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配付プリント等 |
補足説明 |
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花崗岩(かこうがん、granite、グラニット):酸性(acidic)の深成岩(plutonic rock)。大陸地殻の代表的な岩石。灰色部分は石英(quartz:SiO2)、白色部分は斜長石(plagioclase:NaAlSi3O8〜CaAl2Si2O8)、黒色部分は黒雲母(biotite)であるが、カリ長石(K-feldspar)(正長石;orthoclase:KAlSi3O8)ははっきりしない(少し灰色味をもつ白色の部分に存在すると考えられる。試料によっては、暖色系の色合いが強い)。鉱物の粒径は数mmであるが、試料によっては1cmを超える場合もある。 | 玄武岩(げんぶがん、basalt、バサルト):塩基性(basic)の火山岩(volcanic rock)。海洋地殻の代表的な岩石。輝石(pyroxene)と斜長石(plagioclase)を主とし、カンラン石(olivine)や角閃石(amphibole)も伴う。ただし、鉱物の粒径は肉眼では識別できないほど小さい。輝石・カンラン石・角閃石は有色鉱物であるので、全体的には暗灰色に見える。 |
火成岩(igneous rocks)は、マグマ(magma:岩石の熔融体)から固結してできる岩石であるが、化学組成〔とくにSiO2(珪酸;シリカ)成分量〕および組織(形成深度が粒径などに最も影響する)の違いにより分類される。花崗岩はSiO2量が多く、深部でゆっくり冷却されて形成された。一方、玄武岩はSiO2量が少なく、地表付近で急速に冷却されて形成された。これらの中間の性質を持つ岩石には、別の名称が付けられているが、これらは連続的に変化している。なお、マグマの化学組成の違いは主に源岩の違いによる。 |
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片麻岩(へんまがん、gneiss、ナイス):高温および高圧の変成条件下で形成される変成岩。火成岩の花崗岩に似ているが、源岩の種類の違いによって、構成鉱物は変動する。大陸地殻中〜深部に地表の岩石がもたらされて形成されるので、大陸地殻の形成史に関連する情報をもつ。 | 片岩(へんがん、schist、シスト):高圧および中〜低温の変成条件下で形成される変成岩。圧力(応力、stress)に垂直な方向に押し潰されたような組織を示す(この写真は平らな面を撮っているので明瞭ではないが、下部に見える断面では平行な縞模様が見える)。 |
変成岩(metamorphic rocks)は、地表付近にあった岩石が地下へ埋没し、地下の高温・高圧条件によって、構成鉱物の一部または全部が変化した岩石である。一般的な変成岩は、圧力と温度の両方の影響を受けて形成される。とくに両方の影響が大きい変成岩は、構成鉱物が粗粒であり等粒状になって、一見花崗岩に似る場合もあるが、このようなものは片麻岩と呼ばれる。比較的圧力の影響が大きい場合には応力のために層状を示すことがあり、その代表的なものが片岩である。これらは広域的に形成される場合が普通であるので広域変成岩に含まれる。また、特別に温度の影響が強い場合は熱変成(接触変成)岩と呼ぶことがあり、逆に圧力の影響が強い場合は動力変成岩と呼ぶことがある。 |
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砂岩(さがん、sand stone):構成鉱物の粒径が2mm〜1/16mmの砕屑岩(clastic rock)。 | 泥岩(でいがん、mud stone):構成鉱物の粒径が1/16mm以下の砕屑岩(clastic rock)。 |
堆積岩(sedimentary rocks)は、地表における風化・浸食・運搬・堆積作用によって形成される岩石であり、砕屑岩が主体である。地表環境条件下で不安定な鉱物は、破砕と分解の過程で消失するため、一次鉱物(源岩を構成していた鉱物)の種類は限られる(主に石英および長石の一部が残る。他には岩片状のものも残る。さらに地表条件で安定な粘土鉱物のような二次鉱物も形成される)。一方、破砕によって半分また半分と粒径が小さくなると仮定すれば、(1/2)nとして構成鉱物の大きさを表せる。人為的に2mmや(1/2)4mm(=1/16mm)などが砕屑物の大きさの境界として使われ、2mm以上の粒子から構成されるものは礫、2mm〜1/16mmは砂、1/16mm以下は泥とされている。これらの堆積物(sediment)は地下での続成作用(diagenesis)によって粒子間が固定されると、堆積岩(sedimentary rock)となる。これらは層状の組織・構造を持つので一般に地層(stratum)と呼ばれる。 |
火成岩の分類 〔岩手県立博物館の『これなあに?』の『地質分野』の中の『造岩鉱物[ぞうがんこうぶつ]と火成岩の分類』から〕 |
