鉱物資源論

目 次


第T章 鉱物資源と鉱物資源問題
第U章 未開発鉱物資源−深海底および南極−
第V章 鉱物資源探査、鉱山開発および採鉱
第W章 選鉱
第X章 製錬および精製
第Y章 鉱物資源開発と環境問題
第Z章 南極の鉱物資源開発問題−「開発」と「環境」をめぐって−
第[章 鉱物資源の需給構造
第\章 資源ナショナリズム
第]章 南北問題−対立から相互依存へ−
第XI章 依然として続く先進国による発展途上国の鉱物資源支配−何が発展途上国の経済開発を阻んできたか−
第XII章 深海底鉱物資源開発問題−国連海洋法条約と南北対立−
第XIII章 日本周辺海域の海洋鉱物資源に対する主権的権利−海洋鉱物資源開発のもう一つの問題−
第XIV章 日本の鉱物資源政策
第XV章 人類はいかにして鉱物資源を確保していくか3大鉱物資源問題と5分野8目標


第T章 鉱物資源と鉱物資源問題

鉱物資源とは

鉱物資源の生成と生成時代
2.1  鉱床の生成

2.1.1

  秩父鉱山の例

2.1.2

  菱刈鉱山の例

2.2
 鉱床の生成時代

鉱物資源問題

3.1  枯渇問題
3.2  環境問題
3.3  利害対立問題 10

まとめ 11
文献 12

第U章 未開発鉱物資源−深海底および南極− 13
深海底鉱物資源 13

1.1
 マンガン団塊 13

1.1.1

  産状 13

1.1.2

  発見 15

1.1.3

  分布 15

1.1.4

  成分 16

1.1.5

  賦存量 17

1.1.6

  起源 17

1.2
 コバルト・リッチ・クラスト 18

1.2.1

  産状 18

1.2.2

  発見 20

1.2.3

  分布 20

1.2.4

  成分 21

1.2.5

  賦存量 22

1.2.6

  起源 23

1.3
 海底熱水鉱床 23

1.3.1

  産状 24

1.3.2

  発見 25

1.3.3

  海底熱水鉱床に産出する鉱物 28

1.3.4

  海底熱水鉱床の鉱物学的分類とその分布 28

1.3.5

  海底熱水鉱床の生成過程 31

1.3.6

  成分 32

1.3.7

  賦存量 32
南極の鉱物資源 33

2.1
 種類と分布 33

2.1.1

  石炭 33

2.1.2

  縞状鉄鉱層 33

2.1.3

  デュフェク塩基性層状貫入岩体 34

2.1.4

  ポーフィリー型銅・モリブデン・金鉱床 35

2.1.5

  石油・天然ガス 35
2.2  周辺大陸からの類推 35

まとめ 35
文献 37

第V章 鉱物資源探査、鉱山開発および採鉱 41
探査 41

1.1
 リモートセンシング探査 41

1.2
 地質探査 42

1.3
 地球化学探査 42

1.4
 物理探査 43

1.5
 試錐探鉱 46

1.6
 菱刈鉱山における探査の例 46
鉱山開発 49
採鉱 51

3.1
 概要 51

3.2
 菱刈鉱山の採鉱の例 52
まとめ 52
文献 53

第W章 選鉱

55
選鉱とは 55
前処理−粉砕工程および磨鉱工程− 56
選鉱 57

3.1
 磁性の差を利用する方法−磁力選鉱法− 57

3.1.1

  概説 57

3.1.2

  磁力選鉱機 57

3.2
 比重の差を利用する方法−比重選鉱法− 60

3.2.1

  概説 60

3.2.2

  振動式テーブル選鉱法 60

3.2.3

  砂金採取の例 61

3.3
 水に対する鉱物表面の濡れやすさの差を利用する方法−浮遊選鉱法− 62

3.3.1

  概要 62

3.3.2

  浮選剤 64

3.3.3

  斑岩銅・モリブデン鉱石の浮遊選鉱の例 65

3.3.4

  複雑硫化鉱(黒鉱)の浮遊選鉱の例 65
まとめ 69
文献 69

第X章 製錬および精製 71

製錬・精製とは 71

鉄の製錬と精製 71

2.1
 原料の事前処理−焼結鉱とコークスの製造− 71
2.2  製銑 73
2.3  製鋼 75
2.4  圧延 76
2.5  鋼のいろいろ 77

銅の製錬と精製 77
3.1  Outokumpu式自溶炉法 77

3.1.1

  溶錬工程 78

3.1.2

  製銅工程および精製工程 79
3.1.3   電解精錬 80
3.1.4   陽極スライムからの金、銀などの回収 80

3.2
 三菱式連続製銅法(MI法) 81

3.3
 溶媒抽出−電解採取法(SX−EW法) 81
3.3.1   概説 81
3.3.2   リーチング 82
3.3.3   溶媒抽出 83
3.3.4   電解採取 84
3.3.5   SX−EW法の特徴 84

