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【ま】
- まさ(真砂)A
『白色〜淡灰色の花崗岩〜花崗閃緑岩およびこれと同質の片麻岩などが風化し、その場所に残留している残積土、およびこれからもたらされた崩積土(崖錐堆積物)。さば(砂婆)土とも。長石・石英を主とし、雲母・カオリン・褐鉄鉱などを含む。特に近畿・中国・四国地方に広く分布し、その厚さは数十mに及ぶことがある。風化の程度によって、まだ岩石に近いものからシルト・粘土のような細粒分を含むものまである。一般的に土工機械で掘削可能な対象物。風化生成物のカオリンは陶磁器の主要原料。〔皆川 潤・小村幸二郎〕』
まさA’
『(1)白色・淡灰色・淡褐色花コウ岩が風化分解した砂。長石および石英を主成分とし、雲母・カオリン・褐鉄鉱などを含む。砂婆(さば)とも書き、藻珪とも呼ばれ、また岐阜県小里地方では小里小石と呼ぶ。愛知県や岐阜県下に多量に産し、陶磁器原料として重要。〔小村幸二郎〕
(2)静岡県富士・愛鷹山麓で固結した火山灰土層を呼ぶ俗称。えかすまさ・あかまさ・じゃりまさ・ちゃんきりまさなど種類が多い。〔松井 健〕』
まさ(grus、gruss)B
『日本人の書く英文論文ではmasaとローマ字で書かれることも多い。花こう岩質岩石の風化によってできた砂状のもので、普通花こう岩の組織を残して原地で風化したものであることを示している(残積まさ土)。黒雲母や長石は多かれ少なかれ変質しており、少量のハロイサイト、イライト、バーミキュライトなどができている。一般に花こう岩質岩石は深くまで風化が及び、厚いまさができやすいが、特に阿武隈山地、三河高原、中国山地など準平原地形の残存している地方で厚いまさが発達している。ときに移動して原組織を失った崩積まさ土もみられる。真砂という漢字があてられているが、あまり使われていない。本来土木用語であるが、地質方面でも便利なためかなり使われるようになっており、granite
saproliteという語にとって代った観がある。窯業原料名であるさば、あるいは曹珪はこれに相当する。
土質工学的特性は風化の度合、受けた作用によって著しく変化する。土粒子の真比重は2.65前後であるが、粒子は風化によって細粒化し、また力学的作用によっても容易に圧砕する。まさ土の細分類には乾燥密度と間隙率が有効とされている。工学的にはかく乱による構造変化、並びに水との作用が特徴的で、特に浸水すると粒子が再配位し、極端な強度低下や沈下を生じる。まさは、砂質土でありながら粘性土の特性を示すために、重粘土、火山灰土とともにわが国の特殊土として、その取扱いが注意されている。〔長沢敬之助・佐藤晃一〕』
マサ(真砂)(masa、decomposed granite)E
『花崗岩、石英斑岩などの花崗岩質岩石の風化したもので、日本の中国地方などでマサ土、さばなどと古くから呼ばれている。「真砂」は、元来花崗岩質岩石が風化して砂状になったものや、これが河川などにより二次的に運搬されてできた石英や長石に富む白色の砂に対して用いられてきた。最近では、もとの花崗岩質岩石の組織を残しているが、軽い打撃によってたやすくくずれる程度まで風化されたものに限定して用いられる場合が多い。』
- マスムーブメント(mass movement)A
『斜面構成物質の削剥・移動作用の一つで、山地解体作用の主要な形態。マスウェースティング(mass wasting)とも。A.Penck(1894)は、削剥作用をマストランスポート(mass
transport)とマスムーブメントに二分した。前者は物質が水・氷・空気などの運搬手段によって受動的に運ばれる現象、後者は物質が直接、重力によって斜面を移動する現象。自然界ではマストランスポートとマスムーブメントは漸移関係にある。マスムーブメントの運動形式には、匍行(creep)、流動(flow)、滑動(slide)、落下(fall)の四つがある。匍行には岩石・岩屑・土壌匍行、流動には、乾燥した粉体流の岩石なだれ・岩屑なだれと水を含んだ土石流・泥流、滑動は地すべり、落下は落石が典型である。これらの運動は相互に漸移的で、また一つのマスムーブメントでいくつかの運動が複合することも多い。〔高浜信行〕』
