中国の鉱物資源政策 http://www.pekinshuho.com/wxzl/txt/2007-02/07/content_55120.htm
2003年12月。
中国の鉱物資源政策 http://www.pekinshuho.com/wxzl/txt/2007-02/07/content_56345.htm
2003年12月。
http://www.pekinshuho.com/wxzl/txt/2007-02/07/content_56355.htm
2003年12月。
中国の鉱物資源政策
中華人民共和国国務院報道弁公室
2003年12月・北京
前書き
1.鉱物資源とその探査・開発現状
2.鉱物資源の保護と合理的利用の目標と原則
3.国内の鉱物資源供給能力を増強
4.鉱物資源探査・開発の対外開放と協力を拡大
5.鉱物資源開発と環境保全の協調的発展を実現
6.鉱物資源の管理を強化
前書き
鉱物資源は天然資源の重要な構成部分であり、人類社会発展の重要な物質的基礎である。新中国成立50余年来、鉱物資源の探査・開発は大きな成果をあげ、多くの鉱物資源を確認し、わりに完備した鉱産物供給システムを確立し、中国経済の持続的、快速、健全な発展のために重要な保障を提供した。現在、中国の使い捨てエネルギーの92%以上、工業原材料の80%、農業生産財の70%以上は鉱物資源から来ている。
中国は持続可能な発展と鉱物資源の合理的利用を非常に重視し、持続可能な発展を国の戦略に確定し、資源の保護を持続可能な発展の戦略の重要な内容としている。1992年の国連環境・開発会議のあと、中国政府は率先して「中国アジェンダ21――中国の21世紀の人口・環境・発展白書」を制定し、2001年4月に「全国鉱物資源計画」を認可、実施し、2003年1月から「中国の21世紀初めの持続可能な発展の行動綱要」の実施を始めた。
いくらかゆとりのある社会の全面的建設は新世紀の最初の20年における中国の奮闘目標である。中国は主に自国の鉱物資源の開発に頼って現代化建設の必要を保障している。中国政府は市場が必要とする鉱物資源、特に西部地区の強みをもつ鉱物資源の探査・開発を奨励し、それによって国内の鉱産物供給能力を向上させている。それと同時に、国外の資本と技術を導入して国内の鉱物資源を開発し、国外の市場と鉱物資源を利用して、中国の鉱山企業と鉱産物の国際市場への進出を推進することは、中国の重要な政策である。中国政府は、国外の鉱業会社が中国に進出し、中国の鉱山企業が世界に向かい、各国の資源の相互補完を実現することは、世界の鉱物資源探査・開発の共同の繁栄と健全な発展を推進することに対し重要な意義を持っていると考える。
1.鉱物資源とその探査・開発現状
中国ではこれまでに171種の鉱物資源が発見され、資源埋蔵量を確認されたものが158種あり、そのうち石油、天然ガス、石炭、ウラン、地熱などのエネルギー鉱物が10種あり、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、鉛、亜鉛などの金属鉱物が54種あり、グラファイト、燐、硫黄、カリ塩などの非金属鉱物が91種あり、地下水、ミネラル・ウォーターなど液体と気体の鉱物が3種ある。鉱産地は1万8000カ所近くあり、そのうち大中型鉱産地は7000余カ所ある。
中国の鉱物資源の基本的特徴は次の通り。
- 資源総量が大きく、鉱物の種類がわりに揃っている。中国の確認済み鉱物資源の種類はわりに多く、資源総量はわりに豊富である。石炭、鉄、銅、アルミニウム、鉛、亜鉛など支柱的鉱物の確認済み資源埋蔵量がいずれもかなり大きいものである。石炭、希土、タングステン、すず、モリブデン、アンチモン、チタン、石膏、ベントナイト、硫酸ナトリウム、マグネサイト、重晶石、ほたる石、滑石、グラファイトなどの鉱物資源は世界で著しい強みを持っている。地熱、ミネラル・ウォーターの資源が豊富であり、地下水の質は全般的に見てわりによいものである。
- 一人当たりの資源量が少なく、一部資源の需要と供給がアンバランスである。人口が多く、一人当たりの鉱物資源量が少ないのは中国の基本的国情である。中国の一人当たり鉱物資源保有量は世界では少ない方である。ダイヤモンド、プラチナ、クロム鉄鉱、カリ塩など鉱物資源の供給が需要になかなか追いつかない。
- 良質の鉱物と劣悪な鉱物が並存し、良質の鉱石もあれば、品位が低く、成分が複雑な鉱石もある。タングステン、すず、希土、モリブデン、アンチモン、滑石、マグネサイト、グラファイトなど鉱物資源の質はわりによいが、鉄、マンガン、アルミニウム、銅、燐など鉱物資源は貧鉱が多く、共生鉱と随伴鉱が多く、選び出して精錬するのが困難な鉱物が多い。
- 確認済み資源埋蔵量の中で地質コントロール程度の低い部分の占める割合が大きい。確認済み資源埋蔵量の構造の中で、資源量が多く、埋蔵量、基礎的埋蔵量が少なく、経済的に利用できないかあるいは経済的意義が未確定の資源埋蔵量が多く、経済的に利用できる資源埋蔵量が少なく、把握と推定の資源埋蔵量が多く、確認された資源埋蔵量が少ない。
