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最終更新日:2017年1月16日
結晶学(Crystallography)とは結晶質(Crystalline)の物質(Material)を扱う学問(Scientific Study)である。 基本的に鉱物(Mineral)はすべて対象となるが、鉱物については鉱物学(Mineralogy)という学問で扱われている。 また、人工的な化合物も対象となるが、一般に無機化合物(Inorganic Compound)である〔有機化合物(Organic Compound)で結晶質のものもある〕。しかし、この場合も無機化学(Inorganic Chemistry)のような学問で扱われている。 結晶学においては、結晶(Crystal)および結晶質についての理論・実験的な(Theoretical & Experimental)内容が主となる。物質の結晶構造(Crystal Structure)を理解するために必要な知識が提供されている。 なお、原子が空間的に規則的な配列をしている物質を結晶質と呼び、外形が結晶面(普通は平面)で囲まれている場合には結晶と呼ぶが、外形に関係なく結晶質のものを結晶と称する場合も多い。 |
リンク |
全般 | 構造 | 成長 | その他 |
リンク| 組織・機関| 結晶| 結晶学| 対称性| |
結晶構造| 結晶格子|ミラー指数|逆格子| 結晶系|群論|点群|空間群|超空間群| 結晶構造解析|消滅則| |
結晶成長| |
データベース| フラーレン| 双晶| 雪の結晶| |
結晶の定義 |
佐々木・綿抜(1995)による〔『天然無機化合物−鉱物の世界−』(31p)から〕【見る→】 |
結晶の記載と対称 |
結晶系 |
結晶系の英語名としてよく使われる、crystal system(点群による)とcrystal
familyとlattice system(ブラベ格子による)は類似するが、少し異なる。7つの結晶系のうち、立方・正方・斜方・単斜・三斜の5つは基本的に同じであるが、六方・三方crystal
systemと六方・菱面体lattice systemとは異なる。そこで、六方・三方晶系を一つの六方familyとし、6つのcrystal
familiyという呼び方をする場合がある。
一般的には、単位格子において格子点(格子の隅)に原子がある組み合わせは7種類で、結晶系と呼ばれる。単位格子の体心・面心(6面全部)・底心(2面)に原子がある場合を並進対称として整理すると14種類で、ブラベ格子(Bravais Lattices)と呼ばれる。
なお、主に巨視的な結晶の性質を示すために、並進を含まない対称性によって整理すると、32種類になる。これは晶族(crystal class)と呼ばれる。これは数学の点群(point
group)に対応する。さらに、すべての対称性を考慮して整理すると230になり、これは空間群(space group)と呼ばれる。
7つの結晶系と14の結晶格子(ブラベー格子) ウィキペディア(HP/2010)による『結晶構造』から |
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図2 14種のブラベ格子 |
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日本板硝子テクノリサーチ(株)(HP/2010)による『結晶構造』から |
双晶 |
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Contact Twins - have a planar composition surface separating 2 individual crystals. These are usually defined by a twin law that expresses a twin plane (i.e. an added mirror plane). An example shown here is a crystal of orthoclase twinned on the Braveno Law, with {021} as the twin plane. |
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If the compositions surfaces are parallel to one another, they are called polysynthetic twins. Plagioclase commonly shows this type of twinning, called the Albite Twin Law, with {010} as the twin plane. Such twinning is one of the most diagnostic features of plagioclase. |
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If the composition surfaces are not parallel to one another, they are called cyclical twins. Shown here is the cyclical twin that occurs in chrysoberyl along a {031} plane. | ||
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Penetration Twins - have an irregular composition surface separating 2 individual crystals. These are defined by a twin center or twin axis. Shown here is a twinned crystal of orthoclase twinned on the Carlsbad Law with [001] as the twin axis. | ||
Nelson(2010)による『Twinning, Polymorphism, Polytypism, Pseudomorphism』から |
結晶成長 |
結晶成長メカニズムとサイズスケール |
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結晶の層状成長 |
うずまき成長 |
佐アほか(2012/11)による『氷結晶表面の分子レベルその場観察:結晶の成長機構を理解するには』から |
図1.8:小さなファセットの2次元核による成長 (a)単一核成長、(b)多核成長。 |
図1.9:らせん転位による渦巻成長 |
上羽(2009?)による『薄膜結晶成長の基礎 第1回「結晶成長の基礎」』から |
平衡形について ・平衡形は界面の自由エネルギーを最小にする形. ・現実には微小な系以外では実現しない. ・原子レベルの相互作用からどのように界面自由エネルギーを求めるか. ・表面の相転移との関係. |
コッセル結晶モデル |
結晶の表面 結晶の微斜面(ファセット,ステップ,キンク) |
表面(自由)エネルギーの異方性 第2近接結合まで考えたときの表面自由エネルギー |
ウルフ(Wulff)の関係式 ある点から各面に下ろした垂線の足の長さとその方位の表面エネルギーが比例する。 |
第2近接結合のある正方格子の平衡形 実線:界面エネルギー、破線:最近接結合、一点鎖線:第2近接結合、細い破線の内側の8角形:平衡形 |
長距離力があるときの平衡形−悪魔の階段 Landau (1950) ステップ間の長距離相互作用によってすべての有利指数面がファセットになる。 |
有限温度での平衡形 |
各成長様式での成長速度の比較 |
上羽(2008/8)による『結晶成長とパターン形成』から |