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環境アセスメント−住民参加−

最終更新日:2017年3月27日

1998|−|2005200620072008

『住民』の定義と概念
住民の定義 市町村の区域内に住所を有する者は当該市町村の住民 地方自治法 市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。(自治法第10条)
・(住民は)国籍の如何を問わない。(地方自治法逐条解説(第10条の部分))
市町村の区域内に住所を有する者のうち、日本国籍を有しないものについては、住民基本台帳法の対象から除く 住民基本台帳法 ・日本の国籍を有しない者…(中略)…については、適用しない。(住基法第39条)
住民の概念 ○ 地方自治法上の住民については、日本人に限定されず、外国人についても含まれる概念とされている。
○ 住民基本台帳法上の住民概念は、地方自治法上の住民概念のうち、日本人の部分のみを活用している。
○ 外国人台帳制度の対象となる者は日本国籍以外の者であるが、住民基本台帳の住民に相当する者として、地方自治法上の住民概念に包含される。
外国人台帳制度の整備にあたり、当該台帳制度の対象となる外国人については、地方自治法上の「住民」の概念に含まれていることが明確になるのではないか。(外国人台帳制度においては、90日を超えて適法に在留する外国人を対象とすることを想定している。)

外国人を含むことを前提

法律名

該当条文

考え方
地方分権改革推進法 …住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねる…(第5条) 国籍を問わず、住民に身近な行政についてできる限り地方公共団体に権限を移譲
郵便局株式会社法 …郵便窓口業務及び郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とする…(第1条) 郵便局株式会社は、住民の利便の増進に資するよう、国籍を問わず、住民に郵便サービスを提供
活動火山対策特別措置法 …地域における住民等の生命及び身体の安全…(中略)…を図る…(第1条) 火山現象により著しい被害を受けている地域等について、国籍を問わず、住民 の生命及び身体の安全を図る
中小企業基本法 …顧客その他の地域住民の利便の増進を図るための施設の整備…(第18条) 国は、商店街等の活性化を図るため、国籍を問わず、住民の利便の増進を図 るための施設の整備等必要な施策を講ずる
スポーツ振興法 …ひろく住民が自主的かつ積極的に参加できるような運動会…(中略)…を実施するように努め…(第7条) 地方公共団体は、国籍を問わず、住民が自主的・積極的に参加できるような 運動会等の実施に努め、またそのような行事を奨励しなければならない

(ほか228の法律が該当)

外国人を含まないことを前提

法律名

該当条文

考え方
住民基本台帳法 ・この法律は、…(中略)…、住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳制度の制度を定め、もつて住民の利便を増進するとともに、…(第1条)
・この法律は、日本の国籍を有しない者…(中略)…については、適用しない。(第39条)
・住民基本台帳法は、法律の対象となる日本国籍を持つ住民に関する情報を正確かつ統一的に把握する制度を定め、これにより当該住民の利便の増進等を図ることを目的とする
・住民基本台帳法は、日本国籍を有しない者等については適用除外

(ほか2の法律が該当)