- 鉱物生成の条件がよく、探査作業を通じてより多くの鉱物資源を探し出す見通しが明るい。石油、天然ガス、金、銅などの鉱物資源を探す潜在力が大きい。旧い鉱山の深部、周辺と西部地区は重要な鉱物資源代替区である。中国は世界で一番早く鉱物資源を開発、利用した国の一つである。新中国成立後、中国政府は地質作業を大いに強化し、地質作業が国民経済建設より先行することを明確に要求した。「鉱業開発」という戦略的方針を打ち出すとともに、すべての5カ年計画期に、鉱物資源の探査・開発について配置を行った。鉱物資源の探査・開発は極めて大きな発展をとげ、中国はちくじ世界の鉱物資源大国と鉱業大国になった。鉱物資源の探査・開発は経済建設に多くのエネルギーと原材料を提供し、重要な財政収入源を提供し、区域経済、特に少数民族地区、辺境地区の経済発展を推進し、鉱物資源の開発を支柱産業とする鉱業都市(町)の興起と発展を促し、多くの社会労働力の就職を解決し、国民経済と社会発展に重要な貢献をした。
- 多くの鉱物資源を相継いで発見、確認した。大慶油田を代表とする多くの油田と天然ガス田は、中国を石油資源の乏しい国から世界の主要な産油国の一つに変えた。バイユンオボの希土類金属鉱、徳興の銅鉱、金川のニッケル鉱、柿竹園のタングステン鉱、欒川のモリブデン鉱、アシュレの銅鉱、焦家の金鉱、玉竜の銅砿、大廠のすず鉱、廠?と蘭坪の鉛・亜鉛鉱、東勝――神木炭田、紫金山の銅・金鉱、ヤンバジェンの地熱田など多くの重要な鉱床が発見、拡大された。重要な地下水の給水源が多く発見、確認された。西部地区の鉱物資源集中区域は鉱物探しの明るい見通しをちくじ顕示している。多くの旧い鉱山の周辺あるいは深部で新しい資源が発見された。新しい国土資源の大調査は続々と多くの成果をあげた。50年余りの鉱物資源探査作業は、中国を鉱物資源状況のはっきりしない国から世界の鉱物資源大国に変え、確認済みの地下水源地が少ない状況から全国の給水の中で地下水が重要な役割を果たす状況に変えた。それと同時に、すぐれた伝統と作風および十分な技術力をもつ地質探査陣が形成され、中国の経済建設に重要な貢献をした。
- 鉱物資源の開発規模が急速に拡大する。1949年、中国で比較的に完備している鉱山はわずか300余カ所で、年間原油12万トン、石炭3200万トン、鋼16万トン、非鉄金属1万3000トン、黄鉄鉱1万トン、燐10万トン足らずを生産した。50余年の努力を経て、中国は相前後して大慶、勝利、遼河などの大型石油基地、大同、?州、平頂山、「両淮」、ジュンガルなどの石炭基地、上海、鞍山、武漢、攀枝花などの大型鉄鋼基地、白銀、金川、銅陵、徳興、個旧などの大型非鉄金属基地、開陽、昆陽、雲浮などの大型化学工業鉱山基地を作り上げ、エネルギーと原材料鉱産物の強大な供給システムを形成した。多くの鉱業都市が次々とつくられて、中国の都市化建設を促進した。現在、中国の鉱産物の生産量と消費量は世界の上位を占めている。2002年、中国に、大型鉱山があわせて489カ所、中型鉱山が1025カ所、小型鉱山と砂利・粘土採掘場が14万余カ所あり、従業員は907万人に達した。鉱業生産額は4542億元であった。原油を1億6700万トン、天然ガスを327億立方メートル生産した。鉱石、砂利、粘土の採掘量は48億4900万トンで、そのうち原炭は13億8000万トン、鉄鉱石は2億3100万トン、燐鉱石は2301万トンであった。10種の非鉄金属の生産量は1012万トンであった。現在、中国の原炭、鋼、10種の非鉄金属とセメントの生産量は世界第1位を占め、燐鉱石と黄鉄鉱の生産量はそれぞれ世界第2位と第3位を占め、原油の生産量は世界第5位を占めている。国有の鉱山企業は中国の鉱物資源開発の支柱であり、エネルギー、原材料工業の安定した供給基地でもある。原油、天然ガスおよび36%のその他の鉱石生産量は7679社の国有鉱山企業が生産したものである。国有の鉱山企業は工農業発展の基礎を築いただけでなく、人民の生活レベルと総合的国力の向上にも重要な貢献をした。1980年代中期以来、多種経済要素の鉱山企業も急速な発展をとげた。非国有の鉱山企業は14万社に達し、そのうち香港、澳門、台湾の業者が投資した鉱山企業は132社あり、外国業者が投資した鉱山企業は160社ある。
- 鉱物資源の保護と合理的利用はちくじレベルアップしている。50余年来、中国の物理探査、化学探査、リモート・センシング、ボーリングによる探査、洞窟探査など鉱物資源の探査技術と実験、テスト、計算の技術は大きな進展をとげ、鉱物資源探査の科学技術レベルを向上させた。鉱物資源の総合的利用と回収利用の成果が著しく、資源利用率はちくじ上昇している。現在、中国で廃棄された鋼の回収率は40%で、廃棄された非鉄金属の総合回収率は27.70%である。プラチナと希有元素のほとんどは総合的利用から来たものであり、硫酸を作る原料も3分の1近くが非鉄金属の生産過程で総合的に回収したものである。一部の鉱山企業は石炭に随伴するガス、オイル・シェール、カオリン、高アルミナ粘土を総合的に開発し、ぼた、石炭灰を加工し、利用して、良好な経済効果と環境効果をあげた。
- 鉱産物の対外経済貿易は急速な発展をとげている。2002年の中国の鉱産物および関係あるエネルギーと原材料の輸出入総額は1111億ドルで、全国輸出入総額の18%を占めた。原油、鉄鉱石、マンガン鉱石、銅精鉱、カリ肥料の輸入量が大きく、鉛、亜鉛、タングステン、すず、アンチモン、希土、マグネサイト、ほたる石、重晶石、滑石、グラファイトなど強みのある鉱産物の輸出量が大きい。中国の鉱物資源分野の対外協力が絶えず拡大されている。海底オイル・ガス資源の対外共同探査を通じて、新しい油田と天然ガス田を陸続と発見し、海底のオイル・ガス生産量は年を追って増えている。国外でのオイル・ガス資源の探査・開発はすでに一定の規模を備え、国外での固体鉱物資源の探査・開発も始まっている。炭層ガス分野でいくつかの国と長期の研究開発協力関係を樹立している。
