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5重の壁 |
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5重の壁(ごじゅうのかべ)とは、原子炉からの放射性物質漏洩を防ぐ為に設けられた5つの障壁のことで、原子炉の安全設計の「多重防護」のうちの一つである。
設けられた障壁が「燃料ペレット」、「燃料被覆管」、「原子炉圧力容器」、「原子炉格納容器」、「原子炉建屋」の5つであるためこの名が定着した。しかしながら原子炉格納容器が設けられていない原子力発電所も存在し、例としてロシア型加圧水型原子炉、RBMK-1000などが挙げられる。後者の型についてはウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の炉型として知られている。障壁が設けられているのは原子炉建屋だけでなく、施設内で放射性物質を含みうる箇所全てが遮蔽されている。沸騰水型原子炉の場合は炉心で発生した蒸気をそのままタービンに送る為、蒸気タービンも遮蔽する必要がある。なお加圧水型原子炉のように二重間接熱サイクルを採用した原子炉についてはこの限りではない。
燃料ペレット
燃料および運転中に生成した放射性物質(核分裂生成物)をペレット内部に保持する。
燃料被覆管
燃料ペレットを閉じ込め放射性物質が漏洩することを防ぐ。
原子炉圧力容器
冷却材に溶出した放射性物質が外部に漏洩することを防ぐ。
原子炉格納容器
原子炉圧力容器が破損した際に、放射性物質を留め放射線を遮蔽する。
原子炉建屋
原子炉格納容器も破損した際、密閉環境の建屋により外部への漏洩を防止する。 |
CANDU炉 |
CANDU
reactor |
CANDU炉(英語:CANDU reactor)とは、中性子の減速及び燃料の冷却に、共に重水を使用することを特徴とする原子炉のことである。減速材に重水を使用することから重水炉に分類される。CANDUとは
Canadian deuterium uranium の略である。1960年代にカナダ政府と民間企業との合弁企業によって設計された。 |
CTBT
(包括的核実験禁止条約) |
Comprehensive
Nuclear-
Test-
Ban
Treaty |
包括的核実験禁止条約(ほうかつてきかくじっけんきんしじょうやく、Comprehensive
Nuclear Test Ban Treaty、略称:CTBT)とは、宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間での核兵器の核実験による爆発、その他の核爆発を禁止する条約である。
1996年9月、国連総会によって採択され、日本は1996年9月に署名、1997年7月に批准した。2012年2月現在で182カ国が署名、157カ国が批准しているが、発効要件国(核兵器保有国を含む44か国)の批准が完了していないため未発効である。 |
ECCS
(非常用炉心冷却装置) |
Nuclear
reactor
safety
systems |
非常用炉心冷却装置(ひじょうようろしんれいきゃくそうち、ECCS、Emergency
Core Cooling System、緊急炉心冷却装置)は、水を冷却材として用いる原子炉の炉心で冷却水の喪失が起こった場合に動作する工学的安全施設である。炉心に冷却水を注入することで水位を保ち核燃料を長期に渡って冷却し燃料棒の損壊を防止する。この作動は原子炉の停止を意味する。
冷却材に水を使う動力炉では、炉心の熱密度が高いため、スクラムと呼ばれる制御棒の一斉挿入による原子炉の緊急停止を行なっても、運転状態直後の核燃料の持つ高いレベルの余熱量に加えて、それに加算的に追加される崩壊熱によって原子炉圧力が上昇し、そのもたらす結果として炉心が破損・溶解する危険性がある。非常用炉心冷却装置は、炉心に繋がる配管系(原子炉系配管)の破断により低下した水位の回復をも含めて、予期せぬ原子炉緊急停止時に原子炉圧力容器への水の循環を利用して、炉心から外部へ熱を移動して炉心を冷却し破損を防止する。
非常用炉心冷却装置は、炉心の水位を保ち炉心を冷却することによって原子炉圧力容器内を減圧するという機能を備えている。 |
IAEA
(国際原子力機関) |
International
Atomic
Energy
Agency |
国際原子力機関(こくさいげんしりょくきかん、英:
International Atomic Energy Agency、略称:IAEA)は、国際連合傘下の自治機関であり、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関である。2005年度のノーベル平和賞を、当時の事務局長モハメド・エルバラダイとともに受賞した。
本部はオーストリアのウィーンにある。またトロントと東京の2ヶ所に地域事務所と、ニューヨークとジュネーヴに連絡室がある。 |
ICRP
(国際放射線防護委員会) |
International
Commission
on
Radiological
Protection |
国際放射線防護委員会(こくさいほうしゃせんぼうごいいんかい、英:
International Commission on Radiological Protection、ICRP)は、専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う民間の国際学術組織である。ICRPはイギリスの非営利団体(NPO)として公認の慈善団体であり、科学事務局の所在地はカナダのオタワに設けられている。
助成金の拠出機関は、国際原子力機関や経済協力開発機構原子力機関などの原子力機関をはじめ、世界保健機構、ISRや国際放射線防護学会(International Radiation Protection Association; IRPA)などの放射線防護に関する学会、イギリス、アメリカ、欧州共同体、スウェーデン、日本、アルゼンチン、カナダなどの各国内にある機関からなされている。 |
ITER |
ITER |
ITER(イーター)は、国際協力によって核融合エネルギーの実現性を研究するための実験施設である。この核融合実験炉は核融合炉を構成する機器を統合した装置であり、ブランケットやダイバータなどのプラズマ対向機器にとって総合試験装置でもある。計画が順調に行けば原型炉、実証炉または商業炉へと続く。名称は、過去にはInternational
Thermonuclear Experimental Reactorの略称と説明された時期もあったが、現在は公式にはiter(羅:道)に由来する、とされている。
日本では「国際熱核融合実験炉(こくさいねつかくゆうごうじっけんろ)」または「イーター(後述する協定の和文正文等における呼称)」と呼ばれている。
建設候補地として青森県六ヶ所村(日本)とカダラッシュ(フランス)が挙げられていたが、2005年6月、カダラッシュに建設することが決定された。2006年11月にはプロジェクトの実施主体となる国際機関を設立する国際協定である「イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定(Agreement on the Establishment of the ITER International
Fusion Energy Organization for the Joint Implementation of the
ITER Project)」に対する署名が行われた後、2007年10月24日に協定の効力が発生し、イーター国際核融合エネルギー機構が国際機関として正式に設立された。 |
MOX燃料 |
MOX
fuel |
MOX燃料(モックスねんりょう)とは混合酸化物燃料の略称であり、原子炉の使用済み核燃料中に1%程度含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜてプルトニウム濃度を4〜9%に高めたものである。
主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉用燃料ペレットと同一の形状に加工し、核設計を行ったうえで適正な位置に配置することにより、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これをプルサーマル利用と呼ぶ。
MOXとはMixed OXide(「混合された酸化物」の意)の頭文字を採ったものである。 |
NPT
(核拡散防止条約) |
Treaty
on
the
Non-
Proliferation
of
Nuclear
Weapons |
核兵器の不拡散に関する条約(かくへいきのふかくさんにかんするじょうやく、Treaty
on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons、略称:NPT)は、核軍縮を目的に、アメリカ合衆国、ロシア、イギリス、フランス、中華人民共和国の5か国以外の核兵器の保有を禁止する条約である。略称は核拡散防止条約(かくかくさんぼうしじょうやく)。核不拡散条約とも略される。
核拡散防止条約は、核兵器廃絶を主張する政府および核兵器廃絶運動団体によって核兵器廃絶を目的として制定された。核兵器保有国は核兵器の削減に加え、非保有国に対する保有国の軍事的優位の維持の思惑も含めて核兵器保有国の増加すなわち核拡散を抑止することを目的として1963年に国連で採択された。関連諸国による交渉、議論を経て1968年に最初の62か国による調印が行われ、1970年3月に発効した。
