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紛争地域 | 場所 | 敵対国 | 状況 |
ワラビ島およびブビヤン島、ルマイラ油田南部 | ペルシャ湾西部 | イラク、クウェート | イラク政府は1990年のクウェート侵攻の理由の1つに、クウェート側がこれら地域に対するイラクの主権を認めようとしないことを挙げた。イラクは1994年、国連からの圧力を受けて、この主張を取り下げることに同意したが、再び主権を主張する可能性もある。 |
アブムサ島、大・小トンブ島 | ペルシャ湾東部 | イラン、アラブ首長国連邦 | イランは1971年に大・小トンブ島をラスアルハイマ(アラブ首長国連邦内の首長国)から奪った。アブムサの島についてはシャルジャ(同首長国)と共有していたが、1994年からは全島を占拠。これらの島々に対する主権を主張し、紛争の調停を拒否している。1995年以降はアブムサ島への配備兵力を増強している。 |
ハワール島およびディバール砂洲、ジャラーダ砂洲 | ペルシャ湾 | バーレーン、カタール | この区域(大規模な油田・ガス田に隣接)をめぐる紛争は国際司法裁判所に提訴されている。 |
サウジアラビア・イエメン国境 | アラビア半島 | サウジアラビア、イエメン | 1994年後半と1995年前半の国境紛争で双方に死傷者。2000年6月、両国は国境を画定する条約に署名。 |
カタール・サウジアラビア国境 | アラビア半島 | カタール、サウジアラビア | 1992年のハファス国境での武力衝突で死者3名(カタール側2名サウジアラビア側1名)。その後、両国は紛争解決に合意したが、国境の画定には至っていない。 |
サウジアラビア・アラブ首長国連邦国境 | アラビア半島 | サウジアラビア、アラブ首長国連邦 | 1998年にサウジアラビアがシャーイバ油田で石油採掘を始めたが、この油田はアラブ首長国連邦との未画定の国境上にあるため、アラブ首長国連邦が抗議、同油田を共有下に置くことを要求した。 |
ハニーシュ群島 | 紅海東南部 | エリトリア、イエメン | 豊富な石油資源があるとみられる群島の領有権をめぐり、1995年と96年に武力衝突が発生、双方に死傷者が出た。両国は第三者に紛争の裁定を委ねることに合意、1999年に群島の領有権はイエメンに認められた。 |
ハレイェブ・トライアングル | 紅海上のエジプト・スーダン国境 | エジプト、スーダン | 双方に死傷者を出した1995年6月の紛争の後、エジプト軍が紛争地域に入り、スーダンの警察と当局者を追い出した。だがそれ以前にスーダンは、カナダ企業に隣接海域での石油探査権を与えている。 |
カスピ海(海底掘削権) | カスピ海 | アゼルバイジャン、イラン、カザフスタン、ロシア、トルクメニスタン | イランとロシアは全海域での沿岸五カ国による共同開発を主張しているが、他の国々はカスピ海全体を五つの排他的経済水域に分割するよう求めている。海底掘削権をめぐる各国間の協議が続いている。 |
キヤパス(セルダール)海底油田・ガス田 | カスピ海 | アゼルバイジャン、トルクメニスタン | この油田(トルクメニスタン側はセルダール、アゼルバイジャン側はキヤパスと呼ぶ)は両国の中間に位置し、双方とも自国の排他的経済水域内であると主張している。紛争解決の協議はこれまでのところ結論に達していない。 |
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紛争地域 | 場所 | 敵対国 | 状況 |
パラセル諸島 | 南シナ海北西部 | 中国、ベトナム | 1974年にこの区域からベトナム軍が追われてからは中国が占拠。 |
スプラトリー諸島 | 南シナ海に点在 | ブルネイ、中国、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナム | 中国と台湾が全域の領有権を主張、他の国々は自国の排他的経済水域内にあると主張している。ブルネイ以外の各国が、それぞれの主張する水域にある島に軍事施設を設けている。これまで数回にわたり、武力衝突も起きている。 |
ナトゥナ海(海底掘削権) | 南シナ海南西部 | 中国、インドネシア | インドネシアは、この海域にある大規模なガス田開発権を外国のエネルギー企業に与えたが、中国も自国の領海と主張している。 |
釣魚群島(尖閣諸島) | 東シナ海 | 中国、台湾、日本 | 中国・台湾では釣魚群島、日本では尖閣諸島と呼ばれるこの島々では、右派活動家らと各国の海軍艦艇との衝突が繰り返されている(人が住める島はないが、海底油田・ガス田が周辺にある可能性があるものと見られている)。 |
ティモール海(海底掘削権) | ティモール・オーストラリア間の海域 | オーストラリア、東ティモール、インドネシア | 1989年の「ティモール開発共同条約」の下、インドネシアとオーストラリアがティモール海をそれぞれの管理区域と共有する「協力海域」に分割。しかし1999年の東ティモール独立決定とともに、オーストラリアは条約の無効を宣言。オーストラリアは東ティモール政府との新条約の交渉に臨む方針を示している。 |
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紛争地域 | 場所 | 敵対国 | 状況 |
バカシ半島 | ギニア湾 | カメルーン、ナイジェリア | 沖合に油田があると見られ、支配権の確保を狙うナイジェリアの部隊が1996年にカメルーンの警察隊と衝突。紛争は国際司法裁判所の調停に委ねられている。 |
ギニア湾内の海域 | ギニア湾 | 赤道ギニア、ナイジェリア | 赤道ギニアが領有権を主張しているザフィーロ海底油田に関して、ナイジェリアは自国領海内にまたがっていると主張。紛争解決への協議は進展していない。 |
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紛争地域 | 場所 | 敵対国 | 状況 |
パリア湾 | カリブ海南東部 | トリニダードトバゴ、ベネズエラ | 両国がともに領有権を主張する海域で、ベネズエラの海軍艇数隻がトリニダードトバゴの油田プラットフォームに接舷、トリニダードトバゴの船舶に発砲。 |
大西洋沖合 | ガイアナ・スリナム沿岸域 | ガイアナ、スリナム | 2000年6月、スリナムの海軍艇数隻が紛争海域からカナダ企業所有の石油掘削船を退去させた。紛争解決への協議は進んでいない。 |
出典:米エネルギー省の「Country Analysis Brief」、『The Economist』『ニューヨーク・タイムズ』その他の掲載記事に基づき、著者が編集した。 | |||