中国は鉱物資源の探査・開発の面で依然としていくつかの矛盾と問題に直面しているが、主なものは次の通り。
- 経済の急速な成長と一部鉱物資源の大量消耗との間に矛盾がある。石油、(リッチ)鉄、(リッチ)銅、良質ボーキサイト、クロム鉄鉱、カリ塩などの鉱物資源の供給は需要になかなか追いつかない。東部地区の地質の鉱物探しの難度が増大し、確認済み埋蔵量の増加速度がスローダウンしている。一部鉱山の採掘は中・末期に入り、埋蔵量と生産量は年を追って減少している。
- 鉱物資源の開発・利用面の浪費現象と環境汚染が依然として際立っている。鉱山採掘の配置があまり合理的でなく、探査と採掘の技術が立ち遅れ、資源の消耗と浪費がかなり大きく、鉱山の環境保全をいっそう強化する必要がある。
- 地区間の鉱物資源の探査・開発がアンバランスである。西部地区と中部の辺境地区の資源は豊富であるが、自然条件が悪く、生態環境が脆弱で、地質調査評価作業の程度が低く、資源開発を制約している。
- 鉱物資源探査・開発の市場化の程度が高くない。探査権と採掘権の市場システムはいっそうの健全化が待たれている。鉱物資源の管理秩序は引き続き整頓し規範化させる必要がある。鉱物資源分野の国際交流と協力は拡大する必要がある。
2.鉱物資源の保護と合理的利用の目標と原則
21世紀の最初の20年に、中国はいくらかゆとりのある社会を全面的に建設し、鉱物資源に対する総需要量は持続的に大きくなるだろう。中国は鉱物資源の調査、探査、開発、計画、管理、保護、合理的利用を強化し、持続可能な発展の戦略を実施し、新しいタイプの工業化の道を歩み、経済と社会の発展に対する鉱物資源の保障能力の増強に努める。中国は引き続き秩序井然、有償、需給均衡、構造最適化、集約・高効率の要求に基づき、効果的な鉱物資源政策の実施を通じて、鉱物資源の経済効果、社会効果、環境効果を最大限に発揮する。
中国の21世紀初期の鉱物資源の保護と合理的利用の全般的な目標は次の通り。
- いくらかゆとりのある社会の全面的建設に対する鉱物資源の保障能力を高める。鉱物資源の探査・開発への効果ある投入を増大し、探査・開発の分野と深さを拡大し、鉱物資源の保護を強化し、鉱物資源の供給を増やす。対外開放を拡大し、積極的に国際協力に参与する。戦略資源備蓄制度を確立し、国の経済と人民の生活にかかわる戦略的な鉱物資源を必要に応じて備蓄し、国の経済の安全と鉱産物の持続的な安定供給を確保する。
- 鉱山の生態環境の改善を促進する。鉱物資源の採掘、選鉱、精錬などが資源環境にもたらす破壊と汚染を減らし、規制し、鉱物資源開発と生態環境保全の良性循環を実現する。鉱山環境保全の法律と法規を整備し、鉱山の生態環境保護面の法律執行状況の検査と監督を強化する。宣伝と教育を強化し、鉱山企業と社会全体の資源環境保全意識を高める。
- 公平に競争して発展をはかる環境をつくる。社会主義市場経済体制確立の要求と鉱物資源探査・開発の運行法則に従って、鉱物資源管理の法律、法規をいちだんと整備し、鉱物資源政策を調整し、完全なものにし、投資環境を改善し、良好な情報サービスを提供し、市場を主体とする平等な競争と公開し、秩序があり、健全で、統一した市場環境をつくる。
上記の目標を実現したあと、中国は引き続き次の原則を堅持する。
- 持続可能な発展の戦略をあくまで実施する。資源保護の措置を実行に移し、経済発展と資源保護の関係を正しく処理する。保護しながら開発し、開発しながら保護する。鉱物資源の探査を強化し、資源を合理的に開発し、節約して使用し、資源の利用効率を高めるように努め、科学技術を多く使い、経済効果がよく、資源消耗と環境汚染が少なく、人的資源の強みが十分に発揮される新しいタイプの工業化の道を歩むようにする。
- 市場経済体制の改革の方向を堅持する。国の産業政策と計画の導きの下で、鉱物資源配置における市場の基礎的役割を十分に発揮し、政府のマクロコントロールと市場運営が結びつく資源の最適化配置メカニズムを確立する。鉱物資源の開発総量に対するコントロールを強化し、探査権と採掘権市場を育成し、規範化させ、鉱物資源の探査・開発への投資多元化と経営規範化を促進し、所有者としての国および探査権と採掘権を有する人の合法的権益を確切に守る。
- 区域の鉱物資源の探査・開発と環境保全の協調的発展を堅持する。東部地区と西部地区、発達地区と未発達地区、鉱物資源の探査と開発、国有鉱山企業と非国有鉱山企業、スケール開発と小型鉱山の採掘の関係を統一的に計画し、正しく処理する。西部大開発戦略を推進し、西部地区の鉱物資源特に強みをもつ鉱物と品不足の鉱物の探査と開発を速め、鉱業都市、旧い鉱山の代替資源探しを支持し、区域経済の協調的発展と鉱物資源の探査・開発の健全な発展を促進する。鉱物資源の開発と民族地区の利益への配慮を結びつけることを堅持する。予防を主とし、防除を結びつける方針に基づいて、鉱山環境の保護と回復・管理を強化する。
- 対外開放と協力の拡大を堅持する。投資環境を改善し、外国投資家の中国の鉱物資源探査・開発を奨励し、そのように引き付ける。WTOのルールと国際通用の方法に基づいて鉱物資源の国際協力を展開し、資源の相互補充と互恵を実現する。
