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第9回 生物圏(その1:陸域生態系−農林)

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Q 「森」と「林」の違いは?

A 言葉(漢字)の語源からの定義と、ある特定分野での定義とは異なるようです。普通の国語辞典などでは、おもに語源から簡単にわかりやすく説明したもの(樹木の多少による)が多いようですが〔参照:下記1)〕、例えば『森』は『もり』と『シン』とで意味が違うとした場合もあるようです〔参照:下記2)〕。また、特定の分野では人工的かどうかを違いにする場合もあるようです〔例:下記3)〕。しかし例えば、『〜林』というような表現は、『〜』が『自然』であっても使いますし、逆に『森』単独では使いません。結論的に言えば、一般的には普通の国語辞典などに書かれている程度の違いとして使い分けられているようです。

  1. Yahoo! 辞書  http://dic.yahoo.co.jp/
    【林】(大辞泉)
    1 樹木がたくさん集まって生えている所。 「武蔵野の面影を残す―」「雑木―」
    2 同類のものが立ち並んでいる状態。 「アンテナの―」
    【林】(大辞林)
    1 樹木がたくさん群がって生えている所。樹木の群落。「森」にくらべて、木々の密集の度合が小さく、小規模の群落をさすことが多い。
     「白樺の―」
    2 物事が多く集まっている状態を林に見たてていう語。
     「辞(ことば)の―」「アンテナの―」「月の舟星の―に漕ぎ隠る見ゆ/万葉 1068
    【森】(大辞泉)
    1 樹木がこんもりと生い茂った所。「―の都」
    2 神社がある神域の木立。「鎮守の―」
    【森】(大辞林)
    1 樹木が多くこんもりと生(お)い茂っている所。
     「―の都」「―に入って木を見ず」
    2 特に、神社をかこむ木立。《杜》
     「鎮守の―」
  2. 「木」「林」「森」  http://www.hirobanet.com/washizu/moji/ki.htm
     鷲頭隆史氏による『文字と言葉』の中のページ。
     『…
     漢字の「林(リン)」の元の意味は、木を二つ並べた形態そのままに、木が多く集まって生えている場所、日本でいう林も森も含めた森林全般を表しました。「森(シン)」は二つの木の上に更に木を載せることで、木の生えている場所というよりも、木が密集して生えている様子を意味したようです。
     日本語の「林(はやし)」は「生(はやし)」から出た言葉で、樹木の生え茂ったところという意味で、漢字の「林(リン)」の元の意味に通じます。
     日本語の森(もり)の方は「森(シン)」とはやや異なり、林(はやし)と同じように樹木の生え茂ったところを意味しますが、中でも周囲より高く盛り上った形をしているもの、また守り神の住むような奥深い樹木の茂みといった意味で用いられます。日本語の森(もり)は語源的に「盛(もり)」や「守(もり)」と通じるものがあるようです。東北地方では小高い丘を「もり」と呼びます。また漢字の「杜(ト)」は、木や土で通路を「塞ぐ」という意味の文字ですが、これを日本では「もり」と読み、神社の周りの木立の意味に用います。「杜」は「社」の「示」を「木」に置き換えたものとして、神を守るも樹木の群生、神の降りてくる茂みという日本流の解釈をしたものです。
     日本語の林と森では、比較的規模の小さなものも含む神社の森(杜)を除けば、一般に林より森の方が規模の大きな樹木の茂みを意味します。ただし原生林、防風林など漢字の熟語の場合には、一般的な森林という意味で、規模にかかわらず林の方が用いられます。これは元の漢字の意味では、森には一般的な森林という意味が無いからだと思います。
    …』
  3. 「森」と「林」の違い 語源により、日本人の太古の感性に迫る  http://homepage3.nifty.com/tak-shonai/intelvt/intelvt_015.htm
     庄内拓明氏による知のヴァーリトゥードの中の『知の関節技』の中のページ。
     『「森」 と 「林」 の違いというと、いい年をして、「森の方が木が多い」 などという人もいる。その正しい答えを知る人は案外少ない。
     まず、結論を出しておこう。人の手の入っているのが 「林」 で、自然に生えているのが 「森」 である。原則的には、これで間違いない。
    …』

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