Figure 10e-1: The classification of igneous rocks. This graphic model describes the difference between nine common igneous rocks based on texture of mineral grains, temperature of crystallization, relative amounts of typical rock forming elements, and relative proportions of silica and some common minerals. 〔Okanagan University CollegeのDepartment of GeographyのMichael Pidwirny氏によるPhysicalGeography.netの『FUNDAMENTALS OF PHYSICAL GEOGRAPHY』の『CHAPTER 10: Introduction to the Lithosphere』の中の『(e). Characteristics of Igneous Rocks』から〕 火成岩の分類。横軸はシリカ(SiO2)成分の量で、左側ほど多い。シリカ成分が多い岩石を酸性岩、逆に少ない岩石を塩基性岩と呼ぶ。例えば、粗粒の鉱物(石英〔quartz、SiO2〕・カリ長石〔K(potassium)-feldspar、KAlSi3O8〕・斜長石〔plagioclase、CaAl2Si2O8〜NaAlSi3O8の固溶体〕・黒雲母〔biotite〕など)から構成される花崗岩(granite)は酸性岩で、大陸地殻の代表的な岩石である。また、細粒の鉱物(斜長石・輝石〔pyroxene〕・かんらん石〔olivine〕など)から構成される玄武岩(basalt)は塩基性岩で、海洋地殻の代表的な岩石である。 |
【地殻の元素組成】
体積(イオン半径)で比較すると、酸素は9割以上を占めることになる。従って、地殻は酸素の塊りとも言える。
元素名 | 濃度 | 単位 | 元素名 | 濃度 | 単位 | 元素名 | 濃度 | 単位 |
O | 47.2 |
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Nd | 27 |
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Mo | 1.1 |
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Si | 28.8 | Cu | 25 | Br | 1.0 | |||
Al | 7.96 | Co | 24 | W | 1.0 | |||
Fe | 4.32 | Y | 24 | I | 800 |
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Ca | 3.85 | Nb | 19 | Ho | 800 | |||
Na | 2.36 | Li | 18 | Tb | 650 | |||
Mg | 2.20 | Sc | 16 | Tl | 520 | |||
K | 2.14 | Ga | 15 | Lu | 350 | |||
Ti | 4010 |
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Pb | 14.8 | Tm | 300 | ||
C | 1990 | B | 11 | Sb | 300 | |||
P | 757 | Th | 8.5 | Se | 120 | |||
Mn | 716 | Pr | 6.7 | Cd | 100 | |||
S | 697 | Sm | 5.3 | Bi | 85 | |||
Ba | 584 | Hf | 4.9 | Ag | 70 | |||
F | 525 | Gd | 4.0 | In | 50 | |||
Cl | 472 | Dy | 3.8 | Hg | 40 | |||
Sr | 333 | Cs | 3.4 | Te | (5) | |||
Zr | 203 | Be | 2.4 | Au | 2.5 | |||
Cr | 126 | Sn | 2.3 | Pd | 0.4 | |||
V | 98 | Er | 2.1 | Pt | 0.4 | |||
Rb | 78 | Yb | 2.0 | Re | 0.4 | |||
Zn | 65 | As | 1.7 | Ru | 0.1 | |||
N | 60 | U | 1.7 | Rh | 0.06 | |||
Ce | 60 | Ge | 1.4 | Os | 0.05 | |||
Ni | 56 | Eu | 1.3 | Ir | 0.05 | |||
La | 30 | Ta | 1.1 |
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陰イオンと陽イオンの区別ができない場合 |
元素鉱物 (element mineral) |
特定の陰イオンを含まない場合(金属など) | 自然金(Au)、自然銀(Ag)、自然銅(Cu)、石墨(C)、自然硫黄(S)、など〔天然産であることを示すため『自然(native)』という語を付ける〕 | 量は少ないが、大部分は資源鉱物(鉱石鉱物)となる |
陰イオンが単一元素からなる場合 |
硫化鉱物 (sulfide mineral) |
陰イオンが硫黄(S)の場合 | 黄銅鉱(CuFeS2)、方鉛鉱(PbS)、閃亜鉛鉱(ZnS)、など | 資源鉱物の大部分が含まれる |