- 科学技術の進歩とイノベーションを堅持する。科学技術によって国家振興の戦略を実施し、鉱物資源の調査・評価、探査・開発および総合利用、鉱山の環境汚染防除などカギとなる技術の難関突破と成果の普及・応用を強化し、新しいエネルギー、新しい材料・技術と海底鉱物資源の開発などのハイテクの研究と開発を強化し、新理論、新方法、新技術などの基礎研究を強化する。勤労者の資質を向上させ、先進的な科学と理論を身につけ、イノベーションの能力をもつ鉱物資源探査・開発の科学技術陣と人材を多く育成し、鉱物資源の探査と開発が在来の産業から近代的な産業へ、労働集約型から技術集約型へ、粗放経営から集約経営に転換するのを促進する。
- 法に依る鉱物資源の厳格な管理を堅持する。法制を健全にし、法に依る行政を大いに推進し、鉱物資源の探査・開発に対する監督・管理を強化する。鉱物資源の管理秩序を整頓し、規範化させ、鉱物資源の保護と合理的利用の法制化、規範化、科学化を促進する。
3.国内の鉱物資源供給能力を増強
中国は主に自国の鉱物資源とその他の天然資源の開発に頼って経済を発展させている。いくらかゆとりのある社会を全面的に建設する過程で、まず国内の鉱物資源供給能力を高めることに立脚する。中国の鉱物資源の探査・開発潜在力はかなり大きいものである。全国で発見された20余万カ所の鉱山と鉱化地のうち、すでに探査評価を行ったところはわずか2万余カ所である。1980年代以来、鉱化が異常なところを7万2000カ所発見し、2万5000カ所検査し、217カ所の鉱床を発見した。残りは鉱物探しの見通しが明るいもので、異常検査を行っていない。西部の広大な地域、東部地区の奥地、管轄海域の地質作業の程度は高くなく、ブランクの区域が多く残っている。これらはいずれも今後の中国国内鉱物資源の探査・開発の方向である。
中国政府は社会主義市場経済体制確立の要求に基づいて、鉱物資源探査体制の改革を深化させ、公益性、基礎性の地質調査の評価と戦略的鉱物資源探査を商業ベースの鉱物資源探査と分けて行うようにしている。1998年に中国地質調査局を設立し、新しい国土資源大調査を展開し、基礎調査計画、鉱物資源調査評価プロジェクト、資源調査と利用技術発展プロジェクトを実施し、地質作業の程度が低い地区の基礎地質調査と鉱物資源の将来性の評価、特に西部地区の鉱物資源潜在力の調査評価と品不足の鉱物資源の調査評価を重点的に展開し、鉱物資源計画および政府の管理と政策決定に科学的根拠を提供し、商業ベースの鉱物資源探査に地質、鉱産の基礎情報を提供する。国の出資する戦略的な鉱物資源探査作業は商業ベースの鉱物資源探査への投資を促し、将来鉱化する一部の区域は商業ベースの鉱物資源探査への投資が関心を寄せるホットスポットとなっている。
中国政府は計画の要求に合致し、市場のニーズを方向とし、経済効果を中心とする商業ベースの鉱物資源探査活動を奨励するとともに積極的に導いている。中・西部地区、辺ぴな地域および少数民族地区など経済が発達しておらず、かつ資源潜在力のある地区で商業ベースの鉱物資源探査を展開するのを奨励する。鉱山企業が市場のニーズと資源潜在力のある旧い鉱山の周辺あるいは深部で商業ベースの地質探査作業を展開し、新しい代替資源を探すのを奨励する。以前国が出資して探査して形成された鉱産地については、投資家が公平な競争を通じて探査権と採掘権を取得するのを奨励する。石油、天然ガス、炭層ガス、灰分と硫黄の少ない石炭、良質マンガン、クロム、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、プラチナ族金属、カリ塩など鉱物資源の商業ベースの探査を展開するのを奨励する。地熱、ミネラル・ウォーターと地下水資源を科学的、合理的に開発し、節約を励行し、良質な水を優先的に使い、汚染を防除する。
中国は次の措置をとって国内の鉱物資源供給能力を増強する。
- エネルギー鉱物資源の探査・開発にいっそう力を入れる。中国の石炭資源は豊富であり、石炭の中国のエネルギーの主体としての地位はいまのところ大きな変化が生じるようなことがない。しかし、石炭を主とするエネルギー構造は、大気環境をゆゆしく汚染するため、エネルギー構造は若干の調整を行う必要がある。中国は石炭資源と水エネルギー資源を十分に利用して、石炭の洗浄・選定・加工、液化、ガス化などを主要な内容とする石炭のクリーン技術を発展させる。石炭開発は東部地区の生産規模を定着させ、山西省、陝西省、内蒙古自治区を重点的に開発し、南西地区を合理的に開発し、新疆ウイグル自治区、甘粛省、寧夏回族自治区、青海省の石炭資源を適当に開発する。炭層ガスの開発にいっそう力を入れる。中国の石油資源はわりに豊富であるが、需要と比べて相対的に不足している。オイル・ガス供給の不十分な問題を解決するには、まず国内のオイル・ガス資源の開発・利用に立脚する。西部地区はすでに豊富なオイル・ガス資源を発見し、新彊のタリムとジュンガル、陝西省、甘粛省、寧夏回族自治区、山西省、内蒙古自治区のオルドスと青海省のツァイダムなどの盆地の開発の見通しは明るいものである。渤海海域も重大な発見がある。石油資源の探査・開発は、東部を深化させ、西部を発展させ、海底を加速することを踏まえて、古い油田区域の探査作業を重点的に強化し、新しい地層と地区で新しい油田を発見して、石油の確認済み埋蔵量を増やし、合理的な石油自給率を維持する。天然ガスの探査・開発は、西部の天然ガスを東部に送る沿線のタリム、オルドス、ツァイダム盆地と四川・重慶地区および海底の東海盆地を重点として、埋蔵量と生産量を増やし、中国のエネルギー構造をちくじ改善する。
