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第10回 風化作用と土壌生成作用について

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配付プリント等

補足説明

全般

土壌生成と風化作用土壌断面5大土壌生成因子

【土壌生成と風化作用】
 土壌生成(Soil Formation、Soil Evolution、Pedogenesis)を行なう土壌生成作用は、風化作用(Weathering)に生物(Organism)の働きが加わったものである。風化作用のみでは土壌は生成されないが、風化作用が基本的に重要である。
 風化作用とは、鉱物〔Mineral:地殻中の岩石(Rock)を構成する〕と大気成分〔Atmospheric Constituent:特に二酸化炭素(Carbon Dioxide)と酸素ガス(Oxygen Gas)〕と(Water)との相互作用(Interaction)を指す。実質的には、大気起源の二酸化炭素や酸素ガスが溶解した水(水溶液)が鉱物と反応して起こる作用であり、次のような反応により大気中二酸化炭素を鉱物として固定する反応が主体である。
 珪酸塩鉱物〔Silicate Mineral(一次、Primary)〕+CO2H2O炭酸塩鉱物(Carbonate Mineral)↓+珪酸塩鉱物〔Silicate Mineral(二次、Secondary)〕〔粘土鉱物(Clay Mineral)が主体〕↓+酸化鉱物〔Oxide Mineral(二次、Secondary)〕〔鉄の水酸化物(Fe-hydroxide)が主体〕↓+H2O

【土壌断面】
 土壌化は地表面から深部に向かって進行する。従って、地層のように層状構造を形成するが、その断面を図で表現することが多く、土壌断面(Soil Profile)と呼ぶ。
 最上部の有機物層(Organic Layer:主に植物などの生物による)をO層(O Horizon)と呼び、以下A〜C層(A Horizon 〜 C Horizon)と呼ぶ。それらの下部の新鮮な基盤岩はR層(R Horizon:Rock Layer)と呼ぶ。A層が最も典型的な土壌であり、生物由来の有機物が多く混じる。B層は、A層から移動した成分を特徴とする土壌であり、有機物も含む。C層は有機物を含まない風化層である。従って、狭義の土壌はO層とA層とB層を指す。広義ではC層も含める。なお、森林地ではO層は厚いが、草地では薄いか欠損する。

【5大土壌生成因子】
 土壌生成作用において重要な因子は、母材(Parent Material:基盤岩など)・気候〔Climate:気温(Temperature)や降水量(Precipitation Rate)など〕・地形(Topography:傾斜など)・時間(Time)・生物(Biological Factor)の5つであるので、これを5大土壌生成因子(Soil Forming Factor)と呼ぶ。これ以外に、人為(Anthropogenic Process)を加えて6大因子と呼ぶこともある。

参考

世界の土壌世界の土壌図日本の土壌図

【世界の土壌】
 上記の土壌生成因子の違いに応じて、多種多様な土壌が形成されている。世界的には、緯度(Latitude)の変化に対応した水平分布(Horizontal Zonation、Horizontal Variation)を示すことが多い。高山地帯であれば、高度(Altitude)に対応した垂直分布(Vertical Zonation、Altitudinal Zonation、Altitudinal Variation)を示すこともある。

【世界の土壌図】

【日本の土壌図】


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