金・銀の製錬と精製 85
4.1  乾式法 85
4.2  アマルガム法 86
4.3  青化法 86
4.4  CIP法 86
4.5  ヒープリーチング−CIP法 87

まとめ 87
文献 88

第Y章 鉱物資源開発と環境問題 89

地球環境問題に関する国際世論の高まり 89

「開発」と「環境」 91

鉱物資源開発と環境汚染 91
3.1  浮遊選鉱に伴う環境汚染 92

3.1.1

  尾鉱 92

3.1.2

  選鉱廃液 93
3.2  鉄の製錬に伴う環境汚染 93

3.2.1

  煤塵 93

3.2.2

  硫黄酸化物 93

3.2.3

  二酸化炭素 95

3.2.4

  スラグ 97
3.3  銅の製錬に伴う環境汚染 97
3.4  銅の電解製錬に伴う環境汚染 98

日本の「鉱害」 98
4.1  時代背景 98
4.2  環境汚染の種類と汚染源 99
4.3  被害のいくつかの例 101

4.3.1

  銅鉱山の例 101

4.3.2

  亜鉛精錬所の例 101
4.3.3   鉛・亜鉛精錬所の例 102
4.3.4   鉛・亜鉛鉱山の例 102
4.3.5   ヒ素鉱山の例 102

日本の教訓を生かす 103

まとめ 103
文献 104

第Z章 南極の鉱物資源開発問題−「開発」と「環境」をめぐって− 107

はじめに 107

南極の歴史の区分 107

第T期:探検時代 108

第U−1期:領土・軍事問題と南極条約締結 110
4.1  南極条約締結までの経緯 110

4.1.1

  領土・軍事問題 110

4.1.2

  国際地球観測年(IGY) 112

4.1.3

  南極条約の締結 112
4.2  南極条約の内容 112

第U−2期:鉱物資源開発問題と南極鉱物資源活動規制条約締結 113
5.1  南極鉱物資源活動規制条約締結までの経緯 113
5.2  南極鉱物資源活動規制条約の内容 114
5.3  協議国以外の組織等の取り組み 115

5.3.1

  国連等 115

5.3.2

  シンポジウム、ワークショップ等 115

5.3.3

  民間の環境団体 116

第U−3期:環境問題と南極条約環境保護議定書締結 116
6.1  地球環境と南極環境 116
6.2  資源開発から環境保護へ−南極鉱物資源活動規制条約棚上げ− 117
6.3  南極条約環境保護議定書締結までの経緯 117
6.4  南極条約環境保護議定書の内容 118

なぜ南極の鉱物資源が開発されようとしたのか 119
7.1  その背景 119
7.2  先進国における南極鉱物資源開発の意義 119

まとめ 120
8.1  南極は、自然環境だけでなく、政治的にも経済的にもデリケート 120
8.2  なぜ南極で鉱物資源開発ができなくなったのか 120
8.3  外部パートナーとの連携 121
文献 122

第[章 鉱物資源の需給構造 123
はじめに 123
金属別需給構造 123

2.1
 銅 123

2.1.1

  鉱石生産量 123

2.1.2

  地金生産量 124

2.1.3

  地金消費量 125
2.2  鉛 125
2.2.1   鉱石生産量 125
2.2.2   地金生産量 126
2.2.3   地金消費量 126
2.3  亜鉛 127
2.3.1   鉱石生産量 127
2.3.2   地金生産量 127
2.3.3   地金消費量 128
2.4  アルミニウム 128
2.4.1   鉱石(ボーキサイト)生産量 128
2.4.2   地金生産量 129
2.4.3   地金消費量 129
2.5  ニッケル 130
2.5.1   鉱石生産量 130
2.5.2   地金生産量 130
2.5.3   地金消費量 131

国別需給構造 131
3.1  アメリカ 131
3.1.1   自給率 131
3.1.2   輸入の形態と依存先 140
3.2  イギリス 140
3.3  フランス 141
3.4  ドイツ 141
3.5  日本 141
3.5.1   自給率 141
3.5.2   輸入の形態と依存先 142