- 区域の地質と鉱物の探査・開発の合理的配置を促進する。中国西部地区の鉱物資源はわりに際立った強みをもち、集中的に分布し、強みをもつ支柱産業を形成する資源的基盤が備わっている。全国で資源埋蔵量が確認された158種の鉱物のうち、西部地区は138種ある。西部地区の石炭、オイル・ガス、カリ塩、クロム鉄鉱、希土、燐、ニッケル、バナジウム、マンガン、銅、アルミニウム、亜鉛など30余種の鉱物資源は全国でわりに強みを持っている。西部大開発戦略を実施し、インフラ建設と生態建設にいっそう力を入れることは、西部地区の資源およびその生産物をすみやかに国内外市場とつながりを保たせるのに役立ち、この結果、鉱物資源の開発と鉱産物の市場進出の条件がこの上なく大きく改善される。中国政府は、西部地区の鉱物資源集中地区を重点として、石油、天然ガス、炭層ガス、良質石炭、銅、金、良質マンガン、カリ塩、地下水などの鉱物資源に対する商業ベースの探査を行い、西部地区の石油、天然ガス、非鉄金属、カリ塩、燐などの鉱物資源に対する合理的開発と高度加工を推し進め、資源的強みの経済的強みへの転化を速めるのを奨励する。中・東部地区では、鉱物資源潜在力の発掘、総合的利用の強化、鉱物資源加工産業チェーンの拡大に重点を置く。国の産業構造調整目標に基づいて、タングステン、すず、アンチモン、鉛、亜鉛、希土などの鉱物資源探査を行う。中・東部地区の非金属鉱物開発の地理的、技術的強みを十分に発揮し、非金属鉱物の高度加工レベルと集約化利用の程度を高め、新しい応用分野を開拓し、市場競争力を増強する。同時に、中・東部地区の旧い鉱山で代替資源を探す。中国管轄の海域には豊富な鉱物資源が埋蔵されており、中国政府は海域のオイル・ガス資源の探査・開発およびその他の鉱物資源の研究を引き続き強化し、国際海底鉱物資源の研究と探査・開発活動に積極的に参与する。
- 鉱物資源開発・利用の構造調整を加速する。中国の鉱物資源採掘の集約化、現代化の程度がわりに低いため、構造の最適化、技術の革新、管理の強化が必要である。中国は鉱物資源開発・利用構造の調整を加速し、生産能力を増強し、効果を高める。鉱山企業の技術改造とメカニズム転換を通じて、鉱物資源の探査・開発面でのクリーン生産の積極的推進、成熟した技術とハイテクの応用を奨励し、鉱物資源の探査・開発レベルを高める。スケール開発を行い、集約化レベルを高め、立ち遅れ、分散した採鉱能力を淘汰する。許可なしで採掘し、環境を汚染し、資源を浪費し、安全生産の条件を備えていない鉱山企業を法によって整理、閉鎖する。市場と政策の導きで、国際競争力を持つ鉱山企業グループを発展させ、非国有鉱山企業の発展を引き続き支持、援助する。
- 鉱物資源の総合的利用レベルを高める。中国の確認ずみの鉱物資源のうち、質がよくなく、現在の技術・経済条件の下で利用できないものがかなりあり、これら資源の開発・利用は中国の鉱物資源の供給問題を解決する重要なルートの一つである。中国政府は、鉱物資源集中地区のインフラ建設を強化し、鉱山建設の外部条件を改善し、ハイテクを利用し、開発コストを引き下げるなどの措置をとって、経済的にあまり利用できない資源の経済的に利用できる資源への転化を加速するのを奨励する。資源の総合的利用は中国の鉱物資源探査・開発の重要な技術経済政策である。中国は、鉱物資源に対する総合的探査、総合的評価、総合的開発、総合的利用を実行し、鉱山企業が質がよくなく、選鉱と精錬が難しい資源、代替資源、再生資源を開発、利用して、資源供給源を拡大し、生産コストを引き下げるのを奨励、支持し、鉱山企業が「三廃」(固体、液体、気体廃棄物)の総合的利用の科学技術難関突破と技術改造を展開するのを奨励し、廃棄旧金属と再生資源の回収・利用を奨励し、非伝統的鉱物資源を積極的に開発する。中国は1985年に「資源の総合的利用の若干問題に関する暫定規定」を公布、実施し、1996年に「資源の総合的利用のいちだんの展開に関する意見」を公布、実施し、また「資源総合的利用リスト」を公布し、企業所得税、増値税などの面で鉱物資源の総合的利用に対し優遇政策を実行し、鉱山企業が科学技術の進歩と革新に頼って資源の総合的利用レベルを高めるのを奨励する。
- エネルギーを節約し、消耗を減少する。中国は鉱産物の高度加工技術、新エネルギー、新素材の技術、エネルギー、材料、水を節約し、消耗を減少する技術とプロセスを発展させ、資源利用率を高めるのを奨励する。再生可能なエネルギーと原子力発電を発展させ、クリーン石炭と炭層ガスの利用を拡大し、石炭の直接燃焼比率を引き下げる。新型金属、新型非金属および通常の鉱物材料の代替品を発展させ、通常の鉱物材料への経済と社会の依存度を低下させる。
- 戦略的鉱物資源の備蓄制度を確立する。中国は鉱物資源の需給現状および実際の国力に基づいて、重要な戦略的資源を逐次備蓄するようにする。
- 旧い鉱山の資源代替問題を逐次解決する。中国の一部の国有大・中型鉱山の採掘は中・末期に入り、代替資源が不足している。一部の旧い鉱山企業は資源枯渇のため経営難に直面している。中国政府は政策面から扶助を強化し、鉱物資源の探査・開発の特徴に照らして合理的な財政・徴税政策を制定し、その生存と発展のために良好な外部条件を整える。大型の旧い鉱山で代替資源探しを行い、一部の旧い鉱山を資源枯渇の苦境から抜け出させ、その経営年限を延長させる。
