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配付プリント等|補足説明
- 世界的に将来の資源(Future Resources:少なくとも21世紀の間程度)として期待されているものについて、簡単に説明します。
エネルギー資源(Energy Resource)では、まず、非在来型(Non-conventional)の化石燃料(Fossil
Fuels)です。例えば、オイルシェール(Oil Shale)やオイルサンド(Oil Sand)については一部の生産が既に行われていますが、大部分の開発は今後に残されています。その量は在来型のものに匹敵するかそれ以上とされています。ただし、石炭(Coal)と同じような採掘方法が必要であるし、品質も在来型に比べて低下しますので、経済性が問題です。メタンハイドレート(Methane
Hydrate)は、期待する人もいますが、私は環境問題(Environmental Issue)がネックとなり、大規模な開発には至らないと思っています。
次は新エネルギー(New Energy Resources)等です。その多くは現在も既に利用されていますが、その中で将来に利用量が劇的に増加する可能性があるのは、太陽光発電〔Photovoltaics:と風力発電(Wind
Power)〕でしょう〔宇宙太陽光発電(Space-based Solar Power)については私は否定的です〕。利用形態の新エネルギーとしては燃料電池(Fuel
Cell)が期待できます。
また、高速増殖炉(Breeder Reactor)によるプルトニウム(Plutonium)の核分裂(Nuclear Fission)を用いた原子力発電(Nuclear
Power)は、技術的問題と安全性の問題が何らかの形でクリアされれば、利用される可能性はあります。一方、核融合(Nuclear
Fusion)を用いた原子力発電を、遠い将来のエネルギーとして期待する人はいますが、私は少なくとも21世紀中では可能性は無いと思っています。
鉱物資源(Mineral Resource)では、おそらく陸上の資源の利用が続き、海洋底(Seabed)の3大鉱物資源を利用する可能性は少ないと思っています。廃棄物(Waste)の再利用〔Reduce+Reuse+Recycling(3R)→Waste
hierarchy〕がどこまで進むかは予測できません。もし、上手くいけば、『都市鉱山(Urban Mine)』の開発が進む可能性は残されています。
生物資源(Biotic Resource)・水資源(Water Resource)・土壌資源(Soil
Resource)については、新しい将来の資源の候補は思い当たりません。SF(Science Fiction)的には、遺伝子操作(Genetic
Modification/Manipulation)で必要な条件を備えた生物を新造することも考えられますが、現状からは現実的に予想できません。また、水資源は石油のようにパイプライン等によって売買するとか、運河によって不足地へ運ぶとか、極地の氷を利用するとかは実際に計画されたことがあります(一部の計画は今も存在する)。土壌の場合も部分的には売買されています。しかし、このような利用の仕方は将来の資源とは言えないでしょう。
- 『将来の資源』と『まとめ』。講義内容は以下について。
@日本の長期エネルギー需給見通し(2010年度)
A新エネルギーについて
B総合科学技術会議による重点課題の開発見通し(〜2040年度)
C2050年および2100年におけるエネルギー需給予測を中心に、化石燃料時代のピークとなると予想される2000〜2100年の資源事情を環境問題を含めて概説。
- 配布プリント4枚L。出席票。
【1枚目】
図T-1、表T-2、図V-11、表V-12、表V-17、表V-18、表V-19…『エネルギー2003』(11,18,135,136,161,169p)
【2枚目】
表T-3…『エネルギー2003』(31p)
図1、表1…『総合科学技術会議と環境・エネルギー分野研究推進戦略』〔宮川(2003):エネルギー・資源、24(2)、82-86(1-5)〕
【3枚目】
図3・1、図3・2、図3・3、図3・4…『環境科学要論』(20,21,22p)
図1・12、図1・13、図1・14…『私たちのエネルギー』(40,41,42p)
図5-5…『飽食のエネルギー』(155p)
図6・1、図6・2…『持続可能な社会システム』(187,188p)
【4枚目】
図1・3…『環境科学要論』(7p)
シナリオ1〜シナリオ8…『限界を超えて』(198,172,217,219,221,223,225,251p)
- 紹介した参考図書:
【資源と環境を含む将来の予測】
@メドウズほか(1972):成長の限界−ローマ・クラブ「人類の危機」レポート−.
今や古典的な報告書。必読書。こちらも参照。
Aメドウズほか(1992):限界を超えて 生きるための選択.
上記書の続編。これもお奨め。
Bメドウズほか(2005):成長の限界 人類の選択.
上記@およびAの続編。
Cアメリカ合衆国政府(1980):西暦2000年の地球 1 人口・資源・食糧編.
Dアメリカ合衆国政府(1981):西暦2000年の地球 2 環境編.
『成長の限界』に啓発されて、米国政府が同様に調査を行った報告書。お奨め。
- 試験についての説明。
- 学生アンケート(昨年度からインターネットを利用したウェブによる方法に変更)。
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