戻る<1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15<
|
配付プリント等 |
補足説明 |
|
|
|
砂岩(さがん、sand stone):構成鉱物の粒径が2mm〜1/16mmの砕屑岩(clastic rock)。 | 泥岩(でいがん、mud stone):構成鉱物の粒径が1/16mm以下の砕屑岩(clastic rock)。 |
堆積岩(sedimentary rocks)は、地表における風化・浸食・運搬・堆積作用によって形成される岩石であり、砕屑岩が主体である。地表環境条件下で不安定な鉱物は、破砕と分解の過程で消失するため、一次鉱物(源岩を構成していた鉱物)の種類は限られる(主に石英および長石の一部が残る。他には岩片状のものも残る。さらに地表条件で安定な粘土鉱物のような二次鉱物も形成される)。一方、破砕によって半分また半分と粒径が小さくなると仮定すれば、(1/2)nとして構成鉱物の大きさを表せる。人為的に2mmや(1/2)4mm(=1/16mm)などが砕屑物の大きさの境界として使われ、2mm以上の粒子から構成されるものは礫、2mm〜1/16mmは砂、1/16mm以下は泥とされている。これらの堆積物(sediment)は地下での続成作用(diagenesis)によって粒子間が固定されると、堆積岩(sedimentary rock)となる。これらは層状の組織・構造を持つので一般に地層(stratum)と呼ばれる。 |
参考 |
【堆積岩(砕屑岩)の分類】
一般的な堆積岩は、構成鉱物の組合せは限られているが粒径の変化が大きいので、粒径(particle
size、grain size)に応じて分類される。(1/2)n〔nは整数、下図のφに等しい〕のように粒子が細粒化されることを前提として分類されている〔Wentworth
scale/Udden-Wentworth scale(Krumbein phi scale)〕。とくに2mmと1/16mmと1/256mm〔堆積物では、礫(boulder-cobble-gravel/pebble-granule)−砂(sand)−シルト(silit)−粘土(clay)の境界、シルトと粘土を合わせて泥(mud)とも呼ぶ:堆積岩では、それぞれ礫岩(breccia-conglomerate)−砂岩(sandstone)−シルト岩(siltstone)−粘土岩(claystone)の境界、シルト岩と粘土岩を合わせて泥岩(mudstone)とも呼ぶ〕が分類の境界値として用いられている。
●ふつうの堆積岩の例. 〔総合地質情報研究グループの『ベータ版』の『シームレス地質図サポートページ』の『岩石と地層の分類』から〕 堆積岩は、上記の『ふつうの堆積岩』として形成されるものが代表であり、砕屑岩(clastic rock)ともいう。これに火山噴出物が混じり、そして量的にも多ければ火山砕屑岩(略して火砕岩、pyroclastic rock)と呼ぶ。ほかに、化学的な沈殿物が主体である化学的沈殿岩(あるいは化学的堆積岩、chemical sedimentary rock)、および生物起源の生物岩(organic sedimentary rock)がある。 |
【流速および砕屑物の粒径(半径)と浸食・運搬・堆積との関係】
河川における、流速と堆積物の粒径(Clay=粘土、Silt=シルト、Sand=砂)との関係を示す図であり、Erosionの領域では浸食作用が起こり、Transportの領域では運搬作用が起こり、Depositionの領域では堆積作用が起こることを示す。
〔Okanagan University CollegeのDepartment of GeographyのMichael Pidwirny氏によるPhysicalGeography.netの『FUNDAMENTALS OF PHYSICAL GEOGRAPHY』の『CHAPTER 10: Introduction to the Lithosphere』の中の『(w). Erosion and Deposition』から〕 |
【日本の地質】
地表に分布する岩石の種類や生成時代などを地質(geology)と呼ぶが、日本の全域で調査が行われており、概略は次のようになっている。慣例的に、土壌を剥がした基盤岩(basement
rock)の表層について表わすことになっている。堆積岩〔プレート(plate)の沈み込み(subduction)に伴う付加体(accretionary