総務省による『資料3 住所・住民概念について』から

『住民』およびその関連用語
住民   日本国内における住民
 日本国内において住民とは、地方公共団体
(都道府県市町村など)の区域内に住所を有するものを指す。所属する自治体により都道府県の場合はそれぞれ都民道民府民県民、市区町村の場合は市民区民町民村民という。
 地方公共団体における住民は、地方自治法に基づき地方公共団体
(都道府県、市町村、特別区)の首長の解任請求や、地方公共団体の重大な決定につき住民投票で、直接にその意見を表明することもある。
 多くの市町村と特別区では、各地域住民の常時の自治と連絡、ネットワークのために市区町村住民協議会などの組織がある。その下部組織に町内会
自治会といったものがある。またそうした団体、組織の集会所としては、校区センター、公民館などが使用される。
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   市町村の区域内に住所を有する者。同時にその市町村を包括する都道府県住民でもある。人種,国籍,性,年齢,行為能力のいかんを問わず,自然人,法人を問わない。住民は,法律の定めるところにより,その属する都道府県および市町村の役務の提供を等しく受ける権利を有し,その負担を分任する義務を負う (地方自治法 10) A
   地方自治法上,普通地方公共団体の人的構成要素をいう。自然人たると法人たるとを問わず,また,人種,国籍,性別,年齢,行為能力のいかんを問わず,市町村の区域内に住所を有する者はその市町村およびこれを包括する都道府県の住民となる(地方自治法10条1項)。地方公共団体は,住民自治の理念に基づき,地域社会の公共事務をその地域社会の住民みずからが処理するために設けられた一種の統治団体であるが,住民は,このような地方公共団体の人的構成要素であるとともに,地方自治運営の主体たる地位を与えられている。 B
   法令上、地方公共団体の人的構成要素であり、市町村の区域内に住所、すなわち生活の本拠をもつ者をいう。市町村の住民は、同時にこれを包括する都道府県の住民とされる(地方自治法10条1項)。自然人たると法人たるとを問わず、また、国籍、性、年齢のいかん、および行為能力のいかんを問わない。住民は、住民として一定の権利と義務をもつ。一般的には、その属する地方公共団体の役務の提供を等しく受ける権利と、その負担を分任する義務である(同法10条2項)。地方公共団体は、各種の公の施設を設置するほか、公的扶助、社会福祉その他多様なサービス・給付を住民に対して行ったり、行う義務が課されている。住民はこれらの役務を平等に享受でき、地方公共団体はその役務提供を公正かつ平等に行う義務を負う。その反面、住民には、その行政に要する経費を平等に(原則として、負担能力に応じて)負担する義務がある。ただし、住民の権利・義務の具体的内容は法律の定めるところによる。なお、住民のうち、日本国民であり、同時に一定の要件を具備する者については、地方公共団体の長や議会の議員を直接選挙する権利(憲法93条、地方自治法11条)、条例の制定・改廃および事務の監査を請求する権利(地方自治法12条)、議会の解散請求権および主要公務員の解職請求権(同法13条)、および住民監査請求・住民訴訟の権利(同法242条・242条の2)などが認められている。[福家俊朗] C
市民 citizen 市民参加
 市民参加とは、市民が市町村の行政施策に関して意見を述べ提案することにより、行政施策の推進にかかわることを指し、一般には地方自治体の政策決定やNPO活動に際し市民参加が行われているが、この場合の市民は目的性をもった市民活動の集団や個人の総体として、用いられている。
 地方自治体の基本構想や環境基本計画都市計画マスタープランなどの重要な施策を決定するときに市民の意見を聴くことや、行政施策において市政提案公募制度、パブリックコメントパブリックインボルブメント等により合意形成をもって公共事業に反映させることを市民参加条例などで制度化している自治体も増加している。
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   今日では一般に,ある国家,社会ならびに地域社会を構成する構成員 (メンバー) を意味し,国家においては国民,市などの行政単位においてはその住民をさす。ただし本来の意味は多岐にわたり,古代都市国家や中世都市においては政治経済的特権を保持した自由民をさした。 A
citizen  広い意味では,都市の構成員を指す。ただ,都市は時代によって存在のしかたを異にするため,市民の具体的意味も時代によって異なる。古代ギリシアにおいては,市民は文字どおり都市国家の構成員を意味した。そこでは,市民は今日の国民とほぼ同義である。ヨーロッパの中世においては,市民は城塞の中に住む人たちを意味した。市民がブルジョアbourgeoisとも呼ばれるのは,bourg(城)の中に住む人たちであるからにほかならない。 B
citizen  ヨーロッパ古典古代の都市国家と中世都市との諸特権を享受する者、および近代国家における主権に参与する者。しかし近代以前において市民を成立させるような都市たるためには、都市が自分自身の裁判所をもち、かつ少なくとも部分的に自分自身の法をもち、少なくとも部分的な自律性をもった性格をもち、市民自身がなんらかの仕方でその任命に参与するような官庁による行政をもっていることが必要であった。これらの権利は、過去には一般に身分制的特権という形をとり、これらの権利の担い手としての特別の市民身分が、政治的意味でのヨーロッパの都市の特徴をなした。
 近代以前の都市においては、門閥に対抗する非貴族的市民の民主的運動が、門閥支配の排除を生み、市民団体の形成を促した。しかし官職就任資格や元老院議員資格や投票権の同格を意味せず、人格的に自由で定住権をもつ全家族が市民団体に受け入れられたわけでもない。ローマは別として、市民団体には被解放者は所属できず、また市民の同格性も、投票権や官職就任資格に、地代額と軍事能力、ついで財産額に応じて段階づけがなされることによって破られていた。古代市民と中世市民との相違は、前者が政治人であったのに対し、後者が経済人への道を歩んだ点にある。
 フランス革命の際、1789年8月26日「人間と市民の権利の宣言」
(いわゆる「人権宣言」)が決議され、その第6条で法の前での平等な市民という原則がうたわれたが、91年のフランス憲法は、少なくとも3日分の賃金に等しい租税を払う能動市民と、この条件を満たさない受動市民とを区別し、後者は選挙権を奪われた。この資格制限選挙制度が最終的に廃止されたのは1848年のことである。市民は、単に都市の住民を意味するブルジョアと異なり、主権に参加する者として市民なのである。[古賀英三郎]
『M・ウェーバー著、世良晃志郎訳『都市の類型学』(1964・創文社)』
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公民 citizen  公民は、政治に参加することができる人々のことである。市民国民住民人民などの単語と似たような意味を持つが、それぞれの区別に注意を要する。
 政治への参加の意味合いから「市民」と言い換えられることも多いが、厳密には参政権、特に選挙権被選挙権があることをもって公民と呼ぶことが多い。このため、ほとんどの公民という言葉は、市民におきかえることが可能であるが,市民は多義的であるため,特に上記意味を強調したい場合には公民と呼ぶことがある。
 なお、中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国中華民国では国民、国籍者の意味で憲法上公民という語が使われている。
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国民 nation  国民とは、に属する個々の人間を指す場合と、国に対応する人間集団をまとめて指す場合とがある。共産主義的なニュアンスを嫌うなどの理由で人民(people)の言い換えとして用いられることも多いが、外国人を含むかどうかなど意味合いも変わるため、「国民」ではなく「人々」などと言い換える場合もある。

