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ヒ素（As）　Arsenic

• As（砒素）については『水汚染』のページの中の『ヒ素汚染』を参照。

• 『紀元前から硫化物などの化合物は知られていたが、単体は13世紀にA.Magnusによって初めて単離されたとされている。元素名はAs2S3のギリシャ語の鉱石名に由来するとみられる。』

同位体 *印は天然放射性同位体	質　量	存在度 〔原子百分率〕 （　）内の数字は誤差
75As	74.9215966	100

放射性核種 （放射性同位体）	半減期	壊変形式
71As	65.28時	β+壊変、 軌道電子捕獲
72As	26.0時	β+壊変、 軌道電子捕獲
73As	80.30日	軌道電子捕獲
74As	17.77日	軌道電子捕獲、 β+壊変、 β-壊変
76As	26.32時	β-壊変
77As	38.83時	β-壊変

電子構造

原子 番号	元素	原子の基底状態の 電子配置	原子の 基底状態	第1イオン化電位 E i1/V	イオンの 基底状態	第2イオン化電位 E i2/V
33	As	[Ar]3d104s24p3	4S	9.81	3P0	18.63

物理的特性

物理的特性

原子番号		33
原子量		74.92160
結晶構造
密度	kg・m-3（×103）	5.73（室温）
融点	℃	817（昇華、六方）
沸点	℃	603（36気圧、六方）
抵抗率（0℃）	Ω・m（10-8）	26
抵抗の温度係数（0〜100℃）	℃-1
熱伝導率（0℃）	W・m-1・K-1
比熱（298.15K）	J・K-1・mol-1
熱膨張率（293K）	K-1
ヤング率	Pa

産状

【地圏】（mg/kg）

• 花崗岩：1.5。玄武岩：1.5。土壌：6。頁岩：13。石灰岩：1。砂岩：1。
• 普通鉱物：As2S3；As4S4；As；FeAs2。

【水圏】（mg/kg）

• 海水：0.0037。淡水0.0005。

【気圏】

• 空気：1.5〜53ng/m³。

【生物圏】（mg/kgDM）

• 陸上植物：0.02〜7（〜40）。可食野菜：0.01〜1.5。哺乳動物の筋肉：0.007〜0.09。哺乳動物の骨：0.08〜1.6。海藻：1〜30。海水魚：0.2〜10。
• 蓄積者：哺乳動物の毛と爪；多分褐藻類、ある種の海洋無脊椎動物。必須元素とする生物：紅藻類（1）、哺乳動物。天然化合物：Me3AsとHAｓMe2、アルセノベタイン（arsenobetaine）；尿中にMeAsO2H、Me2AsOHとMe3AsO。毒性：0.02〜7.5mg/lで植物に有毒；人間には5〜50mg/日で有毒、100〜300mg/日で致死量。機能：毛の生育促進？
• 注意：多分発ガン性。

【その他】

• 年循環量　天然：6〜19。採鉱量：47×10⁹g/年。
• 総説：水圏中での循環、Crecelius（1975）；動物中のAs、Underwood（1977）；人間のAs、SchroederとBalassa（1966a）；医薬中のAs、Frost（1967）；食物中のAs、Lewis（1977）；植物中のAs、Girling（1978）。

リンク

• Arsenic in Drinking Water 　　http://www.epa.gov/safewater/arsenic.html
  　USEPAの『Water』の『Ground Water & Drinking Water』の『Standards』中のページ。
• Arsenic in ground water of the United States　　http://webserver.cr.usgs.gov/trace/arsenic/
  　U.S. Geological Surveyの『Water Resources of the United States』の『National Water-Quality Assessment』の『National Analysis of Trace Elements』の中のページ。
• Arsenic　　http://www.osha-slc.gov/SLTC/arsenic/index.html
  　U.S. Department of LaborのOccupational Safety & Health Administrationによる『Safety and Health Topics』の『Toxic Metals』の中のページ。
• アジア砒素ネットワーク　　http://www.asia-arsenic.net/
  　『アジア砒素ネットワーク（AAN）は、宮崎県高千穂町土呂久鉱害の被害者を支援している市民が、アジアの砒素中毒被害者を救済するために設立した国際的な民間の援助団体です。
  今、アジアの国々には、地下水の砒素汚染によって土呂久鉱害と同じ慢性砒素中毒症で苦しむ人々がたくさんいます。
  私たちは、土呂久鉱害の被害者を支援することで学んだものを活かして、アジアの砒素中毒被害者を救済するため、１９９４年４月に、アジア砒素ネットワーク（AAN）を設立しました。2000年４月に特定非営利活動法人（NPO）の認可を受けています。』
• ＪＩＣＡ技術協力専門家養成研修テキスト「地下水のヒ素汚染」 　　http://www.asia-arsenic.net/jica.htm
  　アジア砒素ネットワーク（Asia Arsenic Network) 福岡市保健環境研究所 主席研究員 廣中博見氏による。
• インド・バングラディシュにおける地下水ヒ素汚染と健康影響　　http://shoroku.niph.go.jp/kosyu/2000/200049030007.pdf
  　安藤正典氏による。
• 神栖町木崎地区の飲用井戸ヒ素汚染について　　http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/seiei/seieitopikkusu/WaterGroup/PoisonAccident.htm
  　茨城県保健福祉部生活衛生課の中のページ。
• 飲み水中のヒ素濃度と健康影響　　http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/Sept1999/990910.html
  　東　賢一氏による住まいの科学情報センターの中のページ。
• ヒ素　　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E7%B4%A0
  　フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』の中のページ。
  Arsenic　　http://en.wikipedia.org/wiki/Arsenic
  　Wikipedia, the free encyclopediaの中のページ。

文献

• Crecelius,E.A.(1975): Limnol.Oceanog., 20, 441.
• Frost,D.V.(1967): Fed.Proc., 26, 194.
• Girling,C.A.(1978): Thesis, University of London.
• Lewis,R.G.(1977): Residue Rev., 68, 123.
• Schroeder,H.A. and Balassa,J.J.(1966a): J.Chron.Dis., 19, 85.
• Underwood,E.J.(1977): “Trace Elements in Human and Animal Nutrition”, 4th Ed., Academic Press, London, NewYork.