25年間の期限付きで導入されたため、発効から25年目にあたる1995年にNPTの再検討・延長会議が開催され、条約の無条件、無期限延長が決定された。
採択・発効後も加盟国は増加し、2010年6月現在の締結国は190か国である。 |
あ |
ウラン |
Uranium |
ウラン(独: Uran, 新ラテン語:
uranium)とは、原子番号92の元素。元素記号は
U。ウラニウムの名でも知られるが、これは金属元素を意味するラテン語の派生名詞中性語尾
-ium を付けた形である。なお、ウランという名称は、同時期に発見された天王星 (Uranus) の名に由来している。 |
ウラン235 |
Uranium-235 |
ウラン235はウランの同位体の一つ。1935年にArthur
Jeffrey Dempsterにより発見された。ウラン238とは違いウラン235は核分裂の連鎖反応をおこす。ウラン235の原子核は中性子を吸収すると2つに分裂する。また、この際に2個ないし3個の中性子を出し、それによってさらに反応が続く。原子力発電では多量の中性子を吸収するホウ素、カドミウム、ハフニウムなどでできた制御棒で反応を制御している。核兵器では反応は制御されず、大量のエネルギーが一気に解放され核爆発を起こす。
ウラン235の核分裂で発生するエネルギーは一原子当たりでは200 MeVであり、1モル当たりでは18
TJである。
ウラン235が生み出すカロリーは、同量の砂糖のカロリーの500万倍ほどである。
自然に存在するウランの内ウラン235は0.72パーセントであり、残りの大部分はウラン238である。この濃度では軽水炉で反応を持続させるのには不十分であり、濃縮ウランが使われる。一方、重水炉では濃縮していないウランでも使用できる。核爆発を起こさせるためには90パーセント程度の純度が求められる。 |
ウラン濃縮 |
|
ウラン濃縮(ウランのうしゅく)とは、核分裂性のウラン235の濃度を高めるために行う同位体分離である。
天然ウランには、核分裂を起こさないウラン238(238U)が99.3%、核分裂を起こすウラン235(235U)が0.7%含まれている。
ウラン238とウラン235は、中性子3個分のわずかな質量差によって区別することができるが、化学的性質等にほとんど差異は無い。そこで、ガス拡散法や遠心分離といった質量差を利用した同位体分離技術が一般に用いられる。他にも、レーザー法、ノズル法、化学法(イオン交換法)などがある。
ウラン濃縮の行程から得られる生成物は、ウラン235の割合が高められた濃縮ウランと、ウラン235の割合が減じられた減損ウランに分けられる。天然ウラン中のウラン235の濃度 (0.7%) を超え、20%以下の生成物を低濃縮ウラン、濃度が20%を超える生成物を高濃縮ウランという。また、天然ウランよりもウラン235の濃度が低いウランを減損ウランといい、特にウラン235をほとんど含まないウランを劣化ウランという。
ウラン濃縮を行う意義は、ウラン燃料をより臨界させやすい状態に加工することにある。天然ウランを核燃料として利用できる原子炉は、黒鉛炉や重水炉に限られる。この炉型の原子力発電所は、ウラン原産国や重水生産国によって運転されている場合がほとんどで、基数にして全体の2割ほどしか建設されていない。低濃縮ウラン燃料を必要とするのは、主に軽水炉と呼ばれる原子炉である。中性子吸収が大きい軽水を減速材として用いるため、核分裂を維持するには濃縮度3%から5%程度のウラン燃料が必要になる。この炉型の原子力発電所は、安全性や経済性で総合的に有利になる場合が多いため、積極的に建設する国が増えている。従って、原子力産業における低濃縮ウランの需要は極めて高い。
ウラン濃縮における運用上の問題点は、核拡散の懸念である。原子力発電所で用いる低濃縮ウラン燃料と、原子爆弾に用いる高濃縮ウラン燃料の製造工程が原理的に同じであるため、ウラン濃縮に関わる物資や技術のみならず、運営そのものが厳しい監視下に置かれている。ウラン濃縮を行うには、高度な技術力と膨大な資金が必要なほか、多くの国際的な規制が伴うため、国家権力の下で行われるのが一般的である。しかしこれまでに、ウラン、フッ素、濃縮設備の設計図と部品など、ウラン濃縮に関連した物資の密輸ルートが複数確認されており、それらがある共通のネットワークの一部である可能性も示唆されている。これらの流通ルートには国家が介入している疑いが濃厚であるとされ、核拡散に関わる国際的な問題となっている。 |
欧州加圧水型炉 |
European
Pressurized
Reactor |
欧州加圧水型炉(英語: Europrean
Pressure Reactor、EPR)は原子炉の設計の一種。第3世代の加圧水型原子炉。主にフラマトム社(現アレヴァNP)、フランス電力、シーメンスなどが開発した。この原子炉設計は欧州では欧州加圧水型炉(European Pressurized Reactor)と呼ばれ、国際的には進展型原子炉(Evolutionary Power Reactor)とされているが、現在はアレバ社は単純にEPRと呼んでいる。
2011年時点で、4基のEPR炉が建設中であり、フィンランドとフランスに1基ずつの2基が建設中であるが、双方でコスト的建設の遅延に面している。さらに中国で2009年と2010年に2基の建設が開始されており、こちらは現状では予定通りに進んでいる。 |
か |
加圧水型原子炉(PWR) |
Pressurized
water
reactor |
加圧水型原子炉(かあつすいがたげんしろ、英:
Pressurized Water Reactor, PWR)は、原子炉の一種。核分裂反応によって生じた熱エネルギーで、一次冷却材である加圧水(圧力の高い軽水)を300℃以上に熱し、一次冷却材を蒸気発生器に通し、そこにおいて発生した二次冷却材の軽水の高温高圧蒸気によりタービン発電機を回す方式。発電炉として、原子力発電所の大型プラントのほか、原子力潜水艦、原子力空母などの小型プラントにも用いられる。 |
核実験 |
Nuclear
weapons
testing |
核実験(かくじっけん)とは、核爆弾の新たな開発や性能維持を確認したり維持技術を確立するために実験的に核爆弾を爆発させることを指す。1945年から約半世紀の間に2379回(その内大気圏内は502回)の核実験が各国で行われた。そのエネルギーはTNT換算で530メガトン(大気圏内は440メガトン)でこれは広島へ投下されたリトルボーイの3万5千発以上に相当する。 |
核燃料 |
Nuclear
fuel |
核燃料(かくねんりょう)とは、核分裂や核融合などにより、原子核エネルギーを放出し、それにより原子炉などの動力システムを運転させる物質のこと。原子燃料とも。通常、核分裂連鎖体系をつくる燃料のことを言い、その物質にはウラン、プルトニウム及びトリウムがある。
ウランはウラン235の含有量やその出自により天然ウラン、濃縮ウラン、劣化ウラン等に分類される。純金属・合金・酸化物等の固体の燃料、または水溶液・溶融合金・フッ化物等の液体の燃料の形で使用する。
現在の技術ではまだ実用化されてはいないが、軽い元素同士を高速で衝突させることにより融合させ、より重い元素になる際に放出される質量エネルギーを利用するという核融合も未来のエネルギー源として期待されている。 (詳しくは原子核融合の項を参照) |
核燃料サイクル |
Nuclear
fuel
cycle |
核燃料サイクル(かくねんりょうサイクル)とは、核燃料にかかわる核種および資源の循環を指す。
狭義には核燃料物質特有の核種変換系統を、広義には商用炉を中心とする原子炉用核燃料の製造から再処理と廃棄(核燃料リサイクル、原子燃料サイクルとも言う)を意味する。
多くの場合、ウラン235を巡る後者の意味で用いられ、鉱山からの鉱石(天然ウラン)の採鉱、精錬、同位体の分離濃縮、燃料集合体への加工、原子力発電所での発電、原子炉から出た使用済み核燃料を、再処理して、核燃料として再使用できるようにすること、および放射性廃棄物の処理処分を含む、一連の流れのことである。
鉱山からの鉱石の採鉱から核燃料への加工までをフロントエンド、再処理以降をバックエンドと分けることもある。 |
核分裂反応 |
Nuclear
fission |
核分裂反応(かくぶんれつはんのう、英:
nuclear fission)とは、不安定核(重い原子核や陽子過剰核、中性子過剰核など)が分裂してより軽い元素を二つ以上作る反応のことを指す。オットー・ハーンとフリッツ・シュトラスマンらが天然ウランに低速中性子(slow neutron)を照射し、反応生成物にバリウムの同位体を見出したことにより発見され、リーゼ・マイトナーとオットー・ロベルト・フリッシュらが核分裂反応であると解釈し、fission(核分裂)と命名した。 |
核分裂炉 |
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核分裂炉(かくぶんれつろ)は、原子炉の1種で、核分裂反応により熱エネルギーを得るシステムである。しかし核融合炉が実験段階にとどまるため、現状では核分裂炉は原子炉と同義である。 |
核兵器 |
Nuclear
weapon |
核兵器(かくへいき、英: Nuclear
weapon)は、核分裂の連鎖反応、または核融合反応で放出される膨大なエネルギーを利用して、爆風、熱放射や放射線効果などの作用を破壊に用いる兵器の総称。原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾等の核爆弾(核弾頭)とそれを運搬する運搬兵器で構成されている。
核兵器は生物兵器、化学兵器と合わせてNBC兵器(又はABC兵器)と呼ばれる大量破壊兵器である。一部放射能兵器も含めて核兵器と称する場合があるが、厳密には放射能兵器を核兵器に分類するのは誤りである。
