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配付プリント等 |
補足説明 |
般 |
ダイオキシン類は図1のように、基本的には炭素で構成されるベンゼン環が2つ、酸素で結合したりして、それに塩素が付いた構造をしています。図1の1〜9及び2'〜6'の位置には塩素又は水素が付いていますが、塩素の数や付く位置によっても形が変わるので、PCDDは75種類、PCDFは135種類、コプラナーPCBは十数種類の仲間があります(これらのうち毒性があるとみなされているのは29種類です)。 ダイオキシン類は、毒性の強さがそれぞれ異なっており、PCDDのうち2と3と7と8の位置に塩素の付いたもの(2,3,7,8−TCDD)がダイオキシン類の仲間の中で最も毒性が強いことが知られています。そのため、ダイオキシン類としての全体の毒性を評価するためには、合計した影響を考えるための手段が必要です。そこで、最も毒性が強い2,3,7,8−TCDDの毒性を1として他のダイオキシン類の仲間の毒性の強さを換算した係数が用いられています。多くのダイオキシン類の量や濃度のデータは、この毒性等価係数(TEF: Toxic Equivalency Factor)を用いてダイオキシン類の毒性を足し合わせた値(通常、毒性等量(TEQ : Toxic Equivalent)という単位で表現)が用いられています。 ダイオキシン類の現在の主な発生源は、ごみ焼却による燃焼ですが、その他に、製鋼用電気炉、たばこの煙、自動車排出ガスなどの様々な発生源があります。ダイオキシン類は、主としてものを燃やすところから発生し、処理施設で取り除かれなかった部分が大気中に出ます。また、かつて使用されていたPCBや一部の農薬に不純物として含まれていたものが底泥などの環境中に蓄積している可能性があるとの研究報告があります。環境中に出た後の動きの詳細はよくわかっていませんが、例えば、大気中の粒子などにくっついたダイオキシン類は、地上に落ちてきて土壌や水を汚染し、また、長い年月の間に、底泥など環境中に既に蓄積されているものも含めて、様々な経路からプランクトンや魚介類に食物連鎖を通して取り込まれていくことで、生物にも蓄積されていくと考えられています。我が国におけるダイオキシン類の平成13年の年間排出量は、約1,743〜1,762 g-TEQであると推計されています。また、ダイオキシン類は、自然界でも発生することがあり、例えば、森林火災、火山活動等でも生じるといわれています。 食品に含まれるダイオキシン類の量は、食品の種類によっても異なり、同じ種類の食品でもとれた場所や時期によっても異なります。このため、ある1日の食事をとれば、TDIの4 pg-TEQ/kg体重/日を超えることがあったとしても、一般的な食生活においては長期間平均すればこれを下回っていると考えられ、問題はありません。厚生労働省が実施したダイオキシン類の一日摂取量調査の結果によれば、国民栄養調査による国民の平均的な食品の摂取量であれば、TDIの4 pg-TEQ/kg体重/日を下回ることがわかっています。各種の食品に含まれる栄養素は健康のために大切ですので、たくさんの種類の食品をバランス良く食べるよう心がけることが大切です。 厚生労働省において、保存されていた関西地区の過去(昭和52年度〜平成10年度)の一日摂取量調査の試料についてダイオキシン類の濃度を測定したところ、この20年間で3分の1程度にまで減少していることがわかっています。また、平成9年度から実施している全国調査でも、食品経由の摂取量は着実に減少しています。今後も、ダイオキシン類の排出削減対策の推進によりさらに減っていくと考えられます。 〔環境省の『保健・化学物質対策』の『ダイオキシン類対策』の中の『ダイオキシン類2003(関係各省庁共通パンフレット)[PDF93KB]』から〕 |