対象学年:2年生
講義日:2011年7月7(木)
講義題目:固体地球を構成する物質
配付プリント等 |
補足説明 |
全般 | 鉱物 | 岩石 | その他 |
地球の構成| |
鉱物の定義| 鉱物の分類| 鉱物存在度| |
岩石の分類| 火成岩の分類| |
元素存在度(宇宙および地殻)| |
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(km) |
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生物圏 |
表 付 近 |
約0 | 以下の3圏の境界付近に存在する生物を中心とする部分 | 植物や動物などの生物が中心となる生態系を形成する部分である。 |
1圏 |
4圏 |
気圏 |
約10 (対流圏部分) |
地表側から対流圏−成層圏(オゾン層を含む)−中間圏−熱圏(電離層とほぼ重なる)に分けられる | 空気(窒素ガス約78%・酸素ガス約20%・アルゴン約1%など)を中心とする部分である。 |
3圏 |
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水圏 | 約5 | 海水と陸水(氷河・地下水・湖沼水・河川水)からなる | 水(H2O)を中心とする部分である。 | |||
地圏 |
半径 約6400 |
地表側から地殻(大陸地殻と海洋地殻)−マントル−外核−内核に分けられる |
外核以外は固体であり、固体地球とも呼ばれる。 内核と外核は主に金属鉄(Fe)からなり、マントルと地殻は酸化物(主に珪酸塩鉱物と酸化物)からなる。 |
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これ以外に、磁気圏などもある。また、人間社会を人間圏などと呼ぶこともある。 |
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天然産であること | 地球以外でもよい | 例外なし(人工物は含めない) |
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化学式で表現できるような化学組成(元素の種類と濃度)を持つこと | 固溶体をもつものが多い | 例外なし |
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規則的な結晶構造(原子の3次元的な配列のありよう)を持つこと | 固体であること | 例外あり(いくつかの液体および非晶質を含む) |
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陰イオンと陽イオンの区別ができない場合 |
元素鉱物 (element mineral) |
特定の陰イオンを含まない場合(金属など) | 自然金(Au)、自然銀(Ag)、自然銅(Cu)、石墨(C)、自然硫黄(S)、など〔天然産であることを示すため『自然(native)』という語を付ける〕 | 量は少ないが、大部分は資源鉱物(鉱石鉱物)となる |
陰イオンが単一元素からなる場合 |
硫化鉱物 (sulfide mineral) |
陰イオンが硫黄(S)の場合 | 黄銅鉱(CuFeS2)、方鉛鉱(PbS)、閃亜鉛鉱(ZnS)、など | 資源鉱物の大部分が含まれる |
酸化鉱物 (oxide mineral) |
陰イオンが酸素(O)の場合 | コランダム(Al2O3)、赤鉄鉱(Fe2O3)、など | 資源消費量の多い鉄とアルミニウムの資源鉱物が含まれる | |
その他 | ハロゲン化鉱物、など | 資源鉱物となるものが多く含まれる | ||
陰イオンが2種類(1つは酸素)の元素からなる場合 |
炭酸塩鉱物 (carbonate mineral) |
陰イオンが炭素(C)と酸素(O)からなる錯イオンの場合 | 方解石(CaCO3)、など | 石灰岩のように資源鉱物となるものが含まれる |
珪酸塩鉱物 (silicate mineral) |
陰イオンが珪素(Si)と酸素(O)からなる錯イオンの場合 | 結晶構造(SiO4四面体の結合様式)の違いにより6種類のサブグループに分けられている(こちらを参照) | 普通の岩石を構成する造岩鉱物の主体をなし、産出量が最も多い | |
その他 | 硝酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、など | 資源鉱物となるものが含まれる |
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(%) |
斜長石 | 42 |
カリ長石 | 22 |
石英 | 18 |
角閃石 | 5 |
輝石 | 4 |
黒雲母 | 4 |
マグネタイト、イルメナイト | 2 |
オリビン | 1.5 |
アパタイト | 0.5 |
重要な鉱物の地殻での存在度(Wedepohl、1971)(『造岩鉱物学』から引用、13p) |
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火成岩 | マグマから固結したもの | 玄武岩(げんぶがん) | 生成深度小・シリカ量小 |
花崗岩(かこうがん) | 生成深度大・シリカ量大 | ||
変成岩 | 地下条件(高温・高圧)で生成したもの | 片麻岩(へんまがん) | 高温(高圧)で生成 |
片岩(へんがん) | 高圧(低温)で生成 | ||
堆積岩 | 地表条件(低温・低圧)で生成したもの | 砂岩(さがん) | 粒径が2mm〜1/16mm程度 |
泥岩(でいがん) | 粒径が1/16mm以下 |
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玄武岩(げんぶがん、basalt、バサルト):塩基性(basic)の火山岩(volcanic rock)。海洋地殻の代表的な岩石。輝石(pyroxene)と斜長石(plagioclase)を主とし、カンラン石(olivine)や角閃石(amphibole)も伴う。ただし、鉱物の粒径は肉眼では識別できないほど小さい。輝石・カンラン石・角閃石は有色鉱物であるので、全体的には暗灰色に見える。 | 花崗岩(かこうがん、granite、グラニット):酸性(acidic)の深成岩(plutonic rock)。大陸地殻の代表的な岩石。灰色部分は石英(quartz:SiO2)、白色部分は斜長石(plagioclase:NaAlSi3O8〜CaAl2Si2O8)、黒色部分は黒雲母(biotite)であるが、カリ長石(K-feldspar)(正長石;orthoclase:KAlSi3O8)ははっきりしない(少し灰色味をもつ白色の部分に存在すると考えられる。試料によっては、暖色系の色合いが強い)。鉱物の粒径は数mmであるが、試料によっては1cmを超える場合もある。 |
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片麻岩(へんまがん、gneiss、ナイス):高温および高圧の変成条件下で形成される変成岩。火成岩の花崗岩に似ているが、源岩の種類の違いによって、構成鉱物は変動する。大陸地殻中〜深部に地表の岩石がもたらされて形成されるので、大陸地殻の形成史に関連する情報をもつ。 | 片岩(へんがん、schist、シスト):高圧および中〜低温の変成条件下で形成される変成岩。圧力(応力、stress)に垂直な方向に押し潰されたような組織を示す(この写真は平らな面を撮っているので明瞭ではないが、下部に見える断面では平行な縞模様が見える)。 |
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砂岩(さがん、sand stone):構成鉱物の粒径が2mm〜1/16mmの砕屑岩(clastic rock)。 | 泥岩(でいがん、mud stone):構成鉱物の粒径が1/16mm以下の砕屑岩(clastic rock)。 |
〔岩手県立博物館の『これなあに?』の『地質分野』の中の『造岩鉱物[ぞうがんこうぶつ]と火成岩の分類』から〕 |
〔東邦大学理学部の高橋 正氏のホームページの中の『周期表・元素存在度の図表』から〕 |
参考 |
岡山大学理学部地球科学科(HP/2011/5)による『地球の内部』から |
〔(社)全国地質調査業協会連合会による『日本列島の地形と地質環境』の中の『プレートテクトニクスからみた日本列島』のページから。〕 日本列島付近のプレートのようす。 |
〔産業技術総合研究所 地質調査総合センターによる地質図のホームページの『日本の地質を知るページ』から〕 |
廣野・芦(1998)原図を改変 〔長野県下伊那郡の大鹿村中央構造線博物館の『中央構造線ってなあに?』の『中央構造線の両側は、もとは同じ石』の中の『「付加体」ってなに?』から〕 |