根岸敏雄(2006):石油生産量はピークに来たのか?−ピークオイルの本質と21世紀のエネルギー−.石油文化社(幸書房 発売)、189p.

目次


まえがき
T.石油の生産量はピークに来たのか
1.ピークオイル論とは 2

1.1.
 埋蔵量
  R/P(Ratio of Reserves to Production、可採年数)
3

1.2.
 需要の伸び 5

1.3.
 何処が生産のピークか 6
2.石油の埋蔵量の用語と定義 7

2.1.
 原始資源量 8

2.2.
 究極可採資源量 8

2.2.1.

  既発見埋蔵量
  A.確認埋蔵量
  B.推定埋蔵量
  C.予想埋蔵量
9

2.2.2.

  原始埋蔵量、可採埋蔵量 10

2.2.3.

  未発見資源量 11

2.2.4.

  埋蔵量成長 11

2.3.
 非在来型石油 12

2.4.
 NGL(Natural Gas Liquid) 13

2.5.
 その他の用語、英語対比
  累計生産量
  残存(可採)埋蔵量
  石油と原油
  埋蔵量に関する用語の英語対比
14
3.世界の石油埋蔵量(究極可採資源量) 15

3.1.
 アメリカ地質調査所の埋蔵量評価(USGS 2000
  U.S. Geological Survey World Petroleum Assessment 2000
17

3.2.
 石油鉱業連盟の埋蔵量評価(石鉱連2002)
  石油、天然ガス等の資源に関するスタディ
18

3.3.
 Campbell &Laherrereの埋蔵量評価(1998)【見る→
  The End of Cheap Oil
19

3.4.
 全地球平衡システムによる埋蔵量評価(Miller, 1992) 20

3.5.
 フラクタル理論による埋蔵量評価(井上、2005)【見る→ 21

3.6.
 石油の無機成因論に基づく埋蔵量 22

〈参考〉  
1.石油の成因
   有機説
   無機説
22
2.石油埋蔵量のイメージ
  石油の埋蔵量3兆バレルのイメージ
24
4.石油の埋蔵量と生産量 26

4.1.
 石油の埋蔵量 26

4.2.
 政策的な埋蔵量の上方修正 27

4.3.
 石油の生産量、R/P 29

〈参考〉
3.米国証券取引委員会(SEC)の埋蔵量算定基準
  Accounting and Financial Reporting Interpretations and Guidance
  U-F-3.Definition of Proved Reserves
30
5.ピークオイルの予測 34

5.1.
 Hubbertの石油の生産限界の予測(いわゆるピークオイル論) 35

〈参考〉
4.Hubbertモデルとは
   Hubbertモデルによるピークオイル論研究者の活動
   ASPO(Association for the Study of Peak Oil & Gas、ピークオイル研究協会)
   ODAC(The Oil Depletion Analysis Centre、石油生産減退分析センター)
38

5.2.
 C.J.Campbell & J.H.Laherrere(1998)の予測【見る→ 41

5.3.
 ピークオイル研究協会(ASPO、2005)の予測 42

5.4.
 アメリカ・エネルギー省エネルギー情報局(EIA、2000)の予測【見る→ 43

5.5.
 国際エネルギー機関(IEA、2004)の予測【見る→ 43

5.6.
 J.D.Edwards(コロラド大学教授、2005)の予測
  Twenty First Century Energy(AAPG)
44
6.石油の生産ピークをどのように理解するのか 45

6.1.
 埋蔵量 45

6.2.
 需要の伸び 46

6.3.
 油田の生産挙動とHubbertモデル 48

〈参考〉
5.Hubbert モデル物語“太平洋単独横断中のヨットが遭難” 50
7.石油の生産限界を示すさまざまな事象 52

7.1.
 埋蔵量増加と需要増加のギャップの増大
  1.大規模な埋蔵量がある国へのアクセスの困難さ
  2.産油国の国営石油会社の保守性
  3.株主の圧力
  4.技術者、資機材の不足
  5.石油から天然ガスへのシフト
52

7.2.
 大型油田の発見は既に峠を越えている 57

7.3.
 産油国の生産減退 59

7.4.
 巨大油田の生産減退 60

7.5.
 OPEC諸国も生産余力に限界 62

7.6.

