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最終更新日:2017年3月25日
福島原発|福島原発プルトニウム|●福島原発事故⇒こちら|
福島第一原子力発電所は、下記のように1〜6号機からなるが、格納容器については、1〜5号機がトーラス型(ドーナツ型)のサプレッションプール(圧力抑制室)を持つマークTであり、6号機がマークUである。特に大きな事故が起こった1〜4号機のうち、1号機の運転開始は約40年前であり、これらのうちで最も新しい4号機は約33年前である。従って、老朽化も事故を大きくした要因と言われている。
日本の原子力発電所(2010年現在54基/世界は432基)は『原子力発電』のページのこちらを参照。
福島原発(福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所) |
※福島原子力発電所は、東京電力が所有し、福島県の太平洋沿いに位置するが、沸騰水型原子炉6機からなる第一と同4機からなる第二の二箇所に存在する。第一の1〜4号機は2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震によって甚大な放射能漏れの事故を起こした。主に津波被害による冷却装置関連電源の喪失のため、水素爆発などを起こしたせいである。1〜3号機は運転中であったが、地震発生時に停止していた。4〜6号機は核燃料交換のため停止中であった。冷却中であった使用済み核燃料からの放射能漏洩も合わせて発生した。3号機はMOX燃料を用いてのプルサーマル運転中であった。2011年3月には、第一の南方にある第二も運転中であり事故を起こしたが、早期に終息した。
地理 |
国土交通省東北運輸局(HP/2011/6)による『東北地方の面積・人口・地形』から |
数値地図50mメッシュ(標高)を用いた陰影段彩図 国土地理院(HP/2011/6)による『東北地方の地形』から |
東日本太平洋沿岸陰影段彩図 国土地理院(HP/2011/6)による『福島原発事故関連』から |
福島第一原子力発電所周辺の陰影段彩図 外側の赤円は半径50km、赤斜線は警戒区域(20km)、黒斜線は計画的避難区域、横線は緊急時避難準備区域。 |
警戒・避難区域図(2011年4月22日設定に基づく)(全体図) |
国土地理院(HP/2011/5)による『福島原発事故関連』から |
原子力災害対策本部(HP/2011/3)による『平成23年(2011年)福島第一・第二原子力発電所事故について』から |
福島第一原子力発電所 国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を元に作成。(1975年度撮影) |
右から1,2,3,4号機 国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を元に作成。(1975年度撮影) |
ウィキペディア(HP/2011/3)による『福島第一原子力発電所事故』から ※北から1、2、3、4号機の順。これらの北側(左図の右)に北から6と5号機が位置する(つまり、北から6−5−1−2−3ー4の順)。1975年時点では、3〜6号機は運転されていない(6号機は完成していない)。 |
原子炉一覧 |
1号機 | 2号機 | 3号機 | 4号機 | 5号機 | 6号機 | |||
プラント主要諸元 | 電気出力(万kW) | 46.0 | 78.4 | 78.4 | 78.4 | 78.4 | 110.0 | |
建設着工 | 1967/9 | 1969/5 | 1970/10 | 1972/9 | 1971/12 | 1973/5 | ||
営業運転開始 | 1971/3 | 1974/7 | 1976/3 | 1978/10 | 1978/4 | 1979/10 | ||
原子炉形式 |
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格納容器形式 |
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マークII | ||||||
国産化率(%) | 56 | 53 | 91 | 91 | 93 | 63 | ||
主契約者 | GE | GE・東芝 | 東芝 | 日立 | 東芝 | GE・東芝 | ||
原子炉 | 熱出力(万kW) | 138 |
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329.3 | ||||
燃料集合体数(体) | 400 |
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764 | |||||
燃料集合体全長(m) | 約4.35 |
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約4.47 | |||||
制御棒本数(本) | 97 |
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185 | |||||
圧力容器 | 内径(m) | 約4.8 |
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約6.4 | ||||
全高(m) | 約20 |
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23 | |||||
全重量(t) | 440 |
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750 | |||||
格納容器 | 全高(m) | 約32 |
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約48 | |||
円筒部直径(m) | 約10 |
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約10(上部) | |||||
球部直径(m) | 約18 |
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約25(底部) | |||||
圧力抑制 プール水量(t) |
1,750 |
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3,200 | |||||
タービン | 回転数(rpm) |
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入口蒸気温度(℃) |
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蒸気圧力(kg/cm2g) |
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燃料 | 種類 |
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ウラン装荷量(t) | 69 |
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132 | |||||
燃料集合体(本) | 400 |
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764 |
ウィキペディア(HP/2011/3)による『福島第一原子力発電所』から |
ウィキペディア(HP/2011/3)による『福島第ニ原子力発電所』から |
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Thermal | Gross | Net | Operator |
NSSS Supplier |
Construction Start |
Grid Connection |
Commercial Operation |
