社会学の定義 環境社会学という学問分野をどう定義するかは、論者によってニュアンスの面で違いがあるなど、かならずしも定まってはいないが、筆者自身としては、これまでに何回か定義を試みる機会があった。最も近年に定義した例は、1998年に刊行された「講座社会学」(東京大学出版会)の12巻『環境』においてである。編者のひとりとして、もうひとりの編者の舩橋晴俊氏とも議論したうえで行った定義でもあり、また、現時点では、これに大きく変更を加えるべき点はないと考えられるので、ここでは、その定義を引用することにしたい。 環境社会学は、対象領域としては、人間社会が物理的生物的化学的環境(以下、自然的環境と略)に与える諸作用と、その結果としてそれらの環境が人間社会に対して放つ反作用が人間社会に及ぼす諸影響などの、自然的環境と人間社会の相互関係を、その社会的側面に注目して、実証的かつ理論的に研究する社会学分野である(飯島[1998])。 少し細くしておくと、この定義で強調しているのは次の4点である。その第1は、対象領域として、従来の社会学が主要な研究対象としてきた社会的・文化的環境に加えて自然的環境を重要な対象領域として設定していることである。第2に、環境社会学が重要な研究対象領域とみなして新たに対象領域に加えた自然的環境と、社会学全般が、主要な研究対象領域としてきた人間社会自体との相互作用を研究するものであるということ。第3に、自然的環境と人間社会の相互関係を研究するに際して、自然的側面ではなく社会的側面のほうに注目して研究するということ。そして、第4に、環境社会学の研究は、何よりも実証的であることが必要であるが、しかし、同時に、理論的な研究をめざすものでもあるということである。 … |