日本の国勢調査とは、統計法(平成19年5月23日法律第53号)に基づき、総務大臣が国勢統計を作成するために、日本に居住している全ての人及び世帯を対象として実施される国の最も重要かつ基本的な統計調査(全数調査)である。国勢調査では、国内の人口、世帯、産業構造等などについて調査が行われる。国勢調査は統計法第5条を根拠とする「基幹統計調査」と位置付けられており、基本的には5年ごとに、なおかつ西暦が5の倍数の年に実施されるが、総務大臣は必要があると認めるときは臨時の国勢調査を行うこともできると規定されている(統計法第5条第3項)。
第1回国勢調査は 1920年(大正9年)に実施され、2010年(平成22年)10月1日現在で実施される平成22年国勢調査で第19回目の調査となる。平成22年国勢調査については、『平成22年国勢調査』(総務省統計局)に掲載されている『平成22年国勢調査実施計画』の情報が詳しい。また、国勢調査については、『国勢調査e-ガイド』に詳しい解説がある。
概要
現行の国勢調査は統計法(平成19年5月23日法律第53号)、国勢調査令(昭和55年4月15日政令第98号)、国勢調査施行規則等の法令を根拠として実施されている。なお、国勢調査について定めた法律として、明治期から昭和20年までは国勢調査ニ関スル法律(明治35年12月1日法律第49号)、戦後は旧統計法(昭和22年法律第18号)が定められていた。
調査は基本的に5年ごとに行われ、西暦年の末尾が「0」の年は大規模調査として、また西暦年の末尾が「5」の年には簡易調査として行われる(統計法第5条第2項)。いずれの場合も、調査は10月1日現在の状況に関して行われ、同日の前後それぞれ半月程度の期間に調査員による実地調査が行われる。大規模調査と簡易調査の違いは調査項目数にあり、従来から、大規模調査は22項目、簡易調査は17項目を調査している(調査年により変遷がある)。平成22年国勢調査(大規模調査)の調査事項は20項目とされている。なお、総務大臣は必要があると認めるときは臨時の国勢調査を行うこともできる(統計法第5条第3項)。
調査は世帯単位で行なわれる。「世帯」とは、住居と生計をともにする個人の集まりであり、典型的には、一つの住宅に居住する家族がその例である。しかし、例えば友人同士がアパートを借りて共同生活をしている場合など、互いに親族関係のない者の集まりであっても、住居と生計をともにしていれば「世帯」とされる。また、一つの住宅に独立して居住している一人の個人は、それ自体で一つの「世帯」とされる。
- 第五条 総務大臣は、本邦に居住している者として政令で定める者について、人及び世帯に関する全数調査を行い、これに基づく統計(以下この条において「国勢統計」という。)を作成しなければならない。
- 2 総務大臣は、前項に規定する全数調査(以下「国勢調査」という。)を十年ごとに行い、国勢統計を作成しなければならない。ただし、当該国勢調査を行った年から五年目に当たる年には簡易な方法による国勢調査を行い、国勢統計を作成するものとする。(統計法第5条 平成19年法律第53号)
なお、新法(平成19年5月23日法律第53号)による最初の国勢調査は平成22年に行うものとすると定められている(附則第4条)。
日本の国勢調査
回 |
実施年 |
調査方法 |
調査人数 |
回 |
実施年 |
調査方法 |
調査人数 |
第1回 |
大正9年(1920年) |
大規模調査 |
55,963,053 |
第11回 |
昭和45年(1970年) |
大規模調査 |
103,720,060 |
第2回 |
大正14年(1925年) |
簡易調査 |
59,736,822 |
第12回 |
昭和50年(1975年) |
簡易調査 |
111,939,643 |
第3回 |
昭和5年(1930年) |
大規模調査 |
64,450,005 |
第13回 |
昭和55年(1980年) |
大規模調査 |
117,060,396 |
第4回 |
昭和10年(1935年) |
簡易調査 |
69,254,148 |
第14回 |
昭和60年(1985年) |
簡易調査 |
121,048,923 |
第5回 |
昭和15年(1940年) |
大規模調査 |
73,114,308 |
第15回 |
平成2年(1990年) |
大規模調査 |
123,611,167 |
第6回 |
昭和22年(1947年) |
臨時調査 |
78,101,473 |
第16回 |
平成7年(1995年) |
簡易調査 |
125,570,246 |
第7回 |
昭和25年(1950年) |
大規模調査 |
83,199,637 |
第17回 |
平成12年(2000年) |
大規模調査 |
126,925,843 |
第8回 |
昭和30年(1955年) |
簡易調査 |
89,275,529 |
第18回 |
平成17年(2005年) |
簡易調査 |
127,767,994 |
第9回 |
昭和35年(1960年) |
大規模調査 |
93,418,501 |
第19回 |
平成22年(2010年) |
大規模調査 |
128,056,026 |
第10回 |
昭和40年(1965年) |
簡易調査 |
98,274,961 |
第20回 |
平成27年(2015年) |
簡易調査 |
予定 |
ウィキペディア(HP/2015/6)による『国勢調査
(日本)』から |