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第１２回　土壌の生物性と化学性について

配付プリント等

• 内容：土壌の生物性と化学性について。
• 配布プリント：１種：
  １）「５．土壌の生物性」、「６．土壌の化学性」…『最新土壌学』（54-95p）
• 紹介した参考図書：
  �@久馬一剛（編）（1997）：最新土壌学．
  　　　前出。
• レポートの提出について：
  

  レポートの提出について 下記のテーマから一つを選んで、レポートを提出しなさい。 【テーマ�@】　地球構成物質について説明しなさい。　 【テーマ�A】　鉱物について説明しなさい。 【テーマ�B】　岩石について説明しなさい。 【テーマ�C】　土壌について説明しなさい。 【テーマ�D】　自分の修士論文内容と講義内容とに関連があれば、それを説明しなさい。 【様　式】　２０００字程度。 【提出〆切】　２０１１年２月１０日（木）【後期試験期間最終日】 【提出先】　メール（添付ファイル）による〔mfukuok@hiroshima-u.ac.jp〕。

補足説明

全般	地球科学用語については『地球科学用語集』ページを参照。 単位については『単位について』のページを参照。 地質年代については『地質年代表』のページを参照。

• 土壌については『土壌とは』のページを参照。
• ※フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』で主な項目について調べることができます。
  ■Soil ecology／Soil food web／Category:Soil biology／Soil biology／Soil life／土壌微生物（Soil crust）／土壌動物／Soil zoology／
  ■真正細菌（Bacteria）／放線菌（Actinobacteria）／糸状菌／藍藻（Cyanobacteria）／原生動物（Protozoa）／線形動物（Nematode）／
  ■グラム染色（Gram staining）〔細胞壁の構造の違いを検査する方法で、通常は真正細菌に適用される〕／グラム陽性菌（Gram-positive bacteria）／グラム陰性菌（Gram-negative bacteria）／
  ■腐植土（Humus）／フミン酸（Humic acid）／Plant litter／
  ■Category:Soil chemistry／陽イオン交換容量（CEC、Cation exchange capacity）／Soil pH／Alkali soils／Liming (soil)／吸着（Adsorption）／
  ■酸化還元反応（Redox）／酸化還元電位（Eh、Reduction potential）／酸と塩基〔酸（Acid）、塩基（Base）、アルカリ（Alkali）〕（Acid-base reaction）／水素イオン指数（pH）／電位-pH図（Pourbaix diagram）／マルセル・プールベ（Marcel Pourbaix【1904 - 1998】）／緩衝液（Buffer solution）／

【土壌微生物】

• 生物の分類はこちらを参照。
• フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』の『土壌微生物』などから
  

  細菌⇒真正細菌（バクテリア）	Bacteria	真正細菌ドメイン。単細胞原核生物。0.4〜2.0μm程度。
  放線菌	Actinobacteria	グラム陽性の真正細菌のうち、細胞が菌糸を形成して細長い形態を示すものを指していた。直径0.5〜2.0μm程度。
  糸状菌（しじょうきん）	Filamentous Fungi	菌類のうち、菌糸から構成されるもの。直径3.0〜50μm程度。
  藍藻（らんそう、シアノバクテリア）	Cyanobacteria	真正細菌の一群で、光合成を行う。直径3.0〜50μm程度。
  原生動物	Protozoa	単細胞生物のうち、生態が動物的なもの。体長20〜200μm程度。
  線虫⇒線形動物	Nematode	線形動物門に属する動物の総称。

参考

【微生物の分類】

• 久馬（編）（1997）による〔『最新土壌学』（56p）から〕
  ※リンクはフリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』。
  

  表5.2　エネルギー源と栄養要求性に基づく微生物の分類（柳田、1980）

  エネルギー源	炭素源	窒素源	電子供与体	電子受容体		微生物の例
  光合成 微生物	CO2 （独立栄養）	N2同化可能	H2O	好気性	O2	藍藻 緑藻 緑色硫黄細菌 紅色硫黄細菌 紅色非硫黄細菌
  		化合体N
  			H2S	嫌気性	有機酸
  	有機物 （従属栄養）		H2 有機物		有機物
  化学合成 微生物	CO2 （独立栄養）	化合体N	NH4+	好気性	O2	亜硝酸菌　Nitrosomonas 硝酸菌　Nitrobacter 水素細菌 鉄細菌 Thiobacillus thiooxidans Thiobacillus denitrificans
  			NO2-
  			H2
  			Fe2+
  			S、S2O32-
  			S、S2O32-、H2Sなど	嫌気性	NO3-
  	有機物	N2同化可能	発酵性基質	好気性	O2	窒素固定菌　Azotobacter Pseudomonas Bacillus 　放線菌　糸状菌など 脱窒菌 硫酸還元菌 発酵性細菌 メタン生成細菌
  		化合体N
  		N2同化可能		嫌気性	有機物（糖）
  		化合体N	有機物		NO3-
  			有機酸、H2		SO42-、SO32-、S2O32-など
  			発酵性基質		有機物、NO3-
  			H2		CO2

• 久馬（編）（1997）による〔『最新土壌学』（59p）から〕
  ※リンクはフリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』。

  表5.4　土壌構成成分と優占微生物群

  構成成分	優占微生物群
  植物根	共生微生物（根粒菌、ミコリザ＝菌根菌）、寄生微生物（病原菌）、有機栄養細菌、放線菌、糸状菌、原生動物
  植物遺体	有機栄養細菌、放線菌、糸状菌、原生動物
  土壌有機物（腐植）	有機栄養細菌
  無機質粒子（砂、粘土）	無機栄養細菌

【陽イオン交換基】

• 粘土鉱物はこちらを参照。
• 久馬（編）（1997）による〔『最新土壌学』（76p）から〕
  ※リンクはフリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』。
  

  表6.2　主要土壌物質の陽イオン交換基の種類と量

  物質（群）	交換基の種類	交換基の量／cmol/kg
  カオリン鉱物	同形置換周囲酸素原子団	2〜10
  スメクタイト	同形置換周囲酸素原子団	60〜100
  バーミキュライト	同形置換周囲酸素原子団	100〜150
  イライト	同形置換周囲酸素原子団	10〜15
  クロライト	同形置換周囲酸素原子団	2〜10
  アロフェン	Si−O-、Al−O-	500〜600
  腐植	COO-	250〜500
  層状ケイ酸塩もSi−O-、Al−O-などをもつがその量は粒子の大きさにより、また陽イオン吸着への寄与は小さいので省略。カオリン鉱物中における同形置換の存在は必ずしも確認されていない。

  
  ※交換基の量の単位のcmolは、mol（モル）の100分の1（センチ）。

【pEとEh】

• 久馬（編）（1997）による〔『最新土壌学』（84-87p）から〕
  ※リンクはフリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』。
  

  酸化体＋mH+＋ne-＝還元体＋kH2O 平衡の場合、平衡定数K＝〔（還元体）（H2O）k〕／〔（酸化体）（H+）m（e-）n〕 （H2O）は１とみなせるので、 −log（e-）＝pE＝（1/n）（logK−mpH）＋（1/n）log〔（酸化体）/（還元体）〕 また、 酸化還元電位Eh＝（2.3RT/nF）（logK−mpH）＋（2.3RT/nF）log〔（酸化体）/（還元体）〕 であるので〔ここで、R：気体定数、T：絶対温度、F：ファラデー定数〕、 pE＝（F/2.3RT）Eh