核兵器は、人類が開発した最も強力な兵器の一つであり、その爆発は一発で都市を壊滅させる事も可能である。そのような威力ゆえに、20世紀後半に配備数が増えるにつれ核戦争の脅威が想定されるようになり、単なる兵器としてだけではなく、国家の命運、人類の存亡にも影響するものとして、開発・配備への動きのみならず、規制・廃棄の動きなど様々な議論の対象となってきた。また、実戦使用されたのが第二次世界大戦における二発(広島・長崎)のみであり、使用ではなく、主に配備による抑止力として、その意義が評価されている側面を持つ。
核兵器は核分裂を主とする原子爆弾と核融合を主とする水素爆弾の大きく二つに分類される。原子爆弾は大威力化に限界があり、水素爆弾の方が最大威力は大きくすることができる。また、兵器の形態としても、開発当初は大型航空爆弾のみであったが、プルトニウム型の場合高度な製造技術を必要とする反面、小型化が可能でありミサイルや魚雷の弾頭、砲弾までも様々なものが開発されている。 |
核保有国の一覧 |
List
of
states
with
nuclear
weapons |
核保有国の一覧は、核兵器(一般には原子爆弾)を保有している、または保有している疑いが強いと国際社会からみなされている国の一覧である。
アメリカ合衆国、ロシア(ソ連からの継承)、イギリス、フランス、中国の五大国のほか、インド、パキスタン、北朝鮮が保有を表明している。また、イスラエルも公式な保有宣言はしていないものの、一般的には核保有国とみなされている。これらの国は核クラブ
(nuclear club) とも称される。
2009年現在、核実験を公式に成功させた国は8か国である。そのうち核拡散防止条約 (NPT) で核兵器保有の資格を国際的に認められた核保有国はアメリカ、ロシア(ソ連からの継承)、イギリス、フランス、中国の5か国(いわゆる五大国)である。それ以外(NPT非批准)の核保有国はインド、パキスタン、北朝鮮の3か国である。他に、核保有が確実視されている国にはイスラエルがあり、核保有または核開発の疑惑国にはイラン、シリア、ミャンマーなどがある。
NPTは1970年3月に発効したが、この条約が「特定の国家のみに核保有の特権を与える差別条約である」として加盟しなかった国もある。NPTの発効後に核実験を行なった国は、インド、パキスタンおよび北朝鮮である。このうちインド、パキスタンは最初からNPTを批准しておらず、北朝鮮は1993年にNPT脱退を表明、その後2003年になって実際に脱退した。
またイスラエルもNPT非加盟国であり、国際社会から核兵器を保有しているとみなされているが、公式には核保有を肯定も否定もしない政策を取っている。その他、南アフリカ共和国は冷戦期に一度は核兵器を開発したが、その後全ての核を放棄し、1991年にNPTを批准した。2005年にはイランの核開発疑惑が発生し、2009年現在も続いている。 |
核融合炉 |
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核融合炉(かくゆうごうろ)は、現在開発中の原子炉の一種で、原子核融合反応を利用したもの。21世紀後半の実用化が期待される未来技術のひとつ。
重い原子であるウランやプルトニウムの原子核分裂反応を利用する核分裂炉に対して、軽い原子である水素やヘリウムによる核融合反応を利用してエネルギーを発生させる装置が核融合炉である。現在、日本を含む各国が協力して国際熱核融合実験炉ITERのフランスでの建設に向けて関連技術の開発が進められている。ITERのように、核融合技術研究の主流のトカマク型の反応炉が高温を利用したものであるので、特に熱核融合炉とも呼ばれることがある。太陽をはじめとする恒星が輝きを放っているのは、すべて核融合反応により発生する熱エネルギーによるものである。これは核融合炉が「地上の太陽」と呼ばれる由縁である。恒星の場合は自身の巨大な重力によって反応が維持されるが、地球上で核融合反応を発生させるためには、人工的に極めて高温か、あるいは極めて高圧の環境を作り出す必要がある。
核融合反応の過程で高速中性子をはじめ、さまざまな高エネルギー粒子の放射が発生するため、その影響を最小限に留める必要がある。そういった安全に反応を継続する技術、プラズマの安定的なコントロールの技術、超伝導電磁石の技術、遠隔操作保守技術、リチウムや重水素、三重水素を扱う技術、プラズマ加熱技術、これらを支えるコンピュータ・シミュレーション技術などが必要とされ開発が進められている。また、巨大科学に属する核融合炉の開発には莫大な資金投資が必要となるため、国家としてプロジェクトに関わるに当たって、各国国民の理解を得るための努力も必要となる。 |
軽水炉 |
Light
water
reactor |
軽水炉(けいすいろ)は、減速材に軽水(普通の水)を用いる原子炉である。
水は安価で大量に入手でき、高速中性子の減速能力が大きく、冷却材を兼ねることも出来る。しかし、中性子吸収量が大きいため、運転に必要な余剰反応度を確保するには、濃縮ウランを燃料とする必要がある。
アメリカで開発され、現在、世界の80%以上のシェアを占めている(原子炉基数ベース、1999年現在)。2007年現在、日本で商用稼動している原子力発電所は全て軽水炉。 |
原子核反応 |
Nuclear
reaction |
原子核反応(げんしかくはんのう、nuclear
reaction)は、核反応ともいい、入射粒子が標的核と衝突して起こる反応。入射粒子には原子核、核子、パイ中間子、電子、ミューオン、光子など、いろいろなものがある。原子核反応が起こった場合、電荷、質量数、全エネルギー、全運動量が保存される。
原子核反応は、大まかに
1.弾性散乱
2.非弾性散乱
3.変換反応(組替反応)
に分けられる(狭義では1.は省く)が、その反応過程は多彩で、統一的に記述する理論はまだない。 |
原子核融合 |
Nuclear
fusion |
原子核融合(げんしかくゆうごう、nuclear
fusion)とは、軽い核種同士が融合してより重い核種になる反応である。一般には単に核融合と呼ばれることが多い。
原子核同士がある程度接近すると、原子核同士が引き合う力(核力)が反発する力(クーロン力)を超え、2つの原子が融合することになる。融合のタイプによっては融合の結果放出されるエネルギー量が多いことから水素爆弾などの大量破壊兵器に用いられる。また核融合炉によるエネルギー利用も研究されている。
核融合反応が地球上で初めて実験されたのは、1952年のアメリカの水爆実験であった。広島原爆の数百倍のエネルギーを放出した。
核分裂反応に比べて、反応を起こすために必要な温度・圧力が高いため技術的ハードルが高く、現在のところ、水素爆弾は核分裂反応を利用して起爆する必要があり、核融合炉は高温高圧の反応プラズマを封じ込める技術開発が困難を極めている。
なお、具体的な放出エネルギー量や反応を起こさせる方法の詳細については核融合炉も参照のこと。 |
原子力 |
Nuclear
power |
原子力(げんしりょく。英: nuclear
energy)とは、原子核の変換や核反応に伴って放出される多量のエネルギーのこと、またはそのエネルギーを兵器や動力源に利用すること。核エネルギーや原子エネルギーともいい、単に核(英:
nuclear)と呼ぶ場合には、原子力を指すことが通例である。
日本語では「原子力-」(「原子-」)と「核-」は接頭辞としてほぼ同義である。このうち「核」は核兵器や核燃料など軍用や燃料として、「原子力」は原子力発電や原子力空母など商用や動力装置に使い分けられる事が多く、これに対する批判もある。同様に、「反核」は原子力全般への反対を指す語であるが、日本では「反核」が「反核兵器」に範囲を縮小され、「反原子力」が「反核発電」に範囲を縮小される傾向が目立つ。
一方、英語では「nuclear weapon (核兵器)」「nuclear power (核発電)」「nuclear submarine (核潜水艦)」というように、「nuclear (核)」でほぼ統一されている。同じく、中国語では、「nuclear power plant」は忠実な訳語として「核電廠」という。独語の「Atom」「Nuklear」もほぼ同義語で、軍用か商用かを問わず用いられる。英語の「nuclear
power plant (直訳:核発電所)」「NPP」に相当する語は、独語では「Atomkraftwerk (直訳:原子力発電所)」「AKW」と「Kernkraftwerk (直訳:核発電所)」「KKW」の両方の呼称が用いられている。
「原子力」という語は、原義的には、ウランやプルトニウムの核分裂、放射性物質の崩壊、重水素・トリチウムなどの核融合により放出される核エネルギーのことを指す。原子核変換は、原子核崩壊と原子核反応に分類され、原子核反応はさらに原子核融合反応と原子核分裂反応に分類される。
原子核反応により発生するエネルギーは、化石燃料の燃焼などの化学反応により発生するエネルギーに比べて桁違いに大きく、兵器として利用されるほか、エネルギー資源として主に発電に利用されている。ただし現在のところ発電に利用されているのは原子核分裂だけであり、原子核融合による発電はまだ実用化されていない。一方、原子核崩壊により発生する比較的弱いエネルギーは原子力電池や放射線医学などに利用されている。
しかし、核分裂か核融合かを問わず、原子力の利用は、放射線、放射線を放出する能力(放射能)を持った物質(放射性物質、放射性廃棄物)を発生させる。放射線は、その量や強さに応じて生物に対して悪影響(放射線障害)を与えるため、適切に防護(放射線防護)する必要がある。放射線防護についての国際的な研究機関として、国際放射線防護委員会 (ICRP) がある。
