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最終更新日:2016年12月8日
プルトニウム(Plutonium)は、天然(Nature)にごく微量が存在するが、利用されているものはすべて人工物(Artificial Material)である。ウラニウム(Uranium)の核分裂反応(Nuclear Fission Reaction)に伴って生成されるが、とくに質量数(Mass Number)239のプルトニウムも核分裂反応を起こす。そのため、原子力発電(Nuclear Power Generation)での利用技術の改良が進められている。 高速増殖炉(Fast Breeder Reactor、FBR)とは、核分裂を起こさないウラニウム238を核分裂を起こすプルトニウム239に転換する(Convert)のに適した原子炉〔Nuclear Reactor:高速中性子(Fast Neutron)を用いる〕であり、プルサーマル(Plutonium Thermal Use−和製英語)は通常のウラニウム原子炉でプルトニウムの核分裂を起こさせる原子炉〔熱中性子(Thermal Neutron)を用いる〕である。 |
リンク |
【プルサーマル】〔プルトニウムのプルとサーマルニュートロン・リアクター(熱中性子炉)のサーマルを繋げた和製英語〕
プルトニウムとは |
図1 天然ウランの中性子照射により生成されるプルトニウム同位体 [出典] Nuclear Energy Agency: Plutonium Fuel, an assessment, OECD. 1989 17種の同位体が確認されているが、使用済み燃料中の主な核種は236Puから241Puまでの6種類の核種。 原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/3)による『天然ウランの中性子照射により生成されるプルトニウム同位体』から |
[出典] エネルギーレビュー、6(9)、1986年 原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/3)による『ウラン燃料とプルトニウム燃料の相違』から |
中性子を吸収したウラン238はガンマ線を出してウラン239になり、ウラン239はベータ線を2回出してプルトニウム239になる あとみん(HP/2011/3)による『プルトニウムって何だろう-科学的側面-』から |
MOX |
燃料組織の比較(一例) ウランには、核分裂しやすい(燃えやすい)ウラン235と、核分裂しにくい(燃えにくい)ウラン238があります。ウラン燃料は、燃えやすいウラン235の割合を3〜5%に高めたものですが、この燃えやすいウラン235の代わりに、再処理工場で使用済燃料から取り出したプルトニウムを使うのがウラン・プルトニウム混合酸化物
[Mixed OXide] 燃料、つまりMOX燃料です。 日本原燃(HP/2011/4)による『MOX燃料とは』から |
図6-5 MOX燃料 出典:(社)日本原子力学会「原子力がひらく世紀」より作成 あとみん(HP/2011/3)による『プルトニウムって何だろう-科学的側面-』から |
MOX燃料(モックスねんりょう)とは混合酸化物燃料の略称であり、使用済み燃料中に1%程度含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜてプルトニウム濃度を4〜9%に高めたものである。 主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉用燃料ペレットと同一の形状に加工し、核設計を行ったうえで適正な位置に配置することにより、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これをプルサーマル利用と呼ぶ。 MOXとは(Mixed OXide)の頭文字を採ったものである。 |
出典:「原子力・エネルギー」図面集 2004-2005 7-19 |
プルサーマル |
プルサーマルとは、プルトニウムで燃料を作り、従来の熱中性子炉で燃料の一部として使うことを言う。なお、プルサーマルとは、プルトニウムのプルとサーマルニュートロン・リアクター(熱中性子炉)のサーマルを繋げた和製英語(plutonium thermal use)である。なお、軽水炉は熱中性子炉の一種である。 |
出典:「原子力・エネルギー」図面集 2004-2005 7-18 |
高速増殖炉 |
高速増殖炉(こうそくぞうしょくろ、Fast Breeder Reactor、FBR)とは、高速中性子による核分裂連鎖反応を用いた増殖炉のことをいう。 高速中性子を利用しながら核燃料の増殖を行わない原子炉の形式は、単に高速炉 (Fast Reactor : FR) と呼ばれる。 |
出典:「原子力・エネルギー」図面集 2004-2005 7-22 |
核燃料サイクル |
出典:「原子力・エネルギー」図面集 2004-2005 7-5 |
核兵器級 |
プルトニウムと高濃縮ウランの世界の在庫量(推定)
原子力未来研究会(1998)による〔『どうする 日本の原子力』(57-60p)から〕【見る→】 |
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核戦争防止国際医師会議/エネルギー・環境研究所(1993)による〔『プルトニウム』(41、42p)から〕 |
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