まとめ 143
4.1  金属別需給構造 143
4.2  国別需給構造 144
文献 145

第\章 資源ナショナリズム 147
発展途上国における一次産品の経済的位置付け 147
発展途上国における鉱物資源開発の歴史的経緯 149
資源ナショナリズムの展開 149
鉱山の国有化 151
4.1  コンゴ民主共和国 151
4.2  ザンビア 151
4.3  チリ 151
4.4  ペルー 153

資源カルテル 153
5.1  カルテル化の背景 153
5.2  銅輸出国政府間協議会(CIPEC) 154
5.3  国際ボーキサイト連合(IBA) 155
5.4  タングステン生産国連合(PTA) 155
5.5  鉄鉱石輸出国連合(AIEC) 156
5.6  水銀生産者グループ(IGMPC) 157
5.7  錫生産国同盟(ATPC) 157

まとめ 157
文献 158

第]章 南北問題−対立から相互依存へ− 159
南北問題と国連貿易開発会議(UNCTAD) 159
1.1  南北問題の起こり−南北経済格差の拡大− 159
1.2  南北問題解消に向けて−UNCTADの開催とプレビッシュ報告− 159
1.3  UNCTADの新しい国際貿易原則 160
1.4  UNCTADの目的および組織 161

新国際経済秩序(NIEO)の樹立に関する宣言 162

UNCTAD一次産品総合計画(IPC) 163
3.1  一次産品共通基金(CF) 164
3.2  国際錫協定(ITA) 164
3.3  UNCTADタングステン委員会 166
3.4  UNCTAD鉄鉱石委員会 166

非鉄金属関連の国際商品研究会 167
4.1  国際鉛・亜鉛研究会(ILZSG) 167
4.2  国際ニッケル研究会(INSG) 168
4.3  国際銅研究会(ICSG) 168
4.4  国際錫研究会(ITSG) 169

まとめ 170
文献 171

第XI章 依然として続く先進国による発展途上国の鉱物資源支配−何が発展途上国の経済開発を阻んできたか− 173
はじめに 173

世界の鉱物資源の開発体制 173
2.1  発展途上国はかつて自力で鉱物資源開発を行うことをめざした 173
2.2  発展途上国で鉱物資源開発を行っているのは今も先進国企業である 173
2.3  先進国企業に対する発展途上国の「投資措置」とその後退 175

「南北分業」体制と貿易制度 177
3.1  発展途上国はかつて南北経済格差や赤字の解消のために貿易制度の改善をめざした 177
3.2  「南北分業」体制下では南北経済格差は拡大する 177
3.3  現在、鉱物資源の関税制度はどのようになっているか 179

3.3.1

  概要 179

3.3.2

  一般特恵・LDC特恵と産業保護 179

発展途上国は当初の目的を達成できたか 181

新ラウンドに臨んで−発展途上国の側から− 182

日本の鉱物資源産業の方向−「おわりに」に代えて− 183
文献 184

第XII章 深海底鉱物資源開発問題−国連海洋法条約と南北対立− 185
はじめに 185

国連海洋法会議の経緯 185
2.1  ジュネーブ海洋法4条約 185
2.2  深海底制度に関するマルタの提案 188
2.3  深海底を律する原則宣言 188
2.4  国連海洋法条約 189

深海底鉱物資源の帰属 191

深海底鉱物資源の開発制度 191
4.1  深海底鉱物資源探査・開発の基本的条件 191

4.1.1

  探査・開発申請の手続き 191

4.1.2

  申請の条件 192

4.1.3

  業務計画の承認要件 192
4.2  先行投資決議 192

4.2.1

  先行投資者としての申請の条件 193

4.2.2

  先行投資者の義務 193

4.2.3

  先行投資者の権利 194
4.3  条約第11部の実施協定 194

世界の取り組み 195

条約をめぐる南北対立 197

国際海底機構の最近の活動状況 198
7.1  マンガン団塊のマイニングコードの制定について 198
7.2  国際海底機構における今後の審議の方向 199

深海底鉱物資源開発問題の根底にあるもの 199
8.1  発展途上国における資源ナショナリズム 199
8.2  先進国の事情−資源の安定確保をめざして− 201

深海底鉱物資源の探査・開発について思うこと−「おわりに」に代えて− 201
9.1  深海底鉱物資源開発はリスクの高い事業だ 201
9.2  日本にとっての深海底鉱物資源開発の今日的意義 202
文献 203