4.鉱物資源探査・開発の対外開放と協力を拡大
中国は確固として対外開放政策を実行し、互恵互利を基礎として、鉱物資源分野の国際協力に積極的に参与し、国内外の資源、資本、情報、技術、市場の交流を推進する。
中国は外商が中国に投資して鉱物資源を探査、開発するのを奨励する政策を実行する。中国は、国内の鉱山企業が外国の鉱業会社と協力し、国際の先進的な経験を参考にし、先端技術を導入し、国際慣行に基づいて運営するのを奨励する。中国の石油工業は1982年から対外開放を始め、国外の資金と技術を利用して、オイル・ガス資源の共同探査・開発を行い、開発範囲を逐次拡大し、原油生産量を大幅に高め、現在は国外のオイル・ガス資源開発に参与している。中国政府は、外商投資環境のいっそうの改善、対外開放拡大、国際協力強化の面で、一連の新しい措置をとったかあるいはとり始める。
- 外商の対中国投資をいちだんと奨励する。中国は1999年8月に「当面の外商投資の一段の奨励に関する意見」を、2002年3月に改正後の「外商投資産業指導リスト」を、2000年6月に「中・西部地区の外商投資が強みをもつ産業リスト」をそれぞれ公布し、外商投資企業に対する金融面からの支持強化を明らかにし、外商投資企業の技術イノベーション、中国国内での買い付け拡大、外商の中・西部地区への投資を奨励し、外商投資企業に対する管理とサービスをさらに改善する。
- オイル・ガス資源探査・開発の対外協力をさらに完全なものにする。オイル・ガス鉱物資源の分野で中国政府が実行してきた一つの「窓口」による対外事務処理および製品分益契約を基礎とする石油対外協力方式は、外国の石油会社に広く受け入れられている。2001年9月、中国は改正後の「海洋石油資源対外協力採掘条例」と「陸地石油資源対外協力採掘条例」を公布した。
- 外商のその他の鉱物資源探査・開発への投資を奨励する。2000年10月、中国は「非オイル・ガス鉱物資源の探査、採掘への外商投資を一段と奨励することに関する若干の意見」を公布して、探鉱権と採鉱権市場をさらに開放し、外商が中国国内で独資あるいは中国側との協力の方式でリスク探査を行うのを認め、探査作業区で発見された採掘の経済価値のある鉱物資源に対し、法定の優先的採掘権を享有するのを保障し、外商が投資して取得した探鉱権、採鉱権は法によって譲渡することができ、外商が投資して共生(随伴)鉱を採掘、回収し、尾鉱を利用し、総合的利用率を高め、西部地区で鉱物資源を探査、採掘する場合、相応の鉱物資源補償費減免の優遇政策を享受することができ、外商が独資あるいは中国側との合資・合作で「外商投資産業指導リスト」にある奨励類鉱物資源を採掘する場合、鉱物資源補償費の納付を5年間免除する。各級政府部門が合資・合作による鉱山運営に参与してはならず、外商に不合理な経済的要求を出してはならず、むやみな検査、費用分担をしてはならず、法律と法規の規定外の費用の徴収を増加してはならない。
- 国内の鉱物資源探査・開発の投資環境を一段と改善する。中国政府はWTO加盟議定書と関係の約束を忠実に守り、鉱物資源の管理分野では、WTOのルールに合致しない行政法規と関係部門の規定を整理し、外商の鉱物資源探査・開発に内国民待遇を与えている。中央政府は、鉱物資源の探査・開発に関する国の政策、法律、法規の各地での統一的実施を確保し、各級政府の外商投資による鉱山運営に対する管理行為を規範化させる。WTOの透明度原則に基づいて、地質資料管理方法を改正し、大衆向け地質資料の範囲を拡大し、一般向けの鉱物資源情報サービス・システムを確立し、外商の大衆向け地質資料の使用を確保している。外商の鉱物資源探査・開発の審査・認可手続きを明確化、簡素化、規範化させた。
- 導入メカニズムと経営方式を転換する。中国は新しいタイプの工業化の道を歩む過程で、外商を鉱物資源の探査・開発に引きつける面で、単に資金導入を強調することから資金、技術、現代化管理の導入と優秀な人材の導入を同時に重視する方向に転換し、単に鉱物資源の探査・開発面の外資導入を重視することから鉱業サービス貿易分野での合資・合作をより多く発展させることに転換し、主に対外借款と外国直接投資に依拠することから国際鉱業資本市場を直接利用する方式に転換する。
中国は引き続き互恵互利の原則にのっとり、鉱産物の国際貿易拡大を通じて、鉱物資源生産物の相互補完を実現し、鉱産物貿易の発展を促進する。中国政府はWTOのルールおよびWTO加盟時の約束に基づいて、統一的な鉱産物輸出入政策を制定し、強みのある鉱産物の輸出と品不足鉱産物の輸入を統一的に協調し、鉱産物の輸出入構造を調整し、経済効果を高め、高度加工して付加価値の高い鉱産物の輸出と初級鉱産物の輸入を奨励する。鉱産物の直接輸入は依然として中国が今後のかなり長い期間に国外の鉱物資源を利用する主要な方式である。中国政府は、原油を含む鉱産物の現物貿易の比重が大きすぎる現状を逐次改め、外国の企業と商品供給の長期契約を締結するのを奨励し、多次元、全方位の輸入を実行する。タングステン、すず、アンチモン、希土、ほたる石、重晶石など中国の在来の強みをもつ鉱物資源に関しては、その輸出構造を改善し、輸出品の付加価値を高め、輸出の経営秩序を規範化させ、業界仲介組織の業界間協調と自律を積極的に推し進め、国内外鉱産物貿易の健全な発展を促進する。