原子力兵器や原子力潜水艦などは「核の戦争利用」「軍用核」の代表例であり、原子力兵器は代表的な大量破壊兵器とされている。原子力発電や原子力商船などの「核の平和利用」「商用核」も、その過程で発生する放射性廃棄物など問題を抱えている。又、原子力には、軍用か商用かを問わず、各種の原子力事故や放射性廃棄物の処理、核テロリズムの危険性などの課題が存在している。
核兵器の拡散を防止する条約には核拡散防止条約があり、核の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関には国際原子力機関がある。
原子力に反対する運動は「反核運動」や「反原子力運動」などといい、特に原子力兵器への反対運動は「反核兵器運動」、特に原子力発電を巡る論争は「原子力発電論争」などとも呼ばれている。 |
原子力発電 |
Nuclear
power |
原子力発電(げんしりょくはつでん、英:
nuclear electricity generation)とは、原子力を利用した発電のこと。現代の多くの原子力発電は、原子核分裂時に発生する熱エネルギーで高圧の水蒸気をつくり、蒸気タービン及びこれと同軸接続された発電機を回転させて発電する。ここでは主に軍事用以外の商業用の原子力発電の全般について説明する。
・原子力・核エネルギーの利用全般については原子力を参照
・特に原子力発電の施設については原子力発電所も参照
・原子力を利用した炉については原子炉、核分裂炉、核融合炉も参照
・原子力を利用した電池については原子力電池を参照
・原子力発電の事故については原子力事故も参照 |
原子炉 |
Nuclear
reactor |
原炉子(げんしろ)とは、 安全を前提にしつつ、継続的に原子核反応を持続させるための装置である。多くは原子力発電所や、航空母艦・潜水艦・大型の軍用艦艇などに使われる。核種変換による核物質生産や研究などの中性子源などにも使用される。 |
原子炉圧力容器 |
Reactor
pressure
vessel |
原子炉圧力容器(げんしろあつりょくようき、RPV、Reactor
Pressure Vessel、以下「圧力容器」)とは、原子炉の炉心を収めた状態で内部の圧力を保持する容器である。
原子炉圧力容器は炉心の入れ物であり、内部の高温高圧に耐えながら外部との間に冷却材を流通させる概ね円筒状をした鋼鉄の構造物である。圧力容器の役割には、原子炉の5重の壁の1つとして炉心で発生した放射性物質および放射線が炉外に漏れないように確実に外部と遮断し遮蔽することも含まれる。原子炉容器と呼ばれることもある。
「ふた」や「上蓋」、「上鏡」と呼ばれる上部の圧力容器蓋と「容器胴」や「胴部」と呼ばれる圧力容器本体とは円筒部の上端で多数のボルトによって締結されており、必要に応じて開口できる。圧力容器の蓋または底部のいずれかには制御棒駆動用の棒が貫通する復数の穴があり、側面には幾つかの「ノズル」と呼ばれる冷却材の流路が開口している。また測定器用の穴も各所に開口している。蓋の上端にも空気抜き用や冷却用の穴がある。一般的に重量は円筒部の下端付近の「支持スカート」で支えられる。圧力容器内面には多数のブラケットが取り付けられ、一般的にはステンレス鋼やニッケル系合金の内張りがなされている。圧力容器内には炉心と炉心を支えるための支持構造の他に、冷却材を循環させるための流路やその関連装置などの炉内構造物が収められている。
圧力容器を構成する主な材質は、高温高圧に耐えて耐食性に優れ、冷却材と化学反応を起こさない、中性子照射による脆性破壊の影響が少ない、又はそれが予見できることが求められ、概ね厚さ15-30cmの鋼鉄が使用される。形状は原子炉の形式の違いによって多様である。
軽水炉でも沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉では圧力容器の設計は異なる。 |
原子炉格納容器 |
Containment
building |
原子炉格納容器(げんしろかくのうようき)とは、冷却材喪失時などに圧力障壁となるとともに放射性物質の放散に対する障壁を形成するための施設。
上記の目的を果たすために原子炉及び1次冷却系の設備をすべて格納する。原子炉の形式によって差異はあるものの多くの軽水炉にはこのような格納容器が設けられている。その一方でロシア型加圧水型原子炉 (VVER)、黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉 (RBMK) といった格納容器が設置されていない原子炉も存在する。多くの場合鋼製である。 |
減速材 |
Neutron
moderator |
減速材(げんそくざい、英: (Neutron)
moderator)とは原子力発電において核分裂後に放出される中性子の速度を下げる役割を果たすもの。
減速材は、原子炉において中性子と核燃料を効率よく反応させるために用いられる。
減速材として用いる材質は、中性子を減速させるまでの所要時間が短く、中性子吸収効果の少ないものが望ましい。中性子の吸収効果を少なくするためには、原子番号の小さい元素を選定すればよい。
核分裂が起こった際に発生する中性子線は高速中性子と呼ばれるもので、およそ1MeVのエネルギーを持っている。1MeVの中性子の速度は毎秒1.4万kmと高速であるため、効率よく核分裂性の吸収を起こすことが出来ない。この高速中性子は、減速効果のある材質を適量用いる事で、エネルギーを減少させることが出来る。減速された中性子は、平均0.025eVの極めて低いエネルギーを持ち、熱中性子と呼ばれる。
中性子の減速は中性子が減速材に衝突した際に中性子が持っているエネルギーが衝突した物質に移動することで行われる。中性子が減速するのに要する時間を短くするためには、一度の衝突で中性子から移動するエネルギーをより多くする必要がある。中性子は減速材に何度も衝突するうちに熱中性子へと変化する。その衝突回数は、最も軽い水素で18回、実用化されている中で最も重い炭素(黒鉛)では114回程度である。衝突回数が多いと言うことは中性子の移動距離が長いということで、すなわち黒鉛を用いて高速中性子を十分に減速するためには中性子の移動距離を長く取る必要がある。故に、減速材として黒鉛を用いる原子炉は、炉心が大型化してしまう事になる。
一度の衝突で減少するエネルギーを対数で表したものを減速能といい、減速能の吸収断面積に対する比を減速比という。減速材の減速効果は、核分裂の連鎖を促す役割だけでなく、炉心から外部に中性子が漏れることを防ぐ目的でも使用される。このような目的で用いられる場合は、材質が同じであっても、反射体と呼ばれることになる。炭酸ガスおよび軽水や重水など、減速材に流体を用いる場合は、減速材と冷却材を共用出来る。
ほとんどの原子炉では減速材を用いるが、高速増殖炉ではプルトニウムの生成に高速中性子を必要とするため、減速材は使用されない。 |
高速増殖炉 |
Breeder
reactor |
高速増殖炉(こうそくぞうしょくろ、Fast
Breeder Reactor、FBR)とは、高速中性子による核分裂連鎖反応を用いた増殖炉のことをいう。
高速中性子を利用しながら核燃料の増殖を行わない原子炉の形式は、単に高速炉 (Fast Reactor : FR) と呼ばれる。 |
高速炉 |
Fast-
neutron
reactor |
高速炉(こうそくろ、Fast Reactor:FR)とは、高速中性子による核分裂反応がエネルギーの発生源となっている原子炉である。高速中性子炉(Fast Neutron Reactor:FNR)とも呼ばれる。
2030年代以降の実用化が構想されている第4世代原子炉の炉形に挙げられている。 高速中性子による核分裂連鎖反応を用いてウラン238からプルトニウム239を生産する増殖炉は、高速増殖炉という。 |
黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉 |
RBMK |
黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉(こくえんげんそくふっとうけいすいあつりょくかんがたげんしろ)は、ソ連が独自に開発した原子炉の形式。
ロシア語ではРБМК (Реактор Большой Мощности Канальный)
とよぶ。西欧圏ではキリル文字表記をアルファベット読みして頭文字でRBMK(Reaktory Bolshoy Moshchnosti Kanalniy, 英語直訳:"reactor
(of) high power (of the) channel (type)", 日本語直訳:高出力圧力管型原子炉とよび、英語では別の表記としてLWGR
: Light Water cooled Graphite moderated Reactor、軽水冷却黒鉛減速炉)がある。ソビエト連邦内でだけ作られ、今では旧式になってしまった黒鉛減速動力用原子炉の一形式について、ここで述べることにする。 |
さ |
再処理工場 |
Nuclear
reprocessing |
再処理工場(さいしょりこうじょう)とは、原子炉から出た使用済み核燃料の中から使用可能なウラン、プルトニウムを取り出す施設である。
核燃料サイクルにおいて、最も重要な施設である。
未使用の燃料棒には二酸化ウランの燃料ペレットが封入されているが、原子炉で使用されると核分裂によりウランが別の元素に転換する。それら核分裂生成物もアルファ崩壊やベータ崩壊による核種変換により、別の物質へと変化してゆく。そのため使用済み核燃料棒内には、多数の元素が混在する状態となる。このような状態の燃料棒から未反応のウラン、及び生成したプルトニウムを取り出す作業が(核燃料の)再処理であり、それを行う工場が再処理工場である。取り出されたウランとプルトニウムは、再び核燃料に加工される。 |
