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第8回 水と大気の働きについて

配付プリント等補足説明参考

配付プリント等

補足説明

全般

地表でのエネルギー源地表でのエネルギー収支地球上の水の分布と循環

【地表でのエネルギー源】
 
地表における物質の循環に必要なエネルギーのほとんどは太陽光からのものである。プレートテクトニクスにおける物質循環に必要なエネルギーは地熱からのものである。しかし、地表でこれらを比較すれば、太陽光は地熱の5000倍もある。

【地表でのエネルギー収支】
 地表付近でのエネルギー収支において、太陽光の3割は反射されるために残りの7割が入力エネルギーである。このエネルギーが地表におけるさまざまな現象に使われている。

【地球上の水の分布と循環】
 地表付近に存在する水の約97%海水(Seawater)である。残りは陸に存在する陸水(Inland Waters、Terrestrial Waters)であるが、約2%氷河(Glacier)である。存在量の他に循環する速度〔滞留時間(Residence Time)として表わすことが多い〕も重要である。
 地表において水は蒸発し、水蒸気(Water Vapor)として大気中を上空へ移動する。水蒸気は雲(Cloud)を形成し雨(Rain)や雪(Snow)として地表へ戻る。その循環の速度は、過程によって大きく異なる。

参考

大気圏の温度構造大気の大循環年平均降水量世界の主要河川流域地下水(帯水層、井戸、地下水流のタイプ)海水の塩分と水温海流(表層流)と風海底地形

【大気圏の温度構造】
 大気圏
(Atmosphere)は気温の上下動が変化する高度で4分されている。つまり、地表から10km付近までは、上空ほど低温であり、大気の対流が活発であるので対流圏(Troposphere)と呼ばれる:10km付近から50km付近までは、上空ほど高温であり、大気の対流は起こりにくいので成層圏(Stratosphere)と呼ばれる:50km付近から80km付近までは、上空ほど低温であるが、大気の密度が小さいので目だった特徴がないために中間圏(Mesosphere)と呼ばれる:80km付近以上では、上空ほど高温であるが全体的に気温が高いために熱圏(Thermosphere)と呼ばれる。

【大気の大循環】
 大気の大循環(Atmospheric Circulation)は、厚さ10キロメートル程度の薄い対流圏内で主に起こっている。赤道(Equator)を堺にして、北半球(Northern Hemisphere)と南半球(Southern Hemisphere)に対称的にそれぞれ3つの循環が存在し、赤道に近いハドレー循環(Hadley Cell)が最も大きい。地表付近では、地球の自転(Rotation)による見かけのコリオリの力(Coriolis Effect、Coriolis Force)によって、進行方向に北半球では右側への力を受け、南半球では左側への力を受ける。

【年平均降水量】
 世界の年平均降水量(Globally-Averaged Annual Precipitation)は1000mm(=1m)程度である。大気の大循環のハドレー循環(Hadley Cell)における上昇(Ascent)域〔地表では低気圧帯(Low-Pressure Area)となる〕を中心とした付近が最も多い。逆に、下降(Descent)域〔地表では高気圧帯(High-Pressure Area)となる:南北緯30度周辺〕付近では少なく、砂漠(Desert)が形成されやすい。

【世界の主要河川流域】
 世界の大河川(River)の流域は広大である。このような河川の河口部(Estuary)では膨大な量の堆積物(Sediment)が集積している。

【地下水(帯水層、井戸、地下水流のタイプ)】
 陸水の中で、液体の水の存在量が最も多いのは地下水(Groundwater)である。

【海水の塩分と水温】
 海水(Seawater)に含まれる塩分(Salinity)は約3%〔=3‰(パーミル、千分率、Per Mil、Per Mille、Permil、Per Mill、Promille)〕強であり、比較的均質である。表層海水の水温は季節と緯度の違いに応じて変動が大きいが、深層海水では2℃程度の一定した水温を示す。

【海流(表層流)と風】
 地表の温度は、赤道地域で高くて極地域で低いが、その温度差をなくすように大気と海水は動く。大気の場合は大気の大循環と呼ばれる循環となるが、海水の場合は表層での海流(Ocean Current)とよばれる循環ならびに深層も含めた海洋の大循環〔熱塩循環、Thermohaline Circulation:『海洋ベルトコンベア(Ocean Conveyor Belt、Great Ocean Conveyor、Global Conveyor Belt)』とも呼ばれる〕として循環する。海流はとくに大気(風、Wind)の影響を強く受ける。

【海底地形】
 海水を取り去った海底(Seabed、Seafloor、Sea Floor、Ocean Floor)の地形である。このような海底地形の成因はプレートテクトニクスによって説明されている。


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