第XIII章 日本周辺海域の海洋鉱物資源に対する主権的権利−海洋鉱物資源開発のもう一つの問題− 205
はじめに 205

沿岸国の管轄権の及ぶ範囲 205
2.1  領海 205
2.2  EEZ 205
2.3  大陸棚 206
2.4  島 207

日本のEEZおよび大陸棚 207
3.1  排他的経済水域及び大陸棚に関する法律 207
3.2  日本の大陸棚調査 207
3.3  日本の管轄権の及ぶ範囲 208

日本が抱える近隣諸国との境界問題 209
4.1  尖閣諸島をめぐる日本−中国−台湾間の領有権問題 209
4.2  東シナ海における日中間のEEZおよび大陸棚の境界問題 209
4.3  竹島をめぐる日本−韓国間の領有権問題 209
4.4  北方四島に関する日本−ロシア間の領有権問題 209
4.5  その他の境界問題 210

日本近海の海洋鉱物資源の帰属 210

まとめ 211
文献 211

第XIV章 日本の鉱物資源政策 213
日本の非鉄金属産業 213
1.1  鉱山業 213
1.2  製錬業 214

日本の鉱物資源政策の背景・概要と実施体制 214
2.1  背景と概要 214

2.1.1

  国内事情−需要の増大− 214

2.1.2

  国外事情−供給不安− 214

2.1.3

  日本の鉱物資源政策の概要 216
2.2  鉱物資源政策の実施体制 217

国内資源の探査・開発 220
3.1  広域地質構造調査・精密地質構造調査 220
3.2  希少金属(レアメタル)鉱物資源賦存状況調査 224

海外資源探査 226

深海底鉱物資源探査 228
5.1  任意団体「深海底鉱物資源開発懇談会」の設立と活動 228
5.2  DOMAの設立と活動 228
5.3  技術研究組合「マンガン団塊採鉱システム研究所」の設立と活動 230
5.4  DORDの設立と活動 230

探査技術開発 232
6.1  陸上鉱物資源の探査技術の開発 232
6.2  深海底鉱物資源の探査技術の開発 232

「鉱害」防止 233
7.1  「鉱害」防止に必要な資金の融資など 233
7.2  「鉱害」防止工事など 234
7.3  坑廃水処理技術開発 234

備蓄 234
8.1  ベースメタル備蓄 235
8.2  レアメタル備蓄 235

国際協力(ODA技術協力事業) 238
9.1  資源開発協力基礎調査・レアメタル総合開発調査・地域開発計画調査など 238
9.2  海洋資源調査 240

10

まとめ 241
文献 241

第XV章 人類はいかにして鉱物資源を確保していくか−3大鉱物資源問題と5分野8目標− 243
はじめに 243

鉱物資源の恒久的確保のための理想的目標 243

鉱物資源問題対策の5分野8目標 243

低品位鉱から有用金属を回収する技術の開発 245
4.1  天然には一般に金属品位の低い鉱石ほど多量に存在する 246
4.2  技術の進歩が低品位鉱の資源化を可能にし、資源量を増やした例 246
4.3  期待される技術開発の方向 247

4.3.1

  乾式製錬法による低品位鉱の資源化 247

4.3.2

  湿式法による低品位鉱の資源化 249

土や普通の岩石から有用金属を回収する技術の開発 249

金属スクラップの再資源化技術の開発 252
6.1  鉱物資源開発としてのリサイクリング 252
6.2  金属スクラップのリサイクリングの現状 252
6.3  日本にとっての金属スクラップの再資源化の意義 254

広報および教育活動の展開 255

発展途上国開発 255

先進国の産業構造調整 256

10

鉱物資源問題における先進国の役割−まとめに代えて(1)− 257
10.1  技術開発面での先進国の役割 257
10.2  生産・流通面での先進国の役割 257
10.3  環境面での先進国の役割 258

11

日本の鉱物資源政策の方向−まとめに代えて(2)− 258
11.1  この40年間に世界の鉱業を取り巻く情勢は大きく変わった 258

11.1.1

  南北関係 258

11.1.2

  東西関係 259
11.2  この40年間に日本の鉱業事情も大きく変わった 259
11.3  今後の方向 260
11.3.1   技術開発の推進 260
11.3.2   自由貿易の推進 260
11.3.3   国際協力の推進 260
文献 261
付表 263
索引 279



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