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【り】
- リアス海岸(rias coast)A
『起伏の大きい山地が、地盤の沈降または海面の上昇によって海面下に沈んで生じた海岸。一般に海岸まで山地の迫った半島と、その間に挟まれたおぼれ谷とが交互し、鋸(きょ)歯状の海岸線を形成する。スペイン北西部の大西洋岸にこの種の海岸が発達し、この地方の湾の呼び名リアに由来。日本では三陸海岸や四国の宇和島、九州の臼杵付近の海岸がその例。〔茂木昭夫〕』
- リソスフェア(lithosphere)A
『岩石圏のこと。もともと地球の気圏・水圏に対応する言葉で、地球の固体部分を指したが、現在では、上部マントルの流動的な層であるアセノスフェア(軟弱圏)の上を覆う厚さ数十〜200km程度の固い層を指すことが多い。大陸地殻を含む部分を大陸リソスフェア、海洋地殻に対応する部分を大洋リソスフェアまたは海洋性リソスフェアと呼ぶことがある。このリソスフェアをいくつかのブロック、すなわちプレートに分け、それらの相互作用の結果としてさまざまな地学現象を説明するのがプレートテクトニクスである。〔吉井敏尅〕』
lithosphere (lith'-o-sphere)L
『(a) The solid portion of the Earth, as compared with the atmosphere and the hydrosphere.
(b) In plate tectonics,
a layer of strength relative to the underlying asthenosphere
for deformation at geologic rates. It includes the crust and
part of the upper mantle and is of the order of 100 km in thickness
(Dennis & Atwater, 1974, p.1031).』
- リフティング(rifting)A
『大陸リソスフェアが伸張応力によって地殻とともに引きのばされ、アイソスタシーによって地表が沈降陥没する現象(大陸のリフティング)。沈降陥没した場所を大地溝帯あるいはリフト帯という。大陸分裂が起きるときには、まずリフティングが起きるが、リフティングだけで大陸分裂にまで至らない場合もある(aborted,
failed rift)。リフティングを起こす伸張応力の原因が、プレートの外部から働く引っ張り力の場合を受動的リフティング(リフト)、アセノスフェアの上昇とその粘性力による場合を能動的リフティング(リフト)という。両者の区別は必ずしも容易でない。リフティングに伴って地表では伸張テクトニクスがみられる。(図:略)〔瀬野徹三〕』
- リモートセンシング(remote sensing)A
『ある対象物に関する情報を遠隔から探知する方法。一般的には、ある対象物の表面から反射ないしは放射される電磁波の強度をセンサーで測定することによって、対象物を選別する。対象物の表面の情報を感知する方法で、内部の情報を直接得ることは困難。センサーには、人工衛星や航空機に搭載される光学センサーやレーダーから、室内で使用するカメラ方式のものまである。近年、人工衛星を利用した衛星リモートセンシング技術が発達し、宇宙から地球や他の惑星の地表情報が容易に得られるようになった。現在利用されている主な衛星には、米国のLANDSAT、フランスのSPOT、日本のJERS-1などがある。〔久保田喜裕〕』
- 流域(drainage basin、river basin、watershed)E
『河川によって降水が排出される区域。集水域または排水域ともいう。流域は、河川の河口に対しても、また、河川の合流点や途中の地点に対しても決めることができる。河川途中のある点の流域は、その点を通って下流へ流出する水の起源となった降水の降下範囲である。なお、流出する水のうち、地下水流出による水は、表面流出や中間流出による水とは異なる範囲に降下した降水に起源をもっている場合がある。このような場合には、表面流出水の起源となった降水の降下範囲を地表水流域、地下水流出水の起源となった降水の降下範囲を地下水流域または地下流域として区別する。ふつう、流域といった場合には、地表水流域をさす。隣り合う流域の境界を分水界(divide)という。』
- 流星(meteor、falling star、shootings)A
『小さな地球外固体粒子(流星物質)が地球の大気と衝突して発光する現象。衝突時の摩擦熱で流星物質の一部が蒸発・イオン化して発光する。衝突速度は10〜70km/s程度で30km/sの場合が多い。流星物質は10-6gから数十kgのものまである。発光と消滅の高度は、速度の速い流星で110kmと100km
遅い流星で90kmと80km程度である。毎年同じ時期にいくつもの流星が星空の一点から放射するようにみえるものは流星群と呼ばれ、彗星によって軌道上にばらまかれた物質の発光によってできる。』
- 林冠(canopy)J
『多数の樹冠が互いに相接しているときの、その総体。樹木の成長に伴って下縁の葉が最少受光量に達するまでは林冠は厚くなるが、その後には林冠は上方に伸びるにつれて下層が枯れ、一定の厚さを保つ。陽樹は陰樹に比べて最少受光量が大きいから、林冠は薄く、林冠の下は明るい。林冠の閉鎖の度合を鬱閉度(crown
density 独Schlussgrad)という。樹冠が互いに接して隙間がない状態を閉鎖、鬱閉という。林冠は十分な光を受け、乾湿の変動、強風などのさらされ、林内とは環境が大きく異なり、林冠を生息場所とする多くの生物が林内と異なる群集・生態系(林冠生態系)を形成する。』
【る】
- 累代(eon)A
『地質学的な年代区分の最も大きな単位。古生代・中生代・新生代を合わせて顕生累代(Phanerozoic
eon)、先カンブリア時代を隠生累代(Cryptozoic eon)と呼ぶ。ISSCの報告(H.D.Hedberg(ed.)、1976)により国際的に採用された。しかし、日本での使用は一般的でなく、単に代とか、時代のようにも使われている。〔坂本 亨・公文富士夫〕』
- 累帯構造(zonal structure、zoning)A
『結晶が中心部から周縁部へ不連続ないくつかの部分からなること。溶液とそれから晶出する鉱物が平衡が保たれないと、組成の異なる部分からなる累帯構造を生ずる。累帯構造にはこのほか、累帯ごとに不純物の含量が異なったり、着色の様子が異なったり、透明度が異なるものがあり、ときには同形結晶の重複成長による累帯構造もみられる。混晶がマグマから晶出する場合は、ふつう中心部から周縁部へ向ってより低温で安定な組成へと変化するが、変成作用では周縁部のほうがより高温で安定な組成となる。これを逆累帯構造(reverse
zoning)といい、また同一個体において中心部から周縁部へ単調に変化しない場合(oscillatory zoning)がある。〔諏訪兼位〕』
【ろ】
- 露出(outcrop、exposure)A
『岩石・地層・鉱床などの新鮮な部分が、自然にまたは人工的に地表に現れている部分ないし状態。露頭とも。植生によって被覆され、あるいは厚い風化層や被覆層が発達している場合には、新鮮な岩石の露出を見いだすことは一般に困難である。地表地質調査の場合には、自然的露出の多い海岸や谷筋、人工的露出の多い道路沿いや石切場などを調査してルートマップを作成する。必要な場合には、植被を取り除いたり、あるいはトレンチによって人工的露出をつくって観察する。〔竃義夫〕』
- 露頭(outcrop)A
『(1)⇒露出
(2)鉱床または有用鉱物の濃集部が地表に露出している部分。焼けは硫化物鉱床の特徴的露頭。〔小村幸二郎〕』
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