国民:国籍を持つ人 (national, citizen)
国民:政治共同体 (nation)
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人民 people  人民は、法学政治学の用語で、一定領域において特別な政治的権限を持たないただの人のことをいう。

「人民」と「国民」
 「人民」と「国民」は、意味が区別される。国籍と無関係な概念が「人民」、ある国の国籍を持つ者が「国民」である。
 エイブラハム・リンカーンが1863年に行った「ゲティスバーグ演説」に民主主義の本質を語ったものとして世界的に知られる「
人民人民による人民のための政治(government of the people, by the people, for the people)」という有名な一節があるように、本来「人民」の語は民主主義の主体を示す用語として用いられた。20世紀前半以降、共産主義運動や共産諸国家では、国際共産主義の立場から「国民(nation)よりも「人民(people)を好んで用い、そのため本来の語義を離れて「人民」という言葉に、共産主義のイメージが感じ取られる場合が多くなった。特に毛沢東時代の中国共産党において人民とは、国民から漢奸や反革命分子を除いて指すやや狭い概念であった。そこには黒五類や臭九類などと呼ばれた、反革命階級出身者(成分)への敵視があった。
 日本の左翼勢力は、戦前から「人民」の語を用いていたが、おおむね1930年代前半まではさほど頻繁にではなかった。しかし、1930年代、特に後半となると、それぞれ封建主義ファシズムの含みもある「臣民」・「国民」の概念を脱却するべく「人民」の呼称を積極的に用いた。また、終戦後にそれまで弾圧されていた左翼勢力が解放されると、「人民共和政府」「人民大衆」「人民闘争」など左翼的・階級的な「人民」を含む表現が多用されるようになった。しかし暴力闘争路線が市民多数派に敬遠されるようになると、議会主義路線の左翼政党は極左的な印象を避けるべく人民という言葉の使用を控えるようになった。
 上の経緯から現代日本では通常は「人民」という言い方は避けられ、「国民」という言葉が用いられる。日本の政党政治団体で、少なくとも国会に議席を有するものでは、人民を党名にかぶせたり、政策人民という語を使うことはほとんど無い
日本人民沖縄人民が議席を獲得した希少な例である。ただし、日本人民右翼政党であり、二重の意味で希有と言える)。また、国民新党の英語名称はThe People's New Partyであり、直訳すれば「人民新党」となる。しかし、日本語名称で「人民」は使っていない。
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大衆    大衆とは、社会を占める「大多数の・大勢を占める」とされる人々、またはそれに属する個人を指す言葉である。類義語には主に政治用語として使用する民衆、危機管理の対象としては群衆などがある。また国家という単位に於いては、国民も同語に類される。政治学、社会学などの社会科学分野においては大衆匿名性を帯びた無責任な集団としての意味合いを持ち、顕名性をもつ市民との対比で用いられる。 @
公衆    公衆とは共通の関心で結ばれている組織化されていない集団である。

社会科学における公衆
 タルドによると公衆とは、メディアの発達により成立する集団であり、それを構成する人々が物理的に近接しなければ存在できない群衆に対し空間的に分散して存在することが可能でありメディアを利用したコミュニケーションによって間接的接触によりつながりを保ち集団を形成する。また、群衆は共通の関心のみに自己を引き入れることが出来るのに対し公衆は共通の関心の対象を持ちながらも幾つかの公衆に自己を分割できるという特徴も併せ持っている。なお、先述の通り公衆は共通のメディアで結ばれているので偏見群衆としての直接行動も考えられるが逆に冷静に判断した上での行動も可能なため、総合的に見ると理性的な判断ができるとされる。そもそもタルドはル・ボンが提示した群衆を批判して民主政治の担い手としての理想の集団とし、この論を提出したが後にリップマンによってこの概念は否定された。

