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最終更新日:2016年11月23日
資源(Resource)のうちの枯渇性(Exhaustible、Non-renewable)のものについて、その残されている量は埋蔵量(Reserve)という言葉で表わすことが多い。これらは一般に地下資源(Underground Resource、Mining Resource)でもある。従って、何処にどれだけの量が存在するかを探査(Exploration)などによって明確にする必要があるし、存在量を確認しても現在の技術で経済的に開発できるかどうかが重要である。つまり、確認(Confirmation)の程度と、技術・経済性(Technical & Economic)の程度とが問題になる。厳密には、それぞれ確率(Probability)で表現されるものであるが、複雑になるので一般的には簡単な定義が用いられることが多い。ほぼ確認されていて大体において技術・経済性に問題が無いものを(確認可採)埋蔵量(Reserve)と呼ぶ。さらに、将来にわたって増えることが見込まれる最大量を究極(Ultimate)(可採)埋蔵量と呼ぶ。これ以上は期待できない量である。一般的には、これは生産量の合計も含めて、究極埋蔵量(Ultimate Reserve)=累積生産量(Cumulative
Product)+確認可採埋蔵量(Reserve)+未確認埋蔵量(Unconfirmed Reserve、Unidentified Reserve)とされることが多い。 なお、確認可採埋蔵量を年間生産量で割った数値は可採年数(R/P Ratio)と呼ばれるが、確認可採埋蔵量の代わりに究極可採埋蔵量を使えば、寿命(Lifetime)に近い年数を予想することができる。 |
リンク |
埋蔵量 |
Figure 1-1: Resources Classification Framework. |
Figure 2. Principal elements of the UNFC |
Figure 3. Classification |
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〔World Petroleum CongressによるWorld Petroleum Councilの中の『United Nations Framework Classification for Energy and Mineral Resources』から〕 |
資源量(Resources) | 既発見(Discovered) |
経済的に回収可能(Commercially Recoverable) (究極可採量:Ultimate Recovery) |
累積生産量(Cumulative Production) | ||||
可採埋蔵量(Reserves) | 確認(Proved) | ||||||
推定(Probable) | |||||||
予想(Possible) | |||||||
経済性なし(Non-Commercial) (条件付き資源量:Contingent Resources) |
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未発見(Undiscovered) (想定資源量*:Prospective Resources) |
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日本工業規格(JIS M 1006-1992)による。 * 未発見資源の回収可能な量を意味する。
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究極可採埋蔵量 |
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枯渇性(非再生)資源の場合、現在利用できる量は確認可採埋蔵量で表されるのが一般的であるが、将来的に利用可能な量は究極可採埋蔵量と呼ばれることがある。これは、既に利用済みの量(累計生産量、累積生産量)に確認可採埋蔵量と未確認埋蔵量を加えたものとして定義されている。つまり、最も不確かな量は未確認埋蔵量であるが、通常は究極可採埋蔵量の方で議論されることが普通である。究極可採埋蔵量は、過去の探査結果等を将来へ外挿して推定する方法や、自然科学的(地質学的)な資源の成因論を基にして推定する方法等があるが、研究者(研究組織)によって結果が非常に異なる場合も多く、楽観的か悲観的かというような見積り方の立場の違い等も大きく影響する。従って、いくつかの主要な資源(例えば、石油、など)以外は、詳細な検討は行なわれていない。 |
福岡(2007)による『地球資源』から |
鉱物資源 |
Figure 1 − General Relationship between Exploration Results, Mineral Resources and Mineral Reserves 〔The SME Guide for Reporting Exploration Results, Mineral Resources, and Mineral Reserves(The 2005 SME Guide) Submitted by the SEC Reserves Working Group, the Resources and Reserves Committee to the Board of Directors of the Society for Mining, Metallurgy and Exploration, Inc.〕 |
図1. CRIRSCOによる探査結果、鉱物資源量、鉱物埋蔵量の関係 〔MMAJカレント・トピックスの中の神谷夏実氏による『資源量、埋蔵量の報告規定の国際標準化の動向』(2003年15号)から〕 |
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国際準拠性 |
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豪州鉱業冶金学会(AusIMM) 豪州地質学会(AIG) 豪州鉱業協会(MCA) |
The JORC Code(1999) |
豪州証券市場(ASX) ニュージーランド証券市場(NZSE) |
Listing Rules ↓ JORC Code(1999) |
○ |
○ (03年から) |
南ア鉱業冶金学会 (SAIMM) |
The SAMREC Code(2000) | ヨハネスブルグ証券市場(JSE) |
Listing Requirements ↓ SAMREC Code(2000) |
○ | × |
米国鉱業冶金探鉱学会(SME) | The SME Reporting Guide(2001) | 米証券取引委員会SEC) | Industry Guide7(1999) |
× (資源量の数値による報告を認めていない、資格保有者の規定なし) |
― (資格保有者の規定なし) |
カナダ鉱業冶金学会(CIM) | The CIM Standards(2000) | 加証券監視局(CSA) |
NI−43−101(2001) Standard of Disclosure ↓ CIM tandards |
○ |
○ (01年から) |
素材鉱業冶金学会(IMMM) 欧州地質学会(EFG) アイルランド地質学会(IGI) ロンドン地質学会(GSL) |
IMM/IGI/GSL/EFG Joint Reporting Code(2001) |
UK Listing Authority(UKLA) |
Listing Rules ↓ IMM Definitions For Mineral Resources and Reserves(1991) |
△ 原則的にCMMI準拠(Competent Personの規定曖昧) |
△ (規定曖昧) |
〔MMAJカレント・トピックスの中の神谷夏実氏による『資源量、埋蔵量の報告規定の国際標準化の動向』(2003年15号)から〕 |
石油 |
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(0.7) |
(1.0) |
未確認埋蔵量 (0.5) . |
.(回収可能) . . . .二次回収〔34%〕 . .三次回収〔48%〕 . . . . . (回収不可能) |
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石油の埋蔵量(オイルシェール、タールサンドなど非在来型石油を除く) ( )内は兆bbl、未確認埋蔵量は推定・予想埋蔵量。 |
石炭 |
(合計 約11.03兆トン) |
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(5兆2,781億トン) |
(5兆7,517億トン) |
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(合計 1兆032億トン) |
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(注)埋蔵量とは確認埋蔵量(Proved Amount in Place)+予想追加埋蔵量(Estimated Additional Amount in Place)。可採埋蔵量はProved Recoverable Reserveで確認埋蔵量の内数。 |