|
最終更新日:2017年3月15日
地球環境問題(Global Environmental Issue)の代表的な1つとされることが多い。 降水(Precipitation)の酸性度(Acidity)はpH〔ペーハー(ドイツ語読み)またはピーエイチ:=−logH+:水素イオン濃度(Hydrogen Ion Concentration)の常用対数(Common Logarithm)の負:例えばH+が10-7(モル濃度)であればpH=7となる:地表での温度・圧力条件下では水の解離の平衡定数は約10-14(モル濃度)であるから、水素イオンと水酸基(OH-、ヒドロキシル基、Hydroxyl Group)イオンの濃度が等しいとすれば、水素イオン濃度は10-7(モル濃度)となり、この濃度の水は中性(Neutral)であると呼ばれる。つまりpH=7が中性であるが、温度・圧力が変われば異なる値になることに注意が必要〕で表現できるが、大気中の二酸化炭素(Atmospheric Carbon Dixide)が降水中に溶け込むと酸性(Acidic)になる。現在の二酸化炭素濃度ではpHは約5.6程度になる。従って、これよりも酸性の場合(pH<5.6)に、例えば酸性雨(Acid Rain)と呼ぶ。雪の場合は酸性雪(Acid Snow)、霧の場合は酸性霧(Acid Fog)と呼ぶが、酸性雨という呼称ほど一般化していない。 酸性雨の原因は、主に化石燃料〔Fossil Fuel:石油(Oil)や石炭(Coal)など〕の消費(Consumption)に伴って排出される硫黄酸化物(SOx、Sulfur Oxide)や窒素酸化物(NOx、Nitrogen Oxide)と考えられている。これらが水に溶けると強酸の性質を示す。ただし、窒素酸化物は大気中の窒素ガスが高温に晒されても発生するとも言われている。 人為源だけでなく、火山活動(Volcanic Activity)などの自然現象(Natural Phenomenon)によっても酸性物質は発生するが、その影響は人為源よりも小さいと考えられている。 歴史的には、ヨーロッパにおける英国やドイツなどの最先進国における石炭の大量消費により発生した有害物質(Harmful Substance)が、大気の流れに乗って主に北ヨーロッパの国々に酸性雨問題を起こしたのが最初だと言われている。ヨーロッパでは地球環境問題として古くから知られていた。酸性雨の影響により森林(Forest)・湖沼(Lakes)・土壌(Soil)等が酸性化(Acidification)され、さまざまな生態系(Ecosystem)を破壊しているとされている。 |
リンク |
地球環境問題 |
地球環境問題には、下の図のように様々な問題があります。地球環境問題は被害や影響が発生原因国のみならず、国境を越えて、地球規模にまで広がるという面と、問題の解決のために国際的な取り組みが必要とされるという面を持っています。 先進国と呼ばれる国では、大量にものを生産し、大量に消費し、大量に棄てています。ものをつくる時にも、使う時にも、棄てる時にも大量の資源・エネルギーが必要です。このことが、酸性雨や地球温暖化をはじめとするいろいろな地球環境問題を進行させています。 【出典】環境省(H13)「地球環境問題の相互関係」より作成『平成13年版環境白書』 〔(財)日本環境衛生センターの酸性雨研究センターの中の『eコース 酸性雨と環境』から〕 |