マスムーブメント(mass movement)E
『削剥作用の一種で、水流、氷、空気などの運搬力によらず、直接重力によって起こる未固結の堆積物(土壌、岩屑など)の斜面下方への移動のこと。マスムーブメントは移動の様式、速度、原因、物質の種類、含水量、内部摩擦の性質、物性などによって分類される。移動の様式によって、匍行(creep、slow
flowage)、流動(rapid flowage)、滑動(landslide)、落下(fall)に分類される。マスウェスティングと同義。』
- マンニトール(mannitol)H
『ヘキソース由来の糖アルコールの一種で、褐藻類(褐色植物)に広く分布している。褐藻類ではD-マンニトールが光合成産物として蓄積される(コンブ属の中には、蓄積量が秋に乾燥重量の約25%にも及ぶものがある)。』
マンニトール(mannitol)J
『マンニット。マンノースの還元基の代わりにアルコール基をもつ糖アルコールの一種。D-マンニトールは植物に広く分布し、トネリコ科のマンナ樹(Fraxinus
ornus)の樹皮・タマネギ・キノコ類などに多く、コンブなどの藻類からも抽出される。多くの微生物がマンニトールを生成し、またエネルギー源として利用する。酵母にはマンニトールをフルクトースまたはマンノースに酸化する脱水素酵素がある。』
【み】
- ミクロトーム(microtome)H
『組織などから非常に薄い切片を作製するための機械。光学顕微鏡用では、最初に標本を固定して、凍結またはパラフィン(ろう)に包埋後、金属製の刃を用いて通常3〜20μmの厚さの切片を作製する。電子顕微鏡用では、標本を固定後、アラルダイトなどの樹脂に包埋する。ガラスまたはダイヤモンド製の刃を装着した超薄切片用のウルトラミクロトームを用いて、20〜100nmの厚さの切片を作製する。』
ミクロトームK
『顕微鏡観察用の試料を、薄い切片にするための機器。一般に光学顕微鏡用のものをいう。透過型電子顕微鏡用のものはウルトラミクロトームといい、その切片を超薄切片という。』
- 実生(みしょう)(seedling)J
『芽生え。種子植物の種子から発芽した幼植物。多くは子葉または第一葉を残存している期間をさす。最初にでる双子葉の子葉の形に注目して貝割(かいわれ)、甲柝(こうたく;甲はかぶと、柝は拍子木)ともいう。一般に中軸器官として胚軸・幼根・幼茎、葉的器官として子葉を具え、幼茎の先端に幼芽がある。また少数の例では根鞘、単子葉類のイネ科では子葉鞘・胚盤・中胚軸を分化する。子葉・第一葉の形態上の形質には、成体には失われしかも系統上古形と解されるものが多く、分類学・形態学上重要視される。なお胞子から発芽した幼植物をsporelingという。広義には種子から生育した植物体をいう。』
実生(みしょう)K
『種子から発芽して生じた個体。栄養繁殖によって生じた個体と区別していう。とくに若いものをさすことが多い。』
- ミトコンドリア(コンドリオソーム)(mitochondrion、複数はmitochondria(chondriosome))H
『好気呼吸を行うすべての真核細胞がもつ細胞小器官で、ATPの主な供給源である。細胞あたりの数は1つから数千までさまざまである。電子顕微鏡で観察されるミトコンドリアの形は、ほぼ円筒形(最長10μm、直径0.2μm)か球形(直径0.5〜5μm)である。2枚の膜をもち、外膜は滑らかで普通は特別な構造は見られない。内膜はくびれ込んでいてクリステを形成しており、くびれ込みの向きは通常はミトコンドリアの長軸に対して垂直である。活発に活動している組織のミトコンドリアは、多数の密にくびれ込んだクリステをもつが、相対的に酸素濃度の低い細胞にはクリステはほとんどない。内膜の内側のマトリックスはしばしば顆粒性で、リボソーム(原核生物型)、数コピーの環状DNA分子とその他のタンパク質合成要素、酵素類(例、クレブス回路、尿素回路の一部、脂肪酸酸化などで働く酵素)、さまざまな量のカルシウムイオンとリン酸イオンを含む。ヘム合成(シトクロムとヘモグロビンに必要)に働く酵素がミトコンドリアのマトリックスに存在する。