中国政府は、国内企業が鉱物資源分野での国際協力に参与し、国外の鉱物資源を探査、開発、利用するのを奨励し、国際慣行に従って国外での鉱物資源の探査・開発・投資を促進、保護し、投資と経営行為を規範化させ、地質調査と鉱物資源探査・開発分野の対外協力を積極的に展開し、二国間と多国間の科学技術交流と協力を拡大する。
5.鉱物資源開発と環境保全の協調的発展を実現
鉱物資源の探査・開発は鉱山周辺の生態環境を変え、それに影響を及ぼす。中国政府は、鉱物資源を開発、利用する時の環境保全と汚染防除を非常に重視し、鉱物資源開発と環境保全を同時に発展させている。中国がこれまで公布、施行した法律と法規は、鉱山の環境保全、汚染防除、土地再開墾について明確な規定を行っている。中国政府は引き続き鉱山の環境保全を強化し、次のいくつかの面の活動にいっそう力を入れる。
- 鉱物資源の開発・利用と生態環境保全を共に重視し、予防を主とし、防除を結合する方針を引き続き堅持する。鉱山環境影響評価レポート制度、土地再開墾制度、汚染物排出費徴収制度を厳格に実行する。鉱山建設と鉱山環境保全施設を同時に設計、施工、使用する「三つの同時」制度を厳格に実行する。企業が鉱物資源を探査、採掘する過程でクリーンかつ安全な生産を行うように積極的に導く。
- 生態環境にわりに大きな影響を与える鉱物資源の開発を制限する。自然保護区およびその他の生態脆弱地区では、鉱物資源の探査・開発活動を厳格に規制する。自然保護区、重要な景勝地、重要な地質遺跡保護区での鉱物資源採掘を禁止し、生態機能保護区での鉱物資源採掘を厳格に規制する。在来の方法によるコークス化、金属精錬、硫黄精錬、明礬精錬などを厳格に禁止し、硫黄含有量が1.50%を超す炭鉱の新規建設と改造を制限し、硫黄含有量が3%を超す炭鉱の新規建設を禁止する。地質災害の起こりやすい地区での鉱物資源の採掘を制限し、地質災害の危険がある地区での鉱物資源の採掘を禁止する。認可なしで鉄道、幹線道路両側の一定距離以内で鉱物資源を採掘してはならない。
- 鉱物資源開発プロジェクトを新たに実施するに当たって、その生態環境に及ぼす影響について論証を行い、生態環境保全措置をとって、空気、水、耕地、草原、森林、海洋などに与える不利な影響と破壊を避けるかまたは減らすようにすべきである。鉱物資源の開発・利用案には、水土保護案、土地再開墾実施案、鉱山地質災害防除案、地質環境影響評価レポートが含まれ、規定に従って上級に報告して認可を得るべきである。鉱山の「三廃」整備に対する監督・管理を強化し、厳格に国の定めた基準で廃気の排出を規制し、鉱山の有毒・有害廃水と汚染物に対する監督・管理、調査・処分にいっそう力を入れる。
- 鉱山環境に対する調査、モニターリング、災害防除を強化する。国は全国の鉱山生態環境に対する調査・評価を行う。鉱山企業は鉱山の開発過程で誘発する可能性のある災害に対する調査、モニターリング、予報と事前警戒を強化し、すかさず効果ある防除措置をとるとともに、現地政府の主管部門にモニターリング・レポートを提出しなければならない。情報ネットワークを確立し、前もって災害防止・減少案をちゃんと作成し、突発的災害の発生を最大限に避けるようにする。
- 多次元の鉱山環境保全投資メカニズムを確立する。鉱山環境保全と土地再開墾約束実行保証金制度を確立し、政府の指導と市場の運営を通じ、鉱山環境の効果的回復と整備を確保する。廃棄鉱山と旧い鉱山に対しては、国はプロジェクトを公開する基礎の上で、生態環境の回復、整備にいっそう力を入れ、また社会資金の投入を奨励する。生産を行う鉱山では、鉱山企業を主とする環境整備投資メカニズムを確立する。新規建設する鉱山では、企業が整備資金を負担する。
6.鉱物資源の管理を強化
新中国成立50余年来、中国の鉱物資源管理はちくじ強化されるとともに、法制化、規範化、科学化の軌道に乗り始めている。
- 鉱物資源管理の法律、法規を制定し、ちくじ整備している。中国はすでに憲法を基礎とし、鉱産資源法および関係ある法律、法規で構成される鉱物資源の法体系が確立されている。1982年以来、中国の立法機関は陸続と鉱物資源法、土地管理法、石炭法、鉱山安全法、環境保全法、海洋環境保全法、海域使用管理法などの法律を公布、施行し、また「鉱物資源法実施細則」、「海洋石油資源対外協力採掘条例」、「陸地石油資源対外協力採掘条例」、「鉱物資源探査区域登録管理規則」、「鉱物資源採掘登録管理規則」、「探鉱権採鉱権譲渡管理規則」、「鉱物資源補償費徴収管理規定」、「鉱物資源監督管理暫定規則」、「地質資料管理条例」など20余件の付属法規と規則を公布、施行し、各省、自治区、直轄市も関係ある地方法規を制定した。これらの法律と法規は中国の鉱物資源管理の基本的法律制度を確立し、法による行政、法による鉱山管理、法による鉱山経営に法的保障を提供した。