重水炉 |
Heavy
water
reactor |
重水炉(じゅうすいろ)は、減速材に重水を用いる原子炉のこと。
重水は高価で、高速中性子の減速能力は軽水に劣る。しかし、中性子吸収量が小さく(軽水の300分の1)減速材として優れており、燃料として安価な天然ウランを使用できる。このため、天然ウラン資源が豊富なカナダが開発に取り組み、1960年代に重水減速重水冷却圧力管型炉(CANDU炉)を実用化した。
現在商業運転されている重水炉は全てこのCANDU炉およびその発展型であり、2010年1月末現在、運転中43基、建設中7基、計画中4基となっている。 |
使用済み核燃料 |
Spent
nuclear
fuel |
使用済み核燃料(しようずみ かく ねんりょう)は原子炉で使用された後の燃料棒である。ウラン・プルトニウムを大量に含む高レベル放射性廃棄物である。
使用済み核燃料には大量の放射性物質が含まれており、その危険性と処理の困難さのため、その処理が世界的な問題となっている。特に使用済み核燃料からウラン及びプルトニウムを抽出することで核兵器への転用も可能であるため、大量に貯蔵することは好ましくないとされている。
一般的には原子炉で使用された後、冷却するために原子力発電所内にある貯蔵プールで3年〜5年ほど保管される。その後、核燃料サイクルに用いるために再処理工場に輸送されて処理が行われるか、高レベル放射性廃棄物処理場での長期保管が行われる。処理に関しては再処理工場の記事に詳しい説明がある。
日本においては青森県六ヶ所村に六ヶ所村核燃料再処理施設の建設が行われている。 |
常陽 |
Joyo
(両方のoの頭に-)
(nuclear
reactor) |
常陽(じょうよう)は、茨城県東茨城郡大洗町にある、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉である。
常陽は日本で最初の高速増殖炉であり、高速増殖炉開発のために必要な技術・データおよび経験を得るための基礎研究、基盤研究を目的として建設された実験炉である。目標は自主技術で新型炉を開発することに貢献することであり、日本の国産技術である新型転換炉
(ATR) と並列して計画が進んでいた。
常陽ではそのほか燃料・材料等の照射実験なども行われており、民間への施設の提供も行っている。 |
新型転換炉 |
|
新型転換炉(しんがたてんかんろ、英:
Advanced Thermal Reactor, ATR)は、原子炉の形式の一つ。
新型転換炉は核燃料の多様性を求めて日本で開発された原子炉形式の一つである。将来の発展が期待され、旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が中心に実用化を目指して開発が続けられていた。
まず1970年に福井県敦賀市に原型炉「ふげん」が建設された。続いて実証炉は青森県下北郡大間町に建設される予定(大間原子力発電所を参照)であったが、しかし、1995年7月、高コストを理由に電力事業者から採用を拒否されたため、実証炉以降の開発計画は全て取り止めとなった。
なお、実証炉の建設費は、1984年には3960億円と想定されていたが、建設拒否が確定した1995年には5800億円と増加していた。 |
制御棒 |
Control
rod |
制御棒(せいぎょぼう、英語:control rod)とは、原子炉の出力を制御するための棒状または板状の物体である。
原子炉の出力制御のためには原子炉内の中性子数を調整して反応度を制御することが必要である。停止状態の原子炉には中性子を吸収(吸収断面積の高い)する制御材でできている制御棒が差し込まれており、核分裂反応に伴う中性子を吸収して臨界状態にならない様にしている。原子炉の起動時、制御棒を徐々に引き抜く事で炉内の中性子数を増加させ、臨界から定格出力になるまで反応を上げてゆく。緊急時には全て挿入され、原子炉を停止(原子炉スクラム)させる。 |
た |
第1世代原子炉 |
Generation
II
reactor |
第1世代原子炉は、本格的な商業利用以前に作られた発電用の原子炉。アメリカ合衆国エネルギー省が次世代原子炉の概念を示すために定義した分類の一つ。創初期の実証炉や早期原型炉に近いものがこのように呼ばれる。日本では動力試験炉がこの世代に当たる。
1950年代半ばに提唱された平和のための原子力という考え方を基に発電用原子炉の開発が始まり、1950年から1960年にかけて軍事用炉の転用なども含め様々な種類の原子炉が開発された。このため、第一世代原子炉にはすべてに当てはまるような特徴があるわけではない。しかしながら、多くの原子炉は発電用量が少なかった。
これらの原型的な原子炉は第2世代原子炉以降に続く原子炉のさきがけとなり、これらの技術や実績を利用して実際の商用発電のための原子炉の生産が始まった。
イギリスの北ウェールズのウィルファ原子力発電所では現在でも第一世代の原子炉が運用されている。 |
第2世代原子炉 |
Generation
II
reactor |
第2世代原子炉は原子炉設計の分類。第2世代という区分は第4世代原子炉の構想が導入された際に米国エネルギー省によって4つの世代のひとつとして示されたものである。第2世代炉は1990年代末までに設計された初期の商業用炉を意味している。
これらは原型炉と早期の実証炉からなる第1世代炉とは対照的に実質的な利用を目的とされた実用炉である。第2世代炉には加圧水型、沸騰水型、CANDU炉、改良型ガス冷却炉、VVER、RBMKなどが含まれる。第2世代原子炉は多くが30年から40年の設計寿命を見込んで生産された。これらの形式の原子炉は安全性をより高くするために改良が加えられ続け、1990年代にはより改良された第3世代原子炉に変化した。
第2世代原子炉は現在では古い技術になっており、安全性などは第3世代と比べ劣っている。一方で、コスト面から改良型の第2世代炉が新設される例もある。2000年以降に建てられた発展型第2世代の設計に対しては第2世代+という表現が使用される。代表としては中国のCRP1000などが存在し、より高価な第3世代原子炉との競争においてこの呼称がよく使われる。第2世代+では改良型の安全システムや設計寿命を60年にするなどの近代化が見られる。
第2世代原子炉の設計は一般的にもともと設計寿命が30年から40年である。しかしながら、第2世代原子炉の多くはその活動寿命が50年から60年に延ばされており、再び活動寿命が80年に延ばされることも多くの例で経済的であるとされる。先進諸国ではスリーマイル島事故(1979年)やチェルノブイリ事故(1986年)以降に原子炉の多くが立て替えられなくなったことから、当時現役であった第2世代炉が現在に至るまで稼動している例が多い。 |
第3世代原子炉 |
Generation
III
reactor |
第3世代原子炉は、第2世代原子炉の運用中に開発され、各種の第2世代炉の設計を元に進化的な改良が組み入れられた改良型の原子炉の設計。改良された燃料技術、優れた熱効率、受動的安全システム、メンテナンスとコストの削減のための原子炉設計の規格化などが特徴となっている。
炉の技術の改良の結果、第2世代炉に比べ長い運用寿命を得ている。第2世代炉の当初の設計寿命が40年、実質的な運用寿命は80年以上に延ばされているが、第3世代は当初設計では60年の寿命であり、完全な分解点検と圧力容器の交換までの寿命は120年に延長できる。さらに、炉心損傷頻度は第2世代炉よりより低く、欧州加圧水型炉では年に10億本のうち燃料棒の損傷が60本程となっており、ESBWRでは年に10億本のうちの燃料棒の損傷は3本程となっている。これは第2世代の沸水炉の年間10億本のうちの燃料棒の損傷1万本に比べ非常に低くなっている。
安全装置としては多くが受動的な緊急炉心冷却システムを導入している。これらは多くが重力や原子炉の熱を利用して外的要因抜きに原子炉を冷やす装置であり、すべての冷却装置が故障した際に、72時間はこれらのエネルギーで炉心の冷却が図れるようになっている。これらの時間稼ぎの間に原子炉の根本的な修復に取り掛かれるとされる。第3世代原子炉もさらに安全性の向上が進められており、緊急炉心冷却装置の全面に受動的な安全装置を利用する形式の原子炉は第3世代+と呼ばれる。
現在提唱されている第3世代原子炉の形式は多くが水素冷却炉である。以前からの沸騰水型、加圧水型の改良型が多く、多数の会社によって様々な原子炉が設計されている。原子炉の大型化、効率化によって第3世代原子炉の多くが出力が強化されており、第2世代2基分程度の発電能力を持つものも存在する。
最初の第3世代原子炉は日本において建設され、同時にヨーロッパで建設が認可された。第3世代+であるウェスチングハウス社(東芝傘下)のAP1000原子炉は中国、浙江省三門県で2013年からの運用が計画されている他、米国では4基の建設計画が認可される見通しとなっている。 |
第4世代原子炉 |
Generation
IV
reactor |
第4世代原子炉は現在研究中の理論上の原子炉の設計の基準。第4世代炉のうち次世代原子力炉と呼ばれている超高温ガス炉(VHTR)を除いて多くは一般的に2030年までの商業利用は不可能と考えられている。超高温ガス炉は2021年に完成予定である。現在世界中で運用されている原子炉は一般的には第2世代から第3世代の原子炉であり、多くの第1世代原子炉は廃炉となっている。第4世代原子炉の研究は8つの技術的目標を基にして公式に第4世代国際フォーラム(GIF)で始められた。主な目標はより高い安全性、核拡散抵抗性、廃棄物と天然資源利用の最小化、原子炉の建設運用費用の低減である。高速炉、増殖炉などの技術は原子力の軍事利用とも関連性があるが、一般的にこれらの原子炉は原子力発電所に利用される予定である。 |
