卒論・修論のプレゼンテーション(スライド)のいろは
授業科目『展開研究』
用の『
論文の書き方
』の説明は
こちら
。
卒論・修論の書き方のいろは
日本語
については『
日本語について
』のページを参照。
外国語
については『
外国語について
』のページを参照。
プレゼンテーション用ソフト
(代表例:マイクロソフトの
パワーポイント
)については
こちら
を参照。
全般的注意
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スライドの一般的注意
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話し方の注意
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その他
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留学生の人へ
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失敗しないために
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【全般的注意】
卒業論文発表会
あるいは
修士論文発表会
は、卒業あるいは修了のための
試験
として実施されるので、
写真撮影
や
拍手
(発表者への)などは原則的に禁止されるべきである。
プレゼンテーション
の時間に対して、準備する必要のある
スライド
枚数は
1枚1分間
で計算する。つまり、プレゼンテーション時間
(質疑時間を除く)
が15分であれば、15枚程度
(表紙などは除く)
を準備する。
表紙
(
題目
や
発表者名
など)
のスライドを作成しても良いが、説明は不要である
(簡潔に言った方が良い場合もある)
。
『ご静聴
(清聴?)
に感謝』などの、発表内容に関係の無いスライドは
不要
である。
『
書き方
』の
様式
(『
卒論・修論の書き方のいろは
』を参照)
に倣い、
はじめに
〔
従来の研究
(
先行研究
)
のレビュー
および
目的
〕
−
方法
−
結果
−
考察
−
結論
の順に、
スライド
を作成する。
上記のものに
今後の課題
を加えても良いが、研究が足りない印象を与える逆効果もあるので、慎重に判断する。
図表
や
イラスト
を中心とする。
文章
は、
箇条書き
的な
簡潔
なものにする。
写真
も可能であれば含める。
スライド枚数が多くて内容も複雑であれば、
目次
に相当するスライドを作成するのも手であるが、その分の時間がロスになるので、全体の時間配分を考慮して判断する。
研究内容が豊富であるためにプレゼンテーション時間内に研究結果をすべて発表することが難しくても、すべての内容を何らかの形で発表するように努力すること。研究の一部だけを発表する場合があるが、これは評価が低くなることがあるので損である。つまり、聴取者側からは、全体としての研究成果の評価ができないため、まったく研究していない場合との違いが判別できないためである。
【スライドの一般的注意】
基本は、
1スライド1テーマ
とするのが良い。
内容を理解してもらうためには
簡潔な表現
による
理解し易い
スライドが求められるが、内容の理解ではなくその
複雑さ
をアピールするためのスライドを作成する必要がある場合もある。
アニメーション機能
を用いると効果的な場合もあるが、余分な時間を必要とするために、プレゼンテーション時間の制約が大きい場合には避けた方が良い。発表者の説明に合わせてスライド上の説明内容を表示するようなことは、聞き手の理解の速度と合わないことが多いため、必要な説明内容はまとめて表示すべきである。どうしても、アニメーション機能を用いたい場合は、このことも考慮して工夫すべき。
カラー
を用いる方が一般的には効果的である。
文字
の
字体
や
サイズ
などを変えることで効果的になる場合がある。
引用
の場合は、必ず引用元
(
出典
)
を明記すること。その際には、引用部分が明確に判るように表現すること。
【話し方の注意】
メモ
などを見ずに、スライドを見ながら説明できるように努力すること。
(⇒必要なキーワードなどは、漏らさずスライドに書いておくと良い)
ポインタ
を使い、説明内容部分を的確に指し示しながら、説明すること。
【その他】
プレゼンテーション時間の制約のために時間内の発表では使えないけれども、アピールしたい内容のスライドや質問の出そうな内容に答えるスライドを準備しておき、質疑の時間にそれらを説明するのも手である。
最近は、パソコンとプロジェクター(およびスクリーン)を会場に準備しておいて、発表者はスライド内容
(ファイル)
を格納した
USB
のみを準備する方法が一般的である。しかし発表直前では、USBとパソコンの不適合などの問題が起こることがあるので、あらかじめ、会場のパソコンにスライド内容をコピーしておいたほうが良い。また、発表者が自分のパソコンを使用する場合には、プロジェクターとの接続上のトラブルが発生することがあるため、事前に会場プロジェクターとの接続を確認しておいた方が良い。
【留学生の人へ】
スライドは、内容と日本語について、指導教員によるチェックを受けておくこと。
日本語による発表に自信の無い人は、原稿(メモ)を準備しておいて、読みながら話しても良い。(ただし、評価は下がる。)
質疑応答において、質問の内容を理解できない場合には、質問者に『もう一度、お願いします。』あるいは『もっと、判りやすく、お願いします。』などと注文して良い。理解したふりをして、見当違いの返答は避けるようにすること。
【失敗しないために】
ここで失敗というのは、
@
指定時間内に説明を終えることができなかった場合と、
A
発表内容を理解してもらえなかった場合、を指しています。
基本的には、練習(リハーサル)をしっかりやっておくことです。その時に、発表会場のスクリーン上での見え方をチャックしておく必要があります(パソコン上では問題なくても、スクリーン上ではそうではないことが多い)。かかった時間も、声を出して説明した場合について確認しておきます。
@
について:
・パニックを起こしやすい人(あがりやすい人)は、原稿を作っておくことです。言っておきたい内容を時間内に話せるように用意しておけば、気が動転しても、最低限の必要な内容は伝えることができます。
・スライドには、説明する必要のあることがらも書き込んでおくことです。説明内容を思い出せなくても、スライドをみれば判るようにしておきます。
・また、自分用のメモ的なことがらも、スライドに小さな文字などで記しておくと、原稿が無くても問題はありません。
A
について:
・(指導)教員に内容をしっかりチェックしてもらっておくことです。
・『
論文の書き方
』で示したように、『はじめに』(過去の研究の整理と問題点の抽出および目的)−『方法』−『結果』−『考察』−『結論』(目的に対する答え)の流れが理解しやすい構成になっているか、充分に確認しておきます。
・『はじめに』−『方法』−『結果』−『考察』−『結論』の配分時間を決めて、必要なスライド枚数を決定するのが良いでしょう。これらの合計枚数が標準的には発表時間(分)数とほぼ同じ程度になるようにしておきます。
・余計な説明を加えないように、注意しておくことです。発表時間が短い場合には、余計なことを言えば、必要なことを言う時間が足りなくなります。
・スライドに書く内容量は、説明時間の長さに対応する程度以上にしておきます。そうしないと、聞いている側は手持ち無沙汰になり、非効果的です。
(スライドに書いておけば、説明が不足していても、聞き手が勝手に理解してくれる。)
総じて言えば、さまざまな機会を利用して、(大勢の)他人に対して自分の考えを説明できるように心がけ、実行しておくことです。経験をつめば、要領をつかめるようになり、少なくともパニックを起こすようなことは無くなりますし、説明のしかたも上達します。
なお、質問に対する答えが判らない時には、自分が判る範囲を正直に答えておけば良いでしょう。
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