 油価の上昇

  • @過去の油価の急騰には理由があり、一過性のものであった。
  • A2000年から2002年の石油の需要増加は年約60万〜70万バレルであったが、世界の景気の回復、経済の発展(特にBRICs)に伴い、2003年は180万バレル、2004年は270万バレル(3.5%)と予想をはるかに越え需給のアンバランスを招いた。
  • BOPEC以外の国の増産は100万バレル位が限界であった。
  • C世界的に在庫レベルが低くなっている。
  • Dテロに対する警戒。
66

〈参考〉
6.OPEC(石油輸出国機構、Organization of the Petroleum Exporting Countries)
  設立の経緯
  目的
  加盟国:11ヵ国
  OPECの生産量
64
8.石油の埋蔵量の増加を期待できるさまざまな事象 69

8.1.

 探鉱、開発のポテンシャルのある地域はまだ残っている

69

8.2.
 技術の進歩 72

8.2.1.

  新探鉱理論による新埋蔵量の発見 72

8.2.2.

  地震探査
   A.三次元(3D)地震探査
   B.特殊処理
     重合前マイグレーション
     AVO解析−石油、ガスの直接探査
   C.四次元(4D)地震探査
73

8.2.3.

  掘削技術
   A.大深度掘削
   B.大水深掘削
   C.水平坑井
     水平坑井
     大偏距掘削(ERD、Extended Reach Drilling)
76

8.2.4.

  検層技術−MWD、LWD
   MWD(Measurement While Drilling)
   LWD(Logging While Drilling)
79

8.2.5.

  IT技術革新 80

8.2.6.

  深海油田の開発技術 81

8.2.7.

  2次、3次回収技術
   A.1次回収
   B.2次回収
   C.3次回収
82

8.3.
 油価の上昇による高コスト油田の開発 83

8.4.
 非在来型石油の開発 85

8.5.
 技術の進歩は埋蔵量増加の期待に応えられるか 86

8.5.1.

  探鉱技術 86

8.5.2.

  開発技術 87

8.5.3.

  非在来型石油 88
U.石油代替のエース−環境負荷の少ない天然ガス
1.環境負荷の少ない天然ガス 92
2.天然ガスの資源量、埋蔵量、生産量 93

2.1.
 天然ガスの究極可採資源量 93

2.2.
 天然ガスの国別埋蔵量、生産量 94

2.3.
 天然ガスの国別消費量、需給バランス 97

2.4.
 天然ガスの埋蔵量増加 97
3.非在来型天然ガス 98

3.1.
 タイトサンドガス 98

3.2.
 コールベットメタン(炭層メタンガス) 99

3.3.
 シェールガス 99

3.4.
 メタンハイドレート 100
4.天然ガスの需要 100
5.天然ガスの生産ピークの予測 103

5.1.
 R/P 103

5.2.
 Hubbertモデルによる生産ピークの予測 104
6.天然ガスの生産施設の増設 105

〈参考〉
7.GTL(Gas to Liquid)とDME(Dimethyl Ether)
   GTL
   DME
106
8.カタール、ドーハの悲劇
  天然ガスに浮かぶ国 世界のトップクラスの裕福な国を目ざして
108
V.石油代替エネルギーとしての石炭の復権はあるのか
1.石炭の復権の鍵は環境問題の解決 114
2.石炭の資源量、埋蔵量、生産量、消費量、R/P 117
3.石炭利用の技術革新 119