低濃縮ウラン燃料 |
|
低濃縮ウラン燃料(ていのうしゅくウランねんりょう)とは、核分裂性ウランの割合を天然ウランよりも高めた核燃料のことで、濃縮度が20%までのものを指す。
天然ウランには、非核分裂性のウラン238に対して、核分裂性のウラン235が約0.7%の割合で含まれている。ウラン235の割合をウラン濃縮によって人工的に高めたものを濃縮ウランといい、濃縮後のウラン235の割合を濃縮度という。
低濃縮ウラン燃料は、主に原子力発電所の核燃料として利用されている。世界の原子力発電所で主流となっている軽水炉では、軽水が減速材と冷却材を兼ねている。軽水は核分裂の連鎖に必要な中性子を多く吸収するため、軽水炉で天然ウランを燃料として利用することは困難である。軽水炉で核分裂を継続させるには、濃縮度2%から5%程度の低濃縮ウランを燃料として利用しなければならない。低濃縮ウラン燃料は天然ウランの核燃料よりも高価であるが、原子力発電所の総合的な安全性や経済性から、軽水炉を導入する国が増えている。
ウラン型原子爆弾で使用される高濃縮ウランは濃縮度が90%を超えており、核分裂連鎖反応が継続しやすいため結果として核爆発を引き起こしてしまう。核爆弾において核分裂を爆発的に連鎖させるためには、最低70%以上の濃縮度が必要とされている。また、核燃料に対する十分な冷却が行われない状態が長時間維持されると核分裂生成物の崩壊熱が蓄積し炉心溶融(メルトダウン)した後、圧力容器の底を溶融した炉心が突き破り、水蒸気爆発や水素の爆発によって重大事故に発展する恐れがある。
なお、原子力推進機関を搭載した艦艇は、原爆としても使用できる濃度の高濃縮ウランにより運転されている。 |
トカマク型 |
Tokamak |
トカマク型(トカマクがた、Tokamak)とは、高温核融合炉の実現に向けた技術の1つで、超高温のプラズマを閉じこめる磁気閉じ込め方式の1つである。
将来の核融合炉に最も有力とされるプラズマ閉じ込めの方式の1つで、これまで製作された多くの核融合実験装置や現在計画中の国際熱核融合実験炉 ITER(イーター)でも採用されている。磁気閉じ込め方式には、トカマク型の他に、ステラレータ型又はヘリカル型と呼ばれる形式もある。
本項ではトカマク型磁気閉じ込めの特徴的な要素についてのみ説明する。核融合炉の実現に関わるその他の要素については核融合炉などを参照のこと。 |
トリウム |
Thorium |
トリウム (英: thorium)
は原子番号90の元素で、元素記号は
Th である。アクチノイド元素の一つで、銀白色の金属。
1828年、スウェーデンのイェンス・ベルセリウスによってトール石 (thorite、ThSiO4) から発見され、その名の由来である北欧神話の雷神トールに因んで命名された。
モナザイト砂に多く含まれ、多いもので10
%に達する。モナザイト砂は希土類元素(セリウム、ランタン、ネオジム)資源であり、その副生産物として得られる。主な産地はオーストラリア、インド、ブラジル、マレーシア、タイ。
天然に存在する同位体は放射性のトリウム232一種類だけで、安定同位体はない。しかし、半減期が140.5億年と非常に長く、地殻中にもかなり豊富(10 ppm前後)に存在する。水に溶けにくく海水中には少ない。
トリウム系列の親核種であり、放射能を持つ(アルファ崩壊)ことは、1898年にマリ・キュリーらによって発見された。
トリウム232が中性子を吸収するとトリウム233となり、これがベータ崩壊して、プロトアクチニウム233となる。これが更にベータ崩壊してウラン233となる。ウラン233は核燃料であるため、その原料となるトリウムも核燃料として扱われる。 |
な |
熱中性子炉 |
Thermal-
neutron
reactor |
熱中性子炉(ねつちゅうせいしろ,英:
Thermal-neutron reactor)とは、主に熱中性子による核分裂連鎖反応で臨界状態を維持する原子炉である。
核分裂で発生した中性子は平均秒速2万kmという高速度、高エネルギーであり、高速中性子と呼ばれる。低濃縮ウランを用いる場合、反応の起こりやすさは基本的に中性子の速度に反比例するため、高速中性子では核分裂連鎖反応の持続が難しい。このため、水や黒鉛等の減速材を用いて平均秒速2.2km程度まで減速させる。減速した状態の中性子は周囲の物質と熱的平衡状態にあるため、熱中性子と呼ばれる。この、熱中性子を用いて臨界状態を維持させるのでこの炉型は熱中性子炉、と呼ばれる。 |
燃料集合体 |
Nuclear
fuel |
燃料集合体(ねんりょうしゅうごうたい、英語:fuel
assembly)は、原子炉で使用される核燃料の最少単位である。
原子炉内に装荷(そうか)される核燃料の最低単位は炉形によって形状が異なる。高温ガス炉の球形のペブルベッド型核燃料は、それ一つが燃料要素と呼ばれる最少単位である。軽水炉では多数の燃料棒を格子状に組み上げた四角形の構造物である燃料集合体が最少単位となる。新型転換炉 (ATR) に使用される円形の物や高速増殖炉 (FBR) の六角形の燃料集合体も同様である。
原子炉の定期検査の際、炉内の燃料のうち、およそ三分の一から四分の一が使用済み燃料集合体として炉外に取り出され、新しい燃料集合体が原子炉に装荷される。また燃料の燃焼度に応じて炉内の燃料配置を変更するシャッフリングも行われる。発電所では燃料集合体に6桁から8桁の固有番号をつけてその使用履歴を管理している。同じ軽水炉でも沸騰水型原子炉
(BWR) と加圧水型原子炉 (PWR) では燃料集合体の構造が異なる。 |
燃料被覆管 |
Nuclear
fuel |
燃料被覆管(ねんりょうひふくかん、英語:fuel
cladding)とは、原子炉で核燃料が放出される放射性物質を、外部に漏らさないように封じ込めるために用いられるもので、原子炉の多重防護(5重の壁)の一つとされる。
また、燃料被覆管の中に燃料ペレットを一列に積み重ねて挿入したものを、燃料棒という。被覆材には数種類あり、炉心温度や、使用する冷却材に合わせて使い分けられる。
燃料被覆管に用いる材料は、内側からの高圧および高温に耐え、冷却材との化学反応を起こさない材質が望ましい。内側からの圧力は、製造時に充填されたヘリウム等の不活性気体および燃料ペレットから放出される気体の核分裂生成物によるものであるが、通常運転条件では気体核分裂生成物の寄与は小さい。燃焼初期は内側からの圧力に比べ外側の冷却材圧力の方が大きいため、燃料被覆管の直径はクリープ変形により小さくなる。燃焼が進むと、やがて燃料被覆管と燃料ペレットは接触する。さらに燃焼が進むと、燃料ペレットのスエリングにより燃料被覆管の直径は増加に転じる。
また、核分裂反応を継続させる上で重要な熱中性子を吸収しないこと、熱伝導率が高いこと、加工性がよいこと、燃料の再処理が容易に行えること等も重要な条件である。 |
燃料ペレット |
Nuclear
fuel |
燃料ペレット(ねんりょうペレット、燃料心材、英語:fuel pellet)とは、原子炉で使用する核燃料を、磁器のように成形し焼き固めたセラミックで、原子炉の5重の壁の一つ目の要素である。
最も一般的な形状は、高さ1 cm、直径1 cm弱の黒色の円柱型のもので、原子炉によっては、中央が中空になっているペレットもある。使用されるウランは、天然ウランか低濃縮ウランのいずれかで、日本では低濃縮ウランが使用されている。
ウラン金属は、融点が1,132
℃であるため高温を伴う原子炉では容易に溶けてしまうばかりでなく、およそ670 ℃で結晶構造が変化し膨張してしまうなどの欠点を有する。そこで、ウランの酸化物を粉末状にした上で成型し、磁器のように焼き固める(焼結)ことで、融点を2,700〜2,800 ℃程度まで高めている。
燃料ペレットには、核分裂によって生成した放射性同位体(核分裂生成物)を内部に保持する能力がある。核分裂生成物の蓄積により燃料ペレットの体積は増加する。この体積増加をスエリングという。特にキセノンやクリプトンなどの気体核分裂生成物によるスエリングをガススエリングという。気体核分裂生成物は結晶粒内を拡散し、結晶粒界で気泡となる。この気泡がガススエリングの原因である。結晶粒が大きいほど、気体核分裂生成物が結晶粒界に到達するまでに時間がかかり、その結果、ガススエリングは軽減される。結晶粒を大きくする方法としては、アルミナやシリカの添加が検討されている。またスエリングにより、ペレットと被覆管が接触して被覆管の健全性を損ねる可能性があるため、成型時に円柱型の燃料の底面に窪みをつける(ディッシュ)や、角をとる(チャンファ)ことが行われている。 燃料ペレットは燃料被覆管の中に入れて燃料棒にする前に、外観、寸法、ウラン濃縮度、化学成分、不純物、密度等を検査し、検査に合格したものだけが使用される。 |
燃料棒 |
Nuclear
fuel |
燃料棒(ねんりょうぼう、英語:fuel
rod)は、原子炉の炉心の部品のひとつ。棒状の燃料棒は炉心内での核燃料の標準的な形状であり、複数本の燃料棒が束ねられ、「燃料集合体」と呼ばれるユニットが組まれる。制御棒と共に複数個の燃料集合体によって炉心が構成される。核燃料の交換作業は燃料集合体の単位で行われる。
原子炉(軽水炉)で使用される核燃料は、熱交換効率や安全性、取り扱いの便宜のために、1cmほどの円柱状の燃料ペレットから始まって、最後は大きな燃料集合体に組み上げられている。
核燃料をセラミックに焼き固められたものが燃料ペレットであり、これを燃料被覆管に封入したものが燃料棒である。燃料集合体はこの燃料棒を束ねて組み上げたもので、この燃料集合体が原子炉に装荷され使用される。 |
濃縮ウラン |
Enriched
uranium |
