児嶋(2002)による〔『鉱物資源安定供給論』〕


供給障害の発生要因(非鉄金属鉱物資源)

(1)極めて偏在している【短期】
(2)価格が変動しやすい【短期】
(3)供給の寡占化が進行している【短期】
(4)他に代替することが困難である【短期】
(5)極めて希少である【中長期】
(6)開発投資のフィージビリティが低い【中長期】
(7)開発投資のアクセシビリティが低い【中長期】
(8)あらゆる鉱物資源が「国家所有の原則」下にある【根源的要因】

鉱物資源供給の現状〔日本の鉱業政策が確立した昭和40年代との比較〕

(1)非鉄メジャーの寡占化の進行【世界】
(2)中国における鉱物資源需要の急拡大【世界】
(3)先進国におけるテロリズムリスクの顕在化【世界】
(4)IT革命の進展等に伴う特定のレアメタル需要の急激な変化【世界】
(5)鉱山開発にける「持続可能な開発」概念の世界的な普及【世界】
(6)国内資源の枯渇【日本】
(7)国内製錬業の「鉱物資源産業*)」化【日本】
(8)鉱物資源産業における合従連衡の活発化【日本】

* 三菱マテリアル三井金属鉱業住友金属鉱山日鉱金属同和鉱業古河機械金属東邦亜鉛日鉄鉱業

ベースメタル製錬業が国内に存在することの意義

(1)国内製連業は、国内製造業への地金の安定供給に寄与する。
(2)国内製連業は、国内製造業の地金供給ニーズにきめ細かく対応できる。
(3)国内製錬業は、高付加価値電子材料の供給源となる。
(4)国内製連業は、地金の対日プレミアム価格を抑制する。
(5)国内製連業は、日本が循環型社会となる上で必須の存在である。
(6)国内製連業は、それ自体が世界最高水準の国際競争力を有する産業である。


目 次

序章.鉱物資源政策の確立
 第1節.鉱業政策から鉱物資源政策へ
 第2節.鉱物資源政策プラットフォーム
 第3節.特殊法人改革と鉱物資源機構
第1章.鉱物資源の安定供給の意義
 第1節.鉱物資源の安定供給はなぜ必要か
 第2節.安定供給とはいかなる状態か
 第3節.供給障害の発生要因(短期)
 第4節.供給障害の発生要因(中長期)
 第5節.供給障害発生の影響度
第2章.鉱物資源供給の現状と鉱物資源産業の役割
 第1節.鉱物資源供給の現状(世界)
 第2節.鉱物資源供給の現状(日本)
 第3節.製錬業が国内に存在することの意義
 第4節.鉱物資源産業による鉱石確保
 第5節.鉱石と地金の安定供給確保
第3章.安定供給確保のために講ずべき鉱物資源政策
 第1節.安定供給政策の体系
 第2節.廃止すべき鉱業政策
 第3節.探鉱開発の促進(中期的対策)
 第4節.市場機能の活用(中期的対策)
 第5節.レアメタルの備蓄(短期的対策)
 第6節.深海底資源の探査(長期的対策)

(参考)
「鉱物資源安定供給論」要約
「鉱物資源政策プラットフォーム」他のテーマの議論
「鉱物資源政策プラットフォーム」参加者


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