内膜は電子伝達系、ATP合成酵素複合体、脂肪酸合成酵素を含む。外膜に含まれる酵素には、アドレナリンやセロトニンの酸化酵素や、リン脂質代謝に働く酵素などがある。2つの膜は透過性が異なる。外膜は小さな分子やイオンを自由に透過させるが、内膜はO2や解離していないH2Oのような電荷をもたない小さな分子のみを透過させる。内膜はグルコースやNADHに対しては不透性であるが、さまざまな輸送タンパク質を含んでおり、これらがATPとADPの交換、クレブス回路の中間反応、濃度勾配に逆らったピルビン酸、カルシウムイオン、リン酸イオンの蓄積などを行う。これらはすべて電子伝達と共役している。ATP合成酵素複合体(F0F1-ATPアーゼ)も内膜に含まれており、少なくとも9種類のポリペプチドが2つの分離可能な機能単位を形成している。9種のポリペプチドのうち、5種はATP合成を触媒する球状の頭部構造(F1-ATPアーゼ)を形成し、残りはプロトンチャネル(F0)を形成する。電子伝達系によってくみ出されたプロトンが、このチャネルを通じてミトコンドリアの内部にもどるときにATP合成が起こる(図82a参照:略)。
新しいミトコンドリアは、既存のミトコンドリアが成長して分裂することによって生じる(細菌の二分裂に似る)。ミトコンドリアのタンパク質の多くは、核ゲノムの遺伝子にコードされている。このようなタンパク質には、特にクレブス回路や脂肪酸酸化に働く酵素、電子伝達系の酵素の多く、外膜のタンパク質、DNAおよびRNAポリメラーゼなどがある。粘菌類のPhysarumではmifプラスミドを含むmif+株と含まないmif-株の間で、ミトコンドリアの融合とゲノムの組換えが起こる。その結果生じたミトコンドリアの多くは、プラスミドを含む。酵母のミトコンドリアゲノムも組換えを起こすことがある。この現象は、通常はω+とよばれるイントロンが原因であり、最終的にはほぼすべてのミトコンドリアがω+となる。mifプラスミドもω+イントロンも、利己的DNA/遺伝子の例であると考えられる。F因子と比較せよ。ミトコンドリアの遺伝暗号は、核のものとも細菌のものとも異なっており、例えばUGAというトリプレットは、停止コドンではなくトリプトファンをコードしている。他のコドンにも違いがあり、異なる種のミトコンドリアの間でも違いが見られる。
温帯の多くのC3植物のミトコンドリアは、日中は好気呼吸を行わず、夜間に限って行う。その代わりに、これらの植物は光呼吸という見かけ上あまり効率的ではない呼吸を行う。熱帯に起原をもつC4植物では、光呼吸は少ないか、または見られない。
一般にミトコンドリアの起原は、内部共生した紅色光合成細菌にあると考えられている。』
ミトコンドリアK
『真核細胞の細胞質に存在する果粒状の細胞小器官で、内外2重の膜構造をもち、内膜に囲まれた空間(ミトコンドリアのマトリックス)にはクエン酸回路の酵素が、内膜には電子伝達系の各要素が存在する。酸素を消費して有機物を酸化してATPを生成するなど、細胞のエネルギー獲得に不可欠の役割を果たしている。独自の遺伝子(DNA)とその発現系をもつことなどから、ミトコンドリアの起源は好気性細菌の細胞内共生によると考えられている。』
【む】
- 無隔壁(aseptate)H
『藻類の糸状体、菌類の菌糸に隔壁(伸長方向に直交する細胞壁)をもたないことをいう。』
- 無機化(mineralization)J