prism、accretionary wedge)としてのものが主体〕がもっとも多く、次に火成岩の火山岩が多い。
岩種 |
地質時代* (geologic time) |
面積(km2) | 比率(%) |
堆積岩 (sedimentary rock) |
第四紀(Quaternary) 新第三紀(Neogene) 古第三紀(Paleogene) 白亜紀(Cretaceous) ジュラ紀(Jurassic) 三畳紀(Triassic) 古生代(Paleozoic) |
80,228.16 |
21.36 |
第四紀−古生代 |
149,849.08 |
39.91 |
|
堆積岩を主とする 付加コンプレックス (accretionary complex) |
古第三紀−古生代 |
60,802.94 |
16.19 |
火成岩(igneous rock)を主とする 付加コンプレックス |
古第三紀−古生代 | 3,661.73 | 0.98 |
超苦鉄質(ultramafic)火成岩類) |
先新第三紀 (Pre-Neogene) |
1,876.98 | 0.50 |
火山岩 (volcanic rock) |
第四紀 新第三紀 古第三紀 白亜紀 |
41,629.97 44,685.16 4,261.61 15,092.42 |
11.09 11.90 1.13 4.02 |
第四紀−白亜紀 | 105,669.16 | 28.13 | |
深成岩 (plutonic rock) |
新第三紀 古第三紀 白亜紀 先白亜紀 |
3,947.43 5,339.90 28,498.26 1,422.46 |
1.05 1.42 7.59 0.38 |
新第三紀−古生代 | 39,208.05 | 10.44 | |
変成岩 (metamorphic rock) |
先新第三紀 |
14,472.51 〔低圧型: 4,207.01〕 〔高圧型:10,265.50〕 |
3.85 |
|
375,540.47 | ||
堆積岩(付加コンプレックスを含む) 火成岩(付加コンプレックス及び超苦鉄質火成岩を含む) 変成岩 |
56.10 40.05 3.85 |
||
*)100万分の1日本地質図第3版には、新第三紀と古第三紀との境界にまたがる年代(PG4)の地質単位がある。ここではそれらの年代をより近い古第三紀とした。 |
Saito & Mitsuchi (1956) |
小野・礒見 (1967) |
磯山ほか (1984) |
村田・鹿野 (1995) |
|
堆積岩 〔第四紀〕 〔新第三紀〕 〔古第三紀〕 〔白亜紀〕 〔ジュラ紀〕 〔三畳紀〕 〔古生代〕 〔付加コンプレックスなど〕 |
61.1 20.7 18.9 (上に含まれる) 2.7 1.0 0.3 12.2 5.3 |
55.3 16.5 16.3 (上に含まれる) 3.1 1.1 0.3 12.0 6.0 |
58.3 19.3 15.4 3.9 6.8 0.9 0.4 11.6 − |
56.2 21.4 12.5 1.9 2.7 0.2 0.3 1.0 16.2 |
火山岩 〔第四紀〕 〔新第三紀〕 〔古第三紀〕 〔白亜紀〕 |
21.1 20.4 (上に含まれる) − − |
28.2 5.6 17.8 0.0 3.8 |
26.1 8.8 13.1 (下に含まれる) 4.2 |
28.1 11.1 11.9 1.1 4.0 |
深成岩 〔新第三紀〕 〔古第三紀〕 〔白亜紀〕 〔先白亜紀〕 |
14.2 (白亜紀噴出岩を含む) − − − − |
13.1 0.9 0.0 10.6 0.4 |
11.6 1.0 (下に含まれる) 9.7 0.9 |
10.4 1.0 1.4 7.6 0.4 |
超塩基性岩など | 0.9 | 1.2 | − | 0.5 |
変成岩 〔低圧型〕 〔高圧型〕 |
3.6 0.9 2.7 |
4.6 1.3 3.3 |
4.1 1.2 2.9 |
3.8 1.1 2.7 |
湖沼を除く総面積(km2) | 369,800 | 369,610 | 378,438.6 | 375,540.47 |
〔総合地質情報研究グループの『ベータ版』の『シームレス地質図サポートページ』の『日本列島の地質と構造』から〕 |
【地質学的な諸作用と岩石】
風化作用→浸食作用→運搬作用→堆積作用(堆積物の形成)→続成作用(堆積物から堆積岩へ)→変成作用(変成岩の形成)→火成作用(火成岩の形成)のようなサイクルが重要である。
図.1 プレートテクトニクスから見た岩石の地質学的なサイクルと地学現象の概念(平野 1996に着色) |