濃縮ウラン(のうしゅくウラン)は、ウラン濃縮により、ウラン235の濃度を高めたものをいう。また、ウラン235の濃度が天然ウランを下回る物を、減損ウラン(劣化ウラン)という。
1.ウラン235の濃度が天然ウラン (0.7%) を下回る場合「減損ウラン(劣化ウラン)」
2.ウラン235の濃度が天然ウラン (0.7%) を超え、20%以下の場合「低濃縮ウラン」
3.ウラン235の濃度が20%を超える場合「高濃縮ウラン」 |
は |
沸騰水型原子炉(BWR) |
Boiling
water
reactor |
沸騰水型原子炉(ふっとうすいがたげんしろ、英:
Boiling Water Reactor、BWR)は、核燃料を用いた原子炉のうち、純度の高い水が減速材と一次冷却材を兼ねる軽水炉の一種である。
核分裂反応によって生じた熱エネルギーで軽水を沸騰させ、高温・高圧の蒸気として取り出す原子炉であり、発電炉として広く用いられている。炉心で取り出された汽水混合流の蒸気は汽水分離器、蒸気乾燥機を経てタービン発電機に送られ電力を生ずる。原子炉としては単純な構造ということもあり、日本国内で運転可能な原子炉の中では、最も多いタイプであるが、原子炉炉心に接触した水の蒸気を直接タービンに導くため、放射性物質に汚染されることにより、耐用年数終了時に放射性廃棄物が、加圧水型原子炉 (PWR) より多く発生し廃炉コストが嵩む可能性が高い。また、その汚染のため作業員の被曝量が加圧水型原子炉よりも多い。
発電に利用された蒸気は放射能を帯びている為、蒸気を回収し再循環させるだけでなく、タービン建屋(たてや)など、これに関わる全ての系を堅牢に遮蔽することで、放射線が外部に漏れることを防いでいる。
外部からの核分裂反応の制御は主に制御棒や、冷却材流量の増減で行われ、冷却材喪失事故時には非常用炉心冷却装置 (ECCS) を動作させる。
日本における商用炉では、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、中国電力各社の全原子力発電所、および日本原子力発電の東海第二発電所と敦賀発電所の1号機(2号機は加圧水型)で、沸騰水型を採用している。
戦後の技術導入の経緯から、東京電力は沸騰水型原子炉(BWR)を、関西電力は加圧水型原子炉(PWR)を、それぞれ原子力発電所の基本設計として採用し現在に至る。 |
プルサーマル |
|
プルサーマルとは、プルトニウムで燃料を作り、従来の熱中性子炉で燃料の一部として使うことを言う。
プルトニウムのプルとサーマルニュートロン・リアクター(熱中性子炉)のサーマルを繋げた和製英語(plutonium thermal use)である。
通常、軽水炉ではウラン235とウラン238を混合したウラン燃料(二酸化ウラン)を核分裂させることで熱エネルギーを生み出すが、ウラン238が中性子を吸収し2度のβ-崩壊を経てプルトニウム239が生成され、そのプルトニウム239自体も核分裂する。その結果、発電量全体に占めるプルトニウムによる発電量は平均約30%となる(プルサーマル発電を行わない場合でも、運転中の軽水炉の中にはプルトニウムが存在している)。それに対し、プルサーマルではMOX燃料と呼ばれるウラン238とプルトニウムの混合酸化物 (Mixed Oxide) を燃料として使用する。プルサーマルで使われるMOX燃料はプルトニウムの富化度(含有量)が4 - 9%であり、MOX燃料を1/3程度使用する場合、発電量全体に占めるプルトニウムによる発電量は平均50%強となる。
なお、高速増殖炉でもMOX燃料が使用されるが、プルトニウムの富化度は20%前後である。 |
プルトニウム |
Plutonium |
プルトニウム (羅: Plutonium) は、原子番号94の元素である。元素記号は
Pu。アクチノイド元素の一つ。
ウラン鉱石中にわずかに含まれていることが知られる以前は、完全な人工元素と考えられていた。超ウラン元素で、放射性元素である。プルトニウム239、プルトニウム241その他いくつかの同位体が存在している。半減期はプルトニウム239の場合約2万4000年(α崩壊による)。比重は19.8で、金属プルトニウムは、ニッケルに似た銀白色の光沢を持つ大変重い金属である(結晶構造は単斜晶)。融点は639.5
°C、沸点は3230
°C(沸点は若干異なる実験値あり)。硝酸や濃硫酸には不動態となり溶けない。塩酸や希硫酸などには溶ける。原子価は+3〜+6価(+4価が最も安定)。金属プルトニウムは、特に粉末状態において自然発火する事がある。塊の状態でも、湿気を含む大気中では自然発火する事があり、過去のプルトニウム事故の多くが、この自然発火の結果とされている。プルトニウムとその化合物は人体にとって非常に有害とされたが、化学的な毒性は他の一般的な重金属と同程度である。またプルトニウムは放射性崩壊によってα線を放出するため、体内、特に肺に蓄積されると強い発癌性を示すとされている。
原子炉において、ウラン238が中性子を捕獲してウラン239となり、それがβ崩壊してネプツニウム239になり、更にそれがβ崩壊してプルトニウム239ができる(原子炉内では他のプルトニウム同位体も多数できる)。ウラン238は天然に存在するのでネプツニウム239とプルトニウム239は極微量ながら天然にも存在する。また半減期が約8000万年とプルトニウム同位体の中では最も長いプルトニウム244も極微量天然に存在する。なお、プルトニウム239およびプルトニウム240とそれらの放射壊変物の飛沫の吸引は
WHO
の下部機関 IARC より発癌性があると (Type1) 勧告されている。
プルトニウムは主に核兵器の原料や、プルサーマル発電におけるMOX燃料として使用される。人工衛星の電源として原子力電池として使用されたこともある。 |
平和のための原子力 |
Atoms
for
Peace |
平和のための原子力(へいわのためのげんしりょく。(英語:
Atoms for Peace))とは、アメリカ合衆国のドワイト・D・アイゼンハワー大統領が、1953年12月8日にニューヨークの国際連合総会で行った演説で提唱した、核に対する考え方である。核の平和利用(かくのへいわりよう)ともいう。 |
放射性廃棄物 |
Radioactive
waste |
放射性廃棄物(ほうしゃせいはいきぶつ)とは、放射性物質を含む廃棄物の総称。これらは主に、原子力発電所および核燃料製造施設、核兵器関連施設などの、核関連施設または放射性同位体 (RI) を使用する実験施設や病院の検査部門から出るガンマ線源の廃棄等で排出される。
日本において放射性廃棄物の扱いは原子力基本法に規定されている。環境基本法等の環境法令において放射性物質は規制目的から除かれており、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に該当する産業廃棄物ではない。最終処分事業は原子力発電環境整備機構 (NUMO) が担っている。 |
放射性物質 |
Radionuclide |
放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ、英語:
radioactive substance)とは、放射能を持つ物質の総称である。主に、ウラン、プルトニウム、トリウムのような核燃料物質、放射性元素もしくは放射性同位体、中性子を吸収又は核反応を起こして生成された放射化物質を指す。 |
放射線 |
Ionizing
radiation |
放射線(ほうしゃせん、英: radiation,radial
rays)とは、高い運動エネルギーをもって流れる物質粒子(イオン、電子、中性子、陽子、中間子などの粒子放射線)と高エネルギーの電磁波(ガンマ線、X線のことで電磁放射線)の総称を言う。通常、電離放射線の名で定義され、物質を通過する際に直接、あるいは間接にその物質の原子を電離する能力を持つ。
放射性物質の放射能を問題とする場合は、放射性元素の放射性崩壊に伴い放出される粒子放射線と電磁放射線(主にアルファ線、ベータ線、ガンマ線)を指す。 |
放射能 |
|
放射能(ほうしゃのう、英: radioactivity,
activity)とは、放射性同位元素が放射性崩壊を起こして別の元素に変化する性質(能力)を言う。なお、放射性崩壊に際しては放射線の放出を伴う。
放射能は、1秒間に放射性崩壊する原子の個数(単位:ベクレル
[Bq])で計量される。
なお、ある元素の同位体の中で放射能を持つ元素を表す場合は「放射性同位体」、それらを含む物質を表す場合は「放射性物質」と呼ぶのが適切である。 |
ま |
もんじゅ |
Monju
Nuclear
Power
Plant |
もんじゅは、福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉である。
MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる高速増殖炉の実用化のための原型炉であり、高速実験炉常陽でのデータをもとに建設された日本で2番目の高速増殖炉である。核燃料サイクルの計画の一環であり、新型転換炉ふげんと共に開発が進んでいた。日本は高速炉開発を国家プロジェクトと位置付けており、国際的にも高速炉を始めとした第4世代原子炉の研究開発において主導的な役割を果たしているとされた。もんじゅはその中心となる施設である。2011年現在、常陽及びもんじゅによって得られたデータをもとにして高速増殖炉開発の次の段階となる実証炉の設計が行われている。
1995年に冷却材であるナトリウム漏洩による火災事故を起こし、さらにそれが一時隠ぺいされたことから、物議を醸した。その後、運転再開のための本体工事が2007年に完了し、2010年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開した。しかし、2010年8月の炉内中継装置落下事故により再び稼働ができなくなった。2012年に再稼働する予定であったが、2012年夏時点は未定である。