『自然界において、有機物が微生物に分解されて無機化合物になる現象および過程。従属栄養微生物は無機化によって代謝エネルギーを獲得している。また、無機化による生成物の一部は再び微生物に同化されて細胞の合成に用いられるが、生物の主要な構成元素である炭素・窒素・硫黄などは、これらの無機化や同化作用の繰り返しを経て生物圏を循環している。有機物の骨格を形成している炭素は無機化により主にCO2にまで分解されるが、そのCO2は植物の光合成などによって再び有機物となる(⇒炭酸固定)。窒素の無機化は、作物生育の最も重要な制限要素の一つである無機態窒素を供給する過程として土壌学の分野で従来から盛んに研究されてきたが、生物圏の窒素循環の中心をなす過程として地球化学的・生態学的にも重要である。窒素の無機化によって生成されたNH4+の一部は、微生物に窒素源としてとり込まれる(⇒有機化)ほか、硝化作用によってNO2-やNO3-に酸化される。また、無機化の基質となる有機物は多種多様であるが、近年、微生物が有機物を分解するだけでなく自らも無機化の基質となって物質循環に重要な役割を果たしていることが注目されている。(⇒窒素固定)』
- 無性(asexual)H
『動物学以外では、胞子による生殖を示す語。減数分裂、配偶子の生産、受精(ゲノムあるいは核の融合)、個体間の遺伝物質の移動、単為生殖などによらない生殖様式をいう。したがって、この意味では栄養生殖と同義ではない(生活環)。動物学では、胞子形成は意味しないが、上にあげた他の基準は含まれる。しばしば栄養生殖や単為生殖を伴い、好ましい時期に急速に子孫を増やす方法と考えられている(遺伝子型は単一になる)。内部寄生生物に共通して見られる(多胚現象)。自然状態でのクローン化(人為的には挿し木による植物の増殖など)の根本原理である。無性生殖を行う相は、生活環の中で、有性の相と相互に現れることがある(世代交代)。ある種の生物(例、アメーバ、トリパノソーマ)は完全に無性的であり、進化的あるいは生態的な性の意義について問題を投げかけている。』
- ムル(mull、mild humus)A
『土壌表層の堆積有機物層の集積形態の一つ。植物遺体の分解がきわめて良好。有機物は粘土とよく混和して、粘土−腐植複合体を形成。主にミミズなどの土壌動物の影響で粒状〜団粒状構造を示す。草原土壌や暖地の適潤性〜弱湿性の森林土壌などの肥沃な土壌でみられる。〔松井 健・吉永秀一郎〕』⇔モル
【め】
- 命名規約(rules of nomenclature)J
『生物のタクソンに学名を付け、また、それらの学名を維持、管理するためのとりきめ。リンネの分類を発祥とし、動物・植物(化石を含む)、細菌などごとに独自に作られ用いられている。基準法、先取権の原則、二命名法による種の学名の使用などを規範とするもので、主たる目的は学名の安定である。具体的には、同じタクソンに複数の名称がついたり(異名)、ある名称が複数のタクソンの名称としてつかわれた場合(同名)の混乱の整理、および将来の混乱の予防に多くの頁が割かれている。
〔1〕国際動物命名規約(International Code of Zoological Nomenclature)。C.
von リンネの‘System Nature’第10版およびClerckの‘Aranai Svecici’が出版された1758年1月1日を先取権の原則の出発点と定める。この規約の初版はStollら(1961)、現在は第3版(Rideら、1985)、著作者は国際動物命名法審議会(international
commission of zoological nomenclature)。分類学的な判断にしたがってすべての動物を分類するという科学者の自由と矛盾せずに動物の学名の不変性と連続性を最大限にはかることを基本的な役割とする。規約を守ることで、動物学者はリンネ式階層分類体系における亜種から上科に至るまでのすべてのタクソンに対して有効な名称を手に入れることができる。また、規約はその運用に柔軟性をもち、必要とあらば特定の事例に対して強権(plenary
power)を発動して、規則の適用を放棄あるいは修正することができる。
〔2〕国際植物命名規約(International Code of Botanical Nomenclature)。C.
