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配付プリント等|補足説明|参考
- プレートテクトニクス(Plate Tectonics)は、プレートの動きを中心とした理論であるため、プレートの厚さの100〜150キロメートル程度の深さまでを対象にしている。沈む込み帯(Subduction Zone)から沈み込んだプレート〔スラブ(Slab)と呼ばれる〕の沈み込み深度を考慮しても最大で700キロメートル程度である。これは、地球半径約6400キロメートルに比べると、その一部でしかない。また、プレート運動の原動力となっているマントル(Mantle)は2900キロメートルの深さを持つが、それに対しても一部でしかない。つまり、プレートテクトニクスに対しても、マントルの理解無しには十分な説明はできない。そのため、現在では、マントルを対象とし、さらにマントルとの相互作用が大きい核をも対象とすることができるような、全地球(全地圏)に適用可能な新たなモデルが求められている。
その新しいモデルの代表的な例の1つがプルームテクトニクス(Plume Tectonics)である。この名称のモデルが確立している訳ではないし、世界的に通用する段階には達していないが、日本人研究者が中心となって構築されているモデルであるために簡単に説明する。
プルーム(Plume)とは、煙突から煙がスーと1本昇るようなイメージの上昇流を指す。プレートテクトニクスにおいても用いられている概念であり、プレートの下部にあるマントルからプレートを貫いて上昇し、地表に活火山(Active Volcano)を形成するものとされている。プレート内部で起こっている火山活動を説明するために考えられたもので、プレート運動に対して不動な火山源〔マグマ(Magma)源〕が存在することになり、時間の経過に伴って火山列が形成されることを説明できる〔ハワイ諸島(Hawaiian Islands)などが例である〕。
プルームテクトニクスでは、マントルにおける超巨大なプルームの存在が最も重要であると考える。沈み込んだスラブは深さ700キロメートル付近(上部マントルと下部マントルの境界付近でもある)に溜まり、やがて一気にマントル下底(核の上)へ落下する。これは比較的温度が低いため(スーパー)コールドプルーム〔(Super)Cold Plume〕と名付けられている。これとバランスをとるために、他方で温度の高い(スーパー)ホットプルーム〔(Super)Hot Plume〕が上昇する。それから分岐した小規模のプルームの1つが、プレートテクトニクスでのプルームと考えることができる。このような全マントル規模の対流のようすは、地震波トモグラフィー(Seismic Tomography)などによる観測結果からも支持されている。このようなスーパープルームの振る舞いは核(Core)とも密接に関連しており、特に外核におけるダイナモ作用(Dynamo)による地磁気の発生メカニズムの解明を目指した研究も行われている。さらに関連して、地球46億年の地球史全体にわたる地球の進化(Evolution)を総合的に明らかにする研究が、生命の起源(Abiogenesis、Origin
of Life)も含めて、推進されている。
- ビデオ『プレート運動の理論』(30分):最新地球科学教育ビデオシリーズ 地球を探る 全26巻の第6巻。
『この巻では、地震や火山活動、造山運動、海底拡大など、一見無関係に見える地質現象を、プレート境界でおこるプレートの相互作用という観点から統一的に理解することにつとめます。プレート運動の原動力となるマントル対流の様式、マントルから一筋の糸のようにわき上がってくる高温のプリュームなど、理論の基礎を解説します。』
- 『地殻の進化: 新しいモデル』。講義内容は以下について。
『プレートテクトニクス』から『プルームテクトニクス』へ。
1)プレートとは
2)プルームとは
3)プレートテクトニクスの対象範囲は
4)新たなモデルとは
- プリント2枚(番号:13)。出席票。
【1枚目】
図1.1、図1.2、図1.3、図1.4、図1.5、図1.6、図1.7、図1.8、図2.1、図2.2、図2.3、図2.4、図2.5、図2.6、図3.1、図3.2、図3.5、図3.7…『新しい地球史 46億年の謎』(11,14,18,24,26,28,30,40,43,48,50,52,54,64,65,75,79p)
【2枚目】
図6.1、図6.2、図6.3、図6.4、図6.5、図6.6、図6.9、図6.10、図6.12、図6.13、図6.14、図6.16…『新しい地球史 46億年の謎』(128,129,131,133,136,137,148,150,151,158,163,164,171p)
プレート・テクトニクスとプルーム・テクトニクス|
【プレート・テクトニクス(右)とプルーム・テクトニクス(左)】
スタグナントスラブ|
【スタグナントスラブ(stagnant slab)】
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