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JP-5 | FUKUSHIMA-DAIICHI-1 | BWR | BWR-3 | 1380 | 460 | 439 | TEPCO | GE/GETSC | 1967-7 | 1970-11 | 1971-3 | 47.6 | 47.6 |
JP-9 | FUKUSHIMA-DAIICHI-2 | BWR | BWR-4 | 2381 | 784 | 760 | TEPCO | GE/T | 1969-6 | 1973-12 | 1974-7 | 67.4 | 67.4 |
JP-10 | FUKUSHIMA-DAIICHI-3 | BWR | BWR-4 | 2381 | 784 | 760 | TEPCO | TOSHIBA | 1970-12 | 1974-10 | 1976-3 | 69.0 | 69.0 |
JP-16 | FUKUSHIMA-DAIICHI-4 | BWR | BWR-4 | 2381 | 784 | 760 | TEPCO | HITACHI | 1973-2 | 1978-2 | 1978-10 | 61.8 | 62.2 |
JP-17 | FUKUSHIMA-DAIICHI-5 | BWR | BWR-4 | 2381 | 784 | 760 | TEPCO | TOSHIBA | 1972-5 | 1977-9 | 1978-4 | 67.3 | 67.4 |
JP-18 | FUKUSHIMA-DAIICHI-6 | BWR | BWR-5 | 3293 | 1100 | 1067 | TEPCO | GE/T | 1973-10 | 1979-5 | 1979-10 | 67.1 | 67.3 |
JP-25 | FUKUSHIMA-DAINI-1 | BWR | BWR-5 | 3293 | 1100 | 1067 | TEPCO | TOSHIBA | 1976-3 | 1981-7 | 1982-4 | 75.0 | 75.0 |
JP-26 | FUKUSHIMA-DAINI-2 | BWR | BWR-5 | 3293 | 1100 | 1067 | TEPCO | HITACHI | 1979-5 | 1983-6 | 1984-2 | 65.1 | 65.1 |
JP-35 | FUKUSHIMA-DAINI-3 | BWR | BWR-5 | 3293 | 1100 | 1067 | TEPCO | TOSHIBA | 1981-3 | 1984-12 | 1985-6 | 59.8 | 59.8 |
JP-38 | FUKUSHIMA-DAINI-4 | BWR | BWR-5 | 3293 | 1100 | 1067 | TEPCO | HITACHI | 1981-5 | 1986-12 | 1987-8 | 58.6 | 58.6 |
『Non-electrical Applics』はすべて『−』。 |
原子力資料情報室(2001)による『原子力市民年鑑2001』(一部抜粋)から |
原子炉構造 |
原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/4)による『BWRの原子炉冷却系統』から 『原子力発電所のタービン・発電機と付属設備』も参照。 |
原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/4)による『BWRの工学的安全施設』から |
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原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/4)による『BWR用ウラン燃料』から |
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原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/4)による『原子炉機器(BWR)の原理と構造』から 直径と長さがともに1cm程度のペレットを数十個重ねた燃料棒(長さは4m弱)を集めたものが燃料集合体である。その燃料集合体をさらに数百本(上図では764本)を配置したものが炉心(原子炉)である。 |
原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/4)による『BWR原子炉容器』から |
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原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/4)による『沸騰水型原子炉(BWR)』から |
記事画像 週刊朝日(HP/2011/4)による『危機続く福島第一原発 「GEスリー」元設計者が米メディアで告白 「原子炉構造に欠陥あり」』から |
福島第一原発1号機 伊東(HP/2011/4)による『福島原発の炉心はどうなっているのか』から |
時事ドットコム(HP/2011/3)による『【図解・社会】東日本大震災・福島第1原発の概略図(2011年3月17日)』による |
沸騰水型原子炉(BWR) |
原子炉圧力容器の中では蒸気の温度は280度ほどの高温になり、70〜80気圧という高い圧力が発生します。この高温高圧の蒸気で直接タービンを回し、同じ軸に取り付けられた発電機を回して電気を起こします。 蒸気は「復水器」で海水によって冷やされると水に戻り、再び原子炉へ送られます。 |
東京電力(HP/2011/3)による『原子力発電のしくみ』から |
沸騰水型原子炉圧力容器及び再循環回路の詳細図(※:原子炉格納容器)
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沸騰水型原子炉の断面図
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ウィキペディア(HP/2011/3)による『福島第一原子力発電所事故』から |
福島原発プルトニウム |
※通常の原子力発電では、核燃料(主に酸化物)は核分裂を起こすウラン235(23592U)を3〜5%程度含む(低濃縮ウラン)が〔残りは核分裂を起こさないウラン238(23892U)〕、ウラン238に中性子が衝突して生成したプルトニウム239(23994Pu)は核分裂を起こすため、ウラン238に3〜6%(4〜9%)のプルトニウム239を混ぜた核燃料(酸化物⇒MOX)を軽水炉で利用することをプルサーマルと呼び、もっと多量(16〜21%)のプルトニウム239を用いる特別の原子炉を高速増殖炉と呼ぶ〔核分裂でプルトニウムを効率良く発生させるには、高速の(高エネルギーの)中性子をウラン238に衝突させなければならないため、専用の炉が必要〕。福島第一原子力発電所3号機(BWR)は、2010年10月からMOX核燃料を使ったプルサーマルでの営業運転を開始しており、被災時の2011年3月も運転中であった。【『プルトニウム』のページを参照】
なお、プルトニウムが原発事故で外部に放出された場合、その粒子の大きさ(粒径)は0.3ミクロン(μm)程度と言われている。これはインフルエンザウイルスの大きさ(0.1ミクロン程度)より大きいため、インフルエンザウイルス用のマスクで大部分を遮蔽できるとされている。【武田邦彦氏による『原発 緊急情報(36) 3号炉(プルトニウム)の問題(その2)』(2011/3/28)から】
原子力百科事典ATOMICA(HP/2011/4)による『軽水炉用MOX(プルサーマル)燃料』から |
東京電力 福島第一原子力発電所3号機 2010年(平成22年)9月18日より試運転開始。同年10月26日より、営業運転を開始。 |
2010年(平成22年)2月16日:福島県知事は2月定例県議会で、東京電力が福島県に申し入れていた福島第1原発3号機でのプルサーマル計画実施について、条件付で受け入れることを表明した。同知事は、昨年から県エネルギー政策検討会を再開して検討してきたこと、核燃料サイクル推進という国の方針、玄海原発でのプルサーマル発電の開始などに言及、受け入れる考えを述べた。
・9月18日: 3号機のプルサーマル発電、試運転開始。 ・10月26日: 3号機のプルサーマル発電、営業運転を開始。 |