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- 『ピッチブレンドからラジウムが発見されてから間もなく、M.Curieの研究室のA.Debierneはその希土類元素部分に弱い放射能を発見し、これを新元素と考えてギリシャ語の“光線”にちなみアクチニウムと命名した(1899)。一方、F.Gieselが見いだした放射性気体を生ずる希土類類似の新元素emaniumも上述のアクチニウムと同一であることも確かめられた。これは半減期21.6年の227Acである。なお、天然に存在するトリウム系列の半減期6.13時間の同位体228Acは、ThとRdThの中間体メソトリウム(MsTh1)の娘MsTh2としてO.Hahn(1908)により発見報告された。可秤量の227Acの純粋分離は、共存するランタンとの分離が困難なため1950年までは成功しなかったが、イオン交換樹脂の開発がこの困難を克服した。一方、そのころ原子炉内で精製されたラジウムを照射すると、マクロ量の227Acがより容易に得られることとなった。純金属は、フッ化物をリチウム蒸気存在下で高温加熱して得られる。』
放射性核種
(放射性同位体) |
半減期 |
壊変形式 |
227Ac |
21.773年 |
β-壊変、
α壊変 |
電子構造
原子
番号 |
元素 |
原子の基底状態の
電子配置 |
原子の
基底状態 |
第1イオン化電位
E i1/V |
イオンの
基底状態 |
第2イオン化電位
E i2/V |
89 |
Ac |
[Rn]6d7s2 |
2D3/2 |
6.9 |
1S |
12.1 |
物理的特性
原子番号 |
|
89 |
原子量 |
|
[227] |
結晶構造 |
|
|
密度(20℃) |
kg・m-3 |
|
融点 |
℃ |
|
沸点 |
℃ |
|
抵抗率(0℃) |
Ω・m |
|
抵抗の温度係数(0〜100℃) |
℃-1 |
|
熱伝導率(0℃) |
W・m-1・K-1 |
|
比熱(298.15K) |
J・K-1・mol-1 |
|
熱膨張率(293K) |
K-1 |
|
ヤング率 |
Pa |
|
【地圏】(mg/kg)
- 花崗岩:10-12(228Ac)。玄武岩:8×10-14(228Ac)。
- 普通鉱物:岩石中に235U/232Thの崩壊産物、Alyら(1975)参照。
【生物圏】228Ac
- 蓄積者:Thに富む土壌の植物に15〜1000Bq/kgDM(Gopal-Ayengar and Mistry, 1962)。肝と骨に蓄積(ICRP,
1972)。
- Aly,H.F., Herpers,U. and Herr,W.(1975): J.Radioanal.Chem.,
26, 279.
- Gopal-Ayengar,A.R. and Mistry,K.B.(1962): “Radioisotopes
in Soil-Plant Nutrition Studies”, 3, I.A.E.A., Vienna.
- ICRP(1972): Publ. 19, International Commission for Radiological
Protection, Pergamon Press, Oxford, New York.
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