酸化鉱物 (oxide mineral) |
陰イオンが酸素(O)の場合 | コランダム(Al2O3)、赤鉄鉱(Fe2O3)など、 | 資源消費量の多い鉄とアルミニウムの資源鉱物が含まれる | |
その他 | ハロゲン化鉱物、など | 資源鉱物となるものが多く含まれる | ||
陰イオンが2種類(1つは酸素)の元素からなる場合 |
炭酸塩鉱物 (carbonate mineral) |
陰イオンが炭素(C)と酸素(O)からなる錯イオンの場合 | 方解石(CaCO3)、など | 石灰岩のように資源鉱物となるものが含まれる |
珪酸塩鉱物 (silicate mineral) |
陰イオンが珪素(Si)と酸素(O)からなる錯イオンの場合 | 結晶構造(SiO4四面体の結合様式)の違いにより6種類のサブグループに分けられている(こちらを参照) | 普通の岩石を構成する造岩鉱物の主体をなし、産出量が最も多い | |
その他 | 硝酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、など | 資源鉱物となるものが含まれる |
A | B | C | D | E | |
石英(quartz) | 21.0 | 25.4 | 24.42 | 23.2 | 20.3 |
斜長石(plagioclase) | 41.0 | 39.25 | 39.25 | 39.9 | 34.9 |
ガラス(glass) | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 12.5 |
正長石(orthoclase) | 21.0 | 4.57 | 8.6 | 12.9 | 11.3 |
黒雲母(biotite) | 4.0 | 15.29 | 11.23 | 8.7 | 7.6 |
白雲母(muscovite) | 0.0 | 9.77 | 7.61 | 5.0 | 4.4 |
緑泥石(chlorite) | 0.0 | 0.0 | 3.31 | 2.2 | 1.9 |
角閃石(amphiboles) | 6.0 | 0.0 | 0.0 | 2.1 | 1.8 |
輝石(pyroxenes) | 4.0 | 0.0 | 0.0 | 1.4 | 1.2 |
かんらん石(olivines) | 0.6 | 0.0 | 0.0 | 0.2 | 0.2 |
酸化鉱物(oxides) | 2.0 | 1.37 | 1.37 | 1.6 | 1.4 |
その他(others) | 0.5 | 4.7 | 4.7 | 3.0 | 2.6 |
A Wedepohl(1969, 表7-11)により概算された上部大陸地殻の平均鉱物組成 B カナダ楯状地のメソノルム(mesonorm)(Shaw et al., 1967) C 緑泥石を含むように修正したカナダ楯状地のメソノルム(付記を参照) D 上部大陸地殻の平均鉱物組成の概算値(計算方法の詳細は付記を参照) E 露出した地殻の平均組成の概算値(計算方法の詳細は付記を参照) |
参考 |
岩石は鉱物粒子の集合体(混合物)である。鉱物は、構成する原子が3次元的に化学結合した結晶質(crystalline)物質であり、一般に多原子分子(無機高分子)と言えるが、分子という表現は用いないのが普通である。また、実際の鉱物中では、原子はイオン(電子の授受において、電子を与えれば自身は陽イオンに、受け取れば陰イオンになる)の状態で考えた方が理解し易い。従って、イオンの組合せは、互いの電荷が異なるもの(+と−)どうしが結合しやすく、全体として電荷は0にならなければならない。さらに、イオンの大きさ(イオン半径で表現する)も3次元的に調和する組合せとなる必要がある。つまり、化学結合においては、電荷とイオン半径が重要である。 |
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1 | O(酸素) | 61.7 | 93.8 |
2 | Si(ケイ素) | 21.3 | 0.2 |
3 | Al(アルミニウム) | 6.7 | 0.6 |
4 | Fe(鉄) | 2.0? | 0.5 |
5 | Ca(カルシウム) | 2.5 | 1.4 |
6 | Mg(マグネシウム) | 2.4 | 0.5 |
7 | Na(ナトリウム) | 2.3 | 1.3 |
8 | K(カリウム) | 0.8 | 1.7 |
9 | その他 | 0.3 | 0.0 |
【地球の重量】
重量〔または重さ(Weight)〕は、物体に働く重力(Gravity)の大きさであり、地球の重力の大きさによって決まる量である〔約9.8N(ニュートン:1
N=1 kg・m/s2=約0.1 kgf〈重量キログラム、キログラム重、kgw〉):従って、9.8
N=約1 kgf〕。重力が異なれば違う値になる。物体固有の量は質量(Mass)と言う。地球の重力の大部分は地球の質量による万有引力(=引力)(Gravitation)であり、自転(Rotation)による遠心力(Centrifugal Force)も加わっている。
しかし、実際には地球上で用いるため、重量と質量の違いは区別されていない場合が多い。ただし、地球上での重力は約0.5%ほど変動するので、重量も同様に変動するが、質量は一定である。