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水銀（Hg）　Mercury

• 『紀元前500年以前から知られていた元素で、Hgの元素記号はラテン語の“liquid silver”に対応する語から、mercuryの元素名はローマ神話からとられた。』

同位体

同位体 *印は天然放射性同位体	質　量	存在度 〔原子百分率〕 （　）内の数字は誤差
196Hg	195.965814	0.15（1）
198Hg	197.966752	9.97（20）
199Hg	198.968262	16.87（22）
200Hg	199.968309	23.10（19）
201Hg	200.970285	13.18（9）
202Hg	201.970625	29.86（26）
204Hg	203.973475	6.87（15）

放射性核種 （放射性同位体） mは準安定状態	半減期	壊変形式
197mHg	23.8時	核異性体転移、 軌道電子捕獲
197Hg	64.14時	軌道電子捕獲
203Hg	46.612日	β-壊変

電子構造

原子 番号	元素	原子の基底状態の 電子配置	原子の 基底状態	第1イオン化電位 E i1/V	イオンの 基底状態	第2イオン化電位 E i2/V
80	Hg	{[Xe]4f145d10}6s2	1S	10.437	2S	18.757

物理的特性

物理的特性

原子番号		80
原子量		200.59
結晶構造
密度	kg・m-3（×103）	13.546（液体、20℃） 14.195（固体、-38.8℃）
融点	℃	-38.842
沸点	℃	356.58
抵抗率（0℃）	Ω・m（10-8）	94.1
抵抗の温度係数（0〜100℃）	℃-1
熱伝導率（0℃）	W・m-1・K-1	7.8
比熱（298.15K）	J・K-1・mol-1	27.98（液体）
熱膨張率（293K）	K-1
ヤング率	Pa

産状

【地圏】（mg/kg）

• 花崗岩：0.08。玄武岩：0.012。土壌：0.06。頁岩：0.18。石灰岩：0.16。砂岩：0.29。
• 普通鉱物：辰砂（HgS）。

【水圏】（mg/kg）

• 海水：0.00003。淡水：0.0001。

【気圏】

• 空気：0.009〜38ng/m³。

【生物圏】（mg/kgDM）

• 陸上植物：0.005〜0.02。可食野菜：0.013〜0.17。哺乳動物の筋肉：0.02〜0.7。哺乳動物の骨：0.45。海藻：0.03。海水魚：0.4。
• 蓄積者：樹木Betura papyrifera（カミカンバ）とMinuartia setacea（タカネツメクサ属の一種）？　哺乳動物の腎。天然化合物：CH3HｇCl、Hg(CH3)2およびC2H5HgCl。毒性：人間には0.4mg/日で有毒、150〜300mg/日で致死量。菌類と植物に非常に有毒。機能：-SH基と反応し酵素を阻害する。

【その他】

• 年循環量　天然：0.2〜3.7。採鉱量：8.4×10⁹g/年（および化石燃料の燃焼により8.4×10⁹g/年）。
• 総説：土壌中のHg、Shackletteら（1971）；植物中のHg、Shacklette（1970）；食物中のHg、MOAFF（1971）、SchelenzとDiehl（1973）；水中での循環、Fagerstrom（oの頭に¨）とJernelov（oの頭に¨）（1972）；環境中のHg、D'Itri（1972）、Holden（1972）；汚染、TsubakiとIrukayama（1977）；人間中のHg、Prasad（1976）。

リンク

• 水俣病関連は『公害とは』のページを参照。
• Mercury　　http://www.osha-slc.gov/SLTC/mercury/index.html
  　U.S. Department of LaborのOccupational Safety & Health Administrationによる『Safety and Health Topics』の『Toxic Metals』の中のページ。
• 平成１４〜１５年度魚類に含まれる水銀の実態調査（平成１４年度分中間報告）について　　http://www.jfa.maff.go.jp/release/15.06.02.2.html
  　水産庁増殖推進部漁場資源課による。
• 国際専門家会議（JECFA）におけるカドミウム及びメチル水銀の評価結果について　　 http://www.maff.go.jp/www/press/cont/20030627press_8.htm
  　農林水産省（平成１５年６月２７日）による。
• １５．水銀 　　http://www.fsinet.or.jp/~k-center/hormone/sheet/026.htm
  　かながわの環境の環境ホルモン情報集の『個別物質に関する情報』の中のページ。
• 水銀　神経毒物　　http://www2.sala.or.jp/~bandaikw/child/metal/merucu.htm
  　渡部和男氏による環境汚染問題の中の『重金属』の中のページ。
• さらに水銀を減らす努力を　　http://www.kcn.ne.jp/~gauss/env/tb1.html
  　別処珠樹氏による。月刊 『生活と環境』 ０３年４月号。
• 水銀　　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%8A%80
  　フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』の中のページ。
  Mercury　　http://en.wikipedia.org/wiki/Mercury_%28element%29
  　Wikipedia, the free encyclopediaの中のページ。

文献

• D'Itri,F.M.(1972): “The Environmental Mercury Problem”, Chem.Rubber Co., Cleveland, Ohio.
• Fagerstrom（oの頭に¨）,T. and Jernelov（oの頭に¨）,A.(1972): Water Res., 6, 1193.
• Holden,A.V.(1972): “Mercury Contamination in Man and his Environment”, p.143, Tech.Rept., 137, I.A.E.A., Vienna.
• MOAFF(1971): Survey of mercury in food, H.M.Stationery Office, London.
• Prasad,A.S.(ed.)(1976): “Trace Elements in Human Health and Disease”, Academic Press, London, New York.
• Shacklette,H.T.(1970): U.S.Geol.Surv.Prof.Paper, 713, 35.
• Shacklette,H.T., Boerngen,J.G. and Tumer,R.L.(1971): U.S.Geol.Surv.Cire., 644.
• Schelenz,R. and Diehl,J.F.(1973): Z.Lebensm.Unters.Forsch., 151, 369.
• Tsubaki,T. and Irukayama,K.(eds.)(1977): “Minamata Disease”, Elsevier, Amsterdam, London, New York.