はじめに
第一部 淡水資源危機
第一章 非常警報
第二章 地球が危ない
第三章 渇きによる死
第二部 政治の策略
第四章 すべてが売りもの
第五章 グローバルな水道王たち
第六章 水カルテルの出現
第七章 グローバルな結びつき
第三部 進むべき道
第八章 反撃
第九章 立脚点
『十の原則
減少しつつある水資源を保存してこれ以上の争いごとを回避するには、戦争のあとで再建に着手したときのように、政府と地域社会が協力しあわなければならない。だが、これにとりかかる前に、行動の支えとなる原則や価値観について合意に達する必要がある。回復に向けての対話の出発点として、十の原則を紹介しよう。
1.水は地球と全生物種のものである。
2.水はできるだけ元の場所から動かさない。
3.つねに水の保全を心がける。
4.汚染された水の再生をはかる。
5.自然の集水域こそ、水を最もよく守ってくれる。
6.水は政府のあらゆるレベルで保護すべき公共信託財である。
7.クリーンな水へのアクセスは基本的人権である。
8.地域社会と住民こそ、水の最良の保護者である。
9.一般市民と政府は対等のパートナーとして水の保護にあたらなければならない。
10.経済のグローバル化政策によって水の持続可能性が確保されることはない。』
第十章 前進するために
『水の安全保障のための十ヵ条
グローバルな淡水危機に対し、幅広い環境および人的対策で武装したいま、水の国際的な安全保障運動を推進して水を商業的開発から守るときがきた。以下に示すガイドラインは、私たちの乏しい水資源を保全し、環境に好ましい公平な方法で水を分配するためのものである。
1.「水のライフライン憲法」を普及させる。
2.地域の「水共同管理評議会」を設立する。
3.「水資源国家保護法」のために戦う。
4.水の商業取引に反対する。
5.脱ダム運動を支持する。
6.IMFと世界銀行に立ち向かう。
7.水道王と対決する。
8.グローバルな公平性を呼びかける。
9.「水コモンズ決議案」を推進する。
10.「世界水条約」を支持する。』