図SPM-5:21世紀の地球の気候は,自然の変化と気候システムの人間活動に対する応答で決まることになる。
気候モデルは,温室効果ガスやその他の人間活動に関係する排出の種々のシナリオに対する多くの気候変数の応答−地球の地上気温や海面水位の上昇−を予測する。(a)には,六つのSRESシナリオ(ボックス参照)を、第二次評価報告書と比較するためにIS92aとともに,二酸化炭素の排出量を示している。(b)は,二酸化炭素濃度の予測を示す。(c)は,人為起源の二酸化硫黄の排出量を示す。その他のガス及びその他のエーロゾルの排出量も気候モデルに含まれているが,図には示してない。(d)と(e)は,それぞれ,気温上昇と海面水位上昇の予測を示す。(d)と(e)の「いくつかのモデルによるすべてのSRESシナリオ包絡線」は,ある範囲の気候感度を持つ多数の複雑な気候モデルで調整した簡便な気候モデルによる気温と海面水位上昇をそれぞれ示す。「すべてのSRES包絡線」は,全35個のSRESシナリオによる範囲を表している。「すべてのSRESシナリオに対するモデル平均の包絡線」は,シナリオの範囲に対するモデルの平均を表している。これらの排出による気温上昇と海面水位上昇の双方とも2100年のずっと先まで続くことに注意されたい。また,ここで示した範囲は,西部南極氷床の氷の力学的変化に関係した不確実性は考慮していないこと,また,硫酸エーロゾル以外のエーロゾルや温室効果ガスの濃度の予測の不確実性も考慮していないことにも注意されたい。
[(a)は第3章図3.12,(b)は第3章図3.12,(c)は第5章図5.13,(d)は第9章図9.14,(e)は第11章図11.12,付録2に基づく]
〔気象庁の『気候・環境の情報』の『IPCC第三次評価報告書』の『IPCC第三次評価報告書〜第一作業部会報告書 気候変化2001 科学的根拠〜政策決定者向けの要約(気象庁訳)』から
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IPCCがまとめた2100年までの気温と海面水位の上昇予測。 |