- 鉱物資源管理体制の改革を深化する。経済体制改革の要求に絶えず適応するため、中国は鉱物資源管理体制を改革し、政府の機能を転換、強化し、行政と企業の分離、行政と事業体の分離を実行している。1950年から1981年にかけて、鉱物資源はそれぞれ元地質部と関係工業管理部門によって管理され、地質部門は主に全国の地質探査、鉱物資源埋蔵量管理、地質資料の収集・管理などを担当し、関係工業管理部門は鉱物資源の採掘管理を担当した。1982年、地質部は地質鉱産部に改名し、鉱物資源の開発・監督・管理と地質探査業種管理を担当することになった。1988年と1993年に政府機構改革が行われた際、地質鉱産部の地質鉱物資源に対する総合的管理、地質探査活動に対する業種管理、地質鉱物資源の合理的開発・利用・保護に対する監督・管理、および地質環境に対するモニターリング・評価・監督管理など四つの基本的機能がいちだんと明らかにされた。中央政府の鉱物資源に対する統一的管理を強化し、鉱物資源の国家所有権を守るため、1996年1月、全国鉱物資源委員会を発足させた。1998年の政府機構改革で、元国家計画委員会、石炭、冶金など関係ある工業部門の鉱物資源管理機能を国土資源部に移し、全国の鉱物資源の統一的管理を実現した。現在、全国の90%以上の地区(市)と80%以上の県では、地質鉱産行政管理機構が設けられた。
- 鉱物資源の計画管理を強化する。鉱物資源計画は鉱物資源の探査・開発・利用の指導的文書で、マクロコントロールを実施する根拠である。中国政府は、鉱物資源の計画管理をいちだんと強化し、計画システムを完全なものにし、計画責任、計画審査、計画公告、計画作成・改正、計画監督などの制度を厳格にし、計画のPRを強化し、計画実施保障と情報フィードバック・システムを確立し、計画目標の実現を確保している。
- 探鉱権・採鉱権管理制度を改革する。中国の憲法と鉱物資源法は、「鉱物資源は国家所有」と明確に規定している。国務院が国の鉱物資源所有権を行使する。これと同時に探鉱権・採鉱権管理制度を改革し、探鉱権と採鉱権の財産権の性質を明確にし、探鉱権と採鉱権の有償取得と法による譲渡制度を確立した。探鉱権を有する人が探査区内の採鉱権を優先的に取得する法律制度を確立し、探鉱権と採鉱権の排他性を強化した。鉱物資源探査・採掘の審査・認可および探査許可証、採鉱許可証発行の権限を改革した。探鉱権と採鉱権は、入札、競売、公示などの競争方式を通じて、有償で取得することができる。探鉱権と採鉱権の譲渡は市場のルールにしたがうと共に、政府部門の認可を得、法によって譲渡の手続をすべきである。中国政府は引き続き財産権がはっきりし、規則が整備し、力強くコントロールし、規範的に運営する要求にしたがって、探鉱権と採鉱権市場を育て上げ、規範化させ、市場運営に対する監督・管理を強化する。
- 鉱物資源有償使用制度を健全にする。中国の鉱物資源法は、鉱物資源は有償使用制度を実行すると明確に規定している。中国政府は1994年から採鉱権を有する人から鉱物資源補償費を徴収しはじめ、中国の鉱物資源無償採掘の歴史に終止符を打った。鉱物資源補償費の徴収(海上と陸地でのオイル・ガス資源の協力採掘は鉱区使用費を納付する)は、国の鉱物資源所有者としての権益を具現し、鉱物資源の保護と合理的利用を促進する経済的奨励システムを確立した。中国政府の徴収する鉱物資源補償費は国の予算に組み入れられ、特定項目として管理され、主に鉱物資源探査に用いられる。法律・法規の規定に合致する採鉱権を有する人は鉱物資源補償費の納付を減免することができる。中国政府は、1998年から探鉱権、採鉱権を有する人から、探鉱権使用料、採鉱権使用料および国の探査出資で形成された探鉱権代金、採鉱権代金を徴収すると規定した。西部地区、少数民族地区、政府に確定された辺境貧困地区および海域で、条件にかなった鉱物資源の探査・採掘活動に従事する場合は、探鉱権と採鉱権の使用料およびその代金の納付を減免することができる。
- 鉱物資源の管理秩序を整頓し、規範化させる。良好な鉱物資源の管理秩序は鉱物資源の保護と合理的利用の前提である。1986年に鉱物資源法が公布、施行されてから、中国の立法機関は何度も法律執行状況を検査した。1995年以来、中国政府は全国で大規模な整備・整頓を展開し、段階的な成果をあげ、鉱物資源の管理秩序を好転させた。今後、中国政府は引き続き法律執行と監察にいっそう力を入れ、鉱物資源の管理秩序を整頓し、規範化させ、安全生産の監督を強化し、法によって鉱物資源の国家所有権益と探鉱権、採鉱権を有する人の合法的権益を守る。
- 政府部門のサービスレベルを高める。サービス方式を改善し、公開、透明、規範的、高効率の要求に従って、行政を公開する。各クラスの鉱産資源管理部門は、その執務制度、審査・認可事項、要件、基準、期限などを社会に公示し、社会の監督を受け入れる必要がある。内部の合同審査、窓口の事務処理、行政責任追究などの制度を確立し、健全にする。公示制度を確立し、鉱物資源の埋蔵量、探査・開発状況を公布し、地質資料の情報を逐次全社会に公開する。情報問い合わせ制度を確立し、全社会がすかさず、便利に、速く国の鉱物資源の計画、政策、法律・法規、資源埋蔵量の分類基準、探査区域の登録情報、採鉱登録情報、鉱物資源補償費の徴収率と納付方法などの情報を問い合わせることができるようにする。同時に、情報技術を大いに利用して、仕事の能率とサービスレベルを高める。
中国は人口が多く、資源が相対的に欠乏する発展途上国である。中国は引き続き改革を深化させ、開放を拡大し、確固として社会主義市場経済を発展させ、持続可能な発展の道を歩み、資源を合理的に利用、保護する。中国は以前のように資源環境の国際協力に積極的に参与し、世界諸国とともに、人類社会の持続可能な発展を実現するため、手を携えて奮進することを望んでいる。
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