von リンネの‘Spexies Plantarum’初版が出版された1753年5月1日(一部の植物群で例外あり)を先取権の原則の出発点とする。Paris
code(1867)などをへてケンブリッジでの国際会議(1930)で現行法の基礎ができた。
〔3〕国際細菌命名規約(International Code of Nomenclature of Bacteria)。細菌学名承認リスト(Approved
lists of bacterial names)が発効した1980年1月1日が先取権の原則の出発点である。』
【も】
- 目(ordo、order)J
『生物分類のリンネ式階層分類において、綱の次下位、科階級群の上位におかれる基本的階級、あるいはその階級にあるタクソン。綱に比較してはるかに自然的な群であることが多いといわれる。古くは
J. Lindley、くだって G. ベンサムと J.D. フッカーがorderの名と枠とで現今の科に相当する群を取り扱ったことに配慮して、国際植物命名規約では、科名として意図されながら目にランク付けして発表された学名は科名として発表されたものとみなすことを認めている。動物では命名規約の制約を受けない。国際植物命名規約や国際細菌命名規約では、目あるいは亜目の名称がそこに含まれる科の名称に由来する場合には、その科の基準属の名称の語尾に、目では-ales、亜目では-ineaeをそれぞれ付けることが定められている。』
目(もく)K
『生物分類の階級の一つとして定められている概念。綱の下でかつ科の上に位置する。』
- 木部(もくぶ)(xylem)H
『材。維管束組織の混合体で、根から吸収された水や無機塩類を植物全体に行き渡らせる。また、機械的支持力も与える。2種類あり、一次木部は、前形成層から分化して形成され、原生木部と後生木部を構成する。二次木部は、形成層の活動によって生じる付加的な木部である。仮道管や道管、繊維、柔組織によって特徴づけられる。成熟した木本植物の茎と根の全体の構造は、大部分がこの維管束組織でできている。』
木部(もくぶ)K
『維管束植物の茎・葉・根の内部で、道管または仮道管が集まっている範囲。師(篩)部とともに維管束を構成する。多くの場合は柔組織や繊維組織をともなう複合組織である。樹木においてとくに多くの体積を占めるのでその名がある。』
- モダー(moder)A
『土壌表層の堆積有機物の集積形態の一つ。植物遺体の分解の程度はムルとモルの中間程度。未分解の有機物層が堆積している点でモルに似ているが、分解した有機物が鉱質土譲と混和している点はムルに近似。土壌動物の糞の集積を主体とする。〔吉永秀一郎〕』
- モル(mor、raw humus)A
『土壌表層の堆積有機物の集積形態の一つ。植物遺体の分解がきわめて不良。粗腐植(raw humus)とも。無機物質とは混和していない堆積腐植で、鉱質土層とは明瞭に分かれる。乾燥しやすい地域や寒冷湿潤地域の針葉樹林下でよく発達する。〔松井 健・吉永秀一郎〕』⇔ムル
- モル(mol、mole)@
『物質量の基本単位。炭素の質量数12の同位体12Cの12g中に含まれる原子の数(アヴォガドロ定数)と同数の単位粒子(原子、分子、遊離基、イオン、電子)を含む系の物質量を1モルと定義する。記号はmol。たとえば水素原子1molの質量は近似的に1.008g、水素分子1molの質量は2.016g、電子1molの電荷は96485C(クーロン)である。』
- モル濃度(molarity)@
『溶液1dm3中に含まれる溶質の量を物質量で表わした濃度で、記号はc、単位はmol/dm3またはMで表わされる。重量モル濃度と区別して用いる。』
- モル分率(molar fraction)@
『物質系の組成を表わす量で、1成分の物質量と全成分の物質量との比をその成分のモル分率という。各成分のモル分率の総和は1に等しい。』
- 門J
『生物分類のリンネ式階層分類体系において、界の次下位におかれる基本的階級、あるいはその階級のタクソン。動物(1)と植物・細菌(2)とで、対応する外国語が異なる。
(1)(phylum)動物では門の名称は国際動物命名規約の規制を受けないが、扁形動物門(Platyhelminthes)を除いて特徴を示す語の語尾を-a(中性複数形を意味する)とした形としている。動物界すなわち後生動物の各門は、基本的体制や発生様式の違いに基づいて設定され、L.
Hyman(1940)が区別した原生動物を含む22門が広く採用されていたが、1971年に板形動物門(Placozoa)、1983年に胴甲動物門(Loricifera)が相次いで創設され、また既存の門の細分化も行われ、現在では34ほどの門を認めるのが一般的。
(2)(divisio、division)植物や細菌では命名規約においてその群の特徴を示すラテン形の一語に-phytaないし-mycota(菌類)の語尾を付けて示し、亜門は-phytinaあるいは-mycotina(菌類)の語尾をとると規定されている。』
門(もん)K
『生物分類の大きい階級の一つで、界より下でかつ綱の上に位置する。』
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