法律用語としての公衆
 特許法における公衆とは、不特定多数の者を意味する。また著作権法における公衆には、特定かつ多数の者が含まれる。
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public  共通の関心で結ばれているが,拡散して組織化されていない集団。ただし,同じく未組織集団であるが,集合密度の高い群衆とは対照的に区別される。 G.タルドによれば,群衆の場合,その成員が空間的にまた物理的に近接していなければ存在できないのに対し,公衆は分散して存在することができ,コミュニケーション手段の進歩により間接的接触で集団を形成する。 A
public  メディアを用いたコミュニケーションで結ばれている人間集団。ル・ボンが〈現代は群集の時代だ〉と否定的に規定したのに対し,タルドが〈現代は公衆の時代だ〉と反論し,公衆を社会学,社会心理学の用語にした。タルドにおける公衆のイメージは〈拡散した群集〉であり,したがってタルドは公衆にも,群集についてと同様,情緒的・非合理的・付和雷同的などのレッテルをはっている。ただし公衆群集と違って烏合の衆ではない。散らばっていて,同一のメディア(タルドが実際に念頭に置いていたのは数千部,せいぜい数万部の――どちらかというと党派性の強い――政治新聞)で結ばれているだけだから,ときには党派的意見,偏見,センセーショナリズムの扇動で暴発することもあろうが(そのときには群集として行動するだろう),もっと冷静に判断し,行動する余地もある。 B
public  群集crowdと対比される概念。公衆の古典的定義を提示したのはフランスの社会心理学者G・タルドである。公衆とは「純粋に精神的な集合体で、肉体的には分離し心理的にだけ結合している」社会的集合体であって、「公衆の成立は、群集の成立よりもずっと進んだ精神的、社会的な進化を前提とする」と、彼は述べた。タルドの概念化した公衆の特徴は次のようなものであった。
(1)公衆は間接的接触の集団である。
(2)公衆は地域的に拡散し、無限の広がりをもつ集団である。
(3)人々は多数の、ときに相対立しあう公衆に同時に所属することができる。
(4)公衆を結び付ける紐帯は彼らの信念と感情の類似性とともに、その信念と感情を共有しあっているという各自の自覚である。
(5)公衆は信念と思想に基づき行動し、知性的である。
(6)公衆はジャーナリズムの発達とともに成立する。
 タルドの公衆論は多分に散文的であったし、その公衆概念が群集の尾骨を引きずっていたことも否定できない。民主主義社会における世論public opinionの担い手としての公衆の理念像を鮮やかに描き出したものとして、アメリカの社会学者C・W・ミルズの論述が光っている。彼は公衆社会の特徴として、以下の点を指摘した。
(1)意見の受け手とほとんど同程度に多数の意見の送り手がいること。
(2)公的に表明されるいかなる意見に対しても、ただちに効果的に反応できる機会を保障する公的コミュニケーションが存在すること。
(3)自由な討論を通じて形成される意見を効果的な行動に、必要な場合には支配的権威秩序に対抗する行動として実現できる回路が制度的に組み込まれていること。
(4)制度化された権威が公衆に浸透しておらず、公衆としての行動に多かれ少なかれ自律性が保たれていること。
 ミルズは公衆の主体性、自律性、能動性をひときわクローズアップさせた点で、タルドの公衆概念をより精緻化したといえよう。
 だが、同時に、ミルズは公衆大衆massとの対比においてとらえ、「公衆大衆への転化」を現代社会の主要な趨勢であると主張していることも見落とせない。「公衆大衆となり、さらにときとしては群集となる」。好むと好まざるとにかかわらず、現代社会は公衆の新たなる群集化というパラドックスに直面せざるをえないのである。他方、ポストブルジョア市民社会の普遍的展開とともに、公衆は「市民」としてよみがえり、概念的再構築化が企図されつつあることにも注視すべきであろう。[岡田直之]
『C・W・ミルズ著、鵜飼信成・綿貫譲治訳『パワー・エリート』上下(1958・東京大学出版会) ▽ジョン・デューイ著、阿部斉訳『現代政治の基礎――公衆とその諸問題』(1969・みすず書房) ▽坂本義和著『相対化の時代』(岩波新書) ▽佐伯啓思『「市民」とは誰か――戦後民主主義を問いなおす』(PHP新書) ▽ガブリエル・タルド著、稲葉三千男訳『世論と群集』新装版(1989・未来社)』
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