もんじゅの目的は、高速増殖炉の実用化(商用化)に向けた技術を原型炉(もんじゅ)によって開発し、その設計や建設、そして稼働の経験を通じて高速増殖炉の発電性能および信頼性・安全性の実証、また高速増殖炉の経済性が将来の実用炉の段階において既存の発電炉に対抗できる目安を得ることであり、高速増殖炉の研究開発の場として今後の利用が予定されている。
もんじゅは日本原子力発電株式会社敦賀発電所と関西電力株式会社美浜発電所の2つの発電所と接続されている。 |
や |
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ら |
臨界状態 |
Prompt
critical |
臨界状態(りんかいじょうたい)とは原子炉などで、原子核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続している状態のことをいう。 |
臨界前核実験 |
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臨界前核実験(りんかいまえかくじっけん、英:
subcritical experiment)は、核物質を臨界状態に至らない条件に設定して行う核実験。核兵器の新たな開発や性能維持のために行われる。アメリカ合衆国やロシアなど、過去の核実験のデータを蓄積した核保有国において行われている。
核物質の高性能爆薬による爆破・圧縮や大出力レーザーの照射によって行われ、主に物性変化を観察することが目的である(実験結果はコンピュータ・シミュレーションの基礎データなどに利用される)。 核物質が臨界に達する前の段階で実験は終了するため、通常の核実験で起こるような(閃光・熱・爆風を伴う)核爆発は発生せず、環境に対する汚染もない。
包括的核実験禁止条約 (CTBT) の禁止対象外。 |
冷却材 |
Coolant |
冷却材(れいきゃくざい)とは、核分裂によって放出される熱を、原子炉から取り出す役割を果たす流体のこと。
原子炉冷却材は、中性子の反射および吸収効果の無い流体であって、なおかつ熱伝導率の高いものが望ましい。原子炉の元祖である、小規模なプルトニウム生産炉での冷却材は空気であったが、やや大型のプラントが開発されるようになってからは、軽水や炭酸ガスが冷却材として使われるようになった。原子炉に於ける冷却材の役割は非常に大きく、冷却材の種類や用い方が、その原子炉の特徴であるといえる。軽水は中性子の減速効果がある為、冷却材と減速材を兼ねることが多い。金属ナトリウムには減速効果はないが、熱伝導率が良い。
冷却材に関する事故で最も深刻なものは、冷却材喪失事故である。ボイド(蒸気の泡)の異常な増加や冷却材の漏洩がこれに当たる。原子炉の冷却が十分に行われなくなると、メルトダウン(炉心溶融)を引き起こし、最悪の場合、原子炉は爆発に至る。これを防ぐ為に、原子炉には非常用炉心冷却装置(ECCS)を設けている。 |
劣化ウラン |
Depleted
uranium |
劣化ウラン(れっかウラン、英語:Depleted
Uranium、略称:DU)は、ウラン235の含有率が天然ウランの0.720%より低くなったものと定義されている。ウラン濃縮の際に副産物として生成されるものは、天然ウランのウラン235の同位体存在比が0.720%であるのに対し、劣化ウランのそれは0.2から0.3%と半分未満である。またウラン235の濃度が低下した使用済み核燃料をさすこともある。減損ウラン(げんそんウラン)とも呼ばれる。英語ではともにdepleted
uraniumであるが、劣化ウランということもあれば減損ウランと訳すこともある。
とくに天然ウランからウラン235を分離した残りカスを劣化ウラン、使用済み核燃料起源のものを減損ウランという事もある。 |
劣化ウラン弾 |
Depleted
uranium |
劣化ウラン弾(れっかウランだん、Depleted
uranium ammunition、略称DU)とは、弾体として劣化ウランを主原料とする合金を使用した弾丸全般を指す。
劣化ウランの比重は約19と大きく、鉄の2.5倍、鉛の1.7倍である。そのため合金化して砲弾に用いると、同サイズ、同速度でより大きな運動エネルギー(質量に比例する)を得られるため、主に対戦車用の砲弾・弾頭として使用される。 |
連鎖反応
(核分裂) |
Nuclear
chain
reaction |
連鎖反応(れんさはんのう、nuclear
chain reaction)とは、平均して1回以上の核分裂反応が別の核分裂反応を引き起こし、単位時間当たりの反応回数が一定もしくは指数関数的に増加する状態である。
十分に多量(臨界量以上)の核分裂性物質の中で、制御されない状態の下で連鎖反応が起きると、エネルギーが爆発的に放出される。これが核兵器の動作原理になっている。連鎖反応は十分に制御された状態でエネルギー源としても用いられる(原子炉など)。
いくつかの核分裂反応で生じる中性子数とエネルギーの平均値は以下の通りである。
・U-235
+ 中性子 -> 核分裂片 + 2.52 中性子 + 180 MeV.
・Pu-239
+ 中性子 -> 核分裂片 + 2.95 中性子 + 200 MeV.
この反応式の右辺では、我々が利用することができず検出も困難なニュートリノの運動エネルギー分約
10 MeV は除かれている。
重い原子核が核分裂を起こすと、2個またはそれ以上の核分裂片が作られる。これらの分裂片は元の重い原子核よりも質量の小さな原子核からなる。分裂片の質量の和は、反応で生じるニュートリノのエネルギーを計算に入れたとしても元の原子核の質量に正確には一致しない。この質量の差は、反応で放出される中性子の質量と運動エネルギー及び反応前後の原子核の結合エネルギーの差に相当する。核分裂で放出された中性子は高速で飛び去り、中性子捕獲と呼ばれる過程によって別の重い原子核と衝突してさらに核分裂を起こす場合もある。このような過程が連鎖反応の元になっている。 |
六フッ化ウラン |
Uranium
hexafluoride |
六フッ化ウラン(ろくフッかウラン)は、化学式 UF6
で示される化合物。常温では固体だが約
56.5 ℃ で昇華して気体になる。
空気中の少量の水分と反応してフッ化水素 (HF) を放出する。
核燃料を得るために、ウランの同位体である
238U と 235U を分離する作業が行われる。これをウラン濃縮といい、六フッ化ウランの気体を遠心分離器などの装置に供給して行う。ウランをフッ化させる理由は、単体のウランを気化させ続けるには約
3800 ℃ の高温が必要だが、前述の通り六フッ化ウランは沸点が低く、処理の開始から完了まで気体の状態を維持するのが容易であること、フッ素がモノアイソトピックであり、六フッ化ウランの式量の差は全てウランの質量数の差に由来することにある。 |
ロシア型加圧水型原子炉 |
VVER |
ロシア型加圧水型原子炉(VVER)はソ連で開発された商業発電用の原子炉であり、基本的な原理、構造はアメリカ合衆国で開発されたPWRと同じである。初期のVVERはアメリカ型(ウェスティングハウス系)のPWRと比較すると、炉心を構成する燃料集合体の断面が正方形でなく正六角形になっている、原子炉圧力容器が通常より縦長になっている、制御棒の挿入速度が遅い、蒸気発生器が横置きになっている、原子炉格納容器がない(一部例外)などの違いがある。 原子炉格納容器が無いだけでなく、冷却材の喪失という最悪の事故から炉心を守るための非常用炉心冷却装置(ECCS)の性能が十分でないことなど、安全性に問題がある点は西欧諸国や国際原子力機関(IAEA)からも指摘され、三世代目のVVERで改良された。十分な安全設計が成されたのは、この三世代目以降のVVERからで、現在では他の炉型と十分に競争しうる安全性および経済性を持つ原子炉となっている。なお、世界ではおよそ30機が稼働している。 |
炉心溶融 |
Nuclear
meltdown |
炉心溶融(ろしんようゆう)、あるいはメルトダウンとは、原子炉中の燃料集合体が(炉心を構成する制御棒やステンレススチール製の支持構造物等をも含めて)核燃料の過熱により融解すること。または燃料被覆管の破損などによる炉心損傷で生じた燃料の破片が過熱により融解すること。燃料溶融。
炉心溶融は原子力事故における重大なプロセスの一つであり、さらに事態が悪化すると核燃料が原子炉施設外にまで漏出して極めて深刻な放射能汚染となる可能性がある。それに至らないまでも、溶融した炉心を冷却する際に発生する放射性物質に汚染された大量の蒸気を大気中に放出(ベント)せざるをえないことが多く、周辺住民の避難が必要となるなど重大な放射能汚染を引き起こす可能性がある。
臨界状態の核燃料が炉心溶融を起こす場合もあるが、臨界中に生成された核分裂生成物が臨界停止後も大量の崩壊熱を発生するため、未臨界状態の核燃料であっても炉心溶融を起こしうる。
なお原子炉における「炉心」とは燃料集合体や制御棒など原子炉の中核部分であって、それを囲む原子炉圧力容器内にある円筒状構造物であるシュラウドのようなものを指さない。 |
六ヶ所再処理工場 |
Rokkasho
Reprocessing
Plant |
六ヶ所再処理工場 (ろっかしょさいしょりこうじょう)
は、日本原燃が所有する核燃料の再処理工場。
1993年から約2兆1,900億円の費用をかけて、青森県上北郡六ヶ所村弥栄平地区に建設が進められている。現在試運転中である。 |
わ |
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