『3.二酸化炭素排出量について
地球温暖化問題の顕在化とともに二酸化炭素排出量の計算方法への問合わせが増えている。以下では国際的な温室効果ガス排出量の算出に関する動きを整理した上で、日本における動きに触れ、入手が容易な統計データで算出可能な二酸化炭素排出量の簡便計算法を紹介する。 |
排出源 | 合計 | CO2 | CH4 | N2O | HFCs | PFCs | SF6 |
二酸化炭素 | メタン | 一酸化ニ窒素 | ハイドロフルオロカーボン類 | パーフルオロカーボン類 | 六フッ化硫黄 | ||
計 | 100.00 | 89.31 | 2.20 | 1.45 | 2.21 | 1.21 | 3.63 |
1.エネルギー | 84.23 | 83.38 | 0.33 | 0.53 | |||
2.工業プロセス | 12.13 | 4.41 | 0.08 | 0.60 | 2.21 | 121 | 3.63 |
3.有機溶剤等 | 0.03 | 0.03 | |||||
4.農業 | 1.40 | 1.23 | 0.17 | ||||
5.土地利用変化および森林 |
0.00 | 0.00 | 0.00 | ||||
6.廃棄物 |
2.20 | 1.52 | 0.56 | 0.12 | |||
(出所) 環境庁資料 (解説) 二酸化炭素(CO2)が全体の9割を占め、そのうちエネルギーとして燃焼されることによって排出されるのが約8割である。 |
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CO2排出量=エネルギー消費量(熱量単位)×CO2排出係数 =エネルギー消費量(固有単位)×熱量換算係数×CO2排出係数 |
化石燃料 | 排出係数 | 化石燃料 | 排出係数 |
石炭 原料炭 一般炭(国産) 一般炭(輸入) 無煙炭 (平均) |
0.9900 1.0422 1.0344 1.0344 1.0062 |
石油製品 軽油 A重油 B重油 C重油 潤滑油 その他製品 製油所ガス オイルコークス LPG (平均) |
0.7839 0.7911 0.8047 0.8180 0.8047 0.8693 0.5924 1.0612 0.6833 0.7611 |
コークス | 1.2300 | ||
原油 | 0.7811 | ||
石油製品 ガソリン ナフサ ジェット燃料 灯油 |
0.7658 0.7605 0.7665 0.7748 |
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天然ガス・LNG | 0.5639 | ||
(出所) 日本国政府、「気候変動に関する国際連合枠組条約に基づく日本国報告書」、1994年 (解説) 二酸化炭素排出係数として公式に発表された唯一の資料で、IPCCに対する国家通報にも用いられている。これは「炭素換算トン」表示の排出量を計算するための「総発熱量ベース」の係数である。 |
年度 |
炭素(C)換算 百万トン |
二酸化炭素(CO2)換算 百万トン |
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 1998 |
106.0 207.2 235.7 251.5 246.6 287.2 311.5 303.7 |
388.7 759.7 864.2 922.2 904.2 1053.1 1142.3 1113.6 |
(出所) (財)日本エネルギー経済研究所計量分析部編、「EDMC/エネルギー・経済統計要覧」 (解説) CO2換算は炭素換算の12分の44倍(約3.5倍)である。 |
化石燃料 | 排出係数 | 化石燃料 | 排出係数 |
石炭 無煙炭 原料炭 他瀝青炭 亜瀝青炭 亜炭 オイルシェール ピート |
1.1221 1.0802 1.0802 0.0969 1.1556 1.2184 1.21 |
ジェット燃料 他灯油 シェール油 軽油 重油(残渣油) LPG エタン ナフサ オイルサンド 潤滑油 石油コークス 原料油 製油所ガス 他石油製品 |
0.8206 0.8374 0.8457 0.8834 0.7201 0.7034 0.8374 0.9211 0.8374 1.1514 0.8374 0.762 0.8374 |
石炭製品 BKB & Patent Fuel コークス炉コークス コークス炉ガス 転炉ガス |
1.0802 1.2351 0.5443 2.7633 |
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一次燃料 原油 オリマルジョン NGL |
0.8374 0.9211 0.7201 |
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天然ガス | 0.6406 | ||
バイオマス 固体バイオマス 液体バイオマス 気体バイオマス |
1.2519 0.8374 1.2812 |
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石油製品 ガソリン |
0.7913 |
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(出所) IEA、CO2
Emission from Fuel Combustion(1999) (解説) この排出係数はIEAのエネルギーバランス表が真発熱量ベースであるために、それに対応したものとなっている。原典はテラジュール当たりの炭素換算トン表示排出係数で、基本的にIPCCに準拠している。 |