3.1.
 発電 120

3.2.
 製鉄 122

3.3.
 セメント工業 123

3.4.
 石炭輸送
  コールカートリッジシステム
  石炭スラリー輸送
124

3.5.
 石炭液化
  褐炭液化
  DME(Di-Methyl Ether
125

3.6.
 石炭ガス化 127

3.7.
 CBM(Coal Bed Methane、炭層メタンガス) 128

3.8.
 CO2回収、固定化技術 129

3.9.
 クリーンコールテクノロジーの将来 130
4.石炭の需要予測 130

〈参考〉
9.排気炭酸ガス圧入による原油の回収率増加 132
10.京都メカニズム−温暖化ガス削減の方策
  @削減対象ガス:CO2、CH4、NO2、代替フロンなど
  A京都メカニズム
  B日本の具体的な削減行動
   *削減目標
   *具体的な取り組みの例
   *海外での石油開発での“ノンフレア”
   *会社の評価を高めるための環境への取り組み
   *エコカード
133
W.21世紀のエネルギーの主役は何か?
1.21世紀のエネルギー予測 138

1.1.
 全世界 138

1.1.1.

  J.D.Edwards(コロラド大学教授)による予測 138

1.1.2.

  A.Salvador(テキサス大学教授)による予測 140

1.1.3.

  国際エネルギー機関(International Energy Agency, IEA)の予測【見る→ 141

1.2.
 日本 143
    2030年の日本のエネルギー需給見通し(総合エネルギー調査会)【見る→ 143
2.まとめ−21世紀のエネルギー需給バランス 145

〈参考〉
11.原子力発電の見直し始まるか?
   最近の原子力見直しの動きを新聞から
147
12.自然エネルギー、水素エネルギー
   水素エネルギー
   1)燃料電池
   2)コージェネレーションシステム
   3)燃料電池自動車
   4)ノートパソコンや携帯電話への利用
150
X.まとめ
1.ピークオイルに来ているのか? 156
2.石油資源は有限である
   石油の生産ピークは埋蔵量の約半分を消費した時に来る(Hubbertモデル)。
    “まだ埋蔵量は半分残っている”と取るか、
    “あと半分しか残っていない”と取るのか?
157
3.埋蔵量増加の努力も重要 161
4.石油代替エネルギーへの速やかな転換 163
5.輸送用燃料の代替がキー

164
6.省エネルギーと環境問題

165
7.ベストエネルギーミックスによる石油需要の軟着陸 166
追補
1.石油の探鉱から開発までの道筋
 1.鉱区の取得
 2.資料収集、地表地質調査
 3.地震探鉱
 4.試掘
 5.開発移行の判断
  A.評価井、長期生産テスト
  B.地質モデルスタディ(原始埋蔵量評価)
  C.油層シミュレーションスタディ(可採埋蔵量評価)
  D.開発計画、フィージビリティスタディ
 6.Front End Engineering Design(FEED、基本設計)
 7.環境アセスメント
 8.EPCC(詳細設計、資材調達、建設、試運転)
 9.生産開始、操業
170

2.エネルギー関係の研究、調査機関の略称と概要

  • AAPG(American Association of Petroleum Geologists、アメリカ石油地質学会)
  • ASPO(Association for the Study of Peak Oil and Gas、ピークオイル研究協会)
  • EIA(Energy Information Administration、アメリカ・エネルギー省エネルギー情報局)
  • IEA(International Energy Agency、国際エネルギー機関)
  • IEEJ(日本エネルギー経済研究所、The Institute of Energy Economics, Japan)
  • JCOAL(財団法人 石炭エネルギーセンター、Japan Coal Energy Centre)
  • JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構、Japan Oil, Gas and Metals National Corporation)
  • NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構、New Energy and Industrial Technology Development Organization)
  • 国際石油開発会社〔IOC(International Oil Company)〕
  • 石油鉱業連盟(Japan Petroleum Development Association、石鉱連)
  • 石油連盟(Petroleum Association of Japan、石連)
  • USGS(United States Geological Survey、アメリカ地質調査所)
178
参考文献 184
あとがき 187


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