志賀(2003)による〔『鉱物資源論』(1-2p)から〕


目次

第T章 鉱物資源と鉱物資源問題

1 鉱物資源とは
 鉱物資源とは天然の岩石や鉱物、およびそれらが半ば加工されたものを言い、大きく金属と非金属に分けることができる(第T-1図)。非金属には、建築材料などとして用いられる花崗岩、安山岩、大理石などの岩石類、陶磁器、煉瓦、瓦などの原料として用いられる粘土類、宝飾品として用いられるダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの宝石類、土木材料として用いられる土、砂などがある。
第T-1図 鉱物資源の分類
鉱物資源 金属 アルカリ金属
アルカリ土類金属
遷移金属
非鉄金属 ベースメタル
レアメタル(希少金属)
プレシャスメタル(貴金属)
非金属

 一方、金属は、元素の周期表に従って、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属に分類される。遷移金属は、いろいろな分類の仕方があるが、産業界でよく使われている分類によれば、まず鉄と鉄でない金属(非鉄金属と言う)に分けられる。非鉄金属は種類が多く、物理的・化学的性質もさまざまで、消費量の多少や用途の違いによってベースメタル(base metal)、レアメタル(rare metal)およびプレシャスメタル(precious metal)に分類される。
 ベースメタルとは、建築材料、機械類などに多量に使用される基礎的な金属を言い、代表的なものにアルミニウム、銅、鉛、亜鉛などがある。レアメタルは、希少金属とか希金属とも言われ、地球上に存在量が少ない金属や、量は多くても経済的・技術的に純粋なものを取り出すのが難しい金属を総称するもので、その定義は明確でなく、一部はアルカリ金属やアルカリ土類金属にも及ぶ(第T-1表:略)。代表的なものに、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステンなどがある。鉄やベースメタルにレアメタルを少量添加することにより、特殊な性質を持つ合金(錆びない金属、熱に強い金属、強靭な金属など)や化合物をつくることができる。レアメタルはこのような特性を有することから「産業のビタミン」と言われ、原子力、航空・宇宙産業、精密機械、軍事産業などの先端産業に幅広く用いられている。プレシャスメタルは、貴金属とも言われ、金、銀、白金などがこれに属し、宝飾品、先端産業などに使用される。なお、金属ではないが、レアメタルと同様先端産業に不可欠な元素にレアアース(rare earth element、希土類とも言う)と呼ばれる一群の元素がある。これらは、ランタン、セリウム、テルビウムなど、周期表で原子番号が57から71までのランタノイドを言う(第T-1表:略)。
 本書で扱う鉱物資源は主として鉄と非鉄金属である。』


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